※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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頼もしい戦力

「つっ……深海艦隊の雰囲気が……変わった!」

 

そう分かったのは、最前線で刀を振るっていた神通だった。それまで深海悽艦は、最前線で戦っていた神通達を無視してでも進もうとしていた。

だがある時を境に、無視せずに攻撃してくるようになった。まるで、ようやく神通達を認識した、とでも言うように。

しかし、それでようやく正常化したと言えるだろう。

むしろ、今までが異常だったのだ。目前の敵を無視してまで何か

この場合、ナインテイルを追い掛けていたのだ。

そう考えると、ナインテイルに何かが起きたとなる。

そしてそれは即ち、祐輔にも何かしら起きたということ。

 

「祐輔さん……!」

 

神通は刀を振るい、更には魚雷を発射し敵を撃沈していきながら、祐輔を案じた。

だが、すぐに自身の事を考えることに意識を向けざるを得なくなってしまった。

これまで、刀を中心にして戦ってきて弾薬の消費を抑え、更に回避も最小限にしたことで燃料の消費も抑えることが出来た。

しかし、それは深海艦隊が神通達を無視していたから出来たことであり、攻撃が集中してきたら弾薬と燃料の消費は飛躍的に高まった。

 

「あと、四割……!」

 

弾薬はまだ若干の余裕はあるが、燃料が残り四割を割る。そろそろ、撤退をするべきたが

 

「くうっ!?」

 

その暇が無い。少しでも意識を別に向ければ、確実に被弾してしまう。

だから神通は、後退戦闘を開始した。

そこに

 

『援護する』

 

と知った声が聞こえた。

 

「直哉さんですか!」

 

神通はヒビが入った刀を最後に重巡リ級に突き刺して、自身の頭上を一機の戦術機がフライパスしたのを確認した。

肩のナンバリングから、それは直哉機とすぐに分かった。

直哉機は一度フライパスした後、バック宙の容量で神通のほぼ真上に布陣し、右手と背中の複合突撃砲と左手に持っていた無反動砲を次々と撃った。

36mmと120mm、400mm弾が雨のように深海艦隊を穿つ。その隙を突いて、神通は

 

「こちら、第一水雷戦隊旗艦神通。弾薬が残り三割にまで低下。これより、後退します!」

 

『許可します! 鬼怒さん、出撃願います!』

 

神通の通信を受けて、大淀は即座に返答した。

そして、速度を上げた直後だった。神通の目前で、巨大な水柱が乱立した。

 

「つっ!? この威力は、戦艦クラス……!?」

 

そして神通は、即座に砲撃の方向を見て、固まった。

なにせ、その先に居たのは巨大な艤装を従えし人型の個体。通称、戦艦悽姫だったのだから。

 

「ここにきて、姫級を!?」

 

神通は最後の魚雷を、その戦艦悽姫の方向に放った。

だが戦艦悽姫は、慌てずに主砲と海面を砲撃。瞬間的に強い潮流を生み出して、魚雷を防いだ。

 

「名付きではないですが、経験豊富な個体ですか……!? こちら神通! 新たに、戦艦悽姫を視認しました。二つな持ちではないですが、経験豊富な個体のようです! 警戒してください!」

 

神通は通信を全体に変更して、友軍に注意を促した。

その直後、神通の耳に風切り音が聞こえた。

そして、見て気づいた。戦艦悽姫の撃った砲弾が、直撃コースで迫ってきていることに。

 

(回避……無理、間に合わないっ!?)

 

戦艦悽姫の砲弾の直撃ともなれば、戦艦級ですら大破は免れない場合がある。

ならば、神通のような軽巡級では大破は確実で、下手すれば一撃で命を落とすけども有り得る。

だからか神通は、ギリッと歯を鳴らしてから

 

「すいません、祐輔さん……先に逝きます……!」

 

と覚悟を決めた。

しかしその時、横合いから伸びてきた褐色肌の手が迫ってきていた砲弾を掴み

 

「諦めるには、まだ早いぞっ!!」

 

と声を上げながら、その砲弾を明後日の方向に投げた。

 

「な……」

 

予想外過ぎる事態に、神通が驚いていると

 

『まったく……本当に通信が、繋がらんとはな……だが、間に合ったようで何よりだ!』

 

「三笠様、御下知を!」

 

『うむ!』

 

その通信が聞こえた時、ようやく神通は初音島以外の艦隊が居ることに気付いた。

そして、神通を助けた艦娘。武蔵改二の告げた名前が本当ならば、来たのは大本営の最精鋭と名高き防人長官の艦隊。

 

『我等が同胞を苦しめた無法者共を、その名前の通りに深海に沈めてやれ!!』

 

『承知!!』

 

戦艦三笠率いる第一連合艦隊。今、戦域に到達した。

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