疫病神から悪運チートもらって、ハーレム勇者目指す 作:gazerxxx
でもちょっと短めです。
「ラック様、起きて下さい。もう朝ですよ」
すっきり透き通る声で起こされると、微笑む
美少女が優しげな新緑の目を合わせて起こしてくれたら、すぐに眠気も覚める。
「もう朝!?あんまり寝た気がしないな」
「それは、ラック様が、私に回復魔法を激しくせがんで来たからじゃないですか…?」
美癒は言ってるうちに顔を赤らめて、消え入りそうな声で言葉尻を誤魔化す。初心さが抜けないところが巫女さんらしい。
美癒だけじゃなくて、フルーラに
夜に強いと、代わりに朝に弱くなるみたいだ。
部屋を出ると、ドアのすぐ外で仏頂面の水髪少女ラドナが待っていた。
「新しく組んだ同行者を待たせるなんて、
「ごめん、それじゃ、すぐに行こう」
「私達、旅の早起きに慣れてなくて…すみません」
ラドナは朝からクールで緊張感がある。
見た目は年下の可愛いらしさがあるけれど、しっかりしてそうだ。
そして、階下の食堂に降りると、そこでは騎士団で集まって朝食をとってる金髪女騎士フルーラの姿が。
「おはよう、ラック少年。今日出発だろう。武運を祈って一緒に食べよう」
俺が降りてきたと気付くと、すぐに声をかけて同じテーブルの席を勧めてくる。
朝からこれだけ女子に声を掛けられるってのは、元の世界ではなかった体験だ。
しかも、美少女や美女に囲まれてると、何か緊張して食事も飲み込みにくい。
とりあえず話をして間を持たせよう。
「フルーラさんは、これから騎士団長として、やっていくんですよね?」
フルーラは一夜でお別れするには名残惜しいレベルなので、また確認してしまう。
「ああ、レード団長をはじめとした団員を何人も失って、騎士団は揺れている。しっかりまとめなくては」
フルーラは毅然として俺に視線を返しながら、俺にまじめな返事を返す。うぅん、にべもない対応で、昨夜が夢に思えて来るぞ。
「でも、騎士団員は、新しい団長を歓迎してない、
ラドナが周囲の騎士団員の様子を窺いながら、フルーラに苦言を呈する。
うわっ、よく見るとこっちの方に、嫌な視線が。
「席も離れてますし、避けられてませんか?」
美癒もフルーラと騎士団員の距離感を心配する。
そう言えば、フルーラのテーブルだけ席が空いてたんだよな。ヤバい、俺だけ気づかず、舞い上がってた。知らぬが仏か。
「溝があったのは元からさ。レード団長もいない今、私が責任を持って、再構築しなくては」
それでもフルーラは、ポジティブだ。彼女は被害者なのに。
「フルーラさん、困ったら、いつでも連絡してください。頑張りにも限界ってありますから」
俺がそんな風に励ますと、フルーラは毅然とした表情を和らげて、自然な笑顔を見せる。
「ありがとう、君たちも伝説の勇者として、期待してるよ」
そして、俺の耳元に唇を近づけて、小声でささやく。
「私に男を教えてくれたのもね」
綺麗な金髪が顔にサラァッ…と降りかかる距離で、一夜の思い出を語られて、フルーラの処女を奪った優越感が一気に思い出される。
「ラック、女性を見ると色目使い過ぎ、
「ラック様、フルーラさんと何かあったんですか?」
俺も顔に動揺が出てたのか、パーティー女子から総ツッコミを喰らう。
俺が何とか答えようとしたその時、平和な朝食時を破る破壊音と号令が。
「敵襲だ!
騎士団は全員席を立ち、現場へ向って行く。もちろん、団長フルーラを無視している。
フルーラの席に座っていた俺たちも立ち上がるが、フルーラが手を上げて制する。
「今回君たちは離れて見守ってほしい。下級魔物程度は、私達でどうにかしないと、これから戦っていけなくなってしまう」
そうだ、これはフルーラにとって、名誉挽回のチャンスでもあるじゃないか。俺たちは騎士団を信じると約束した。
だがいざ始まった
バラバラの動きで戦う騎士団員は、蝕腕魔の多腕によって、次々となぎ倒されていく。
「皆、離れて戦うな!危険だ!」
フルーラが指示を飛ばすも、聞く者はいない。
「偉そうに指図すんな、フルーラ!」
「あたしらは、アンタが団長だなんて認めてない!」
とはいえ、レード団長に決め手を任せていた騎士団員には、バラバラで蝕腕魔に対抗する地力はついてなかった。
「このままじゃ…!ラック様、助けに行きましょう!」
「こうなったのは自己責任だけど、奴らが好き勝手暴れるのを見てるだけなのは…
「そうだな、やっぱり助けに行こう!」
フルーラを見守るにもこらえきれなくなった俺たちが、離れた高台から降りて援護に行こうとしたその時、地中からナメクジの
「見つけたぞ、神器の使い手。数だけ多い騎士団は足止めしてある。助けは来ないぞ」
ナメクジ魔人がこっちに出現したことに、俺はほっと一息つく。
「ラッキーだったよ。フルーラの方じゃなくて、俺に倒されに来てくれて。これは、フルーラの運も尽きちゃいないな」
「何を生意気な!喰らえ!」
固まった3人共を狙って、しなる2本の蝕腕が迫ってくる。
激しく空を切る魔物の鞭を、紫と風の斬撃が切り裂く。俺とラドナのカウンターが決まった。
2本も蝕腕を切り落とせば、出来る隙も大きい。その隙間に駆けこんで、正面から頭を潰してとどめを刺そうとする。その刹那──。
「危ない!
