※この作品はR-18です。

機動戦士ガンダム MSV  エリオット・レムの記憶   作:翔田美琴

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こちらの最新話は、作者的に「なんちゃってレイトン」的な作品です。オペラ座の夜という題名は単に物語がオペラ座の夜から始まること。実はこの作品は作者的には「レイトン教授と永遠の歌姫」がイメージとしてあります。


オペラ座の夜編
オペラ座の夜 第1話 永遠の命をあなたに


 ”拝啓。エリオット・レム様。あなたに”永遠の命”を得る権利を与えます。……ただし、たった一人にしか手にすることができないもの故に、永遠の命を賭けたゲームに参加していただくことになりますが”

 

 謎の手紙が届いたその日から周囲から奇妙な”噂話”が溢れるようになった。

 ”噂”とは何でも”永遠の命”を得たのだという趣旨の話だ。

 時に宇宙世紀0085年。モビルスーツの研究の第一線から退いて、悠々自適な研究者生活を手に入れた私は、何もすることがないというのも暇なので、ロンドン市内で起こる奇妙な事件を解決する便利屋を開業した。

 この便利屋の名前は『エンジェル探偵社』。私と愛妻でもあるアネット、そして愛娘であり助手を務めることになったジェニファー、要はレム一家で経営する探偵事務所みたいなものだ。

 そして、今まさに私はこの謎に満ちた手紙を読んでいるのだ。

 

「”永遠の命”か。この招待状の場所は、最近建設されたばかりの劇場『クラウンベトーネ劇場』だね」

「変わった外観をしたオペラ劇場だと聞いたわ。で?どうするの?行くの?そこに」

「そうだな。その”永遠の命”を手に入れたという人が増えて来ているというのは事実なのか?アネット」

「調べただけでも数人の人物が、”自分は永遠の命を手に入れた”と言ってる人がいることは確かよ」

「お父さん」

「ん?何だ?ジェニファー」

「今回の依頼人もその”永遠の命”に関わる人なんでしょう?」

「ああ」

 

 実はこの手紙を前にも一通、不思議な手紙がこの事務所兼自宅でもあるこの家に届いたのだ。

 その手紙にはこう書かれていた。

 

『拝啓。お久しぶりです。レム先生。ジャニス・イアンです。覚えていますか?昔、一年戦争が始まる前にジオニック社で共に働いていましたスカーレット専務の知人です。レム先生にもモビルスーツの開発過程で秘書として関わったことがあったと思います。実は私、数日前から不思議な出来事に遭遇しています。親友のミレーヌが生き返ってきたのです。それも七歳の少女の姿で。その子は私の昔のことの記憶を覚えていてとても赤の他人とは思えません。そしてミレーヌはこう私に伝えたのです』

「わたしは”永遠の命”を手に入れたのよ」

 

 永遠の命。宇宙世紀も80年が経過しても”不老不死”は人間にとっては、魅了してやまないテーマの一つだ。

 この地球には今でも不老不死伝説は語り継がれている。とある者はそれは”秘薬”と言い、とある者は”果実”なのだとも言うが、それは憶測の域を出ない空想物語に過ぎない。

 

「お父さん。永遠の命なんて本当にあると思う?」

「どうだろう?ただ、ただの空想で終わらせるのは少し勿体無い気もするね。あるいはこの”招待状”を出した者がそれの手がかりを知っているとすれば、行く価値はあるかも知れない」

「招待状は二人分、用意されているわよ?ジェニファーを連れていけば?」

「一緒に行っていいの?お母さん」

「私はこの”永遠の命”を手に入れたという人物の調査が残っているからね。なら、お父さんと一緒にオペラ鑑賞でもしてきなさい。ね?エリオットもいいでしょう?」

「ああ。その永遠の命を得たという人物の調査は君に任せる。その間、私達はオペラ鑑賞とその後で行われるであろうゲームに参加してくるよ」

 

 その招待状に記載されている『クラウンベトーネ劇場』は海に面した海辺の劇場だった。

 劇場の半分は海に出ている。どこかそれは、王冠にも似た形の劇場だった。

 

「変わったデザインの劇場だね。お父さん」

「何でも、アンブロシアをイメージした劇場と聞いたよ」

「何?その”アンブロシア”って?」

「かつて、音楽と歌をこよなく愛する女王が治めていた国があった。女王の歌声はとても美しくいつしか”歌姫”と敬意を表して国民の皆は敬った。その国は平和に溢れた国だった。しかし、ある日。女王は重い病に倒れてしまう。女王の病を癒す為に国民達は彼女の為に”秘薬”を作った。だが完成したのは女王がその命を散らした次の日だったんだ。国民は嘆き、そして彼らは女王を永遠の存在にするために自分達にその”秘薬”を使って、女王再来を夢に見て彼女の復活を待っているという」

「それが、不老不死の伝説…?」

「ああ。技術屋業界でも語り継がれている、現在で最も”真実”に近い不老不死の伝説だ」

「今夜のオペラはその伝説をモチーフにした新作オペラだよね」

「これも何かの縁だ。芸術にたしなむのもたまにはいいかもな。それにしても、随分と荒っぽい運転だな。アネット」

「あなたの運転より丁寧だと思うけど?」

 

 赤いミニクーパーでその劇場に向かう私達。程なくたどり着いた私はアネットに頼んだ。

 

「それじゃあ、その例の”永遠の命”を得たという人物の調査を引き続き頼む!」

「気を付けていってらっしゃい」

 

「それでは行きますか」

 

 オペラ劇場にたどり着いた私達は、その新作オペラを鑑賞した。

 実はこのオペラ劇場には各界で有名な著名人が多数、参加している。

 とある貿易会社の社長、イギリス有数のセレブの未亡人、ミステリー作家、伝説の左足を持つサッカー選手、不老不死の伝説に魅了された考古学者、イギリスナンバーワンのチェスの女王。

 様々な思惑を乗せてオペラが終わると、今夜のメインイベントが始まった。

 たった一人に贈られるという永遠の命を手に入れるためのゲームが。

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