---神代雪夜---
入学式も無事に終わり、教室で担任の先生からの今後の話。授業のこと、校則のことなど…
席は姉ちゃんの隣だった。何かの力が働いたのかな?授業は姉ちゃんの念話頼みだな。実技以外は♪
先生の話も終わり、帰宅することになったのだが、一人の男子生徒が姉ちゃんに、執拗に纏わり付いた。
「森崎駿です。俺があなたの騎士になります。虫が付かないように、護り切りますよ」
そいつは、姉ちゃんの手を握ろうとしたが、姉ちゃんが手を引っ込めた為、手を追って姉ちゃんの身体に抱きつこうとしていた。そんな森崎の額に怒りの裏拳を叩き込んだ。
「俺の深雪に手を出すな!」
「雪夜…」
僕の背中に隠れるように、抱きついて来た姉ちゃん。
「なんだと?お前みたいな優男には騎士は務まらないんだよ。このモブがぁぁぁ~!」
教室内でCADを手にした森崎。怯まない僕。脅しのつもりだったのだろうが、興奮して撃ち込んで来た。だけど、森崎の魔法を倍化したダメージのフルカウンターで返却した。吹き飛ぶ森崎。教室も大破した。って、造りが軟弱じゃないのか?生徒の体当たりでビビの入る壁って、どうなんだ?
「正当防衛だ!CADの使用は、使用可能エリアだけのはずだが?お前は知らないのか?」
「五月蠅い!黙れ!このクソモブがぁぁぁぁ~!」
CADの出力を最大に設定して、今度は狙って撃ってきた。それもフルカウンターで返却した。
「うぉっ!」
教室の壁を突き破って吹き飛ぶ森崎。騒ぎを聞きつけ、教師達などがやってきて、僕を連行していく。姉ちゃんは、僕の制服の裾を握って付いて来る。
「雪夜は悪くない!彼がCADで2度も雪夜に撃ち込んだんですよ!」
会議室に連行された僕を、姉ちゃんが弁護してくれている。
「しかし、反撃が酷いだろ?教室を破壊って、どういうことだ!」
「僕のパッシブスキル『反射』のせいです。戦闘不能になるような攻撃をフルカウンターしてしまうんです。アイツは最大出力で撃って来た。それをそのまま返却したんです」
「えっ?!」
教師陣も驚いているが、姉ちゃんも驚きの声を上げた。
「僕には自分から攻撃出来る魔法師としての魔法は無いんです。おわかりですか?願書にも書いたはずですよ」
入学願書の書類に目を通す教師陣。
「うぅぅぅ~、確かにあるな。『反射』と『透過』と…」
「『透過』は攻撃を透過出来るのですが、今回は僕の背後に深雪がいました。なので、『反射』しただけです。ソレよりも、教室でCADを使ったアイツを、どうにかしてください。授業中に狙われると困ります」
「そうだな…」
教師陣から解放された僕達。会議室を出ると、上級生らしき女性が待っていた。
「生徒会長の七草真由美です。司波深雪さん、神代雪夜君、お二人に生徒会に入って欲しいんですよ。入学テストの成績上位2名…生徒会に是非入って欲しいのですよ。今回のようなトラブルは、生徒会が味方をしますよ。どうします?」
にこやかに話す七草真由美。罠か?コイツ数字付きだよな?
