「なんやと……? もう一回言ってくれへんか……?」
「ですから、初音島鎮守府でF666が発令されました! 間違いありません!!」
はやての問い掛けに、大和は答えながら端末をはやてに差し出した。
その画面には、大きく赤い文字で
《危険! 大至急指定範囲内より退避せよ》
と表示されていた。
それを見たはやては、席から立ち上がり
「今すぐ、大本営の長官に通信を繋ぎぃや!!」
と声を張り上げた。
その頃、初音島鎮守府では
「これより、部隊の再編成をします! トライアド小隊の二機はアサルト2の指揮下に入ってください! 機動力で、敵艦隊の漸減を行ってください! 入れ替わりに、ホワイトファング中隊は後退! 補給を受けてください!」
『了解! トライアド1、3、これよりアサルト2の指揮下に入ります!』
『了解した! 後退する!!』
大淀の指示を受けて、トライアド小隊はアサルト小隊との合流に動き、前線に向かっていた二隊と入れ替わりにホワイトファング中隊が後退を開始した。
ホワイトファング中隊は流石に精鋭なだけあり、後退戦闘も難なくこなしていた。
「頼みますよ、皆さん……」
大淀はそう呟いてから、あるモニターに視線を向けた。
そのモニターの向こうでは、整備班が一機の不知火弐型の肩装甲を外していた。
1500mmOTH砲を構えるのに、邪魔になるからだ。
「……電さん、祐輔さんの容体は?」
『徐々にですが、脳波が安定してきてるのです。長く見積もって、最低で30分程で動けるようにはなるかと』
大淀の問い掛けに電が通信で答え、それを聞いた大淀は黙考した。
それまでに、出きるだけ状況を良くする。
F666、自分達は軍人故に命令されれば、それに従う。
しかし、初音島には未だに多くの民間人が居る。
その人達を、無為に死なせる訳にはいかない。
「……引き続き、治療を」
『お任せなのです!』
大淀はそこで、医務室との通信を切った。
「……遠距離通信が使えないのは、ジャミングでしょうか……?」
近距離通信は、レーザー通信のために大丈夫である。
しかし、遠距離通信が一切繋がらなかった。
深海悽艦の中には、極稀にそう言った特殊効果を有する個体が生まれることがあると、最近になって判明した。
通信だけでなく、レーダーに悪影響を与えることも分かっている。
もしかしたら、大規模艦隊の中にそう言った個体が紛れ込んでいるのかもしれない。
「……前衛艦隊、特異な装備の敵艦が居れば、最優先に排除するように通達します!」
『了解しました!』
今も敵中に食い込み、奮闘している水雷戦隊を含めた前衛艦隊に、大淀は期待するしかなかった。
一方その頃、大本営の長官執務室。
そこで武仁は、膨大な書類を捌いていた。
その時、ドアが勢い良く開き
「長官! 緊急通信よ! 八神中将から!」
と一人の艦娘、陽炎改二が駆け込んできた。
それを聞いた武仁は、無言で立ち上がった。
そして、通信室に向かい
「ワシだ。どうした」
と手短に問い掛けた。その直後
『長官! どういうことなんですか!? なんで、F666の発動を承認したんや!?』
とはやての怒声が聞こえた。
「……F666だと?」
『長官の承認無しには、発動出来ない筈です!』
はやての言葉に、武仁は記憶を振り返った。
確かに、祐輔の鎮守府にナインテイルを含む大規模艦隊が侵攻してきたことは知っている。だからこそ武仁は、パソコンで援軍を出すように指示を出した。
だが、
「ワシは許可した覚えはない」
『しかし、長官が承認しない限りは、発動出来ないのでは?』
武仁の言葉に、はやては疑問文で返してしまった。
はやてが知る限り、F666は長官の承認無しでは発動出来ない筈だったからだ。
しかし、武仁は
「いや……もう一人居る……参謀総長だ」
と答えた。
大本営作戦本部参謀総長、名を
「……ワシがあやつに直接聞く……折り返し通信する」
『了解しました』
通信を終えると、武仁は
「青葉、居るな」
「はいはーい!」
と何処からともなく現れた青葉と一緒に、通信室から出た。そして、少しして
「参謀総長! 居るか、参謀総長!!」
と武仁は、作戦本部入り口でその人物を呼んだ。
すると、一番奥の木製の机に座っていた美恵が
「お呼びですか?」
と立ち上がった。武仁はそこに歩み寄り
「貴様、初音島鎮守府にF666を発令したな?」
と強い口調で問い掛けた。
「ええ、私の権限で発令しました。初音島の戦力と半壊したというデータから、最早間に合わないと判断しましたので」
武仁の問い掛けに、美恵は毅然とした態度でそう返答した。
確かに、普通の鎮守府で武仁が聞いた通りの規模の敵艦隊だったら、壊滅は免れないだろう。
しかし、初音島鎮守府は防衛の要衝にして、最前線だ。
その戦力は、非常に高いものがある。
武仁には、まだ防衛線を維持しているという確信が有った。
「……貴様が見たという戦力表を見せろ」
武仁がそう問い掛けると、美恵は怪訝そうな表情をしてから数枚の書類を武仁に手渡した。それを受け取った武仁は、その書類を見た。
(艦娘の人数は……合っている……いや、これは!?)
