※この作品はR-18です。

司波姉弟の願い   作:もっち~!

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公開討論会

---神代雪夜---

 

正門前で、姉ちゃんとお客さんを待っていた。

 

「来ないわね…」

 

僕に抱きつき、頬を重ねている姉ちゃん。校内ではこれが限界ラインだ。真由美にキスはダメと言われたし。う~ん…

 

無線からは、討論会の会場周辺の風紀委員達のヤリトリが聞こえている。まぁ、会場内には達也がいるから問題無いだろう。

 

開始時間が迫ってくると共に、地面が小刻みに振動している。キャタピラ系か?

 

「姉ちゃん、来たみたい」

 

『こちら、正門前。お客さんが来た模様です』

 

無線で報告する姉ちゃん。抱きついているのには、理由がある。僕と抱きついて居る限り、いや、僕と接している限り、僕の防御能力の防御範囲内になるのだ。

 

「姉ちゃん、11時方向55度」

 

姉ちゃんが僕の指示した方向へ凍結系魔法を撃ち出す。急にローター音が途絶えて、正門近くに軍用ヘリが墜落してきた。爆風が僕達を襲うが、『透過』して僕達の後方へ流していく。

 

ドン!

 

戦車の砲弾らしき物が飛んで来た。フルカウンターで撃ち出した兵器へ返却すると、正門の向こう側で、激しい爆発音と共に火柱が上がった。学校の正門を挟んで、攻防が続く。色々な兵器が僕達を襲うが、総て返却していく。間隙を縫って、工作員が入り込むと、姉ちゃんが凍結していく。彼らは、僕達を消さないかぎり、正門からは入れないのだ。

 

うん?タンクローリーが突っ込んできそうだ。これは、ダメだ。

 

『ファイヤーバスーカ』と言う、炎の砲弾を撃ち出して、正門の手前で爆破した。オイルに寄る延焼を防ぐ為、姉ちゃんが火の手の上がっている場所を凍結していく。

 

『会場にテログループが乱入…』

 

達也がいるし、レオとかエリカもいるし…どうにかなるだろう。

 

「雪夜君♪」

 

援軍の声がした。下僕2号の響子だ。響子の属する部隊を前もって、手配しておいて正解だった。

 

「たった、二人であんな武装集団を制圧って…私達、要らないでしょ?」

 

「いるんだよ。テログループが高校の討論会程度を襲うか?他に目的が有るんだろう」

 

「あぁ…そういうことね。ここは私達にまかせて、雪夜君は行って♪」

 

「サンキュー、響子」

 

ご褒美に唇を重ねる。これにより、今夜は好きな時間にお楽しみタイムを迎えられる様に、膣内へ魔法陣を刻んであるのだ。下僕といっても性奴隷では無いから。

 

姉ちゃんと移動する。

 

「どこが臭いと思う?」

 

「データ保管室。魔法大学とのデーターリンク装置が有るんだけど、そこからハッキングすれば、魔法大学のデータは取り放題だよ」

 

「で、罠は?」

 

「仕掛けてあるよ」

 

二人でデータ保管室に向かうと、施錠は解錠されていた。でも、部屋の中で盗人達は、半狂乱である。

 

「何を仕掛けたんだ?」

 

後から来た服部先輩に訊かれた。

 

「データをハッキングすると、百鬼夜行を発動する術式です。この狭さでは、百鬼を召喚するのは困難なので、精神攻撃な幻術系の方を仕掛けました」

 

「なぁ…実像系も使えるのか?」

 

「使えます。通常の百鬼夜行は本物の鬼を100匹と魑魅魍魎を召喚します。陵辱系だと、鬼達が違う意味で襲い掛かりますよ♪」

 

「それは喰らいたくないなぁ…」

 

苦笑いをしている服部先輩。僕は部屋に入り、術の発動を停止させた。で、忍び込んだ賊達は響子の部隊に引き渡した。引き渡す前に、記憶を読み出したのは内緒だけど。

 

---------

 

無事に学校を護り切ったことで、学内はお祭り騒ぎで有る。正門前は、酷い有様ではあるが、人家は少ないので、被害は見た目ほどでは無いらしい。

 

僕と深雪、達也でお祭りを抜け出して、ある場所へと向かうと、

 

「おい、抜け駆けはダメって、言っただろ?」

 

って…振り返ると、服部先輩、十文字先輩、摩利さん、沢木さんがいた。

 

「ここは何だ?」

 