『姉ちゃん、どうする?』
念話で、訊いてみた。
『雪夜が護られるのであれば、入ろうよ』
って、お返事が返ってきた。なら入るかな?数字付き家系に関しては、姉ちゃんにまかせてある。僕にはそっち系の家にコネないし…
「生徒会って、何をするんですか?」
仕事内容を訊いてみた。
「う~ん…取り敢えず、今から生徒会室に、来て貰える?そこで、説明するわ」
連れ込んで、承諾しないと帰さないって手口かな?考え込んでいたら、姉ちゃんが僕の手を握って、真由美先輩に付いて行く。
『雪夜、考えても始まらない。まず、行動よ♪』
『そうだね。悪い奴だったら、消せば良いしね』
『そういうことよ。まず、味方の魔法師を見極めよね』
『了解♪』
で、生徒会室なる場所に連れ込まれた。目つきの悪い男性2名。うん?知り合いの女性もいるし。千刃流の門下生だよな…名前は…確か…
「摩利さん?」
知り合いの女性に声を掛けた。
「雪夜君?」
「摩利、知り合いなの?」
真由美先輩が驚いた顔で、摩利さんの方へ振り向いた。
「神代家に鍛錬に行くことが合って、何度も手合わせしています。彼は神代家の次男坊なんですよ」
って、摩利さんが僕の立場を紹介した。
「神代家って…あの?」
小柄そうな男子生徒が訊いてきた。
「そう…陰陽師の頂点…神の代理人と言われる程、多彩な魔術を使える魔導師集団よ」
『雪夜って魔導師なの?』
姉ちゃんに訊かれた。
『僕は魔導戦士だよ』
『ふ~ん…』
事前に知らせていなかったことで、少しお怒り気味のようだ。
「そうか…で、教室破壊は、魔術によるものか?」
今度は大柄な男子生徒が訊いてきた。
「違います。僕は何もしていない。相手の自爆です。『反射』の能力を持っているので、フルカウンターしただけだし♪」
「フルカウンターだと…」
大柄な男子生徒へ目を見開き、他の生徒会のメンバー達も驚いている。
「フルカウンターって、ダメージは受けないの?」
真由美先輩に訊かれた。
「受けません。クロスカウンターでは無く、フルカウンターですから」
「迂闊に攻撃は出来無いんだな…知らないで攻撃をすると大怪我かぁ…」
小柄そうな男子生徒に言われた。
「です」
「で、君達は付き合っているのかな?」
僕と姉ちゃんを指して、真由美先輩が訊いてきた。
「そうです。付き合っています。私は雪夜以外、身体に触れることもイヤです」
僕を見つめながら、姉ちゃんが答えた。
「学内で、いちゃ付きすぎはダメだよ。恋愛は禁止はしていないけど」
まぁ、トラブルの元だな。
「で、君達に生徒会に入って欲しい。どうかな?」
「先程の質問の答えは?」
「あぁ、生徒会の仕事内容ね。生徒が円滑に学生生活を送れるように、各所との調整が主な仕事よ。例えば、今回みたいなトラブル時には教師陣と調整するの。はんぞー君、教室にCADの持ち込みって制限出来無いかな?彼女に振られた腹いせに、発砲って危険だし」
小柄の男子生徒…はんぞー君に、真由美先輩が声を掛けた。
「え?そんな理由で入学式の日に…わかりました。風紀委員会で話し合ってみます」
「で、どうかな?雪夜君♪」
甘えるように真由美先輩が迫ってきた。今度は、姉ちゃんが僕を背中に隠すように、前面に出た。
「雪夜に甘えないでください!」
「え?そんなつもりは…う~ん、睨まないでよ、司波さん」
作り笑顔を返して来た真由美先輩。姉ちゃんを名前呼びしないのは、何かを警戒しているのか?
「僕達を護ってくれるなら、入会します。深雪、いいよね?」
「えぇ♪雪夜の決定に従うわ」
「そ、そう…あぁ、生徒会メンバーを紹介するわね。雪夜君の知り合いの渡辺摩利さん、風紀委員長」
「深雪さん、雪夜君、よろしくね」
摩利さんが挨拶してきた。
「で、この大柄な男子は、十文字克人君、部活連会頭よ。こっちははんぞー君、じゃなくて、服部 刑部少丞 範蔵君。名前が長いから、私ははんぞー君って呼んでいるわ。あぁ、生徒会副会長です」
長い…服部先輩にしようかな?
