※この作品はR-18です。

機動戦士ガンダム MSV  エリオット・レムの記憶   作:翔田美琴

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いよいよ始まる、200年に一度の「月待ちの儀」。
レムの血族を守る為に行われる儀式。
そして、満ちた月は人の心を狂わし、そして始まった。
最後の性の饗宴が・・。


第十三夜 月待ちの儀

「アネット様。「月待ちの儀」のお時間です」

 

 二人の巫女となった女性が、「月待ちの儀」の巫女になったアネットを迎えにきた。夜空には黄金色に輝く満月が。非常に美しいスーパームーンと呼ばれる特別な月夜だった。

 アネットが正式な儀礼服にその身を纏い、瞳を閉じて・・松明の灯りがともる神殿で待っている。

 彼女を連れ、とある神殿へと入るアネット。そしてアリエルとアリシアも巫女服を纏い姿を見せている。

 もちろん、あの死霊・アレシア・レムも、そしてその祭事を取り仕切るアズラエルも儀礼服に身を纏っている。

 200年に一度のレム家の血を守る、冥界の神への供儀・・「月待ちの儀」がいよいよ始まろうとしている。

 

「月が満ちてきました・・。これより・・「月待ちの儀」を執り行います」

 

 神殿の上の方に、エリオット・レムが綱で拘束され、壁に張りつけにされ出てこさせられた。

 気を失うような”快楽”の拷問の儀式の後、本当に気を失った彼が目を覚ます。

 目の前には・・彼の眼前に広がる光景は・・異常な光景だった。

 

「月待ちの儀・・?」

 

 アレシアの背中が見える。ここからだと。そして、生贄を捧げる台座の上には、横たわるアリエルとアリシアが。

 そして、その後ろには、あの謎の仮面を被った男たちが整然と何十人と並んでいる。

 そして、アレシアが両手を広げ合図すると、仮面の男たちが奇声を上げて、生贄になった彼女らに近寄り、そして月夜の下、狂った性の饗宴が始まった。

 彼らは何も躊躇しないで早速、アリエルとアリシアを犯し始める。荒々しい腰遣いで、生で分身を艶やかな花びらに入れ、激しく愛液を注ぎ込む。

 アリエルとアリシアが喘いでいる。美しい童顔の顔に、男たちの愛液が掛けられ、汚されていく。だが、彼女達に感じるのは快楽だ。何人もの男の分身が入れられる度に喘いで激しく絶頂へ駆け上がる。

 それを・・アレシアは恍惚とした表情で見つめている。

 すると、ここでエリオット・レムの身体から、この200年に一度の為に散々集められた”穢れ”が目に見える形で溢れ出た。

 彼が苦痛で叫びを上げる。そこから出てくるのは真っ黒な”穢れ”そのものだ。

 それが彼から噴き出すように溢れ出ている。彼を通して捧げられたこの世の”穢れ”。

 アレシアはそれを確認すると、下の方で台座に横たわる巫女・アネットの下半身を確認する。そこからは既に溢れ出るほどの愛の蜜が滴り落ちている。

 

「こちらの準備もよさそうね。時を逆に回します」

 

 アネットが固定された台座が反時計周りに回された。

 妻は夫の姿を見つめている。彼からは溢れ出るほどの”穢れ”が黒い力となって出て来ている。

 

「アネット!見るな・・!見るんじゃない!」

「エリオット・・!私は大丈夫だから・・早く・・来て」

「ダメだ・・!!そんなことをしたら・・君が・・!!ううっ!!」

 

 だが、もはや、彼は限界だ。穢れがあまりにも多く、身体中に痛みが襲い掛かる。そして身体は愛妻を欲している。

 彼はやがて、無意識のうちに、拘束された縄を引きちぎり、まるで獣のように彼女の上に覆いかぶさった。

 そして、白い儀礼服を素肌の上から纏っただけのエリオット・レムが、巫女となったアネットと交わり始める。

 その間も、黒い力が・・彼の身体から溢れ出るように放たれている。

 彼らが熱い口づけを交わす。

 その行為を冷淡に見つめるアズラエル。

 

「”穢れ”の塊となったエリオット様が、光のアネット様と交わることで、浄化されてしまうことを知らずに・・哀れなことよ」

「これで・・私も・・蘇ることが・・」

 

 アレシアも彼らの行為に触発されたのか・・もう既に自分の身体を愛撫を始めていた・・。

 それに気付いたアズラエルはアレシアに気を配る。

 

「奥様のお相手はわたくしがしてあげましょう・・」

 

 だが、アレシアはまるで馬鹿にするように嘲笑いながらこう囁く。

 

「あなたに何が出来ると言うの?」

「奥様が思う所を思うように・・」

 

 やがて、アレシアの後ろに回り込んだアズラエルは分身だけを出して、背後からアレシアと交わり始める。

 アレシアは儀礼服の上半身を裸にして、後ろから突き上げられる嵐に感じる。

 やがて・・レムレースの山が激しく震動を開始した。

 力が集中している。途方もない力で・・レムレースの山が共鳴している・・!

