※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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流動

『何者かによって、データベースが!?』

 

「ああ……そちらに関しては、諜報部と霞部隊に任せた……ワシはこれから、前線指揮に行く」

 

『長官が!?』

 

武仁の言葉に、はやては思わず耳を疑った。長官自らが、最前線に向かうというのはリスクが大きいと思ったのだ。

だが、武仁は

 

「仕方あるまい……初音島方面に通信が繋がらん上に、《あやつ》の指揮は、ワシにしか出来んからな」

 

と少し諦めた表情を浮かべていた。

 

『あやつって、まさか……』

 

「ああ……ではな」

 

はやてが口端をひきつらせると、武仁は通信を切った。そのタイミングで、一人の兵士が通信室に現れて

 

「長官、御用意が出来ました」

 

と武仁に教えた。

それを聞いた武仁は、通信室から出た。

その頃、既に離陸した弐式大艇内では

 

「聞こえておるな? 作戦を伝える! ワシらはこれより、初音島への救援に向かう! 第一水雷戦隊は、特殊作戦群の特務潜水艦を発見し、作戦の中断を伝えよ! 響、お主の耳に掛かっておる!」

 

『了解したよ』

 

一人の艦娘が、耳にヘッドセットを装着し指示を出していた。

その艦娘が着ているのは、旧帝国海軍の第一種軍服を大胆に改造したものて、肩から先が無く下は真っ赤な袴を履いている。体格的には平均的な重巡洋艦娘と同じで、髪は艶やかで長い黒髪を後頭部辺りで纏めてから垂らしている。

 

「武藏、大和、敵艦隊に砲弾をしこたま叩き込め! 遠慮は無用じゃ!」

 

『応っ!』

 

『承りました!』

 

そんな彼女は、指示を次々と下していく。その姿は、正に古強者のものだった。

その時、赤いランプが点灯すると同時にベルが鳴り響き、一体の妖精が側面のドアを全開にした。

 

「第一水雷戦隊、降下用意!!」

 

という指示を受けて、第一水雷戦隊は旗艦たる五十鈴改二を先頭に並んだ。

そして

 

「降下!!」

 

「行くわ!!」

 

指示と同時に、五十鈴は飛び出した。

その後に、阿武隈改二、響ことヴェールヌイ、暁改二、電、雷が次々と降下していった。

そして彼女は、降下した第一水雷戦隊が海面に着水して即座に行動開始したのを確認すると

 

「ワシらはこのまま、初音島に向かう! 深海共を、その名前の通りに深海に叩き返してやれ!!」

 

と号令を下した。

 

『はっ! 三笠様!!』

 

そう、彼女こそが始祖の二天の一人。日本海海戦でソ連のバルチック艦隊相手に歴史的大勝利を収めた、戦艦三笠の艦娘である。

場所は変わり、初音島近海。

 

『沈めやこらぁぁぁぁぁ!!』

 

『撃ちまくれ!! 今日だけで、戦績(スコア)を更新出来るぞ!?』

 

『撃て撃て撃てぇ!!』

 

『弾なら、腐る程あるんだ!!』

 

『無事に行けると、思うなっ!?』

 

直也、一夏、義之、結華、明久は口々に声を張り上げながら、手と背面ラックの突撃砲を撃ちまくっていた。

だが、明日奈が

 

「敵艦隊ばっかりじゃなくて、艦載機にも注意して!」

 

と言って、頭上を通り過ぎようとしていた一機を長刀で両断し、更に36mmを横凪ぎに撃った。

それにより、更に数機が炎に包まれて落ちていった。

そして明日奈は、長刀がもう限界だと気付くと思い切り投擲。空母ヲ級の頭を切り飛ばした。

しかし、撃破してもまだまだ接近してくる。

 

「キリがない……!」

 

明日奈は空いた手に、予備の突撃砲を装備し、弾幕を形成した。

次々と押し寄せる深海艦隊、祐輔艦隊とアリア艦隊・戦術機部隊が奮戦するものの、徐々に戦線は後退。

既に第一防衛ラインは割り、第二防衛ラインに迫りつつあった。

その時、オープンチャンネルで

 

『こちら、トライアド3! これより、支援砲撃を行う! 総員、予測範囲に入らないように注意!!』

 

と弾の声が聞こえた。

 

『1500mmOTH砲……弾種、フレシェット! 第一射……発射!!』

 

と聞こえた直後、轟音が響き渡った。

すると、明日奈は

 

「全戦術機部隊及び艦隊艦隊、距離600後退!!」

 

と指示を下し、素早く後退した。

三段階により加速された砲弾は、一度は天高く上がっていき、あるポイントで急激に方向転換。深海艦隊右翼の直上で、爆発した。

その直後、凄まじい数の鋼鉄の矢が深海艦隊に降り注いだ。

それにより、装甲が薄い駆逐級と軽巡洋艦級が次々と轟沈。重巡洋艦級と戦艦級は沈みこそしていないが中破と大破状態で、辛うじて浮力が生き残っている程度だ。

それを視認した明日奈は、素早く

 

「120mmと無反動砲を斉射! とどめを刺して!!」

 

と指示を下し、自身も120mmを重巡洋艦級に撃ち込んでいく。

数十秒後、深海右翼艦隊は壊滅状態になった。

 

『第二射、敵左翼に撃ち込みます! なお、3発撃った後は最低5分は支援砲撃は出来ません!』

 

「了解!」

 

試製1500mmOTH砲。

砲撃の反動と、三段階加速により砲身が三発しか耐えられないのだ。

そこで、改善策として考えられたのは、三発毎に予備の砲身に交換するという方式だった。

その交換に、最低でも五分は掛かるのだ。

その間、また戦術機部隊と艦娘艦隊は機動戦法を開始。

明日奈は、意識を鎮守府の方に向けて

 

(祐輔君、無理はしないで……!!)

 

と案じるのだった。

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