八重の調教用の準備を整えた俺は、早速、彼女を捕まえるため、行動を起こす事にした。
「八重の現在地を教えろ。」
スマホに映し出された地図を元に、俺は街の外を歩く。
木々を掻き分け、草むらを暫く歩くと、八重はすぐに見つかった。
しかし、彼女の傍には、転生者の少年の他、数人の少女がいる。
八重も相当な美人だったが、他の少女達も、揃いも揃って美少女ばかりのようだ。
だが、今は八重を狙うのが先決。
あれもこれもと手を出そうとすると、結局中途半端になってしまい、全てが泡沫と化す事は珍しくない。
今回は、八重に絞って動く。
だが、仲間が一緒にいる今の八重を捕える事は困難だ。
転生者の少年1人を退けられるかどうかすら怪しいのに、他に仲間がいるとなれば、俺など一瞬で倒されてしまう事だろう。
ここは、透明化の魔法を使い、目標から距離を保ったまま追跡を続けて機会を伺うしかない。
そう決意して、追跡を続ける事およそ半日後。
日が暮れたため、八重の一行は帰る事にしたようで、転生者の少年が使った「ゲート」なる魔法で何処かへ消えてしまった。
「テレポートの魔法か。」
早速スマホで魔法の一覧を出した俺は、少年を真似て、ゲートを使い自宅へ戻る。
そして、夕食を済ませてから、次の手を打つ事にした。
「全てを見通す眼よ、我に世界の姿を見せ給え。」
俺が発動した魔法は、空間に不可視の眼を生み出し、対象を監視する魔法だ。
これを使い、少年達と同じ家に暮らしているらしい八重の行動を監視する。
「ほう、もう眠るのか。」
八重は自分の部屋の灯りを消し、ベッドに入った。
元の世界で言えば、今の時刻はまだ夜9時前といったところだと思うが、こんなに早く寝るものなのだな。
まあ、その方が都合は良い。
「ゲート。」
空間に形成された割れ目を通り抜けると、そこは薄暗い部屋の中だった。
その部屋の傍らにあるベッドで、彼女は眠っていた。
「八重。お前を頂くぞ。」
ただ、八重をこのまま連れ帰れば、後で彼女の仲間が八重の不在に気付き、俺を追ってくるかもしれない。
何せ、八重の仲間である転生者の少年も、スマホが使えるのだ。
奴がスマホで「八重を攫った奴の場所を教えろ」などと言えば、俺はあっという間に捕まってしまう。
そこで、八重を連れ去る前に偽装工作をしておく必要がある。
「傀儡の糸よ、人形を操り給え。」
俺が魔法を行使すると、八重は眠ったままムクリと起き上がった。
そして、ウトウトと頭を揺らしながら、部屋に備え付けられた机でメモを書き始める。
「家の急用で暫く留守にすると書け。」
俺の指示に従い、八重は自分の言葉で書置きを残した。
これで、偽装工作は問題ないはずだ。
念のため、俺は魔法で自分の痕跡を消し、眠ったままの八重を操ってゲートを通り抜け、自宅に舞い戻った。
「よし、作戦成功だな。」
難なく八重を俺の自宅へ連れ込めた。
あとは、彼女を自分のモノにするだけ。
「座れ。」
調教のために造った拘束椅子に、八重を座らせた。
それから拘束椅子のスイッチを操作すると、椅子に仕込まれた枷が、八重の両手と両足を繋ぎ止める。
これで、八重が起きても逃げる事は出来ないはず。
今日一日八重を観察していたが、こいつは魔法が使えないみたいだったからな。
「さて、この刀はどうするか。」
操られた状態ながらも普段の習慣が身に染み付いていたからか、八重は自分の武器である刀を持ってきていた。
無論、こんな危険な物を持たせたままにしておく訳にはいかないので、没収させてもらったのだが……。
「待てよ。モデリングの魔法で刀を調教用の器具に作り変えてしまえばいいんじゃないか?」