そして武仁は、それが違うことが分かった。
「おい、このデータ……間違っているぞ」
「え?」
武仁の言葉に、美恵は固まった。
そして武仁は、その書類を美恵の机に叩き付けて
「この総秘書艦娘の吹雪改二の練度は98……神通改二は、92……それに、改二になっている艦娘も多数居る……貴様ら、何処のデータを調べた」
とその場に居た参謀達を見回した。
すると、一人の参謀が立ち上がり
「間違いなく、大本営のデータベースになります!」
と答えた。だが、武仁は
「青葉」
「はい」
青葉に命じて数枚の書類を出させ、それを美恵に手渡した。
受け取った美恵は、それをパラパラとめくり
「これは……!? まったく違う!」
と驚愕し、少し黙考。
そして
「これは……いけない!」
と立ち上がった。
そして、美恵は
「特殊作戦群に通達! 大至急、F666の発令を解除! それと、手空きの艦隊に大至急出撃要請! 二式大挺を数機用意させろ!」
と指示を下した。
その指示を受けて、数人の参謀達が足早に部屋から去っていった。
それを見送った美恵は
「申し訳ありません、長官……まさか、データが書き換えられてるとは、露知らず……」
と武仁に頭を下げた。短い時間で、その結論に至ったようだ。
「ワシが多少古い人間だからの……データだけでは、どうにも信用出来なくてな……練度や人数が更新される度に、紙媒体に出し確認していた……それだけの話だ」
「……何事にも、絶対は無い……改めて、認識しました……教訓として、再発防止に努めます」
武仁の話を聞き、美恵はそう締めくくった。
その時、一人の参謀が駆け込んできて
「大変です! 初音島に対して通信が出来なくなっており、向かわせた特務潜水艦に対して中止要請が届きません!」
と報告してきた。
「なんだと!?」
それを聞いた美恵は、思わず困惑の声を漏らした。
だが
「青葉、ワシの艦隊は?」
「既に編制が済み、秋津洲指揮下の二式大挺に搭乗している最中です!」
武仁は、冷静に青葉に問い掛け、青葉の報告を聞いた。
「ならば、ワシの権限で搭乗が済み次第大至急発進させよ。特務潜水艦に中止コードを伝えた後、初音島艦隊の援護に回れ」
と命令した。
それを聞いた青葉は、静かに退室した。
そして、美恵に視線を向け
「確か、試作段階の空中管制機が有ったな?」
と問い掛けた。
試製03式空中管制機、名を
参謀本部が技術研究厰と共同開発させている試作機だ。
「は……未だ、試作段階で一機のみですが……まさか!?」
「ワシ自ら前線に行き、指揮を執る……」
「お止めください! 長官にもしものことがあれば!?」
武仁の言葉を聞いて、一人の参謀が声を張り上げた。
だが、武仁は
「なに、無理はせん……それと、護衛に……飛燕を二個中隊回してくれれば十分だろう」
試製噴式戦闘機、飛燕。
今大本営が肝いりで開発している噴式、つまりはジェット戦闘機だ。
それを操縦するのは、富士駐屯地から出向してきている飛行士妖精達で、
「……わかりました、御武運を」
美恵はそう言うと、武仁に敬礼した。
どういう話を書いてほしいですか
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戦闘多め
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日常多め
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エロ多め