---神代雪夜---
いつものメンバーとまったりタイム…いつもとは違い、少しピリピリムードではある。
「雪夜!この女とはどういう関係なの?」
僕の左腕を独占中のリーナを指差す姉ちゃんとエリカ。
「どうって…精神の病を患っていて…治療を施した程度だよ」
「え?その程度で、そのような懐き方はおかしいでしょ?」
姉ちゃんの目付きが恐い…ここで暴発すれば、カフェ内の全員は凍結されるだろう。
「おい!ヒッキーのお前が、なんで海外の子と、こんな関係なんだ?」
詰め寄るエリカ。こいつは制圧は簡単だからスルーするか。
「まぁ…色々と…深雪…家に帰ったら説明するよ」
頬を膨らまし、お怒りの姉ちゃん。
「私には?」
「エリカには、後々な。まず、深雪が先だ!こいつ、暴走すると、みんな死ぬぞ」
頷く達也。それを見た皆が固まった。怒り心頭のエリカを除いて。
「エリカが暴走しても、制圧は簡単だしな」
「制圧だと!お前に出来るのか?ヒッキーよ!」
エリカにだけスマホの待ち受け画面を見せた。固まるエリカ。
「いつの間に…おい!消せ!頼む…ねっ♪雪夜くぅ~ん」
甘え声で頼み始めたエリカ。待ち受け画面は、全裸のエリカが自室のベッドで、恍惚な表情を浮かべている画像だった。
「なんでもするか?」
「うっ!緊縛プレイとか蝋燭プレイとか、ノーパンノーブラでの登校はダメだよ~」
う~ん…読まれている。くそっ!
「じゃ、尺八プレイは?」
「はぁ?」
少し考え込んで、何の事か分かったのか、真っ赤な顔で俯き、無言になった。制圧完了かな?
「ねぇねぇ、尺八プレイって?」
リーナが興味を抱いたようだ。う~ん…そういう関係には成りたくないなぁ。
「それも家に帰ってからだ。っていうか、リーナのホームスティ先って?」
「うん?司波達也って人の家だよ」
『雪夜!』
姉ちゃんが限界のようだ。リーナから離れ、姉ちゃんを背中越し、いや椅子の背もたれ越しに抱き締めた。
「深雪…苛ついている顔は好きでは無いよ」
耳元で囁くように言う。姉ちゃんの怒りのオーラは霧散していく。
『ごめん…こんな程度で、焼き餅なんて…』
皆に聞かせたくないのか、念話で返して来た。
「大丈夫?」
「うん…」
頷く姉ちゃん。
「雪夜…いつの間に、プレイボーイっぽくなったの?」
リーナが目を点にして、不思議そうに僕を見つめていた。
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放課後、いつものように生徒会室。リーナは達也と先に帰ってもらった。達也にはリーナは仲間だと伝え、現状を伝えて欲しいと頼んだ。
部屋に入ると、真由美が抱きついて来た。
「ごめんなさい…」
開口一番は謝罪の言葉だった。お灸を据えた姉ちゃんは餅を焼く気配すらない。
「あのね…私なりにケジメをつけたいの。会長室に来てくれない?」
僕の手を握り、奥の部屋に誘う真由美。服部先輩の方を見ると、
「会長のケジメ…つけさせてくれ、雪夜♪」
僕の背中を押す先輩。そして、奥の部屋に連れ込まれた。二人っきりの室内。この後、リーナ絡みの一悶着が予定されているので、無理は出来無い。
「淫乱させないで…自分の意志でしたいから…」
僕のズボンのチャックを下ろし、中から僕のアレを取りだして、固まる真由美。マジマジと見ている…
「ごめんなさい。初めて見るから…へぇ~こうなっているんだ…」
色々な角度から見て、触って触れて摘まんで確かめている。淫乱は見えていなかったのか?
