目の前に姉ちゃんがいる。僕の目に姉ちゃんの涙が、まるで目薬の様に滴下されていく。瞼を閉じようとすると。
「雪夜!目を開けていなさいよ。お前に、私の悔しさを思い知らせてやるからね」
って、拷問である。僕の乳首は姉ちゃんの乳首に押し込まれている。目が同じ位置にあると、乳首も同じ位置である。一卵性双生児故の身体の特徴である。
事の発端は…優勝したのが雫だったことだ。兄ちゃんは僕のCADの調整の穴を見つけ、その対策を姉ちゃんへ伝えていた。『術式解体』は発動時に撃ち込まないと、解体出来ない。で、連射することも難しい。タイミング命の術式だから、その為『ジャミング』を発生させて、術の起動を邪魔していたのだが、その間隙を縫うように、デカイのを一発入れるようにしたらしい。しかし、雫はBプランに変更していた。ミラーリングである。姉ちゃんの放ったデカイ一発は、オウンゴールしたそうだ。
「何、アレ?お兄様の作戦の裏をかくなんて…酷い…」
って、言われても…目が痛いです…姉ちゃんの涙の滴下攻撃を受ける度に、僕の目尻からは、僕の涙が零れていく…
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エネ切れ復活したばかりでの拷問…フラフラな上、目がかすむ…
「ごめんね、雪夜…やり過ぎたわ…」
姉ちゃんの肩を借りて、自販機コーナーへと向かっている。珈琲が飲みたくなったのだ。
「兄上様は間違っています。小手先の技に走って…それでは千刃流が泣きます!」
エリカの声が聞こえた。でも、姿が見えない。うっすらと3人の姿が確認できるだけだ。
「その女に、うつつを抜かしているからでは無いですか?」
「おい!エリカ!!摩利をその女呼ばわりするな。お前の将来の姉だぞ!」
あぁ、相手は修次さんか…姉ちゃん、僕を自販機の方へと連れて行く。
「大事な用件で海外に行かれたのですよね?なんで、その女の元へ来たのですか?」
「エリカ、一応、先輩なんだけど…私…」
苦笑い気味の摩利の声。
「摩利が大怪我をしたと聞いて、急いで帰国したんだよ。いいか?少しずつ、新しい物を取り入れていくことも武芸には必要だと、お前は思わないのか?」
「兄上様!思いません!」
エリカの声は、怒りで震えているようだ。まったく…
「修次さん!僕もエリカの意見に賛成ですよ」
「うっ…雪夜君…」
「えっ!雪夜…」
「新しい物を取り入れたら、それは千刃流では無く、亜流になると思います。先人達の作り上げた千刃流は、小手先の技で誤魔化す剣術では無かったはずです。もし、それを流派にしたいのであれば、修次さんは千刃流当主の座を捨てて、流派を立ち上げるべきだと思います」
彼らの表情、動作が霞んで良く見えない。
「雪夜、ブラックでいい?」
姉ちゃんに訊かれた。
「香料無しのがいいなぁ♪」
「うん?買ってみないと、原材料名が見えないけど…」
「姉ちゃんが、試しに買ってみて」
「私は雪夜と同じのがいいのよ♪」
背後に気配を感じた。
「雪夜…ありがとう…」
エリカの声だ。修次さん達の気配は感じ無い。姉ちゃんとの会話中に立ち去ったのかな?
「正しいことは正しいと言いたい。それだけだよ」
エリカの頭が傾いたように見える。俯いたのかな?
