幽々子が夏祭り会場で悲惨な目に遭ってから一週間、ここ白玉楼で一大イベントが行われようとしていた。
それは月に一度行われる、幻想郷全ての妖怪と人間が集う大規模な宴会である。
もう何年も前から行われているこの宴会はその都度場所を変えており、開催地は投票によって選ばれる。白玉楼も春雪異変以後ほぼ毎回立候補していたのだが場所が冥界であるためか一度も採用されなかった。
冥界は死んだ人々が住む世界ということで生きている者たちが足を踏み入れるのは色々と問題があったのだ。
だがしかし、その後数々の異変を経て冥界と顕界との交流も増えて人々の認識も変わりつつあり、また神霊が大量発生した異変においてみんなに助言を与えた幽々子のたっての希望と、紫に生と死の境界を操作してもらうことで問題を解決、ついにこの場所での宴会が実現したのであった。
幽「やるわよ妖夢!みんなを唸らせるすごい宴会をやるわよ~!」
そういった事情もあってか、幽々子のこの宴会にかける想いは特別なものがあった。
紫以外に友と呼べる存在がいない彼女はずっと新しい友達を欲しがっていた。
だからこれを機に、みんなと仲良くなりたかったのだ。
幽「えーと、今日はみんな集まってくれてありがとう。色んなところから美味しい食べ物とお酒を集めてきたから、みんな好きなだけ食べてね~。それじゃあいただきま~す!!」
そして、集まったみんなの前で宴会開始の音頭をとる。その眼には長年の夢が叶った嬉しさが滲み出ていた。
この日の為に美味しい料理と酒を調達し、みんなに喜んでもらえるように計らった成果を見せる時が来たのだ。
霊夢「な、何コレ!?美味いっ!!こんな豪華な料理食べたの生まれて初めて・・・!」
幽「そうでしょ~?なんたってこの私が厳選したんだもの~。」
魔理沙「おいおい、別にお前さんが作ったわけでもないんだし、そんなドヤ顔されても・・・・って何だコレ美味え!!」
アリス「やれやれ、田舎魔法使いは食べ方も田舎臭いわね。まあ美味しいのは認めるけれど・・・」
ルーミア「バクバクガツガツハグハグ・・・・・おかわり!!」
レティ「・・・ふう、暑くて辛い夏を乗り切るには、食べて体力をつけなきゃね・・・」
チルノ「で、アタリハンテイがでっかくなると・・・・でぶってつらいね。」
レ「・・・チルノちゃーん?身体のことで他人を罵倒すると、痛い目に遭うわよ!!」
幽々子が舌によりをかけて厳選した料理は大好評で、食べた者全員が口々に絶賛していた。
こうしてそれぞれが料理を味わい、楽しみながら賑やかな宴会は続いていくのだった。
冬の妖怪と氷精の大喧嘩を酒の肴にして、楽しい時間は流れてゆく。
幽「み~んな~!どう~?い~っぱい飲んれる~?おさけはまらまらあるかりゃ好きならけ飲んれね~!」
そんな中で、幽々子が唐突にマイクを持ち出した。その頬は紅潮し、呂律は回らなくなっており相当泥酔していることが伺える。
いつもはこれ程酔うことはないのだが、ずっとやりたかった宴会ができた嬉しさからかついつい飲みすぎてしまったのだ。
妖「あの幽々子様・・・ちょっと飲みすぎでは・・・」
幽「ら~いじょうぶよ~♪わらひはぜ~んぜん酔ってないから~♪」
紫「その意気よ幽々子ー!!じゃーんじゃん飲みましょー♪」
妖「紫様までぇ!?ちょ、だれか何とかしてください・・・・・!!」
妖夢の静止も空しく、幽々子と紫の暴走は進んでいく。
その周囲に居た者も幽々子の飲みっぷりに触発されたのか酒を呑む勢いが増し、宴会は大荒れの様相を呈していた。
ア「あっはっはっはっは!!まりさの顔、おもしろ・・・あっはっはっはっはっは!!!」
魔「な、なんだよ・・・笑うなよアリスぅ・・・・私そんなに変な顔じゃないよぉ・・・・!」
咲夜「笑い上戸に泣き上戸・・・見れたものじゃないわね。」
レミリア「さーくやー♪あーそびーましょー!」
咲「ごふっ・・・・!!我が生涯に一片の悔いなし!!」
美鈴「ちゃっかり酔ってますね、咲夜さん・・・。お嬢様の抱きつきで昇天するとは・・・ヒック!おや私も・・・」
幽「うっふふ~♪みんな~、まらまら行くわよ~!!」
紫「よーし!ここらで景気づけに一曲歌っちゃいましょうか!あたしの歌を聴けえ!!!」
妖(ああ・・・誰か助けて・・・・!)
