逆転世界での水商売 作:ポコポン
・この世界での人間は卵生だった。女性だけ翼があったり角があったりとなんかオプション付いてることがある。そんでもって女性だけ男の二倍くらいパワーがある。
・ヒトの原型から外れた特徴(オプション)を持っているとブサイク扱い! でも前世的感性からすれば特徴持ちは綺麗だったり可愛いかったりするよ。
・ふんわりとした逆転世界。難しいことはわかんないや! の精神。
・主人公は転生した影響でマジチン。エロイことして金がほしかったので店舗型ヘルスっぽい場所で働くことになった。
驚くべき事実がある。なんと人類は卵生だったのである。
着床後二週間ほどで産卵し、そのあと十か月ほどかけて孵化するらしい。まじかよ人類。いやまあ卵生の哺乳類ってカモノハシとかもいるから別にありえない話ではないんだろうけどちょっと常識からずれてる。
しかも女性限定ではあるが翼とか角とかも生えてるらしい。もはやそれってホモサピエンスじゃない気がするけど学術名的には俺の前世と変化ない。いや翼あんじゃん。角生えてるじゃん。ホモサピエンスに一括りにしていい身体的特徴じゃないじゃん。
実際に翼だの角だの生えてる女性はいくら体つきが良くても顔が綺麗でもブサイク扱いされてるっぽい。自身とは異なる身体的特徴を嫌悪してるのかね? だとしたらもっと昔に淘汰されてるはずじゃないの? まあなんか特徴持ちって優秀らしいしそれがあるから重用されて残ってきた感じなのかな。
前世知識によるツッコミは共感者がいないから不毛だ。やめよう。
まあ女性だけがそんな特徴を備えていることが直接の理由かどうかわからないがこんな状況が太古から続いたせいか社会情勢が前世とは大きく違う。
基本的に前世で男性が社会の中心になったのは性による優劣ではないと思う。ヒトという種が原因であると思うのだ。
生命である以上、種の存続は至上命題だ。そして女性は妊娠をする。妊娠期間中はマリア・テレジアでもない限り激しく動くことができない。
つまりは活動できない期間があるということだ。社会にそれほど余剰のない古代ではこの行動不能期間はとても大きいだろう。故に行動不能期間のない男性が中心の社会が形成されたのだと思う。
対して今世ではどうだろうか。産卵はそれほど大きな危険が伴うものでもないらしいし、卵は産卵直前二日くらいで急激に大きくなってから出てくるらしい。
そんな急激な変化に身体は大丈夫なのかと思うが、女性の体は男性に比べてめちゃくちゃ頑丈にできているらしい。小学生の頃の身体能力測定で女子平均が男子平均にダブルスコアつけるくらいの差である。女子プロアスリートとかだと100mを四秒くらいで走り抜けるらしい。仮面ライダーかよ。
つまり男は貧弱で女性は頑丈って話。そうなるとどうなるかというと社会のありようが俺の知る前世とかなり違っている。性犯罪の被害者は基本的に男性で、最近になって男性の社会進出が叫ばれてる。
男性と女性の社会的立場が逆転していると言っていいだろう。ただ、男性は過剰に性に対して嫌悪的であるし女性は性に対して開放的である。この辺は前世のヒトと違う部分だろう。なんで男はこんなにもエロに対して厳しいんだ? なんで女性は男性の状況を見てなおエロい衝動を抑えられないんだ?