「あと、この子は、中条 あずさ。私はあーちゃんって呼んでいるの。で、生徒会の書記をやってもらっています」
「で、僕達は何をすれば良いのですか?」
「あーちゃんの下で書記をしてくれるかな?二人一緒でいいからね」
『別々だと、僕も姉ちゃんも暴走しかねないからか?』
『だと思うわ♪雪夜の能力は半端無いからね』
「わかりました。あずさ先輩、よろしくお願いします」
僕と姉ちゃんが同時に頭を下げた。
「で、お前達…血縁者では無いのか?やけに似ているが…」
十文字先輩に指摘された。
「偶然ですよ。まぁ、似ているおかげで、つきあい始めましたけど」
って、嘘の理由を流しておく。
「そうなのか?」
疑うような目で見ている十文字先輩。そして、生徒会に入ったことで、解放された僕達。校門に向けて歩いて行くと、校門に人だかりが…
「深雪!大丈夫か?」
「お兄様…」
シスコンな兄は、妹が心配で待っていたようだ。
「雪夜君、大丈夫だった?」
クラスメイトの北山雫に声を掛けられた。
「深雪共々、生徒会入りだよ」
クラスメイトの光井ほのか、達也の傍には、エリカと幹比古と知らない大柄の男子学生と、小柄の女子学生がいた。達也のクラスメイトか?
「雪夜…お前の彼女って、達也君の妹なのか?」
エリカに訊かれた。
「そうなるな…」
「どこで、くどいたんだ?なぁ、ヒッキー君♪」
う~ん…コイツ、しつこい性格だしなぁ…どう答えようかな?
「あれ?幹比古…お前もこの学校なのか?」
話題を変えてエリカの問いを煙に巻く。
「雪夜…お前が一科生とは…僕と同じ二科生では無いのか…」
「まぁ、魔法師が魔導師をしている感じだよ」
僕を狩るような目付きで見ている達也。姉ちゃんも気づいているが、スルーしていた。なので、僕もスルーする。
「で、その大柄な男子がエリカの彼氏か?」
顔を真っ赤にしたエリカ。
「はぁ?レオはクラスメイトだよ。彼氏にするなら、達也君がいいなぁ♪」
エリカは、面食いだもんだな。
「さて、帰ろうか」
--------
二つのグループに別れて帰宅。僕、雫、ほのかのグループと、姉ちゃん、達也とそれ以外だ。
「雪夜君、魔導師なの?」
ほのかに訊かれた。姉ちゃんが、その話題が気になったのか、僕の横に気配を消して寄って来た。達也は、振り返らずに、聞き耳を立てているし。
「陰陽師の家だからね。魔術や魔法は必須だよ」
「魔導師で魔法師なの?」
雫に訊かれた。
「まぁ、そんな感じだけど、僕の魔法師としての術は、あまり価値はないんだよ。相手に対して発動できないから」
『反射』も『透過』も、僕を護る術であり、敵に対しては放てない。『安堵』と『癒やし』は相手に放てるが、攻撃出来無いし…現状では。密かにリバース技を研究中である。『癒やし』のリバースは『苦痛』だし♪
「単純な魔法であれば、使えるよ。無属性の念動力としてね」
魔法師としての魔力の量は姉ちゃん並で、屈指のレベルらしい。気配を消しているので気づかなかったが、姉ちゃんは僕の腕に抱きついていた。適度な柔らかさである姉ちゃんの胸の感触で気づいたのだった。
『焼き餅…焼いていいかな?てへっ♪』
って、姉ちゃん。
『ここでは止めて…達也が恐い…』
と返信した。深雪と僕の関係を怪しんでいる感じだ。一卵性双生児故、分厚い化粧でもしない限り、ソックリ感は消えないだろう。これが、僕達の一番の難点であり、問題であった。
「ここのケーキ、美味しいんです。ご一緒にいかがですか?」
ほのかに訊かれた。ほのか達の後に、僕と姉ちゃんが続いた。達也達のグループは前にいたので、僕達の離脱には気づかない。達也を除いてね。
「深雪さんと雪夜君って似ているよね?」
オーダーをして一服してから、雫に訊かれた。
「よく言われるけど、他人の空似だよ。でも、似ていることがきっかけで、付き合い始めたんだ」
っと、嘘の情報をここでも流しておく。前もって、姉ちゃんとは打ち合わせ済みである。一卵性双生児故、似ているのはどうしようもない事だし。なので、他人の空似にしたのだ。
---司波深雪---
家に帰ると、私の帰りをお兄様が待っていた。
「彼とはどこで出逢ったんだ?なぁ、深雪…」
「街で偶然…」
「彼、引きこもりだそうだけど、どういうことだ?」
感情の乗らない言葉で訊いてきたお兄様。どこまで隠し通せるかな?
