「つっ!? 祐輔! 北上が奴からの砲撃で、大破した!」
『北上さんは後退! 木曽さん、出撃!』
長門からの報告を受けて、祐輔は素早く指示を下した。
そして、ナインテイルだけでなく
『こちら神通! 睦月ちゃんが、燃料、弾薬が危険域に入りました!』
『睦月ちゃんは、補給に後退! 替わりに潮ちゃん出撃!』
深海大規模艦隊との戦闘も、際どかった。
沈めても沈めても、構わず突撃してくる深海艦隊。
それらを、一定の防衛ラインを割らせないように戦えているだけ、祐輔艦隊とアリア艦隊の奮戦が伺えるだろう。
そのアリア艦隊では、つい最近戦艦として金剛が建造され、今回の戦いでも奮戦している。
しかし、初めての大規模戦闘で、大丈夫なのか。それが、アリアの心配事だった。
『アサルト2よりアサルト1! アサルト3と4の残弾0!』
『後退を許可する! アサルト2も後退し、補給! 水上打撃連合艦隊! 砲撃の密度を上げて!』
『了解!』
矢継ぎ早に指示を下す祐輔だが、その祐輔もナインテイルと交戦している。
今も、ナインテイルが放っていた戦闘機の機銃を回避し、36mmで撃墜したところである。
(八神中将の応援艦隊の到着まで、まだ時間が掛かりそうだな……)
その理由は、大淀から知らされた情報だった。
はやての艦隊だが、丁度中間の位置で別の深海艦隊と遭遇。交戦を開始したと連絡が有ったらしい。
はやての艦隊も高い練度を誇るが、流石に短時間で殲滅することは出来ないだろう。
その時だった。
長門が繰り出した拳を、ナインテイルが掴んで投げたのだが
(今の動きは!?)
その動きに、祐輔は見覚えがあった。
左手で相手の拳を掴み、右手を相手の脇に入れて投げ飛ばす。
( 流組打ち術、柳!? まさか!?)
その流派は、祐輔を含めても使い手が一握りしか居ないものだ。
その直後、ナインテイルの尻尾が祐輔機に向けられ、轟音と共に砲撃が放たれた。
それを見た祐輔は、機体を翻させて砲弾を回避した。
しかし、ナインテイルは構わんと言わんばかりに、砲撃を乱打する。
その砲弾の嵐に、祐輔は意識を回避に集中せざるをえず、機体を激しく振り回した。
上空から、海面ギリギリまで、乱高下を繰り返す。
その度に、上下左右に激しくGの向きが切り替わる。
目まぐるしく変わるGに、祐輔の体は徐々にダメージが蓄積し、体が悲鳴を上げる。
だがそれを、気合いで封殺して試製03式無反動砲を指向して放つ。
勿論、当たることは期待しておらず、予想通りに迎撃されて、空中で破壊の炎を撒き散らす。
しかし、その炎によって視界が遮られ、その隙を突いて長門が接近し
「主砲、斉射!!」
至近距離で、主砲を撃った。
砲弾はナインテイルが直前で身を捻ったために、直撃はしなかった。
しかし、ナインテイルが被っていたフードが破け、その顔が露になった。
その顔を見て
「なっ……」
至近距離に居た長門は、思わず固まった。
だがそれは、戦闘中では致命的な隙だった
次の瞬間、ナインテイルの右手が長門の腹部に当てられて
「がっ!?」
とてつもない衝撃が、長門を襲った。
その衝撃に、長門は膝を突いてしまい
「がはっ!?」
その長門の顔に、蹴りが叩き込まれ、大きく吹き飛んだ。
ナインテイルはその長門に追撃しようと、尻尾を向けた。
しかし
『させるか!!』
武藏の主砲による精密砲撃が、ナインテイルに放たれた。
その砲撃は避けられたが、武藏が
『なんの冗談だ……あの顔……明日奈中佐と瓜二つではないか……!』
と驚愕の声を漏らした。
そう、その顔は明日奈と瓜二つだった。
そしてその顔は、祐輔にとって鬼門だった。
『……ね、姉さん……?』
祐輔の死んだ筈の姉、
元帝国海軍第12方面軍小間崎鎮守府、医務兵だった祐輔の姉だ。
しかし、今から約10年前の深海悽艦の大規模侵攻の際に、提督の指示もあり小間の避難誘導に向かったが、そこに小間崎鎮守府の迎撃艦隊の防衛ラインを越えた深海悽艦艦隊の砲撃により祐輔以外の町民と共に吹き飛んだ
その筈だった。
『何でだ……姉さん!?』
祐輔は困惑しながらも、無反動砲を向けた。
約10年振りの再会、戦場で
それも、敵として再会してしまった
どういう話を書いてほしいですか
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