「では…」
意を決して、舌で舐め始めた。何かで予習したのか、気持ちが良い。ムクムクビンビン来た来たって感じになってくる。
「こんなに大きくなるの…う~ん、入るかな?」
大きく口を開けて、頬張ろうと口に含む。どうにか入ったのだが、その後、目が潤むだけの真由美、口元からはヨダレが漏れている…
「なぁ、顎が外れたのか?」
頷く真由美…どうするよ、これ…
「小さくしないと抜けない…フィンガーテクニックは学習したか?」
頷いた真由美が、指で口に含まれてない箇所をマッサージし始めた。タンテクニックより劣る感じだ。真由美が竿ではなく袋狙いに変えたようだ。精巣を刺激して放出させる作戦に出たようだ。
「痛い!玉は潰さないで…痛いから…」
口が塞がっている真由美は、指でオーケーサインを出してきた。なんか埒が明かない気がしてきたので、僕自身も精巣に念を込めていく。すると、達してはいないが、精液が放出出来た。で、放出した際の刺激で達した感を得た僕。竿を抜いた直後に、真由美の顎を治療すると、顔を上に向けて口を閉じ、
「うっ…うぅ…ごくっ」
豪快に出たアレを残さずに飲み込んだ真由美。漸く解放された僕の竿…僕と真由美から尺八プレイの痕跡を消して、何食わぬ顔で、皆の元へ戻った。
「もう、ケジメはいいから…」
「重ね重ね、ごめんなさい…良く考えますから、再度チャンスをください…」
尺八リベンジの機会を欲している真由美。
「まぁ、今度でいいよ。で、十文字先輩は?」
「来ないな。お前達の情報を集めているのかな」
と、服部先輩。
「師族会議はどうするの?」
気を取り直した真由美に訊かれた。
「僕は当主でも次期当主でも無い。だから、関係は無いよ」
「乗り込まないのね?」
「まだ、この国には師族達は必要だよ。まず、国外の敵が先だよ。じゃないと、この国が戦場になってしまう」
「お前はラスボスなのか?正義の味方なのか?」
服部先輩に訊かれた。
「見る立場にもよるでしょ?敵から見たらラスボスかな?う~ん、違うか…僕は攻撃手段がないから、深雪と達也の方がラスボスになるのかな?」
「私は、お淑やかな女性ですよ」
って、姉ちゃんは笑っている。
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家に、姉ちゃんと帰宅…リビングにはリーナと達也と夕歌が待っていた。
「リーナ、来ちゃダメだろ?」
リーナに声を掛けた。
「だって、指令だったから…この国の戦略級魔法師と最終兵器について調べて来いって…まさか、達也さんと雪夜のことだなんて、知らなかったよ~」
涙目で僕を見るリーナ。
「で、彼女は誰?」
「仲間だよ。USNAへ送り込んだスパイだ。いわゆるダブルだ」
リーナはUSNA側の人間だったが、僕と親交を深めてから、USNAを調べることもしていた。
「えっ?!」
驚きの声を上げた姉ちゃん。
「彼女の正体は、『アンジー・シリウス』スターズのエースだ。達也、聞いたことあるだろ?」
「うっ!彼女がそうなのか…」
「これで、この家に戦力級が4名集結しちゃったな…どうすんだよ~」
「それでね、雪夜…留学終わりに、亡命したい。国に帰ったら、雪夜と逢えない気がするから…」
「亡命?」
姉ちゃんの目を見開いて驚いている。
「彼女の主な仕事は暗殺だ。で、殺しをしすぎて精神を病んでしまったんだよ。彼女の信頼している上司から、内密に神代家に治療の依頼があって…それで僕が主治医になり、彼女を遠隔治癒させていたんだ」
「もう、殺したくないよ…雪夜の為ならするけど…USNAの指示じゃイヤだよ~」
僕に泣き付いたリーナ。随分と精神が傷ついているようだ。治癒オーラと治癒術で、リーナの心と精神を癒やしていく。
「そんな感じだよ、姉ちゃん、兄ちゃん」
「わかった。リーナは妹枠だな、雪夜」
「兄ちゃん、頼む。夕歌もお願いだ」