 

 その「月待ちの儀」が行われている旧ポーランドの辺りを、ある一機のモビルスーツが向かっている。

 そのパイロットは、あの行方不明になっていたジョニー・ライデンだった。

 彼はエリオット・レムと彼の愛妻・アネットを迎えに、最大戦速で目的地に向かっている。

 思ったより、モビルスーツの奪取に時間を取られたライデンは、急いで彼の下へ向かっている。

 すると、向かっている方角から大震動が発生しているのを計器で確認するライデン。

 どうやら、「月待ちの儀」もクライマックスが近いようだ。何としても間に合わなければならない。

 彼は、エリオット・レムがいる旧ポーランドの街・レムレースに急いで向かった。

 

 その「月待ちの儀」は今は性の饗宴となってしまっている。

 生贄に捧げられたアリエルとアリシアはもう何十人もの分身を花弁で受け入れ、何度も何度も乱暴な愛液を注がれて、そして白濁液に汚れている。

 そして、その儀式の中心の台座では穢れに満ちたエリオット・レムが儀礼服に身を纏うアネットと激しい愛の交換をしている。

 今、彼の瞳は虚ろだ。瞳の中は穢れで満ちている。

 激しい口づけを交わして、激しく腰を振り、愛の蜜で溢れ出ている愛妻の花びらに己を入れて、身体を重ねる。

 レムレースの山が更に激しい地震が、地鳴りが起こってきている。

 アレシアも後ろからアズラエルを受け入れ、そして・・レムレースの山が共鳴しているのを感じる。

 

「力が・・!レムレースの山が共鳴して・・いる!」

 

 恐ろしいまでに溢れ出る”穢れ”が形になった黒い力が次第に彼女を呑みこもうとしている。

 身体を重ねる夫は・・喘ぐように、愛妻に声をかける。

 

「ダメだ!これ以上したら・・君がこの力に・・飲みこまれてしまう・・!!」

「構わないわ。もっと・・奥に来て!エリオット・・!」

「アネット・・俺は・・俺は・・!!」

「いいから、来て!」

 

 今度は背後から彼らは台座の上で激しく身体を重ねる。

 巧みに腰を上下させ、愛妻の花びらは蠢くように彼を逃がさない。

 彼が纏う真っ白な儀礼服が、今にもはだげようとしている。豊かな絹で作られた儀礼服は裾が長く、裾のほとんどが台座からはみ出している。

 異常な快楽の儀式だ。

 愛妻の頭にはあの華奢なティアラが飾られている。それがチリチリ音が鳴っている。

 瞳は涙が溢れている。彼もまた余りの快楽で瞳を開けていられない・・。

 額には汗。乱れた銀髪が月夜で妖しいまでに美しく輝いている。

 彼は激しい快楽の奔流の中・・客人が来るまでひたすら身体を重ねるしかなかった。

 やがて・・一回目の絶頂が愛妻に襲い掛かる。淫らな絶叫をあげ、艶やかな花びらから彼の愛が溢れる。

 やがてお互いに対面座位になる。

 黒い力が二人を包み込んでいる。

 だが、愛妻は更に夫にもっと奥へ・・自分の聖域へ招待する。

 

「もっと・・もっと!奥へ・・!」

「お前・・この穢れに飲みこまれてしまっていいのか!?」

「はあっ・・はあっ・・そ、それを・・浄化する為に・・・私という巫女がいるのよ・・?」

「アネット・・!」

「だから・・ここで・・この儀式で”穢れ”を出し尽くして・・まっさらな状態で・・月へ行きましょう・・?」

「月へたどり着いたら・・謝るよ」

「ええ・・!だから・・激しく私を求めて!」

 

 その言葉で、吹っ切れた彼は、この際、一気にその穢れの力を解放する。

 まるで彼女を蹂躙するように抱き始める。

 レムレースの山が・・地鳴りが凄い震動で動いている・・!

 ジョニー・ライデンも、地鳴りがする方向へモビルスーツを操縦して向かう。

 もうすぐだ!目的地が近くなってきている。

 

 やがて・・そこに眩しい程の光が彼らレム夫妻の間で放たれた。黄金色の尊い光が・・!!

