※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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色々と試している最中です、はい


激闘

「祐輔さんの……」

 

「お姉さん……!?」

 

補給待ちの明久と結華は、通信で聞こえた祐輔の言葉に驚愕していた。

そして明日奈は、近くのモニターで拡大されたナインテイルの顔を見ていた。

その顔は、白いが自分と瓜二つ、まるで鏡写しのようだった。

しかし、そのナインテイルの右手首に、一本のリボンがあった。色は、桜を彷彿させる淡いピンク色だ。

それを見た明日奈は

 

「あのリボンは……!」

 

と声を漏らした。

そのリボンは、祐輔の部屋に有った血塗れながらも、僅かに残っていた色と同じだったからだ。

その時、ナインテイル付近に水柱が乱立した。

水柱の大きさから、砲撃は巡洋艦クラスと分かったが

 

「まさか……深海艦隊が!?」

 

その砲撃は、侵攻してきていた他の深海艦隊からの砲撃だった。直近で戦っている二個水雷戦隊や水上打撃連合艦隊を無視して、ナインテイルを攻撃した。

 

「どういうこと……」

 

明日奈は必至に頭を巡らせるが、どうにもこれだというのが出てこない。

そもそも、明日奈は軍人であって研究者ではない。

だから、明日奈は

 

「考えるのは、後回しにしましょう」

 

と言いながら、頭を振った。

そして、里香に視線を向けて

 

「リズ! 補給は!?」

 

と周りの音に負けないようにと、声を張り上げた。

すると里香は

 

「明日奈のは、もうすぐ終わる! 他の二人は、あと200秒!」

 

と返答してきた。

その時

 

『トライアド小隊、後退! 代わりに、ナイトレイド隊、支援砲撃開始!!』

 

と通信で、祐輔の声が聞こえた。

 

「ナイトレイド隊……?」

 

「まさか……戦場に居ながら、アナリティカルシステムを!?」

 

聞き覚えの無いコールサインに明日奈は首を傾げ、里香は驚きの声を漏らした。

その直後、轟音が鳴り響き、深海艦隊直近に水柱が乱立した。

その砲撃は、崖上に展開した海神一個中隊からの砲撃だった。

両手の36mmチェーンガン12門と両肩の120mm滑空砲2門。

そして今回は、施設のVLSが次々と深海艦隊に放たれる。

その砲撃の密度は、無人運用ではあり得ない。

 

「リズ! どういうこと!?」

 

「祐輔がアナリティカルシステムで、戦術データリンクを使って操縦してるのよ!」

 

明日奈の問い掛けに、里香はパソコンを開いた。

そして操作してから、明日奈に見せた。

それを見た明日奈は、驚愕した。つまり祐輔は、自機を操縦しながら同時に12機を操っているのだ。

 

「そんなこと、可能なの!?」

 

「待って、今祐輔の脳波を……出た!!」

 

明日奈はパソコンの画面に表示されている祐輔の脳波の波形を見て、固まった。

明日奈も様々な事を経験し、医学もある程度は把握している。

そんな明日奈でも、今の祐輔の脳波は見たことが無かった。

 

「貸して!」

 

そして明日奈は、里香からパソコンを借りると軍のデータベースに接続。祐輔の脳波から似てる脳波を検索した。

 

「見つけた!」

 

それと似ていたのは、一つ。いわゆる、トランス状態に非常に似ていた。

 

「無我の領域? ……けど、少し違う……どちらにしろ、長くは持たない!」

 

明日奈はそう言うと、パソコンを里香に返した。

そのタイミングで

 

『アサルト2、推進材及び弾薬補給完了!』

 

と放送がされた。

それを聞いた明日奈は、身を翻して

 

「リズ!」

 

と里香の名前を呼んだ。

すると里香は、パソコンを近くの机に置いて

 

「分かってる! すぐに出すわよ!」

 

と言いながら、ヘッドセットで何かしらの指示を出し始めた。

その間に明日奈は、階段を駆け上がってキャットウォークを走った。

その直後だった。

 

『アサルト1、被弾!!』

 

と大淀の悲痛な声が響いた。

少し時は遡り、主戦域。

 

「どっちらかりもいいとこだ!!」

 

と祐輔は悪態を吐きながら、戦域全域の把握をしながらナインテイルに砲撃していた。

飛び交う砲弾と艦載機、乱立する水柱。

それらすべてが、祐輔の思考に負荷を掛けていく。

しかし、いまだかつてないほどに祐輔の頭はクリアだった。

何故かはわからない、しかし、使わない手は無かった。

この時、アナリティカルシステムから、網膜投影システムを使って警告文が表示されていた。

《脳に過負荷発生、限界時間まで残り200秒》

その内容を、祐輔は即座に消した。

一瞬たりとて、戦闘の支障になるのを防ぐためである。

しかし、それが後に響くことになる。

祐輔は無反動砲を連射して、ナインテイルの気を引いた。

ナインテイルの装甲は、通常のレ級を超えており、無反動砲ですらダメージを与えるのは容易くないと分かっていた。

だから自分は囮に徹し、長門と武蔵のために隙を作ることにした。

そして祐輔は、無反動砲を撃ち尽くしたのを確認し、弾倉を交換し構えようととした。

その時、激しい頭痛に襲われて

 

《限界時間到達、機能制限》

 

という文章が表示された。

その直後、激しい衝撃が祐輔機を襲った。それは、ナインテイルの砲撃が無反動砲に直撃し、爆発したのである。

しかも、弾倉を交換した直後だったので、爆発がひときわ強く、コクピットブロックにも影響が出た。

爆発で飛んだ破片が、祐輔機のコクピットブロックに直撃し、内部で暴れた。

幸いにも祐輔には当たらなかったが、一部の装甲が無くなって外に露出してしまった。

祐輔は必死に機体のバランスを保とうとするが、そこに次々とナインテイルの砲撃が殺到してくる。

 

「くっ!!」

 

祐輔は砲撃を回避し、なんとか複合突撃砲を装備。艦載機を撃墜し、退避路を切り開いた。

そこに機体を滑り込ませると

 

『私たちを!』

 

『忘れるなっ!!』

 

長門と武蔵が、ナインテイルに格闘戦を挑んだ。

その時に

 

『祐輔君、後退して!!』

 

と後方から、明日奈機が接近してきていた。

それを聞いた祐輔は、ほぼ無意識の域で

 

「了解……」

 

と返答し、機体を翻した。

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