十文字先輩に訊かれた。

 

「先程の賊達の記憶を読んで、ここが本拠地って、わかったんです」

 

「うん?精神感応術か?」

 

「違います。読心術に近い物です。陰陽師の術です」

 

「なるほどな…」

 

納得してくれた十文字先輩。

 

「で、どうする?」

 

「先輩達は裏口をお願いします。僕達は正面から行きます」

 

「わかった。無理するな…」

 

「僕と司波兄妹が居れば、問題無いです」

 

裏口に回った先輩達。

 

『これから、建物を潰します。逃げ出したゴキブリを拘束もしくは無力化してください』

 

無線に向かって、指示を出した僕。

 

『潰す?何をするんだ?』

 

質問に答えずに、実演する。『エアスタンプ』という空気の質量、圧力を膨大にして、建物を空気で踏み潰す術を発動した。土煙を上げて、一瞬でガレキとなる建物。土煙から血の香りもする、何人かは死んだかな?重傷かな?

 

目の前の惨状に、達也、姉ちゃんが息を飲んで固まっている。

 

「だから言ったでしょ?僕の術は強力過ぎるから、街中でうかつに使えないって♪」

 

「こ、これほどとは…」

 

「雪夜…」

 

「これでも威力は抑えた方だよ。隕石を降らせるって手も有ったけど、ピンポイントでは狙いにくいから…ははは」

 

その後、響子の部隊がやって来て、事後処理をしてくれたのだが…

 

--------

 

響子、達也の上官である独立魔装大隊隊長の風間って人に呼び出された。

 

「君の能力は威力が絶大すぎる。なので、我が独立魔装大隊に入隊して貰う。君個人が使い処を決めるのでは無く。これからは軍が管理する。いいな?!」

 

横柄だな。僕の能力、僕が使い処を決めたい。僕は道具じゃないんだから!

 

「僕は誰の配下にも道具にもならない。寧ろ、達也を自由にしてもらいますよ」

 

「何を言っているんだ?」

 

「いいですか?僕を基地に呼び出したことは、あなた方の敗因です♪」

 

僕の隣に兄さんと姉さんが転移してきた。

 

「お前達…何者だ?」

 

「神代家当主、神代亘」

 

「亘と雪夜の姉、神代綾香」

 

「神代家…」

 

風間さんの顔色が青ざめていく。

 

「この基地のネットワークは、神代家が支配した。隠し財産で有る核兵器は、総て無力化したよ」

 

って、兄さん。

 

「どうやって、ここへ侵入したんだ?」

 

基地のセキュリティーに自信を持っていたようだ。

 

「雪夜の元へ参るのに、我々を阻む物は何も無い」

 

どこまでも冷たい視線で見つめる兄さん。

 

「この国に反旗を翻すのか?」

 

風間さんが、兄さんの視線に怯みながら、訊いてきた。

 

「何をおっしゃっているのかな?この国を護るのは神代家の役目。寧ろ、あなた方、魔法師集団の方が害虫で有る。殺処分対象ですよ」

 

「そうそう♪雪夜を道具にしようとした行為は、万死に値する。死刑は確定。猶予はどのくらい要ります?」

 

兄さんと姉さんのプレッシャーで、追い込まれていく風間さん。

 

「誰が悪いんですか?達也まで道具にしたのは?ねぇ、風間さん」

 

「うっ…」

 

プレッシャーに押しつぶされて、意識を飛ばしてしまった風間さん。

 

「じゃ、この基地のデータはもうらうか。敵対国と敵対組織を完全駆逐した後、この国の大掃除だな。雪夜は帰っていいぞ。ここからは、神代家でやっておく」

 

兄さんと姉さんに頭を下げて、その場から転移した。

 

 

 

---十文字克人---

 

七草を呼び出した。

 

「どうしたの?」

 

「どう思う?雪夜を」

 

「どうって?」

 

「アイツ…どこかの数字落ちで無いのか?あの術の威力、防御能力は異常なレベルだぞ」

 

頑強な建物を一瞬で粉砕、戦車などからの砲撃が着弾しても無傷な身体。ほぼ無敵な能力者である。

 

「だったら、どうなの?そんな事、関係無いと思うわ」

 

「関係無い?お前だって、数字付きだろ?どこかの数字付きが、アイツを保有していたら、パワーバランスは崩れる。そうは思わないか?」

 

「思わないわ。彼が彼だし♪」

 

七草の様子がおかしい。このような重大な案件を即答するようなヤツでは無かったはず。

 

「お前…何か術を掛けられているのか?」

 

「何かって何?考えすぎよ」

 

笑って済ませようとする七草。

 

「それに、戦って勝てるの?数字付き全員で戦ってさぁ♪」

 

確信した。こいつは、雪夜に洗脳されているようだ。なんの為に?