この世界でのヒトの歴史を紐解けば男性と女性の観念が形成された理由が判明するかもしれないけれど学者でもないしどうでもいいか。
要するに女性がなんかエロくって男性はエロがなんかキライって話。そして俺はエロいこと大好きってこと。
需要と供給がぴったり合致する素敵な市場だ。俺は大学進学と同時にバイトを始めた。場所は新宿歌舞伎町。ビル一棟が丸ごと店舗である大きな店だ。
特徴持ちでも来店拒否されない事でその界隈では有名な店である。俺は一人暮らしの引っ越しが終わったその日に面接の申し入れを行い、次の日には面接に行きその日のうちに簡単な業務の説明をされて、次の日から出勤だった。
同僚っぽい男性の何人かは光のない目で働いていた。彼らには彼らなりの働く理由があるのだろう。この世界の男性の貞操観念で風俗勤めって相当な理由がないとありえないなと思うが俺は軽い理由なので話しかけるのがためらわれた。
どうせ借金とかそんなんでしょ。親しくもない相手に話せるようなものでもないだろうし俺が気にしてもしょうがないだろう。
俺の給料はサービス三十分につき八千円で指名だと千円プラスでもらえる。七時から二十四時までの間に申告制でシフトを入れることができる。
一応労働基準法的なものの関係で八時間勤務が限界だが、仮に八時間フルで働いたとしたら十万円は軽く一日で稼ぐことができるだろう。まあ八時間ぶっ続けで小休憩はさみつつセックスとかクッソきついだろうけど。
まあ一応転生した影響かなんか絶倫っぽい感じなので問題はさほどないと思いたいが今までそんな長時間のセックスの経験はないのでドキドキする。
今は春休み中なので暇といえば暇なのだが今日は勤務初日ということで四時間だけシフトを入れてもらった。十三時から十七時までの勤務だ。小学校とか中学高校のように相手を選り好みできないということに若干の不安があるが、特徴持ちが多く来店するという話だしその辺は問題ないだろう。彼女たちは俺からしたらかなり顔面偏差値が高い。
お昼ご飯を食べてから身支度を整えて電車に乗った。何故か前世とその構造がまるで変っていない新宿駅から歌舞伎町に向かう。出口が多い上にB出口への通路とD出口への通路が間違いやすいんだよファッキンと頭の中で考えながら歩いているとやはり人通りが多い。女性の比率が目に見えて高いのは彼女たちがサラリーマンだからだろう。学生的には春休みとはいえ社会的に今日は平日だ。四月二日である今日は何の祝日でもなければ土日でもない。
歌舞伎町に入るとスーツっぽいド派手な服を着ている女性がたくさん歩いている。彼女たちは前世でいうところのホストのような立ち位置にある人たちで、この世界ではキャバ嬢と呼ばれている。まあ逆転してるからそうなんだろう。名前まで一緒って作為的なものを感じるがまあ覚えるのが楽だとでも思っておこう。
雑居ビルに入ると一階はエレベーターと奥に関係者用の階段とエレベーターがある。客用のエレベーターの近くには警備員の女性がカウンターの向こう側に座っていて俺を見ると関係者用の階段に促した。社員証的なものが必要なのかとも思ったが顔パスで大丈夫なようだ。
最上階の事務所に入ると事務員の女性がいた。特徴の無いヒトで彼女は俺に軽い挨拶をするとそのままパソコンに向き直り何かの事務作業を続けていた。
俺は鍵付きのロッカーに私物を放り投げて着替える。下着は替えのものを持ってきてあるので履いてきたやつをそのままで行く。ボクサーパンツだ。あとはジャージ。
色気全くない格好だなと思うが、どうせ部屋にちゃんとした衣装があるのだ。お客さんの要望に合わせて着替えたらいい。どうせヤる時には全裸だろうし。
フロントに行くとガール(ボーイのようなもの)の女性が声をかけてくる。
「あ、おはよう。今日は一番の部屋でお願いね」
了承の返事を返すと彼女は忙しそうに何らかの業務に戻ってしまった。
一番の部屋はフロントと同じ階層にある。まあわからないこととかあったら聞けるようにという配慮だろう。部屋に入るとワンルームほどの広さでシーツとタオルが敷かれた保健室のようなベッドと浴室がついている。ベッドの脇には小さな台があり、そこにタイマー、コンドーム、ローション、消臭剤と内線などが用意されている。あとは山のように積みあがったタオルとシーツの替えがたくさんある。
風呂もちゃんと湯船がありエアーマットも備わっている。バスルームにはイソジンとボディソープにグリンスが高級そうな容器に入れて置いてある。基本的にはプレイの前には風呂に一緒に入ってもらうことになっており、全身をしっかりと洗いながら一回イかせて、風呂から出たらベッドでプレイという流れのようだ。その際にお客さんの要望などを聞いてできるだけ内容に沿ったプレイを行う。
ただ、問題が一つあった。コンドームが小さいのである。ギッチギチにギリギリ入るが少しの衝撃で破けてしまいそうだ。フロントに内線をかけると今度からもっと大きなサイズを用意すると言っていた。今日のところはひとまずこれで乗り切るっきゃないようだ。
初めての仕事相手はどんな人なのだろうとドキドキしていると内線がかかってくる。受話器を取ると短く告げられた。
「新規のお客さん。六十分入りました」
「わかりました」
電話後にすぐ出ていくと待合室に案内されるお客さんと鉢合わせしてしまうので二分くらい経過してからフロントに行くとすでに準備は終わっているようだった。
適当にゆっくり続けていこうと思います
リハビリみたいなものです