「ですから、街で偶然…」
「わかった。じゃ、彼は何者だ?」
「彼氏でクラスメイトです」
「深雪、何を隠しているんだ?」
「お兄様に隠し立てなんか、しませんわ!」
表情に感情を出したら負けで有る。しかし、言葉に感情を載せてしまった。マズい…鋭い目付きのお兄様から逃げるように、自分の部屋に引き籠もる私。
---司波達也---
彼は何者?深雪の彼氏?どこで出逢ったのか不明である分、疑問ではある。正体不明の彼を、軍の情報端末で検索してみた。しかし、怪しい記述も、経歴もなかった。他人の空似と言うが、あそこまで似る物なのか?見た目で分かる範囲ではあるが、身体の各パーツの位置はほぼ同じであった。まるで、一卵性双生児のようだ。
深雪の出生に秘密があるのか?深雪について検索をしてみたが、これも怪しい情報は無い。無いけど…俺と深雪…同じ学年っていうが怪しい事実ではある。深雪の遺伝子を調べたことがある。調べたきっかけは自分の能力で、どこまで遺伝子を見極められるかだったかな?その時、見てはいけないデータを目にした。深雪の遺伝子には俺には無い物が多数あった。俺と深雪は兄妹では無い可能性があり、一致する部分も有るので、従兄弟とか、叔父と姪という関係性は有るかもしれない。
そうなると、彼と深雪は血縁関係があるかだが…彼の遺伝子を調べて見たが、深雪とも違う箇所が多かったのだが、身体の造りを司る遺伝子情報が一致している。これは彼と血縁関係、いや一卵性双生児で有ることを物語っていた。
一卵性双生児となると、違う遺伝子が多々あることから、彼らは調整体で有る可能性があった。深雪は実の妹では無いのか?自分で導き出した結論に、ショックを受けた俺。
彼に確認するかな?学校のシステムをハッキングして、彼の住所を調べ、バイクで彼の家に向かった。
---神代雪夜---
寝ようかと思った時、珍客が訪れた。達也だ…何の用だ?
「あがらせてもらうよ」
勝手に部屋に上がり、寛いでいるように見える。コイツ、何しに来たんだ?姉ちゃんに
『達也が来た』
と念話を送ると、
『何で?バレたのかな?』
心配そうな声が聞こえた。
『探ってみるよ』
『無理しないでね』
『了解♪』
僕達のテレパシーラインは、達也にバレていないようだ。
「何をしに来たんですか?彼女のお兄様が…」
冷たい視線を僕に送る達也。
「どうして、深雪と遺伝子情報に一致する部分があるんだ?お前達、一卵性双生児で…調整体なのか?!おい、答えろ!」
こいつ…僕の遺伝子を能力で分析したのか…姉ちゃんの制服に、僕の髪の毛が付いていたのか…しまった…
「何の話ですか?」
感情を押し殺し、返答した。
「俺には分析をする能力が有るんだよ。なぜ、一致する部分があるんだ?俺と深雪には無いのに…」
その能力は警戒していた。やらかしてしまったよ…達也は人工魔導師だから、とも言え無い。現時点では…
「わかりません。偶然の一致じゃないんですか?いや、相思相愛だから一致しているのかもね♪」
バシ!
襟元を掴まれたので、手首を捻り上げる。身体を空転させてねじりを緩めようとしたので、後方へ投げ捨てた。
ガッシャン!パリン!ガラガラ~ゴトン!ゴトン!
買ったばかりのキッチン用品が、達也の身体が当たったことで床に散らばる。激しく割れて散らばるお椀やお皿…神代家から持ち込んだぬか床まで…ショック大だよ。
「何をするんですか?新手の強盗ですか?それとも、シスコン故の焼き餅ですか?」
図星だったのか、感情的に殴り掛かってきた達也。同じような攻防をした後、また投げ捨てると
パリ~ン!
