サブタイトルがしっくりと来ないけど、浮かばない…(^^;
---藤林 響子---
達也君が入院したとの情報を得て、お見舞いがてら、状況を確認しに行った。
「あ…響子…さん…」
ベッドに横たわる達也君。こんな弱々しい彼は初めて見る。
「どうしての?何が遭ったの?」
盗聴、盗撮防止の結界をベッドの周囲に張った。
「単なる兄弟ゲンカです。気にしないでください」
深雪さんと?彼女は、達也君をこんな目に遭わせる術は無いはず。誰を庇っているんだ?
「誰にやられたの?」
「兄弟間の問題です…他人には関わらないで欲しいです。これは、俺が納得しないといけないんだと思います」
深雪さんとトラブル?あんなに仲の良い兄妹なのに?おかしいよ。
「手は出さないでください…俺でも勝て無い相手ですよ…誰も勝て無い…」
何かを隠している達也君。何を隠しているんだ?深雪さんに関する何かなのか?
「わかったわ。退院したら、風間さんの処に顔を出してね」
結界を解き、病室を後にした。深雪さんに会って、話を聞かないとダメだな。
---神代雪夜---
放課後、生徒会室に深雪と向かう。僕と目が合っても、いつも通りの真由美。指示を出さない限り、いつも通りである。
「あぁ、雪夜。お前、噂が様々流れているが、どれが正解だ?」
服部先輩に訊かれた。事実に近いことを伝えた。
「病院送りは正解なんだな。フルカウンターかぁ。勇気有るなぁ、深雪さんの兄さんは…」
勇気が有ると言うより、僕のスキルを知らずに、撃ったバカだ。僕に焼き餅を焼いて、罠に嵌まったとも言う。
「じゃ、『狂犬』君と飼い主さんで、見回りを頼めるかな?」
って、摩利さん。二つ名が『狂犬』になっていた僕。深雪は『狂犬の飼い主』らしい。主と付いているので、苦笑いしている深雪。
「何の見回りですか?」
「この時期、クラブへの新入生勧誘が激化していてな、問題が多発しているんだよ。あぁ、深雪さんは無線機を持って行ってな。『狂犬』君を誘導してくれると助かる」
「はい♪」
二人で活動することが嬉しそうな姉ちゃん。『狂犬』呼びされている僕の事はスルーである。そんな深雪と見回りに出た。噂を知らない者はいないようで、僕の姿を見て、固まる者、逃げる者が多数。なんか、僕が問題児みたいな気がするのですけど…
「いやっ!やめてください!」
女性の助けを求める声。現場へ急ぐ。二人の1年の女子が、むさい男達に乱暴されているような、拉致されているような感じの現場…一人はスルーしても大丈夫な気がする。なので、もう一人の救出を優先した。
「生徒会です。強引な勧誘は止めてください」
「おぉ!この子、物凄くかわいいじゃないか」
姉ちゃんが目に入ったらしく、獲物を変えたむさいケダモノ達。寄って集って、姉ちゃんに抱きついたり、臭いを嗅いだり、制服を脱がしに掛かったり、勧誘では無くて、集団レイプでは無いのか?って、言うか、僕を見て何も反応しない。これって、この学校の生徒では無いのでは?
「助けて~!雪夜!」
多数のケダモノ達が深雪に捕食しているように見える。ふざけるなよ。僕の姉ちゃんを…
『天の裁き』
天空から稲光を呼び出し、ケダモノ達を狙撃させた。感電して、或る者は煙を上げ、或る者は体液をダダ漏れさせたり…地面に倒れていくケダモノ達の群れ。
「大丈夫かっ?姉ちゃん!」
姉ちゃんの傍に駆け寄った僕。
「助かったわ…でも…」
姉ちゃんの視線の先には、エリカのニヤリ顔が…あっ…姉ちゃん呼びした僕…しまった。バレたのか…
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人目の付かない場所に4人で来た。
「さっきのは何だ?」
勝ち誇ったように言うエリカ。
「助けてもらって、そういう態度は良くないぞ」
「ふ~ん…やっぱり一卵性双生児なんだな?」
僕の言葉をスルーして話を進めるエリカ。
「訳有りなのか?」
頷く姉ちゃん。
『彼女達は味方になってくれると思う。だから…』
と姉ちゃんから念話が届いた。
「訳有りだ。達也ですら知らない事だ。だから、言いふらすなよ、エリカ!」
「お前次第だ、雪夜くっ~ん♪」
こういう時のエリカはろくでなしだ。
「条件は何だ?」
「つきあってよ♪」
しばし、無言の時が流れる。コイツ、何を言った?