かくして宴会の席は混乱に満ち溢れ、この大混乱は留まることを知らず拡大していった。
妖夢の悲痛な叫びが白玉楼に木霊して、宴会の夜は更けていく。
幽「みんなしゅごいわあ~♪わらひももっろのむわよ~!・・・あら?なんらかきゅうに・・・・ねむく・・・・」
紫「あら幽々子ー、もうダウン?なっさけなーい♪」
妖「ちょ!?幽々子様ぁ!!」
そして会場の混乱もピークに達しようかという時、突然幽々子を猛烈な眠気が襲った。
普通の人間ならとうに死んでいるであろう量の酒を飲み続けて、ついに幽々子にも限界が訪れたのだ。
突然倒れた主を抱えて、妖夢は幽々子の寝室へと向かう。そこには既に布団が敷いてあった。
宴会がこれほど夜遅くなるとは思っていなかったので、あらかじめ敷いておいた布団がこんな事で役に立ってしまった。
妖「もう、あんなにたくさん飲むから・・・まったくもう・・・!」
幽「すう・・・すう・・・・」
愚痴をこぼす妖夢の声も深い眠りに落ちた幽々子には届かず、幽々子の意識は夢の世界へと旅立ってゆく。
その寝顔はうっすらと微笑んでいて、とても満ち足りていることがわかる。
みんなと一緒にたくさん食べて飲むことができて、幽々子は満足だった。
幽々子が眠りに落ちてからも宴会は続き、何人か脱落者を出しながらもその盛り上がりが消えることはなかった。
幽々子に触発されたせいか全員がこれまでにないほど酔い、そして狂っていった。
結局、日付をまたいで次の日になっても宴会は続き、最終的に終わったのは翌日の午前4時だった。
その頃、幽々子はトイレに向かっていた。
宴会の間は一回しかトイレに行っておらず、しかも行ったのは宴会が始まってすぐだった。
その後浴びるように大量の酒を飲んだため、それが絶大な尿意をもたらしていたのだ。
急いで便器に座り込み、安堵の吐息を吐きながら用を足す。
しゃああああー...と音を立てながら出て行く自分の尿を見ながら、幽々子は間に合ったことに安堵するのだった。
翌朝、目覚めたばかりの幽々子に襲い掛かる猛烈な頭痛。およそ爽やかとは言えない目覚めだった。
宴会が始まってから後の記憶がほとんどなく、いつ自分が寝たのかまったく思い出すことが出来なかった。
ズキズキと痛む頭のせいで逆に眠気が覚め、幽々子は昨日の事に思いをはせていた。
幽「うう・・・頭いたい・・・なんで私は寝てるのかしら?確か昨日はみんなと宴会やって、それで・・・ええと・・・」
幽「確か、夜の間にお手洗いに行ったような気はするけど・・・あとは何も思い出せない・・・」
何とか昨日の事を思い出そうとするも、宴会が始まって以降のことはトイレに行った事を除いて思い出せなかった。
そうしてしばらく考え込んでいると、幽々子は下半身に違和感を感じた。
何かと思って見てみると、そこには幽々子のお尻の下を中心に大きな染みがあった。
それを見た瞬間、幽々子の二日酔いは一瞬にして吹き飛んでいった。
幽「え、嘘・・・・!?まさか、おねしょ・・・・!?」
幽「で、でも確かにお手洗いに行ったはず・・・なのになんで・・・?」
幽々子は、目の前の現実を信じることができなかった。
幽々子の記憶が正しければ、夜の間にトイレに行っていた幽々子が寝小便などするはずがないのだから。
だが幽々子の記憶にはひとつ不完全なところがあった。それは、幽々子が夜中に起きた記憶が無いということだ。
