イロハの主人がエルゼの調教に取り掛かっている間、王女であるユミナの命令により、望月冬夜の家にいた使用人達は屋敷を去っていった。
その後、イロハはユミナから譲り受けた特殊なアイテムを用いて、屋敷にまだ残っていた琥珀を消すと、浴室へ向かう。
「気分は如何かしら、リンゼ殿?」
ゆったりした広い浴槽は、白濁の液体で満たされている。
この液体の正体は、イロハの母乳と、彼女の主人の精液を混ぜ合わせ、そこに媚薬を加えた物だ。
その浴槽の液体には、服を着たままのリンゼが頭だけを出した状態で浸されていた。
「……。」
「あら、わたくしの声が聞こえていないみたいですわね? 余程気持ち良いのかしら?」
八重の変装を解き、本来のサキュバスの姿に戻ったイロハは、リンゼのパープルの髪をそっと撫でる。
しかし、顔を真っ赤にして呆けているリンゼはイロハに気付いていないのか、目も口も動かさず、ただ呼吸をしているだけだ。
「リンゼ殿、そろそろお食事の時間ですわ。」
イロハは数キロもの重さがある自らの片乳を持ち上げると、真っ黒の肥大化勃起乳首をリンゼの口に突っ込み、母乳を飲ませる。
未だ呆けているリンゼはイロハに為されるがまま、喉を鳴らして母乳を口から体内に取り入れた。
「いい子ね。あなたが、わたくしと同じものを見て、聞くことのできる真の仲間になるのが楽しみですわ。」
エルゼと同様に、リンゼの肉体には既にサキュバスの因子が埋め込まれている。
浴槽に満たした液体と、今イロハが飲ませている母乳によりこの因子を刺激し、リンゼの肉体を内側からも外側からも作り変えるのだ。
「今日はこのくらいかしら?」
数十分にも及ぶ授乳を終えると、イロハはリンゼから離れ、立ち上がった。
イロハの今日の仕事はこれで終わりだ。
あとは戸締りをしっかりして、主人の家へ帰るだけ。
「ああ、ご主人様。今夜が待ち遠しいですわ。」
屋敷には、窓の外から斜陽の光が差し込んでいる。
イロハが戸締りを済ませても、日が暮れるまではいかないだろう。
主人の元にイロハが帰ってから、彼女が主人と交わるには数時間も猶予がある。
「せっかくですし、戸締り後も少しここに滞在していこうかしら?」
あとで主人にたっぷりと可愛がってもらえるよう、暇な時間を使って僅かでも良い成果を挙げておきたい。
そう考えたイロハは、一通りの戸締りを終えると、再びリンゼの元に戻った。
「リンゼ殿に、子守唄代わりにこれを聞かせて差し上げますわ。」
イロハはそう言って、自らの首に着けている銀色のカウベルを指で弾き、カランカランと音を奏でる。
すると、これまで無反応を貫いていたリンゼの視線が、僅かにカウベルの方へと向いた。
「わたくしの母乳を飲んだ以上、リンゼ殿にはわたくしと同じ雌牛の因子が埋め込まれているのですから、カウベルの音は効くみたいですわね。」
イロハがカウベルの音を鳴らし続ければ、その音によりリンゼの肉体は雌牛のサキュバスとして覚醒する事になる。
ただ、イロハの主人は「リンゼを雌牛にしろ」とイロハに命じてはいない。
「あ……う……!」
カウベルの「チリンチリン」という音に合わせて、リンゼは熱い吐息を漏らし、小刻みに揺れている。
彼女の肉体がカウベルの音に反応し、雌牛化しかけている証拠だ。
「そろそろお暇しましょうか。これ以上は、ご主人様に叱られてしまいますわ。」
イロハは今度こそ屋敷を立ち去る事にして、浴室を出て行った。
だが、この時の彼女は、まだ気付いていなかった。
カウベルを鳴らすというイロハの行動が、彼女の主人にとって計算外の結果をもたらすものであった事を。
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日が暮れた後、俺の家にイロハとユミナが帰ってきた。
そこで、俺は彼女達とエルゼに顔合わせをさせ、その後に4人で情報交換を行う事にした。
「冬夜さんには、現在憲兵団による取り調べを受けてもらっています。本人は自らの容疑を否認していますが、私の権限やサキュバスの力を使えば、彼を裁判にかけ、懲役刑を下すのも然程難しくはないでしょう。」
「そうか。さすがだ、ユミナ。」
中世ヨーロッパレベルの文明しかないこの世界では、現代日本のような水準の科学捜査などは一切できないだろう。
加えて王の権力が非常に強いので、罪なき者を犯罪者に仕立て上げ、重刑を下す事すら可能ときている。
権力者は、敵に回すと恐ろしい事この上ないが、味方であれば非常に心強いな。
「裁判の時は、証言台に誰かを呼ぶのか?」