「でも、意外♪エリカさんって、ブラコンなんだ。兄上様って呼んでいるのですね」
「えっ!違うって、アニキって呼んでいたわよ。ねぇ、雪夜…」
姉ちゃんのツッコミに慌てふためくエリカ。
「良かったわ。ブラコン仲間がいて♪」
嬉しそうな姉ちゃん…
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姉ちゃんはもう1種目残っているので、兄ちゃんと打ち合わせしている。その為、僕は医務室で休んでいる。姉ちゃんの拷問による、目のダメージが消えるまで安静することにしたのだ。
コンコン
ドアがノックされた。
「はい?どなたですか?」
「摩利です。今、いいかな?」
「はい、いいですよ」
ドアが開く音がして、摩利が入って来た。
「さっきは、ごめんね。正しい意見を貰ったのに、修次さんが黙って去ってしまって…」
あぁ、自販機コーナーの件か。
「エリカの千刃流に対する考えは正しい。でも、人間関係的に考えると、修次さんはストレートに受け取らないですよね」
「そうなのよ…そうそう、ありがとう…怪我を治してくれて」
「まぁ、同じチームだし。気にしないでください」
うん?まだボンヤリしか見えないので、定かでは無いが、摩利が服を脱いでいるように見える。
「ねぇ、抱いて…これくらいしか、お礼が出来無いから…」
えっ?修次さんは?
声に出して訊こうと思ったら、僕の服は脱がされ、摩利が載って来た。
「淫乱化はしないで、素の私を堪能してね、雪夜君」
摩利の体内…気持ちいい。動かなくても、ムクムクビンビン来た来たって感じになっていく。
「大丈夫な日だから…」
中出しオーケーなんですか?いや、出ちゃいそうです。既に…
ドン!
摩利の身体が上に少し飛び跳ねたように感じた。そして、摩利の身体がゆっくりと、僕に倒れて来た。摩利の乳房が僕の胸板に、彼女の体重という重石により押し付けられている。萎えた彼女の乳首が、僕の胸板に新たな刺激を与えいる。ムクムクビンビン…
ドッピュ~!
摩利の体内の容積を超えた分が、僕の股間に流れ出てきている。摩利は失神しているようだ。口元に彼女の耳があったので、耳たぶをハムハムしてみる。薄くて滑らかで、気持ちが良い♪その刺激で、更にムクムクビンビンと…おぃおぃ…僕って、溜まり過ぎていたのか?
動く事無く、5発も撃ち込んでしまった。うち3発は摩利が失神していた最中である。
「えっ?こんなに出したの…」
戸惑っている摩利。ここは医務室なので、シャワールームが無いし…僕の体液塗れの股間に下着を履き、去って行く摩利…戸惑った摩利は、僕の存在を忘れ、放置していく…
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「で、医務室で寝ていたら、知らない女性にレイプされたと?」
姉ちゃんと真由美が、僕を問い詰める。
「知らないかどうかは、別にして…見えないんだもの…」
目が霞んでいる事実を伝えた。摩利に放置された僕は、二人に見付かった。で…
「誰でしょうね?」
真由美に訊く姉ちゃん。
「他校の生徒かしら?」
「あぁ、意識飛ばしている隙に、盗まれましたよね」
将輝の能力を封じ込めた玉ね。
「う~ん…」
その後、姉ちゃんと真由美の手で、僕の身体は念入りに洗われた。そして、無罪放免…って、僕は今夜。どの部屋で寝るんだ?
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そして、モノリスコードの予選が始まった。レイモンドの作戦通り、手の内を見せないように、相手を倒していく。フォワードは兄ちゃん、ディフェンスは僕である。
順調かと思われていたのだが、廃ビル戦でアクシデントが起きた。開始前のフライングで、オーバースペック攻撃を受けたのだ。崩れていく廃ビル。ガレキに埋もれていく僕達…僕は二人を僕のスペースに入れ、ガレキをフルカウンターしていく。そして、事故を利用して、『アースクェイク』で敵陣を崩壊させていく。
ガレキから、這い出た僕達。敵はガレキに埋もれたままだ。相手の反則負けで、僕達の勝ちであったので、何もしなくても良かったみたいだ。
「あれって、相手の奴らの攻撃で無いよね?」
兄ちゃんに訊いた。
「違うな。明らかに、爆弾のようだった。火薬臭もしたしな」
そうなると、テロ集団の仕業だな。
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決勝の相手は将輝達だ。共に全勝同士の戦いとあって、盛り上がっている。
「攻守入れ替えだ。雪夜、痛い目に遭わせてやれよ」
レイモンドから、指示が出た。どう料理するかな?
