※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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交戦開始

「くっ!? この数はっ!?」

 

第一水雷戦隊旗艦の神通は、敵中のど真ん中で刀を振るっていた

斬っても斬っても、次々と深海悽艦は突っ込んでくる

無尽蔵と思える数に、初音島艦隊はなんとか防衛線を維持していた

だが神通は、奇妙なことに気づいていた

 

「私達を……無視しているっ!」

 

神通だけでなく、展開している艦娘全てを、深海悽艦は無視して突撃していた

 

「旗艦神通より、第一水雷戦隊各員に通達! 味方撃ちしないように注意!」

 

『了解!』

 

神通からの通達に、無線で返事が返ってきた

一体何が起きてるのか

神通には、予想出来なかった

その頃、長門と武蔵の二人はナインテイルと交戦していた

初音島艦隊でのトップ戦力たる、長門と武蔵の二人が集中的に攻撃しているのに、ナインテイルに確たるダメージを与えられないでいた

すると長門が、舌打ちし

 

「やはり、格闘戦は吹雪に一日の長があるか……また今度、稽古してもらわねばな」

 

と呟き、拳を繰り出した

しかしその拳は、ナインテイルの手で流された

しかもナインテイルは、そのまま長門の腕を掴み尻尾から出した主砲で、至近距離砲撃をしようとした

だが、突如としてその主砲が、明後日の方に向けられて、撃たれた

それが気になった長門は、腕を振り払いながら視線を動かして、ナインテイルが撃った方向を見て、驚いた

ナインテイルが撃ったのは、防衛線を越えてきた一体の軽巡洋艦ツ級だった

 

「味方撃ち……だと?」

 

と長門が呟いた直後、通信で

 

『長門さん、戦況は?』

 

と祐輔から、通信が入った

その時になって長門は、鎮守府から戦術機部隊が近づいてきてることに気付いた

よほど、ナインテイルに意識を向けていたらしい

そのことに、内心で溜め息を吐きながら

 

「ナインテイルとの戦いは、膠着状態だ……しかし、気になる点が二つある」

 

と、武蔵が格闘戦をしているのを見ながら、気になった点を言い始めた

まず、ナインテイルと後から現れた深海艦隊が、連携らしい連携をしてないこと

そして、先程のナインテイルの味方撃ちを報告した

すると、祐輔も

 

『……連携しないだけでなく、味方撃ち……』

 

と少し驚いていた

だが、即座に

 

『作戦に変更は無し。変わらず、長門さんと武蔵さんは、ナインテイルと……』

 

と指示を下そうとした

しかし

 

『祐輔、一つ聞きたいことがある』

 

と武蔵から、割り込み通信が入った

 

『武蔵さん? どうしました?』

 

『まさかとは思うが……深海悽艦に、知り合いなど居ないよな?』

 

祐輔が問い掛けると、武蔵はそう言った

 

『……何がありました?』 

 

『ナインテイルと組み合った時、幾つか祐輔と殆ど同じ動きと技が有った……衝撃を徹す拳に、こちらの拳を受け流した直後に体を回しての裏拳か、関節を極めようとしたり……後は、こちらの腕の上に乗ったりな』

 

祐輔の問い掛けに、武蔵がそう答えた

それを聞いた長門は、思わず

 

「なるほど、既視感の理由はそれか……」

 

と呟いた

 

『……今は、推測する時間はありません。引き続き、長門さんと武蔵さんは、ナインテイルと交戦を』

 

と祐輔機が、ナインテイルの避けて深海艦隊に突撃しようとしながら、指示を下していた

その時

 

「つっ!?」

 

『祐輔、回避しろ!!』

 

突如として、ナインテイルが9本の尻尾全てを祐輔機に向けて、砲撃した

祐輔機に殺到する、ナインテイルが撃った大口径砲弾

だがその砲弾を、祐輔は全て回避

そして気付いた

ナインテイルが、祐輔を異様に執着していることに

それを示すかのように、続々と祐輔機に砲撃を続けるナインテイル

迫る砲弾を避けながら祐輔は、素早く判断した

 

『作戦変更。アサルト小隊の指揮権をアサルト2に移譲。以後アサルト小隊は、アサルト2の指示に従い、ホワイトファング、トライアド両隊と共に機動撹乱戦法で、深海艦隊を攻撃せよ』

 

『祐輔君はどうするの!?』

 

祐輔の指示を聞いて、明日奈は心配そうに問い掛けた

すると祐輔は、新装備

試製03式無反動砲を構えて

 

『僕は、長門さん、武蔵さん達と一緒にナインテイルと交戦します……』

 

と言った

 

『幾ら何でも!? 相手は、二つ名持ちの奇異種なんだよ!?』

 

『確かに……こちらの常識は通用しない相手のようで……先程から、味方撃ちをしながら僕を執拗に攻撃してきてる……しかし、こいつの砲撃を回避しながら大量の深海艦隊と戦うほうが無謀……ならば、最善を選択するのみ……これ以上の問答は無用……各員行動開始……往けぇ!!』

 

祐輔はそう言って、海面ギリギリまで降下

海面ギリギリを、匍匐飛行で動き始めた

 

『つっ……03、04、付いてきなさい! 速度の速い駆逐級と軽巡洋艦級を最優先!』

 

『了解!!』

 

後ろ髪引かれる思いだったが、明日奈は次席指揮官として祐輔の指示に従った

そして、鋭い機動で砲撃を回避している祐輔機を見ながら

 

『お願いだから、無事で……!』

 

と呟いたのだった

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