「ふっ、協力するわよ、雪夜君♪」
「そうなると、レイが心配だな。あぁ、レイっていうのもUSNAへ送ったスパイなんだけど…リーナ、レイは安全か?」
「うん…たぶん…エドワード・クラークの息子だから…」
「え?エドワード・クラークの息子も仲間なの?」
夕歌が驚いている。
「あぁ、アイツも心が病んでいたので、リーナ共々治療していたんだ。で、僕の正体を知って…協力してくれるって…アイツは、レイはいいヤツなんだよ。鳥かごから、救い出してやりたいんだ」
「でも、お前の能力で海外の往復は無理だろ?」
「兄さんか、姉さんに頼もうと思うけど、こちらでの受け入れが整わないと、レイの負担になるから」
治療が終わり、グッタリしたリーナを姉ちゃんが優しく抱き締め、ソファに座らせてくれた。
「リーナはどうするんだ?」
「僕と姉ちゃんが住む予定のエリアに住んで貰う予定だよ。神代家で戸籍を用意している。亡命したら神代里奈って戸籍に入ってもらう。レイも神代礼って戸籍を用意してあるし」
「あぁ、そうだ。これ!」
リーナが何かの計画書を取りだした。
「雪夜の利用計画書よ。ICBMの弾頭に凍結した雪夜を封印して、敵国に撃ち込むそうよ。大気圏への再突入時の熱で解凍するんだって」
姉ちゃんの顔から血の気が失せていく。
「私の能力で雪夜を凍結?有り得ないわよ…私の能力で凍結は出来無いはず」
「双子だから、僕は姉ちゃんの能力を受け入れて凍結されるらしい。これが、僕と姉ちゃんは道具って証拠だよ。悲しい現実だよな、計画書を目にしちゃうと…」
「酷い…」
夕歌が怒りのオーラを纏い呟いた。
「これが、この国の現代魔法師を取り仕切る一部の連中が、練り上げた計画だよ。大亜連合のソーサリアン・ブースターにしても、USNAの複数の魔法師の魔法演算領域を強制的にリンクさせての新型エネルギー利用にしても、支配階級未満の者は道具としか見ていないんだろうな。だから、腐った性根の魔法師は殲滅したいんだよ。達也、夕歌、協力を再度お願いします」
僕は二人に頭を下げた。姉ちゃんとリーナも、僕に習って頭を下げた。
「頭をあげてくれ。俺は協力する。妹と弟の為にもな」
「私も協力する。酷すぎるよ。許せない気持ちで一杯だもの」
次の一手はどうするかな?レイの救出か、それとも…
---十文字克人----
師族会議が開催された。俺は当主代理として出席。七草は次期当主としてオブザーバー参加している。
「彼らからの要求は書面に書いた通りです。後、今回の会議の件を一般人にリークした者へ制裁をしろと要求もありました」
四葉真夜は、威厳を感じられない程、やつれていた。この師族会議を取り仕切る力を持っていたとは感じさせない程だ。
「はぁ?何様のつもりだ、ソイツらは!俺達に難癖?有り得ないな」
七草家の当主が大声を上げて、意義を唱えている。それを睨む七草。
「真夜様、何をされたか知りませんが、そのような輩こそ、排除すべきでは無いですか?」
一条家の当主も意を唱えている。
「道具は道具として使うべきだよ」
九島老師が呟くように言った。俺と真夜様以外の者が頷く。
「宣戦布告として捉えていいんですね?」
参加メンバー以外の声がした。アイツだ!七草の顔がほころんでいる。
「何?貴様、どうやって、ここに来た!」
「どうやって?道具としての能力を使ってデスよ。真由美の父親よ!」
固まる七草家の当主。
「ここで、ケリをつけようか?極悪人共よ!」
「何を言っているんだ?この国の魔法師の頂点の集まりだぞ!」
俺はアイツに叫んだ。
「これはこれは十文字先輩。お久しぶりです。頂点の集まりと戦略級が6名、どっちが生き残ると思います。戦闘エリアはこの室内だけです。あぁ、結界は張らしてもらいましたよ。乱入も逃亡も出来ません」
6名?アイツと司波兄妹、知らない金髪の少女、知らない大人の男女1組…全員戦略級なのか?有り得ないだろ?
