機動戦士ガンダム MSV エリオット・レムの記憶 作:翔田美琴
そして・・淫魔が奏でる性の饗宴は実の娘にまで及ぶ。
満月の夜に行われる「月待ちの儀」。私達はそれから脱出する為に月が完全に満ちるその前に、月面都市・グラナダへ逃げる準備を整え始めた。
その前に私はその「月待ちの儀」がどういう儀式なのかを探るためにこの呪われた街・レムレースのことを調べてみることにした。
レムレース。この街は、古くからある、とあるヨーロッパの街だ。
街の雰囲気は、どこかノスタルジックで、そこが本当に宇宙世紀の時代なのかと思わせるような、懐かしいレトロな街並みだった。
今、私はそのレムレースの城下町を歩いている。今は夏が盛り。でもここは涼しく快適な環境にあった。山から吹く風は心地よい涼風で、この日の気温も夏日という感じだった。
だが、この街は、何だか変だ。
確かにレストランやスーパー、ヘアサロン、エステサロン、などなど一通りの店は軒を連ねているが、それにも増して、やたらと風俗店が目立つ。
それに、ストリートガールと呼ばれる街娼や、高級娼婦の館とも言われるナイトクラブも存在している。
確かに、この世の穢れを集めるには、性に関する店で集めるのは丁度いいということか。
私も次から次へと街娼の女性に身体を求められる。
まるで、穢れを集めるように、私を求める。
私は適当にはぐらかして、その誘いを断る。私にはアネットがいるし、別に性に関して飢えているわけではない。
すると、街の中でスカーレットに出会った。
「スカーレット?」
「エリオットか。お前がこの街を探検なんて珍しいな」
「どうしても、知りたいことがあってね」
「例の”月待ちの儀”についてか?」
「ああ。どこかにヒントが隠されていないかと思ってな」
するとスカーレットはは私の問いにこう応えた。
「お前はこの街では穢れを集める”器”だからな」
「”器”だと?あの女性たちではないのか?」
「ああ。お前の方が”器”なんだ。彼女達はご丁寧にもこの200年の間に集めた”穢れ”をお前に捧げようとしている。お前を通して、な」
「なるほど。その器が私ということか」
「そして、月が完全に満ちる頃には、お前の中には充分に”穢れ”が満ちているという訳だ」
「実感がないな。確かにこの街に来た途端、妙に女を際限なく求めているような気がするが」
「それは、お前が気付いていないうちに、お前の血が”穢れ”を集め始めている印だよ」
「スカーレット。何故、この街へ来た?」
「お前を放っては置けなくてな。それに私も少々は、この街の歴史は調べてきた。だから、お前には「月待ちの儀」までに、月面都市・グラナダへ逃げてもらおうと思ってな」
「一体、「月待ちの儀」とは何だ?」
「それは、お前が自ら調べあげた方がいい。その方がお前のためだ。それに、もしかしたら、お前の娘からも情報を貰える可能性だってある」
「ジェニファーからか?」
「いい娘じゃないか。あの子は?お前に似て研究熱心な所がある」
その台詞を優しく囁くスカーレット。
スカーレットは、今はとても身軽な服装をしている。ノースリーブの上着に、女性用の茶色のズボン。靴は低いハイヒールのあるパンプス。首には愛用のチョーカー。手には革の手袋を着用している。
独特の色の赤みを帯びた褐色の瞳の上にはサングラス。髪の毛は綺麗な金髪のショートヘアーだった。
身長は女性としては高い方だ。大体、170センチくらいの抜群の美女だ。そして風が吹くと彼女から香水の匂いが香ってきた。
アリシアからの情報だと、彼女の香水は”白梅香”という香りらしい。色っぽい梅の香りが私の嗅覚を刺激する。
私とスカーレットは並んで、このレムレースの街を歩いている。
彼女は真剣な表情でこの街の軒を連ねる風俗店をチェックしている様子だ。
唐突にスカーレットが質問を投げかけてきた。
「お前、あのレムレースの山は散策したか?」
「レム家が代々祀っているあの山か?まだだ」
「丁度いい。暇ならその山も散策してみるといい。もしかしたら、ヒントが隠されているかもしれないぞ?」
「お前は行かないのか?」
「私は既に調べておいた。日が暮れないうちに散策しておけよ?私はもう少しこの街を調べてみる。がっかりさせてくれるなよ?エリオット?」
「わかっている」
レム家の屋敷に続く道で彼女と別れた私は、音楽大学から帰ってきた娘ジェニファーと偶然、会った。
彼女はとても今は美しい白いワンピースを着て、私に近づいてくる。
「お父さん」
「ジェニファー。大学の帰りか?」
「うん。あのねー?」
「何だ?」
「この山なんだけど、私、面白いものを見つけたんだ。お父さん、行ってみる?」
「ああ。私もこの山には興味がある」
「じゃ、行こうよ」
実の娘と山で探検というシチュエーションは人生初だった。