ラドナの放ったカマイタチが、ナメクジ魔人の吐き出した粘液を霧状に蒸発させ、相殺した。
「おお…助かった」
あんな武器があるとは、昨日遠目でチラ見しただけではわからなかった。ラドナを入れておいてよかった。
ラドナの方は、お礼を言ってもクールに頷くだけだ。
「小癪な、どこまで邪魔をする!」
ナメクジ魔人が強烈なむち打ちをラドナに向けて放つ。
ラドナは回避しようとして、すぐ側に美癒がいるのに気付く。避けたら、美癒が攻撃にさらされてしまう。
一瞬の迷いの内に、ラドナは小柄な体を宙高く吹っ飛ばされた。
「ラドナさん!」
美癒が悲鳴を上げる。
俺も急いでラドナの方に駆けだす。地面にぶつかる前に受け止めなければ!
落下地点まで来ると、ラドナの小さな体が降ってきて…俺が広げた腕の中に飛び込んできた。
うっ…と落下する少女の柔重い衝撃で胸が詰まりそうになるが、何とかラドナを無事に受け止めた。
それにしても、腕の中に抱き抱えられる大きさのラドナは、見た目より少女らしい柔らかさと温かみも持っていた。むしろ腕の中で、どんどん熱が上がってる気がする。
胸板に感じる控えめなふくらみの鼓動、ノースリーブの一回り小さな腕、全体的に未成熟なスタイル。
おまけに、バツが悪そうに水晶の目を伏せている表情も可憐だ。年下の女の子を腕の中に完全に閉じ込めるって、初めての体験に一瞬放心してしまう。
「ラック様、ラドナさん、無事ですか!?」
美癒の若干焦ったような問いかけで、やっと俺は目が覚める。
ラドナは、はっとした顔で、「もういい、
俺は慌ててラドナを離して、ともに臨戦態勢を取り直す。
ナメクジ魔人は退屈そうに、俺たちを眺めて、触角を不機嫌そうにぴくぴくさせる。
「チッ、貴様らが仲間を叩き落とされて、絶望する顔が見たかったのだがな。つまらん」
絶望どころか、甘い顔見せてしまった気がする。
俺の厄除けスキルって、戦闘中でもフラグ立てちゃうのか……。
「…ッ」
ラドナが苦しげに息を詰まらせ、脇腹を抑える。落下は無事だったが、むち打ちにされたダメージが残ってるみたいだ。
美癒がすぐに回復魔法をかける。
「私を庇って…無理しないでください、ラドナさん」
「私がフォローしないと、二人とも、戦い慣れてないから…
すぐにラドナが体勢を立て直す。
「危ないな、もう奴は近づかせないで倒そう。
「了解。
俺とラドナは示し合うようにして、紫と風のブーメランを繰り出した。
やはりラドナも、蝕腕魔人にはこの戦法が効くと、俺の戦いを見て理解したみたいだ。
「おのれ!」
ナメクジ魔人は蝕腕を振り回すも、カマイタチと毒のブーメランは、蝕腕をズタズタにして、ついにはナメクジ魔人の本体を同時に切り裂いた。
必殺技でフィニッシュ!とかっこよく決めたが…。なぜか膝から力が抜ける。
おかしいな、今回は割と短期決戦だったのに、どうなってるんだ
しかし、いつものように
あの女神様が無視するとは思えないし、そういえば今朝から声を聴いてない。神器が壊れたのかも。
「ラック様!大丈夫ですか!?すぐ治します!」
美癒が大急ぎで俺の方に走ってくる。勢い余って、小袖を突き破らんばかりの巨乳が、ぱよんっ、ぽよんっと先走るように揺れ弾んでる様も気にしてない。
俺を一途に心配する清純巫女が、無自覚にエロい乳揺れを見せながら、目の前に駆け寄ってくるからたまらない。
しかもその勢いのままに、俺にひしと下半身に抱き着いてきた。
うおお…さっきまで大揺れしてた巫女乳が、腰にむんにゅり押し当てられて、勃ちかけたペニスに触れそうになってる。
「ラック様、辛いなら平気な顔しないで下さい!ラック様のために、私がいるんですから」
美癒が俺との距離を詰めると、どうしても大きすぎるバストが当たってくる。その胸も美癒の心配を表して、柔らかな震えを送ってくる。美癒の回復は、おっぱいに癒される気分だ。
でも、以前よりも大げさに心配し過ぎな気がする。まるで俺から離れたくないみたいな…。
それにしても、神器の技を使ったらいつもより疲れたり、厄祭さんと交信できなかったり、美癒の微妙な変化だったり、何か不穏な気がするぞ。
「ラック、フルーラは向こうで頑張ってる。行《いこう》」
まずは、フルーラの方だな。逆転できなければ、俺たちが助けるしかない。できれば自力で何とかしてほしいけど…。俺は高台から降りて、町の入り口に向かい始めた。
テンプレ程度とはいえ、ファンタジーの世界観を作るのが手間暇かかるので、こちらは今後不定期更新になるかもです。申し訳ない。
もう少し作りやすい世界観の別作品を模索中です。