幽々子がトイレに行ったのは眠った後であり、眠りから目覚めなければトイレに行くことはできない。だがトイレに行った記憶はあっても起きた記憶はないのだ。
その理由は、きわめて単純なものであった。
幽々子は夢を見ていたのだ。寝ている間に尿意は高まり、だが深く寝すぎて起きることもできず、排泄欲求に満たされた幽々子の脳は幽々子にトイレの夢を見せたのだ。そして夢の中の幽々子が用を足すと同時に高まった尿意は決壊を迎えたのであった。
幽「ど、どうしましょう・・・こんなところを見られるとまずいし・・・みんなが起きる前になんとかしなくちゃ・・・!」
未だに信じられないという思いはあるものの、目の前にあるものを現実として受け止める他は無かった。
そして幽々子は、みんなが起きる前にとりあえず証拠だけでも隠滅しようと、布団を持って部屋の外へ出た。
大きな染みのついた布団をどこか人目のつかないところへ隠そうと考えたのだ。
とりあえず屋敷の外へ布団を持っていくことにした幽々子は、その道中にある小さな部屋を通り過ぎようとした。
みんなが起きる前に片付けようと急いでいた幽々子は部屋の中に人が居るかどうかを確認せず部屋に入ったが、それがまずかった。
部屋の扉を開くとそこには、タイミング悪く霊夢がいたのだ。
幽「あ・・・れ、霊夢・・・・」
霊「んー?あら幽々子、どうし・・・・ってあら?あんたおねしょしたの?」
幽「・・・・・え?な、なんでわかったの!?」
霊「なんでって・・・あんたまさか自分が今どんな格好してるか気づいてないの?」
幽「か、格好・・・?」
霊夢に指摘され、恐る恐る目線を下に下げて自分の格好を確認する。
そこで初めて幽々子は自分の着物がびしょびしょである事に気がついた。
布団を片すことで頭がいっぱいになってしまい、そこまで気が回らなかったのだ。
霊「気づいてなかったのね・・・まあ慌ててたんなら仕方ないか。」
幽「ち、違うの霊夢!これはその・・・おねしょじゃなくて、えと・・・そう、お酒!お酒をこぼしちゃったのよ~!」
霊「あら言い訳?しかも随分とお粗末ね。」
何とかおねしょしたことを隠そうと、必死に言い訳をするも通用するはずが無く、一蹴されてしまった。
完璧に言い負かされた幽々子ができることは、もうこれしかなかった。
幽「お、お願い霊夢!この事は誰にも言わないで!みんなにばれたら私もうお外に出られない・・・・」
酒を飲みすぎておねしょした挙句、事実を隠蔽する為に他者に頭を下げる。その様はとても惨めだった。
だがそれ以外にどうすることもできなかった。頭を下げるよりもっと恥ずかしい事実を広めさせないためには、こうするしかなかった。
霊「んー、そうねえ・・・私の言うことを聞いてくれたら、黙っててあげるわよ?」
そして幽々子の想いが通じたのか、霊夢はある条件と引き換えではあるが誰にも言いふらさないことを約束した。
その言葉を聞いた瞬間、瞳を潤ませていた幽々子の顔がぱあっと明るくなった。
幽「ほ、本当!?やったわ~!!今度あなたの神社にお賽銭をたんまり入れておくわね~!!」
霊「はいはい、はしゃがないはしゃがない。んで条件だけどね、何でもいいからお酒をくれないかしら?昨日はみんながバカみたいに飲むから私が全然飲めなくて物足りなかったのよ。というわけで私にお酒を飲ませること、これが条件よ。ついでにお賽銭もよろしくね。」
