※この作品はR-18です。

IS×ライダー・鈴の音は歯車と共に   作:エタ

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05

「……シールドビット展開。フィンファンネル、Iフィールドを形成」

 

ひとまず安全性を高めるため、織斑と鈴にシールドビットと、フィンファンネルによるIフィールドを展開する。

 

これでいい。俺は少しこった首を軽く回し、

 

――目の前のミサイルを撃ち落とし、続くKARASAWAのレーザーをクイックブーストで避ける。

そのあとの隙をついて、サブマシンガンをばら蒔いていく。

 

そんな俺にナインボールもまた、クイックブーストでわずかに接近。弾丸をその身に受け、その装甲に傷を付けながら、グレネードランチャーが放たれる。

「……チッ」

 

回避は不可能と結論。腕を前に出し、瞬間直撃する。

 

「亮っ!」

 

鈴の悲痛な叫びを耳にしつつ、爆風をかき分けてブースト。急接近したナインボールを大型ブレードで叩き落とし、さらにバズーカで追撃する。

 

だが、ナインボールは叩き落とされる瞬間にブースターを点火させていて、バズーカを回避。KARASAWAとミサイル、グレネードランチャーによる一斉射を動き回りながら始める。

 

「相変わらず、ACは変態的な移動射撃をする、なぁ!」

 

取り出した装備をストレージに戻し、AC兵装からライフル・051ANNRとレーザーライフル・LR01-ANTARESを取り出す。

051ANNRでミサイルやグレネードランチャーを撃ち落としながら、互いに空をあちこちに飛び交い、互いのEN兵器を撃ち合う。

 

 

――その光景は、現在のISには不可能の筈の速度、威力、稼働出力で。

 

まるでそれは二つの機体で行われる小さな戦争だと、見ている者達は思った。

 

 

 

「これも、亮の秘密の一つ、なのよね……」

 

遠い。アタシがそう思うのは必然と言えた。

勿論、機体そのものの性能もあるのだろう。見たことも聞いたこともない機体だが、それはそれで聞けるのなら亮から聞けば良い。

あの機体、ナインボールという機体を事前に知っているのも、こうやって互角に撃ち合える要因なのだろう。

 

だがそれ以上に亮のパイロットの腕はアタシなんかよりも上なのは明白だった。アタシ達よりは流石にISを動かしていないだろうに、〝戦い〟とはそれほどまでに過酷なのだろう。

 

「――知りたい」

 

亮の事をもっと知りたい。亮の隣に立ちたい。

守られるだけなのは嫌だ。置いてかれるのはもっと嫌だ。

あの人が辛くなった時、今度はアタシが抱きしめて癒してあげられるように寄り添いたい。

 

「――だから」

 

だから今は、ただ彼の無事を祈るばかりだった。

 

そして、すぐに戦況は亮によって動きだす。

 

 

 

【FCエネルギー・チャージ完了】

 

「来たか!」

 

待ちに待ったFIONAの報告に思わず歓喜の声を上げながら、グレネードランチャーの砲弾を撃ち抜く。

爆風は互いの姿を隠し、しかしEN兵器を撃ち合うことによってそれは払われる。

こんなことを一々やっていたら、恐らく此方が先にエネルギーが切れるしキリがない。

 

だから待っていたのだ、終わらせられる切り札を!

 

「よし、FIONA!」

 

 

【了解。アビリティ・Verシュミクラム Standby】

 

 

ドクン――

 

機体が鼓動する。装甲がうっすらと青みがかかり始める。

これは本来のISには一機に一つしかないはずの能力の一つ。その起動を意味する。

さぁ、始めようか。このシュミクラム型の本領を。

四肢よ唸れ、兵装よ牙を剥け!

 

ナインボール、これで――

 

【フォースクラッシュ・イニシャライザ起動】

 

「終わりにしよう!!」

 

途端、俺以外の全てがスローになり、間近に迫っていたエネルギー弾を避け突進する。

懐に潜り込むと、シュミクラムのストレージから刀を取り出し、飛び上がる。

その間に音速でその場に残した斬撃が、今になってナインボールを切り刻む。

 

――兵装《I・A・I》

 

その慣性により浮き上がってくるナインボールを槍のような兵装《フィッシャーストライク》でつつき落とし、追い討ちをかけるように《ギャラクティックストライク》で地面に殴り落とす。

 

アリーナが揺れ、ナインボールも少し浮き上がる。さらにジャンピングニーで更なる追い討ちをし、続いて丸ノコギリ《メタルハーベスター》でガリガリ装甲を削る。

 

メタルハーベスターをストレージに戻し、落ちる前に掴んで掌に仕込まれた兵装《E・フィンガー》を起動。熱を発し、ナインボールの一部装甲を爆破させ、後ろに吹き飛んでいく。

 

またまた追い討ちをかけるように、タックルをしかけ、そして――

 

【フォースクラッシュ・月華衝】

 

ストレージから大量の爆薬を取り出し、殴るように幾つも幾つも取り付け、

 

「ブッ飛びなァ!!」

 

そのまま上空に投げ飛ばす。

 

 

――そこに、連続して花火が打ち上がったのだった。

 

 

 

――唖然、呆然。

それらは、(今のアタシは知らないが、千冬さんを除く)アリーナに残る者達の総意だった。

 

「なんだよ、あれ……」

 

一夏が、思わずと言うように漏れ出ていた言葉に、アタシは同意する。

急にとてつもない速度で動き出し、流れるように様々な武装で攻撃していたあの動き――ゲームのようなコンボと言わざるを得ないあの動きは、どう考えても非常識なものだった。