「雪夜…助けて…ねぇ…」
真夜様がアイツに命乞いをしている。
「そこのクソ女、お前は最期まで生かすと伝えただろ?しっかりと地獄を体現して、地獄へ行け!」
大人の女性が、真夜様に暴言を吐いた。
「おい、貴様らは何者だ?」
「自己紹介は必要ですか?私は神代家当主、神代亘。隣にいるのは姉の神代綾香です。そして、あちらから司波達也君、司波深雪さん、弟の神代雪夜、妹の神代里奈です。あぁ、全員戦略級以上ですよ。ふふふ♪」
『ダークミスト』
目の前が闇に…いや、闇に全身が飲み込まれたようだ。敵の位置も気配も分からない。
「うぉぉぉぉぉぉうごっ!」
誰かのうめき声、そして果てる声がした。
「道具としての能力を味わって貰いました。僕の能力『透過』は、攻撃を透過するだけで無く、相手の防御すら透過できるんです。それをあなたがたは知らずに、僕を失敗策と位置付け、破棄処分しようとしたんですよ。そう、僕は根っからの暗殺者です。今のデモンストレーションは皮膚、筋肉、骨を透過して、直に心臓を鷲掴みにしたんです♪」
化け物…アイツの前では防御は意味をなさないのか…
「そうですよ。十文字先輩。相手の脳みそを直に舐めることができるんです」
「あなた方に選択肢を出して上げます。1降参して、今後は僕達の意向を汲み取る。2僕に心臓か脳を鷲掴みにされる。3『質量爆散(マテリアル・バースト)』で消える。4『コキュートス』での永久凍結。5『重金属爆散(ヘビィ・メタル・バースト)』で消える。6『天の裁き』で感電蒸発。7『紫煙の炎』での完全燃焼。どれを選びますか?」
「何?おい、冗談はよせ!お前達はいかれているぞ!」
「いかれているヤツには言われたくないですね。あなた方が作り出した物ですよ。自分達で実食しなさいって話ですよ。九島烈よ!」
『四肢損壊』
「うげっ!」
どさっ!
何かが倒れる音がした。
「残り7名かな?」
「二木家当主、二木 舞衣です。真夜様に…追従します」
「残り6名だよ♪」
誰が倒されたんだ?
「五輪家当主、五輪 勇海です。澪の件でお世話になりました。あなた方サイドに付きます」
「残り5名だな」
裏切り…澪さんって、確か、「十三使徒」の一人かぁ…
「六塚家当主、六塚温子です。真夜様に付いて行きます」
次々に陥落していく当主達…
「まぁ、こんなところかな?」
闇が霧散していった。会議室に残った当主は、1,7,8,9と俺の10だった。しかも、七草の父親の四肢は潰されて、床に倒れていた上、一条家の当主は、五体満足で倒れていた。
「半分は良い選択をしたな。で、お前らはどのような死を望む?うん?あぁ、真由美の父親は、当然だろ?2回に渡って、僕に刺客を放ったんだからな」
何?刺客…なんてことを…
「十文字先輩は…代理だからスルーだな。八代家はオブザーバーだ。なので、交渉相手は九島烈、お前だよ~ん♪」
「お前が十文字先輩に情報を流せと命じたそうだな?悪だよな~。こんなのが尊敬される現代魔法師だから、腐っているヤツが多いんだろうな!」
「止めろ…」
「今後、師族会議は八代さんが正常に運営してくれる。いいな、烈!お前に権限は無い」
8は既に仲間になっていたのか…
「今後は神代家が師族会議より上位置に座る。会議は8と5を中心に運営してもらう。今後、治療目的以外の調整体の製造の禁止。我が国独自の人権に配慮した魔法師のルールを策定、実施をしてもらう。海外の勢力は、殲滅する以上だ」
言いたいことを言うと、あいつらは消えた。