幽「そんなのでいいの?だったらついてきて、秘蔵の酒蔵があるから~。」
霊「幽々子秘蔵の酒・・・凄く美味いとみたわ!さっさと行きましょ!!」
秘蔵の酒、というフレーズに心躍らせ、意気揚々と秘蔵の酒蔵へと向かう霊夢と幽々子。
普段は掃除係を除いて誰も近寄らない白玉楼の離れ、その最奥にある秘密の階段を下りた地下にその入り口があった。
扉を開くと、そこには霊夢が見たことも無い高級な酒がずらりと並んでいた。
いずれも一流の名を欲しいままにしてきた名酒揃いであり、食通たる幽々子のこだわりを垣間見ることができる。
霊「ちょ、これ凄すぎ・・・!!名前しか聞いたことない超高級品ばかりじゃない・・・!ほ、ほんとにコレ飲んでいいの?あとで呪われたりとかしないわよね?」
幽「大丈夫よ~。私がここに連れてくるって言ったんだし、これは口止め料みたいなものだから~。」
霊「じ、じゃあ遠慮なくいくわよ・・・いただきまーす!」
余りの高級さに若干怖気づいたものの、幽々子がそれを気にしない姿勢を見せたことで踏ん切りがついた霊夢は、酒瓶を掴んで一気に飲み干していく。
瞬く間に瓶を空にし、深い溜息をつく。その顔には笑みが浮かんでいた。
霊「ぷはあっ!!うんまあああい!!もう一本!」
さっきの勢いそのままに次の酒を開け、それも瞬く間に霊夢の中へ消えていった。
あっという間に二本の酒を飲み干し、霊夢の身体をアルコールが駆け巡っていく。
勢いに任せて度数の高い日本酒を一気飲みしたため、霊夢は悪酔いし始めていた。
霊「ヒック・・・もう一本いくわよー!」
幽「ちょ、ちょっと霊夢!いくらなんでも飲みすぎじゃない?」
さすがに飲みすぎだと思った幽々子は、三本目を開けようとする霊夢を止めようとした。
これ以上飲み続けては体に悪いと幽々子は思ったのだ。
霊「なーによ幽々子・・・あんたこの期に及んで出し惜しみしようっての?これはあんたの・・・ヒック・・・口止め料れしょ?だったら私の好きにさせるのが礼儀ってもんよねえ?」
だが既に悪酔いしている霊夢にはそれが出し惜しみに思えてしまい、聞く耳を持たなかった。
霊夢の身を案じての行動だったが、アルコールによって正常な思考を奪われている状態の霊夢には届かなかった。
幽「出し惜しみなんかじゃないわ~。これ以上飲みすぎると身体に毒よ?だからもうこれ以上飲まないほうがいいと思うの。」
霊「ふうん、なんとしても私に酒を飲ませたくないわけね・・・よーくわかったわ。」
そう言うと霊夢は手に持った酒瓶を床に置き、幽々子の方へと歩み寄ってきた。
そして霊夢は唐突に幽々子の胸を揉み始めた。
幽「きゃあっ!?な・・・!れ、霊夢・・・?」
霊「酒がダメなら、別の方法で口止め料を払ってもらおうじゃない?」
幽「べ、別の方法って・・・!?だ、だめよこんなの・・・!他のことならなんでもするから・・・!」
霊「だあめ、私はあんたの身体を好き勝手にしたいの。だから、抵抗したら・・・だめよ?」
なんとか霊夢にやめてもらおうとする幽々子だったが、その抵抗も霊夢の脅しの前に屈するしかなかった。
逆らえば皆におねしょしたことを言いふらされる、その脅しが幽々子から抵抗する意思を奪っていく。
霊夢の手を引き離そうと掴んだ手を降ろし、柔らかな乳房は好き勝手弄ばれる。
誰の助けも来ない、幽々子以外の誰も場所を知らない秘密の酒蔵で身体を弄ばれる。幽々子の受難は、ここから始まるのだった。