普通、あんな動きをしていたらISが持たない。だのに亮は容易くやってのけた。

アタシ達を翻弄し続けたナインボールも、もはやお手玉のようになっていて、笑うしかない。

 

ガシャン、と音を立てて、そのナインボールは地面に落下する。

片方の碗部は弾け飛び、両方の脚部は焼失。胸部やブースターは抉れ、頭部は斜めの斬り跡を残し、カメラ部分もひび割れている。

中身が入れば当然生きていないだろう。ナインボールから流れ出るのが血ではなくオイルだった事が、無人機であったことを示している。

 

(例え中に人がいたとしても、多分、亮は迷わなかったでしょうけど)

 

そんな亮を、否定するつもりはない。肯定する気もないが。

 

【良くやった、五十嵐。後は我々に任せて今すぐ戻れ】

「……了解(ヤー)」

 

しばらくして千冬さんの通信が入り、亮が空から降りてくる。

 

「織斑、手は必要か?」

「あ、いや、大丈夫だ。ちょっとキツいけど、問題ない」

「分かった。……鈴」

 

一夏とそんなやり取りをした後、亮は頭を隠していた装甲のみを解除し、優しくアタシを抱き起こしてくれる。

 

「……怖がらせちゃったかな」

「大丈夫よ、あの程度なら許容範囲内だから。でも……」

アタシはそう言いながら亮の額にデコピンする。

「亮が好きなアニメとかラノベみたいに手放しで褒めるつもりはないからね」

「……あぁ、分かってる」

 

と、亮はどこか嬉しそうに頷いていた。

 

 

【警告。僅かながらコジマ粒子を検知。――敵機、再起動します】

 

が、女の声がしたと思えば亮の顔が豹変し、アタシを突き飛ばす。

 

――次の瞬間、亮の身体を、一筋の光線が貫いていた。

 

「――え、っ?」

 

頭が真っ白になる。

何が起きた?何が起きた?何が起きた!?

そればかりが頭の中で繰り返され、呆然と座り込む。そんなアタシに、亮は安心した笑みを浮かばせ……

 

「――ガフッ」

 

大量の血が、その口から、そのお腹から溢れだした。

 

 

 

「――いやぁぁぁぁぁぁああああ――――!!?」

 

慟哭する鈴をみて、悲しませてしまった悔いと助けられたという喜びが同時にくる。

織斑も、織斑に駆け寄ろうとしていたらしいBピットから顔を出す篠ノ之も、真っ青な顔で呆然とみている。

 

(こいつらに、こんな場面を見せるつもりなかったんだけどな)

 

人生とはいつも儘ならないな、やっぱり。

まぁ良い。それよりも、俺は再びヘッドアーマーを装着し、振り返る。

 

そこにはさっきボロボロにしたナインボールが寝そべりながら緑の粒子を銃口から少しだけ噴き出させているKARASAWAを此方に向けていて、俺の土手っ腹に穴を開けたのが誰なのか一目瞭然となっている。

 

「コジマ粒子、は。シールドエネルギーも、絶対防御も、無意味になる、か。……まったく、処理する俺の身にも、なれっての」

 

【ハイ、じょ。はいじょ、ハイジョ、排除排除排除排除排除排除、排除排除排除はいジョハハハハハハハハハハハハ】

 

そんな俺の愚痴にナインボールは応えない。もう壊れている。ただ俺を殺すことのみをAIの思考回路は選択したらしい。

 

「上、等……!」

【待て、亮ッ!今すぐ戻って病院に――】

 

目尻に水が貯まっているのを見なかったことにして、千冬さんとの通信を一方的に切る。

 

コジマ粒子を持っていると分かった時点で、この先も他には任せられない。放っておけば汚染でIS学園どころか、日本そのものが人の住めない場所になる。それをどうにか出来るのはこの場で俺一人なのだから。

 

 

(恨むぞ、どこかの誰か)

 

そして覚悟しろ、クソッタレ。俺に喧嘩を売ってきた事、いつか後悔させてやる。だから、今回は勝ちを譲ってやるよ。そのかわり……!

 

「こいつはぶっ壊す!粒子収拾装置起動!!――FIONA」

【危険です、マス――】

「良いからやるぞ!」

【……了解。フォースクラッシュ・ジェットバンカー】

 

ストレージから俺が一から組み上げた大型のブースターのような兵装が取り出され、左腕に装着、点火。

 

すると急発進し、音速でその先端の突起にナインボールが突き刺さる。

そしてそのまま壁に向かって突貫していき……

 

「――死ね」

 

突起から長い杭が排出され、ナインボールのコアを、コジマ粒子を貯蔵する部分を狙って貫いた!

 

するとナインボールは動かなくなり、瞬間爆発。

緑の粒子が爆風で吹き飛ぼうとする寸前にアルペジオに備わる機能がダイソンの如く吸い込んでいく。

 

汚染濃度がゼロになった事を俺特性のハイパーセンサーとFIONAが知らせ、大勢のISと担架を持ってくる医師達を見てアルペジオを解除。

倒れる俺を泣きじゃくりながら駆け寄ってきた鈴に支えるのを最後に、俺の意識が途絶えた。

 

 

***

 

 




思ったより文字数喰って草も生えない。

ちなみにあのコンボは初めてバルドでコンボ組んだ時のもの。ある動画のを参考にして組んだんだっけ、と懐かしく思いながら書いた。脳筋コンボは良いぞ^~これ。
次はきっとエロシーンになる(本番するとは言ってない)
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