しまった!窓ガラスに向けて、外に放り出してしまった。何か術を放ってくれないかな?攻撃する術の無い僕は、攻撃は他人まかせである。
いや、出来ることがある。念動力で達也のバイクのガソリンをエンジンへ総て流し込み、タンクを空にしておく。これで逃げられないだろう。って、達也は部屋に戻って来た。
「魔法が使えないのに、なんで深雪と同じクラスにいるんだ?」
使えないのでは無い。使える魔法が強力すぎて、使えないだけだ。まぁ、誤認させておくか。
「なら、達也が使ってみろよ。使えるのか?二科生なのに」
罠を張った。感情的になっている今なら、掛かるはずだ。そして、僕の耳元で指を鳴らした達也。振動系で鼓膜破りの上、脳に直下型地震か?倍化したフルカウンターを受けて、激しく振動する達也の脳みそ。これにより達也の再生能力は使えない。その場で意識を飛ばし、倒れた達也。脳を一瞬で制圧すれば、自動でスクリプトが展開しての、自動起動タイプの再生能力なんか、意味を為さない。
しかし…
あぁぁぁぁぁ~!家の中はエライことに…窓ガラスは無いし…ここでは生活出来無い気がする…警察に連絡をして、押し込み暴漢を引き取ってもらった。
--------
警察署のベンチに座っていると、姉ちゃんが来てくれた。
「雪夜…大丈夫?怪我は無い?」
「部屋が大怪我だよ…住めない状態だ…」
「おっ、雪夜の彼女か?」
千葉家の長男で、警察庁の警部である寿和さんが、身元引受人になってくれた。武闘派の神代家が乗り込んで来ると大騒ぎになるから。
「この方は?」
姉ちゃんに訊かれた。
「エリカの長兄で、警察庁の警部さんだよ」
「で、暴漢は君の兄さんってことだけど…」
「シスコンが過ぎて…彼に迷惑を…ごめんね、雪夜!」
演技では無く、僕に泣きすがる姉ちゃん。
「寿和さん、エリカも気をつけないと…あのブラコン娘。摩利さんに暴漢したらマズいですよ」
エリカの次兄である修次さんと付き合っている摩利さんなのだが、エリカは修次さんが大好きであり、摩利さんを『あの女』呼ばわりしている。
「だな。あいつも、いつかこうなるなのかな…恐いなぁ…」
困った顔をする寿和さん。寿和さんも修次さんも妹と言う意味では、エリカが大切な存在である。
「で、お兄様は、どうなりますか?」
「う~ん、今病院で手当を受けている。フルカウンター持ちに攻撃って、勇気有るな、君の兄さんは」
寿和さん、修次さんは、僕のフルカウンター体質を知っていた。鍛錬の度に、亘兄さんが千刃流へ、警告として知らせたようだった。
「それも相当威力のあるのを、雪夜に叩き込んだようだし…ガキの小競り合いでは済まないレベルだよ。まぁ、器物破損程度かな…」
頭をポリポリしている寿和さん。僕の身体は問題無いしねぇ。フルカウンターのおかげで、殺人事件、傷害事件の被害者になることは、まず無い。
「まぁ、街中で無くてよかったよ。雪夜の部屋だけで済んだしなぁ~」
街中だと、僕が術を使って大変な惨事になっていただろうな…でも、部屋が…凹む僕。
「そうそう、神代家から伝言だ。家に帰るか、彼女と住むか、千葉家でエリカと住むかを決めろってよ」
千葉家はイヤだな…家だと通学が遠いし…って姉ちゃんと住むと達也が付いて来る気がする…鬼の三択だ…言ったのは、エス度満点の姉さんか?
「わかりました。私と住んで…雪夜…お願い」
一番難しい選択をした姉ちゃん。達也と同棲か?問題有るだろ?いやいや、なんでエリカと住むが選択肢に有るんだ??僕は選択はしないけど、エリカと同棲させないために、姉ちゃんが名乗りを上げたのかな?