 

「何の為?それは、僕が僕である為ですよ。十文字先輩♪」

 

秘密の連絡場所。七草が教えたのか?アイツに。

 

「教えてもらってませんよ。こんな場所があったなんて、知りませんからね。真由美が困った時に、直ぐに駆けつけられるようにしただけですよ」

 

「雪夜君♪」

 

アイツに抱きつき、頬を合わせて、スキンシップをしている七草。

 

「お前がお前である為に、何で七草を洗脳したんだ?」

 

「酷いなぁ。洗脳なんかしていません。敷いて言えば、インプラントみたいな感じですよ」

 

インプラント?何かを埋め込んだのか?

 

「師族会議がもうすぐ開かれます。その時に、議題に上ります。あなた方魔法師達が、過去の悪事を悔い改めるのであれば、問題は起きません」

 

「過去の悪事だと?」

 

「そうです。悪事…いや、悪行と言った方が良いかな?僕は、その被害者です。実の母親に会うことも叶わず、実の兄と殺し合い。実の姉と運命的な再会…僕はこんな能力は欲しいと願ったことは無かった。ただ、親子、兄妹との日常的な生活が送りたかっただけだ。それなのに、あなた方、魔法師風情と来たら…そんな願いすら、絶対に叶わないようにしちゃうんですから、横暴だと思いませんか?」

 

アイツの目には涙が…よほど、悔しい思いをしたのだろう。だが、なんで、七草なんだ?

 

「あぁ、先輩は勘違いをされていますね。真由美だけで無いですよ」

 

七草以外にもいるのか…

 

「これからは疑心暗鬼とも戦ってみてください。では♪」

 

俺の目の前からアイツと七草が消えた。

 

--------

 

翌日、魔法師協会を訪ねた。師族会議が有るかの確認をしに。俺は当主代理という立場なので、そういう情報を手にすることが出来る。

 

確認した結果、有るらしい。今は日程調整中で有るそうだ。発議をしたのは四葉家だそうだ。議題は、問題の発生と、これからの有り方だそうだ。問題?何が起きたのだ?雪夜が浮かぶが、アイツには四葉家を追い込むほどの力は無いはずだ。

 

「おぉ、十文字克人君では無いか…」

 

老師と呼ばれている九島烈先生だ、

 

「ここへはどうして?」

 

ここに来たいきさつ話した。

 

「なるほど…生きていたのか…」

 

生きていた?どういうことだ?

 

「どうことですか?」

 

「ここだけの話にしてくれるかな?師族会議では公になるがな」

 

頷く俺。

 

「昔、教え子に相談されたんだが、自分の知らぬ間に子供が作られているってな」

 

知らぬ間に?人工授精か?

 

「で、それが1度で済まなかったらしい。一人では安定しないので、保険で再度作られたらしい。その際、色々と弄られたそうだ」

 

弄られた?調整体ってことか…まさか、アイツ…

 

「問題なのは、作れと命じた本人の知らぬ間に、教え子が反旗を翻し、作品は消えたと思わせて、隠してしまったそうだ」

 

アイツは死んだことにされて、神代家へ…

 

「隠された場所で、再度調整されて、更に凶悪になったらしい」

 

神代家で改造されたのか…アイツは人間では無い…まさか…

 

「だけどな、そんな弄ばれた本人は、人間として生きたいらしいが、そんな凶悪な物を人間として、活かしておいて良いのか…そんな話だよ」

 

アイツはアイツでありたいから、人間のように扱ってくれるように七草を…

 

「彼には気の毒だが、道具は道具として使われるのが普通だ。道具が変な意志を持てば、破棄対象になるだろ?」

 

師族会は、アイツを消すつもりなのか?あんな化け物をどうやって…

 

「問題は神の代理人が関わったことだ。アイツらは敵にしてはいけない。人間で有る限り、アイツらには勝て無いからな」

 

それって…神代家は人間では無いのか…

 

「まぁ、老人の戯言じゃ。流してくれ」

 

流せって…この話をか?老師の考えていることは、凡人である俺には、わからない。

 

 

 

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