「兄ちゃん、レイモンドを頼むよ」
「ふっ、任せておけ」
頼りになる兄ちゃんであった。
ステージは草原戦で隠れる場所は無い。敵の布陣は、フォワードが将輝、ジョージは遊軍か?それとも、急襲かな?まぁ、どっちでもいいか。
開始のサイレンが鳴り響く。将輝が一歩ずつ前進をしながら、爆裂魔法陣を僕目がけて、展開していく。僕の最初の獲物はジョージの方だ。『ハーレーレイン(流星群爆撃)』を、ジョージ目がけて、降らせていく。『メテオフォール(隕石群爆撃)』より、威力は小さいが、速度は断然速い。ジョージのいた辺りの地面は、抉れて無くなっていく。
「ジョージ!」
連続発生している爆音で、将輝が気づき、爆裂魔法陣をジョージを護る様に撃ち出し始めた。でも、手遅れだよ♪
まず、将輝の精巣を潰した。
「うっ…何?」
下腹部を押さえて、倒れ込む将輝。
「何だよ?試合中に腹痛か?」
将輝の顔面には脂汗が吹き出しているようだ。
「汗かきか?汗臭いと女性に嫌われるぞ」
「おい、ジョージにオーバースペックか?反則だろ…」
苦しそうな表情の将輝。
「オーバースペックって言うのは、CADを使った魔法にしか存在しないんだよ。知っていたか?僕のような魔導師には、そういう括りは無いんだよ。ふふふ♪」
将輝の瞳に恐怖が宿り始めた。さて、ショウの始まりだな♪
まず、『這い虫』を発動して、将輝の皮膚と筋肉の間を這わせていく。
「止めろぉぉぉぉぉ~!やめくれぇぇぇぇ~!」
皮膚が盛り上がり、何かが蠢いているのが見える。
「一般人の怖さを教えてやるよ。後、深雪に手を出そうとしたことを後悔させる」
『百鬼夜行 男喰い』
将輝にしか見えない鬼達を召喚した。四つん這いにされ、鬼の男根を口に頬張り、後ろの穴に鬼の男根をぶち込まれる。
「うっげぇ…うっ…うっ…」
将輝の身体は痙攣し始める。もうすぐ終わりだな。残りの一人を処刑するか。相手のモノリスに歩いて近づく。
「ジョージさん…将輝さん…お前は化け物か!」
「お前はどうされたい?」
『ブレインビブレーション(脳振動)』を発動した。兄ちゃんを病院送りにした、事象を術式化したものだ。相手は、激しい嘔吐をして、その場に崩れた。
その瞬間、終了のサイレンが鳴り響いた。総ての術を解除する。そして、自陣へと戻った。
「オーバースペックはしていないし、勝ちだよな?」
「寧ろ、オーバースペックされた方が、相手には良かっただろうな」
って、兄ちゃん。担架で運ばれていく将輝達。僕達は観客席に向かう。僕に対する恐怖感を、観客からひしひしと感じる。それはそれで誉め言葉に値する。
「雪夜!」
姉ちゃんが親指を立てて、グー!って表現している。姉ちゃんが喜ぶだけでいい。他の奴らにどう思われようが。
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その夜、僕、兄ちゃん、姉ちゃん、リーナ、レイモンドで、横浜にいた。もう1つの勢力へのお礼参りである。ノーヘッドドラゴンの集会所へと入っていく。
「貴様ら…どうやってここに?」
この場所を守護するように、ジェネレーターと呼ばれる生体兵器がたくさんいたが、僕達の敵にはならない。その程度である。
「どうやって?愚問ですよ。歩いてだし♪」
「貴様、何者だ?」
「一高を代表してまいりました」
兄ちゃん、渋いなぁ。感情を言葉に載せないなんて、クールだな♪
「一高生だと…まさか…お前ら…」
次の瞬間、目の前の敵は消滅した。建物壊さない程度で、全員の術を撃ち込んだのだ。瞬間的凍結し、粉々に砕かれ、肉骨片ごと蒸発させられていく、ノーヘッドドラゴン達。
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翌朝、姉ちゃん達の競技があるらしい。僕には関係の無いことなので、ベッドで眠りについている。
コンコン!
