※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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ファッ○ンコールド!


出撃

「……予想より、敵の戦力が多い……」

 

祐輔は司令部の戦況モニターを見ながら、一人呟いた。その理由が、戦況モニターに表示されている須郷が投入した戦力にあった。

戦術機の数で言えば、約二倍強の数が投入されている。

 

「だけど、どこから……」

 

と祐輔が、悩んでいると

 

「祐輔さん! IFFに応答しない船舶が接近中!」

 

と大淀が、祐輔の近くのモニターにレーダーの情報をオーバーラップした。確かに、一隻の船舶が初音島に近づいてきていた。

 

「レーダーの反応から、船舶はかなりのサイズのようです!」

 

「……僕は、最前線で指揮を執ります。大淀さん、こちらは頼みます」

 

「分かりました!」

 

大淀の返事を背に聞きながら、祐輔は地下司令部から退室。ロッカーで強化装備に着替えて、ハンガーに向かった。

そして祐輔は、ハンガーに繋がる道を進んでいる時、隔壁が破壊されているのを見つけた。

 

「まさか!?」

 

祐輔は片手に拳銃を持ちながら、先を急いだ。

 

「銃声は聞こえない……無事で……!」

 

祐輔は破壊されていた二つ目の隔壁を越えて、通路から下を見ながら拳銃を構えた。確かに、銃撃戦の痕跡がある。強化外骨格で置いたのか、戦術機の装甲がバリケード代わりに置いてある。そして祐輔は、味方がハンガーを防衛しきったと気づいた。血溜まりに倒れ伏してるのは、全員が浸入者達だったからに他ならない。

それに安堵しながら階段を降りていると、祐輔は驚きで手すりを飛び越えた。

 

「リズさん! ケガを!?」

 

初音島鎮守府整備班班長の里佳が、肩辺りから血が流れていたのだ。

 

「アタシは平気よ。かすっただけだから……それより……」

 

「え……裕也君!?」

 

里佳が視線を向けた先には、脇腹から出血している裕也の姿があった。先ほど気付かなかったのは、戦術機の装甲の陰に隠れていたからだ。

 

「すいません、祐輔さ……ぐっ」

 

「喋らないで、裕也!」

 

祐輔に謝罪しようとした裕也だったが、傷みで呻き、そしてティアナが真剣な表情で治療している。

 

「アタシを庇って、撃たれたのよ」

 

「代わりに……相手は全員射殺しましたが……それよりも……機体が……」

 

祐輔は裕也の視線を追うと、コクピット部分が大きく損傷している祐輔機が見えた。

 

「敵が対戦術機榴弾を持ってきて、この装甲を吹き飛ばそうとしたのよ。それに気付いて射殺したんだけど、最後の力か、発射された弾頭が……」

 

里佳のその説明で、祐輔は全て把握した。

 

「……あの機体を使いましょう」

 

そう言った祐輔が見たのは、奥に駐機されていた機体。近衛仕様の不知火弐型だった。

 

「あれを!?」

 

「元々、あの機体は僕用にと宛がわれた機体で、今までずっと予備機扱いでした……使うなら、今です」

 

「……仕方ないか……今は、少しでも戦力が欲しいところだからね」

 

里佳は立ち上がると、その弐型にパソコンを接続。調整を開始した。だが

 

「つっ……」

 

「リズさん、無理なら……」

 

「アタシのプライドが許さないわ……整備士が整備が出来ないなんて」

 

里佳はそう言って、腰のポシェットから無針式の注射器を取り出して、自分の首筋に宛がい、スイッチを押した。すると、中の薬液が注入された。恐らくは、鎮痛剤だろう。

 

「任せなさい……直ぐに終わらせるから」

 

里佳はそう言って、パソコンのキーボードを叩き始めた。祐輔は、それを静かに見守ることにした。里佳の整備士としてのプライドを理解しているからだ。

そして、数分後

 

「よし、祐輔のOS設定をダウンロード完了……後は……これで!」

 

最後に、里佳はキーボードのエンターをタンッと叩いた。そして、画面を見てから

 

「行けるわよ、祐輔! 最初は違和感を感じるかもしれないけど、直ぐに無くなる筈よ!」

 

「ありがとうございます」

 

里佳の言葉を聞いた祐輔は、一気にキャットウォークを駆け上がり、コクピットに入った。

 

『装備は!?』

 

「強襲前衛(ストライクバンガード)でお願いします!」

 

祐輔がそう告げると、すぐにガントリークレーンが機体の背部ラックに長刀を二本装備。更に、左手に複合突撃砲を、右手に400mm無反動砲を装備した。

祐輔はその接続を確認すると

 

「準備完了!」

 

『カタパルトまで移動開始!』

 

祐輔の言葉の直後、里佳の指示に従って妖精がメガガントリーで機体をカタパルトに接続させた。

 

『接続確認! 行きなさい、祐輔!』

 

「了解! アサルト1、榊原祐輔……出ます!」

 

宣言した直後、祐輔の体は強いGでシートに押し付けられて、機体は空中に放たれた。祐輔はフットペダルを踏み、跳躍ユニットを噴かして機体を飛翔させ戦域に向かった。

自身の過去に、決着を着けるために。

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