この山は本当に心が休まる場所だ。深緑の緑溢れる聖域。鳥もどこからか鳴いていて、風も心地よい。何より山の空気は美味しい。自然と私も笑みになる。何故かリラックスできる。
ジェニファーが先導して、私をとある洞窟に案内した。
「こんなところに洞窟が?」
「ビックリでしょう?私もビックリしたの。この奥にね、お母さんがよく行く神殿みたいな場所があるんだよ」
「何か判るかも知れない。行こう」
そうして、洞窟へと入って行く。中の空気はひんやりとしている。空気は湿り気がある感じ。水が流れる音も聴こえる。洞窟の中は少し暗い。懐中電灯なんて持っていない私は身に着けていたスマホを電灯の代わりにして、正面を照らした。
それでも薄暗い。だが、何故かその薄暗さが逆にジェニファーを色っぽくしているのだろうか?艶やかな乳白色の肌がきれいに見えた。
やがて、正面に見えたのは、何かの神殿だった。
暗闇の中、松明の光だけが照らしている、神殿。
「お前が見せたかったものってこれのことか?」
「うん。何でこんなところに神殿があるのかなあって思っていたの」
「中に入ってみるか?」
「そうだね。外から見ても何にもヒントが隠されていないね」
神殿の中に入るジェニファーと私。
どこかに「月待ちの儀」についての情報は隠されていないものか。辺りを見渡してみる。
するとジェニファーがある壁画を見て立ち尽くしているのを見た。
「お父さん。これ、何だろう?」
「壁画か?」
壁画には何かの文章が彫り込まれている。だいぶ年月が経っているのか、少しすり減っている感じだ。
私はその壁画の文章の壁に指を触れてみる。松明の明かりでようやく判る。
そこに、私の頭の中に唐突に、何かの情報が流れ込んできた。
”200年に一度の「月待ちの儀」。それはこの世の穢れを集める神聖な儀式。”器”となりしレムの血を継ぐ者よ。その”穢れ”を自らの身体の内に取りこみ、そして我が血族を守れ。穢れに満ちたその身体をつがいとなりし女性の光で浄化し、そしてレムの血族を守れ”
「うっ・・!」
「大丈夫?お父さん?」
「だ、大丈夫・・・。このメッセージは漠然としたメッセージでよくわからないな。器となりしレムの血を継ぐ者・・か」
(恐らく、これは私のことだな。つがいとなる女性というのはアネットか。で、肝心の情報はここにはないのか・・?)
すると、ジェニファーが続きがあることを私に教えてくれた。
「お父さん。この伝説、続きがあるみたい」
確かに下の方にすり減ってよくわからないメッセージが彫り込まれていた。触れれば何か判るかも知れない。私はそのすり減ったメッセージを指の腹でなぞってみた。
”月は満ち、そして欠ける。月が完全に満ちる時、その時代によみがえりし悪霊も、元の冥界へと旅立つ。だが、その為には生贄が必要である。冥界の神へ捧げる供儀が必要である”
また、私の頭に意味が分からないメッセージが流れる。
つまり、満月に行われるあの儀式は、血族を守るだけではなく、この世によみがえった悪霊を、退散させる儀式でもある、ということか?
冥界ということは、つまりは死者がいる世界のことだろうな。
冥界の神に捧げる供儀・・。それが、「月待ちの儀」?
なんとなくそう解釈する私だった。
だが、疑問にあることもある。
なら、何故、私はあの花・・あの庭園に咲く真紅の椿を見ると、人格が変わったようになり、女を抱いてしまうのだろうか?
しかも、その時の行為の記憶が全くない。抜け落ちていると表現するといい。
洞窟である程度の情報を得た、私は何気なくジェニファーと帰ろうとした瞬間・・何故かその洞窟にも椿の花が咲いていた。
すると・・私は椿に魅せられたようになり・・その瞬間。記憶が無くなった。
「お父さん?」
呆然と洞窟に咲く椿の花を見るエリオット・レム。ジェニファーが引っ張って去ろうとした瞬間・・彼は実の娘を洞窟の壁に押し付けた。
「お父さん?!」
彼は強引に実の娘の唇を奪う。その手はさまようにように身体を触り出している。白いワンピースに包まれたふくらみをゆっくりと揉む。
そして、スカートの下にスッと手を滑りこませると、その下のパンティー越しに彼女の蕾を、触り出す・・。
「あっ・・あん・・お・・お父さん・・っ。あはあっ!!」
彼はそのまま、パンティーの中へ繊細で狂暴な人差し指と中指を侵入させて、淫らな手淫を始める。彼女の花びらの芯を擦り、奥の聖域に指を入れる。淫らな音が聴こえる・・。
また、彼は娘の唇を奪いだす。情熱を帯びた激しい口づけ・・。その内、彼は右ひざで彼女の蕾を刺激する。薄暗い洞窟の中で・・彼は禁断の快楽の虜になった・・。
淫魔が奏でる・・性の饗宴。
その性の饗宴は実の娘をも巻き込み、どんどん深い世界へ・・彼らを連れて行く・・。