ドアのノック音で目覚めた。誰だろうか?ドアの覗き穴から見ようと近づくと、身体に衝撃が走った。僕の身体は衝撃を総てフルカウンターして返却していく。
「化け物め!」
無数のCADの砲撃が僕を襲う。誰だ?コイツら…?窓を突き破って、逃げる。僕のいた部屋が爆発した。植え込みに生えている木の枝に掴まり、地面に降りた。
「おい!いたぞ!」
はぁ?三高の生徒か?将輝達のお礼参りか?ここでもCADの砲撃が僕に襲い掛かる。総てフルカウンターしていく。飛び交う悲鳴、絶叫…
逃げる…一高の本部テントを目指して…
もう少しで本部テントと思った処で、今度は国軍が待ち構えていた。背後には九島の爺か?
「撃ち殺せ!アイツは人間では無い。気に病まずに殺せ!」
マシンガンやら、戦車の砲撃が僕を襲う。総てフルカウンターしていく。何柱も上がる火柱…ここで、悲鳴やら絶叫やらが渦巻く。
身体に生じた異変を感じ取った僕。連続的に能力を使い続けたことによる、オーバーヒートである。これが九島の爺の狙いか。フルカウンター体質の僕を消し去るには、オーバーヒートによる自爆しか無いもんな。
ふざけんなよ~!
クールダウンする為に、能力を切り替えた。撃ち込まれる砲弾、銃弾をすべて透過させていく。国軍の放った弾丸はすべて三高の生徒へ譲渡されていく。
「大丈夫か!」
兄ちゃんと姉ちゃんが空から舞い降りて来た。飛行魔法か…
「雪夜…ねぇ、大丈夫?えっ!熱い…オーバーヒート…」
「おい、貴様らどけ!ソイツと共に果てたいのか?」
国軍の指令官が叫んでいる。
「姉ちゃん…」
「雪夜…話さないでいいの。ねぇ、生きて…」
姉ちゃんの悲壮感を感じ、更なる異変に気が付いた。身体の至る所から出血をしている。限界が近いみたいだ。クールダウンは間に合わなかった。
『兄さん、姉さん…後の事はお願いします…』
僕を見守ってくれていた二人に、念話を送った。
「雪夜…酷い…ねぇ…いやぁぁぁぁ~!」
リーナの叫び声…レイモンドが、僕の手を握ってくれているようだ。目の前に赤い…赤黒いフィルターが置かれて、良く見えない。
「これはどういうことですか!」
十文字先輩の声…なんか、もの凄く遠くに聞こえる。
「ソイツは人間では無い。スクラップにしろと指令が届いている」
僕は…道具だから…殺せでは無くて、スクラップにしろなんだ…姉ちゃんの胸枕…気持ちいい…
---司波達也---
「弟は道具では無い。人間です」
怒りが込み上げてきた。雪夜は道具では無い。心の通った優しい弟だ。
「私達の弟は道具じゃない!」
深雪も怒りに染まっていく。この世界、終わらせてもいいかな?なぁ、雪夜…深雪は雪夜の亡骸を抱き締めている。
「君達はその道具に騙された被害者なんだ。そいつは、単なる調整体なんだぞ」
深雪から冷気を感じる…指令官らしき者の言った言葉は、深雪にとって許せるものでは無かった。
「調整体だって、人間です!弟は、ただ、私達と暮らしたかっただけなのに…」
「いるだけでも驚異だろ?戦車の攻撃が効かないんだからな、その化け物には!」
『ごめんなさい…お兄様…』
深雪の声が脳裏で響いた。あぁ、俺も限界だ。深雪に俺の封印を解いてもらった。これで全力でいける…深雪は雪夜の亡骸をリーナに託した。黙って受け取るリーナ。
「すまない…巻き込んでしまって」
雪夜に寄り添ってくれているリーナとレイモンドに声を掛けた。
「いいのよ。私も許せないから!雪夜は…少しでも長く生きようとしていたのに…」
雪夜を強く抱き締め、敵を見据えた。リーナも全身全霊で撃ち込むようだ。俺も、深雪も…雪夜をスクラップ?許せない。俺達の感情は暴走していく…
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この日、この時間、この場所から、この星は終末へのカウントダウンを始めた…