「確か…お兄様狙いでしたよね?」
深雪が唖然とした表情で、エリカに訊いた。
「見た目はそうだけど…ねぇ、雪夜くぅぅぅぅん♪」
「わかった。寿和さんに連絡する。エリカに脅されたとな」
「おい!お前、きたないぞ!」
笑顔が怒り顔に…コイツ、感情が激しいなぁ。相変わらず…
『つきあっていいわよ。う~ん…愛人枠って感じで…』
姉ちゃんから念話…性格的に苦手なタイプみたいだ。
「しょうが無いなぁ…その代わり、愛人枠だ。いいなぁ、エリカ」
笑顔で頷くエリカ。愛人でいいのか?まぁ、いいならいいっか。
「あの…私ともつきあってください」
エリカの連れの女性にも告白された。誰?この子は?
「君は?」
「あっ…柴田美月といいます」
眼鏡女子で妹枠にしたい感じであるけど…爆乳系である。う~ん…うん?
「君は『水晶眼』の持ち主か?そうなると能力は霊視とかかな」
僕の指摘にはっとした美月。
「そうです。この眼鏡はオーラ・カット・コーティング・レンズなんです。霊子に過敏すぎるというか」
「そうか…」
彼女の目に手を当て、『癒やし』のオーラを注ぎ込む。
「えっ?暖かいオーラ…これは?」
「『不可視制御』の能力を付加した。念じた時だけ、見るようにしたよ」
彼女の眼鏡を外した。
「あっ…本当だ…見たい時だけ見える…ありがとうございます」
美月に頭を下げられた。
「いいって。こういう能力的問題を解決するのも、陰陽師の仕事だから」
って、エリカがムスッとした表情で、僕を見ていた。エリカと僕のヤリトリは楽しいらしく、深雪は苦笑いしているし。
「なんでよ~!私が先につきあってって言ったよね~。なのに、なんで、美月を先にかまうのさぁ~!」
『エリカさんは愛人枠で無くて、妹枠でいいわよ。感情がストレートなんだ。羨ましいなぁ』
って、姉ちゃんから念話。感情の無い兄と同棲では、感情が出しにくくなるよな。
「うるさいなぁ、エリカに付ける薬は無いから、後だよ!」
その時、無線機から指示が出た。
『体育館に向かって!剣道部と剣術部が揉めているの。はんぞー君達には、向かってもらったわ!』
真由美の声だ。摩利さんも向かっているのかな?
「エリカ、体育館に案内してくれ」
「あいよ!」
エリカの後に付いていき、体育館に着いた。
「深雪、肩から先を氷らせろ!」
「わかったわ!」
剣道部と剣術部の部員達の両腕が氷付いた。
「テメエ~!『狂犬』か?」
怒号が飛ぶ。スルーだ。
「大丈夫か?」
服部先輩と摩利さんが来た。
「深雪に凍らしてもらいました」
「あぁ、そうだな。お前、攻撃出来無いもんな…」
頭を掻いている服部先輩。で、事情聴取をしながら、解凍作業をしていく。凍傷になりかけの者は、僕の『癒やし』の能力で治療を行っていく。
「それも陰陽師の術ですか?」
美月に訊かれた。
「まぁ、そんな感じだよ。原因不明の病を治すのも、陰陽師の仕事だし」
「陰陽師という仕事に、誇りを持っているの?」
姉ちゃんに訊かれた。
「そうだよ。陰陽師になるために、引きこもりをして、鍛錬をしてきたんだから♪」
日々、エリカにヒッキーとバカにされながらね。
「おい、剣術で勝負をしろ!」
僕に剣で勝負を挑んできた誰か?
「桐原、止めておけ!」
服部先輩が止めに入った。
「おい、女に指示を出すだけか?『狂犬』さんよ♪」
ブチ!