「はい。エルゼさんやリンゼさんに、冬夜さんの罪を証言してもらおうと思っています。」
「実に良い考えだ。」
望月冬夜と衣食住を共にしていた奴の証言まであれば、望月冬夜が罪を逃れる事はまず不可能となる。
まともに弁論しても判決をひっくり返せず、懲役を喰らうとなると、奴は必ず脱走を目論むだろう。
そうなったら、俺のスマートフォンとサーチの魔法を組み合わせ、望月冬夜の居場所をリアルタイムで補足し、憲兵団を向かわせる。
あとの流れは、以前から俺が構想していた通りで全て上手くいくはずだ。
「お待ち下さい、ご主人様。わたくしは証言台に立たなくてよろしいのですか?」
自分だけが話に置いていかれている事に焦った様子で、イロハが俺とユミナの会話に割り込んだ。
なので、俺は不満そうな顔をしているイロハに説明をしてやる。
「イロハは、望月冬夜が逮捕される前に俺の元に来ただろう? なのにお前が八重として訳知り顔で証言台に立てば、望月冬夜がお前やエルゼ達の裏に誰かがいる事に勘付く可能性は高くなる。無論、今の案でも奴が俺の存在に勘付く可能性は充分にあるが、それでもこちらが不利を被る確率は少しでも下げておきたい。それに、こちらの手札を最初から全て晒すのは愚かな事だ。お前がこちらについている事を隠蔽しておけば、いざという時に役立つかもしれんしな。」
「つまり、わたくしはご主人様にとっての切り札、なのですわね。」
イロハの表情が、先程までとは一転して嬉しそうな微笑に変わった。
この程度で機嫌が良くなるなんて、単純な奴だ。
しかし、そこがこの女の可愛らしいところでもある。
「そうだな。イロハは俺の妻なのだから、当然だろう。」
「ご、ご主人様、私は!?」
「あたしはご主人様の妻じゃないんですか!?」
今度は、ユミナとエルゼが同時に俺に詰め寄ってきた。
やれやれ、お前達は皆俺の性奴隷なのだから、変に対抗心など持たなくても良いのだぞ?
とはいえ、それが女というものか。
仕方ない、質問に答えてやるとしよう。
「ユミナは、俺とイロハの娘だ。で、エルゼは俺のペットだな。」
妻に娘にペットと、字面だけ見れば何とも幸せなファミリーっぽい響きになるのだから面白い。
この仲良し家族と一緒なら、毎週日曜18時30分のテレビ番組の枠を某磯野家から奪い取る事も出来るんじゃないか?
そんな益体も無い事を考えながら、俺は次の話を振った。
「イロハよ、リンゼの方はどうだった?」
「はい。ご主人様のご命令通り、仕込みをしてきましたが、順調ですわ。明日にでもリンゼ殿をご主人様にお渡しできるかと。」
「ご苦労。では、明日リンゼをここに連れてくるとしよう。で、その後だが、あの屋敷はもう誰もいなくなる。そこで、ユミナの方で屋敷を即刻処分してくれないか?」
「畏まりました、ご主人様。では、明日すぐに適当な人に屋敷を売却する手続きを……」
「駄目だ。屋敷は取り壊せ。あの屋敷で俺達がした事の痕跡は粗方消したつもりではあるが、万が一の可能性もある。屋敷を取り壊して、痕跡を完全に消し去れ。そして、それから王族にとって都合の悪い貴族、出来れば望月冬夜と面識のある貴族に屋敷跡の土地を売りつけろ。」
「私にとって都合の悪い貴族に、ですか? どうしてでしょう?」
「いざという時のスケープゴートだ。」
懲役判決を受けた望月冬夜が脱走した後、奴は元の屋敷に自分の荷物などを取りに戻る可能性がある。
だがこの時、その屋敷が潰れていて、更に土地が人手に渡っているとなれば、奴は土地を買った貴族こそが自身に冤罪をかけた黒幕だと勘違いしてくれるかもしれない。
その貴族が王族と因縁のある奴であり、尚且つ望月冬夜がそうした因縁の存在を知っているならば、望月冬夜が勘違いを起こす可能性は高くなるだろう。
そして、勘違いを起こした望月冬夜がその貴族と争ってくれれば最高だ。
望月冬夜を死刑にする口実が補強できるばかりか、ユミナの傀儡政権にとって障害となり得る貴族も排除できるんだからな。
「分かりました、ご主人様。仰せの通りに致します。」
「頼んだぞ、ユミナ。さて、今日話し合うべき事はこれで出尽くしたか?」
俺がそう問うと、奴隷達は全員頷きを返してきた。
なので、俺は椅子から立ち上がり、彼女達を見下ろす。
「では、俺はそろそろ風呂に入らせてもらう。お前達は明日に備えて各々準備なり何なりしておけ。それとイロハ、俺は風呂から上がり次第ベッドで待っているからな。」
「はい! ご主人様、愉しみにしておりますわ。」
「ああ。」
さて、明日はいよいよ4人目の調教だ。
今夜のイロハに精を吸い尽くされないように気を付けて、明日に臨むとしよう。