 それに気付いたアレシアが途中で行為を中断する。

 

「これまでのようね・・!」

「何ですと!?」

「月は満ち、そして欠けるのよ・・。そしてその月の満ち欠けのようにレムの血族も続いていく運命・・!」

 

 そこで眩い輝きで、アレシア・レムがこの世から去った。

 アリエルとアリシアも光に包まれ・・消え去っていく!儀式に参加していたあの男性たちも。

 その光の中、改めて夫婦はお互いの絆を確かめ合う。

 

「アネット・・!」

「エリオット・・!」

「愛している・・!」

「私も・・愛しているわ・・!」

 

 そして・・深い口づけを交わした・・。

 

 「月待ちの儀」が終わる頃にようやく本来の客人・・ジョニー・ライデンが現れた。

 コクピットのハッチを開け、急いで外に出る。

 そこには、荷物をまとめたエリオット・レム夫妻がいた。

 皆、よそ行きの格好をして、彼が来るのを待っていた。

 

「すまない!遅くなった!」

「随分、遅くなったな!ライデン!もう肝心の宴は終わったぞ?」

「でも、そのおかげでやるべきことはやってきたのでしょう?!文句言わないでください!」

「そうだな!アネット?乗って?」

 

 ライデンはモビルスーツの手の上に彼らレム夫妻を乗せ、先にジェニファーが待っているグラナダ行のシャトルの空港へ目指す。

 ライデンが乗ってきたモビルスーツはよりにもよってガンダムだった。

 あのガンダムGP-04「ガーベラ」である。

 ガンダムに乗るエリオット・レムは文句みたいな軽口を叩いた。

 

「よりにもよって、ガンダムを奪取するなんて、当てつけのつもりか?ライデン?」

「文句は言わないでくださいよ!これしか奪取出来なかったんです」

「やれやれ。とんでもない半月だったな。でも、これで地球とはおさらばだな。ようやく月へ行ける」

「そうね」

 

 空港にたどり着いたレム夫妻は、そのままシャトル搭乗の手続きをするために空港へ入る。

 彼は去り際に、ライデンに地球連邦軍の機密が入ったディスクを渡し、約束の報酬を渡す。

 ライデンは手短に確認すると、足早に空港から去る。

 空港では、娘・ジェニファーが彼らを待っていてくれた。

 

「お父さん!お母さん!」

「ジェニファー。お待たせ」

「もうシャトルの搭乗手続きが始まっているよ?早くしよう?」

「ああ」

 

 そうして・・彼らは・・レム一家は、地球から去り・・月面都市・グラナダにて、また元の生活に戻っていった・・。

 

Epilogue

 

 月面都市・グラナダの新しいレム家の家は、以前、彼がジオン軍の士官をしていた時に購入した、仮の一軒家だったが、そこは今は新しいレム家の生活の場になった。

 地球に行った時、一回、この家を売り払うことも検討していた彼だが、何かの為にそのまま固定資産税を払い、残しておいたのだった。

 やはり、自分は宇宙が・・月面都市・グラナダの方が性に合っている・・。

 そんな気持ちが彼にあった・・。

 

 そして、今、彼は娘ジェニファーのバイオリンの音を聴きながら、自分も最近練習を始めたアコースティックギターで、ある音楽を奏でている。

 これは地球にいた頃、ケルト音楽を聴いたジェニファーが考えたオリジナルの曲だった。

 それをお茶を淹れながら聴く母・アネット。

 

 曲名は「Cluel Moon」・・。残酷な月・・という意味だ。

 それは暗に父・エリオット・レムを示した曲だった。

 

 あえて・・歌詞を入れるならこうだろう。

 

 私達は一晩中歩く

 私達が見つけることが出来ないものを探しながら

 そして、今 私は深くそして話している

 私が見ることが出来ない幽霊と

 

 私の名前を呼ぶ声が聴こえる 

 ねえ? 私がたどる道はどこにあるの?

 残酷な月よ・・ 私はあなたの為に泣く

 彼を私の場所へ取り戻す為に・・

 

 私は夜の魔力を感じる

 君の瞳に妖しい光が宿るのを見て・・

 そして、今

 私は一人になって怯えている

 君から「さよなら」と言われるのを聞いて

 

 私の名前を呼ぶ声が聴こえる 

 なあ? 私がたどる道がどこにあるのかな?

 残酷な月よ・・ 私は君の為に泣く

 君を私の場所へ取り戻す為に・・

 

 私の名前を呼ぶ声が聴こえる

 私がたどることが出来る道はどこに?

 残酷な月よ・・

 私は貴方の為に泣く

 あなたを私の場所へ取り戻す為に・・

 

 END

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