何かのスイッチが入った僕。姉ちゃんに指示を出すだけ?確かに、それは良くないな。
「ダメ!雪夜…」
僕の様子に変化があったのか、縋って止めようとする姉ちゃん。そんな彼女を振りほどき、桐原某の前に出た。制服からバトンを取りだし、念を込めて剣先を放出した。
「なんだ…その剣は…」
見た事の無い剣に狼狽える桐原某。
「バトンソード…僕の込める魔力、オーラで剣の属性が変化する携帯用の剣だよ」
「そうか…では、始めようか!」
斬り掛かってきた桐原某。『炎』属性のオーラを込めると剣が燃えさかっていく。
カチン!ペキ!
剣同士が当たった瞬間、一気に高温に熱せられた桐原某の剣が折れた。
「熱っ!」
束も熱くなったのか、折れた剣を手放した。
「これならどうだ!」
CADを手にした桐原某。展開した術式を読み取ると、何でも斬れる『高周波ブレード』のようだ。迷わず、フルカウンターで返却した。事実上の自爆をして、右腕が肩口から斬り落とされた桐原某。
「なんだよ。終わりか?」
剣を握り直して、一太刀浴びせようとした時、
「もう、よせ!勝負はついている」
服部先輩に止められた。まぁ、不完全燃焼ですが、片手の無い相手は戦意が喪失しているしな。剣にお礼を言って、バトン状態に戻して、制服にしまいこんだ。
「なぁ、これって治るのか?」
エリカが斬り落ちた腕を持って来た。
「『高周波ブレード』だから、くっつくかな?深雪、手伝ってくれ」
「はい♪」
姉ちゃんに切断面を凍らして貰って出血を止め、腕と切断面を合わせ、『癒やし』のオーラを注入していく。徐々にくっついていく腕…僕の治癒術を見守るみんな。ツバを飲み込む音しかしない体育館。
1時間程すると、くっついた腕。
「服部先輩、くっついたばかりなので、絶対安静3日でお願いします」
「わかった。後、ここに居る者全員に言って置く。神代雪夜にケンカを売るな!魔法師である俺達では勝て無い相手だ。今回は、生徒会が介入したので、治癒もしてもらったが、次は介入しないからな!」
服部先輩、脅しすぎです。
「大丈夫か、雪夜」
優しい眼差しで僕を見る服部先輩。
「エネ切れです。動けないかも…深雪…頼む…」
近くにいる姉ちゃんに抱きつき、意識が飛んでいく…
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目が覚めると、家の姉ちゃんのベッドに横たわっていた。
『十文字先輩が運んでくれました。今、生徒会の皆様とリビングでお茶会しています』
と、姉ちゃんから念話が入った。
『まだ、動けそうにない…』
『はい♪無理しないようにね』
もう一眠りして、目が覚めると、姉ちゃんと交わって添い寝をしていた。
「大丈夫?ねぇ、雪夜…」
「まだ、ぼんやりだよ…」
「雪夜は私が護る…だから、指示をして良いんだよ」
「反省しております」
「わかれば良い♪」
自分の胸に僕の顔を誘導する姉ちゃん。姉ちゃんの香りをたっぷりと吸い込む。それから谷間を舐め味わう。手の平で乳房の柔らかさなどの感触を愉しみ、唇と唇を重ねて、一体感を感じ合う。
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翌日…いや、翌々日だった。もう一眠りが24時間以上寝ていたらしいので、1日分時差ボケである。
「また、派手に伝説を作ったらしいわね」
雫に訊かれた。
「時差ボケなんで、深雪に訊いてくれ…」
「よほど疲れたのか、24時間以上寝ていたんですよ」
笑いながら言う深雪。
「斬り落とした腕をくっつけたそうですね」
ほのかが訊いてきた。
「あれは、エネルギーを喰うな。もっと効率の良い術式にしないとダメだな」
「術式を書けるの?」
姉ちゃんに訊かれた。
「書けるよ。書けないと陰陽師を名乗れない。現場で状況に合わせて、お札に術式を埋め込む作業をするんだもの」
「そうなんだ…」
そして授業…CADの使い方、メンテの仕方?持っていないので、意味がわからない。魔法師ってどうなんだろうか?CADが魔法を起動してくれるってことは、呪文も術式も覚え無いで良いのは便利すぎる。魔力の量だけで優劣を競うって、どうなんだろうか?授業をうける度に、魔法師不要論が頭を渦巻いていく。あの桐原某だって、CADが無ければ、あんな怪我をすることもなかったしねぇ…
そして、昼休み。まったりタイムといつものメンバー。
「なぁ、あの剣はずるいだろ?」
エリカに言われた。そうだ。ズルいと思う。あれって対人戦用で無いし。制服から取りだして、バトンを手にした僕。
「これ、バトンソードって言う剣なんだ。オーラを込めると、込めた属性の剣が現れる」
『氷』属性のオーラを込めると、アイスソードになった。
「ズルくないか?」
「そうかな?魔法師で言う処のCADみたいな物だと思う。起動式は搭載していないけどね」
オーラを込めるのを止めると、剣は消失してバトン状態になり、バトンをしまった。
「で、付き合う話はどうなったんだ?」
真顔で訊いてきたエリカ。姉ちゃんは苦笑いしている。
「何の話だ?お前にはレオがいるだろ?」
「はぁ?ズルいぞ!美月の告白は受けて、私のはスルーか?」
美月の顔が真っ赤に染まっていった。
「おい、エリカ!お前は愛人枠だって、言っただろ?美月は当面、妹枠だ」
「それで、かまわない。なぁ、付き合ってよ~」
僕に抱きつくエリカ。エリカには焼く餅が無い姉ちゃん。エリカは駄々っ子の妹枠らしい。
「じゃ、愛人君。ここでキスでもしようか?」
はっとしたエリカ。僕から遠ざかる。
「そういうのは、二人きりの時がいいよ~」
まぁ、確かに…校内でのいちゃつきは禁止である。
『ここでする?』
深雪から念話。
『しないよ。生徒会で絞られるのはいやだよ~』
『うふふふ♪』
からかうような笑い声…姉さんのドエス魂はマネしなくて良いんだよ、姉ちゃん。
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放課後、懲りずに生徒会室へ…
「十文字先輩、先日はありがとうございました」
運んでもらったお礼を言う。
「あれくらいなら、問題は無い。それにお前は、問題を解決したんだ」
「CADを使った部活は制限しないとダメでしょ?あれ、殺傷力ありすぎるし」
「あぁ、検討している。首が斬れたら、お前でも治せないだろ?」
「兄に依頼すれば、治せるけど…」
兄とは神代家当主の亘様だ。
「神代家はそこまでの力が有るのか?」
驚いている十文字先輩。
「危険な仕事が多いですから。相手は人外がほとんどですし」
「人間相手は論外か?」
服部先輩に訊かれた。
「論外って言うか、簡単に殺せちゃいますよ」
「おい!学校で殺人はするなよ!」
十文字先輩に注意された。そうだな。そんなつまらない罪状ではダメだな。やるなら、殺戮とか殲滅だよな。
「今日も見回りですか?」
「雪夜君の都市伝説のおかげで、問題は起きていないわ」
って、摩利さん。どんな都市伝説なんだ?
「今年の九校戦の新人戦が楽しみだわ」
って真由美。九校戦って、魔法師専門の高校九校での合同運動会だそうだ。クソ魔法師を見つける場とも言える。徐々に処分していこうっと♪
僕に攻撃をしてきた森崎と桐原には、魔力半減の処置をした。上限も威力も半分にしたのだ。で、最終決戦時にはゼロにする予定だ。彼らの身体には既に術式を埋め込んで有るし♪
「でも、雪夜は反則級じゃないですか?」
と、服部先輩。いや、反則だと思います。魔法師の運動会に、陰陽師が出ちゃダメでしょ?まして、魔導師だよ。
「その前に、問題が1つ有るのよね。反魔法師の同好会がね。1科生と2科生での差別待遇の改善を求めてきているのよ」
って、真由美。
「魔法師の学校に、反魔法師の同好会?落ちこぼれの集まりか?反魔法師が魔法師の学校に通う理由がわかりません」
っと、率直な意見を言ってみた。
「家の都合とかで、ここに来ないとダメな者もいるのよ」
って、真由美。数字付きと言われる家系か?七草、十文字、四葉、千葉のような…
「彼らとは公開討論会を開く方向で調整中なの。反魔法師団体がバックにいると、荒れそうなのよ。で、生徒会では、反魔法師団体のテロなどを警戒しつつ、公開討論会を無事に終わらせたいんだけど、雪夜君、司波さん、協力してくれるかな?」
って、真由美が依頼してきた。
「私は雪夜におまかせです」
「僕は…協力はする。でも、どこまで反撃していいの?」
「雪夜君は抑止力として、いてくれるだけでいいのよ♪」
僕は核兵器か?