この数日、調教用の器具を作るため、街のゴミ捨て場などから金属の回収を試みたのだが、やはり金属は希少なのか、大した量は手に入れられなかった。
しかし、刀の刃の鉄を全て使えば、立派な調教器具を作れるはずだ。
問題なのは、何を造るかだな。
「八重に行う調教は、立派なオッパイに重点を置いたものにする予定だから、オッパイに使う道具がいいか?」
いや、貞操帯というのも捨て難い。
体を淫らに躾けて、しかし最後までさせずに欲求不満状態に堕とすのも面白そうだ。
でも、どうもしっくり来ないな。
八重にピッタリな調教器具は何だろうか。
「そういえば、淫魔の術をまだ試してなかったな。」
スマホで調べた魔法の一覧の中には、淫魔と呼ばれる存在を召喚する魔法があった。
淫魔を召喚し、彼らと契約を結ぶ事が出来れば、調教の助けになるかもしれない。
そうでなくても、魔法を利用した調教のアドバイスをくれる可能性もある。
「召喚できる淫魔は、召喚魔法の使い手の能力と性的欲求に左右されると書いているな。」
魔法の資質は神様のお陰で最大レベルなので問題ない。
あとは、俺の性的欲求次第か。
今の俺は八重のオッパイの事を考えているから、胸の調教に明るい淫魔を呼べるんじゃないだろうか。
ものは試しだ。
「淫らな夜を誘いし大いなる魔よ。我の精を贄とし、封印を破りて顕現せよ!」
俺が呪文を唱え終わると同時に、床に巨大な魔法陣が現れた。
魔法陣の中央には、妖しい赤い光の玉が出現し、それは見る間に人型に変わっていく。
そして、光の中から、異様な姿の女が静かに降り立った。
女は、首から下は人間の姿をしている。
黒いボンテージ衣装に身を包み、はち切れんばかりの胸と尻を強調したその肢体は、まさしく極上の女のものだ。
ただ、彼女の首の上についている頭は、牛のものだった。
しかも、その顔はピンク色の毛だけで覆われている。
牛といったら白と黒の毛で覆われているイメージだが、こいつがそうでないのは悪魔だからか。
「ふぁ……。あたしを起こしてくれたのは、あなた?」
見た目に反して、牛の顔から発せられた声は、麗しい女の声そのものだった。
あまりのギャップにさしもの俺も驚きを隠せなかったが、今は暢気に固まっている場合ではない。
「お前は誰だ?」
「あたし? あたしは、世界に存在する全ての淫魔達の頂点に君臨する『サキュバスの姫』の1人、ホルシュタンよ。」
サキュバスの姫?
初めて聞く単語だな。
こいつがその姫とやらの1人だというなら、他にもサキュバスの姫はいるのだろうか。
色々と気になる事はあるが、その辺りの情報は、後でスマホで調べれば良い。
それよりも、俺には優先すべき事がある。
「ホルシュタン。俺はお前と契約したい。そして、そこの女の調教に力を貸してくれないか?」
「いいわよ。」
「本当か?」
そんなにあっさりと契約を承諾してもらえるとは、さすがに予想外だった。
これは罠か?
「意外にすぐ契約に応じてもらえるんだな。」
「ええ。あたし達サキュバスの姫はね、昔、勇者を名乗る憎たらしい一行に倒され、封印された存在なのよ。でも、強力な力で封印されていたあたしを、あなたは呼び覚ましてくれた。この恩義、きちんと返させてもらいたくてね。それに、そこの女、あたしを封印した一行にいた女の1人に何となく似ているし。」
思ったよりも話が上手く進んで拍子抜けだな。
まあ、せっかく都合良くいっているのだ、無理に流れに逆らう必要はない。
「なら決まりだな。契約成立だ。」
「これから宜しくね。で、あたしは何をすればいいのかしら?」
「お前には、女の調教の相談に乗ってもらいたい。まずは、女の持っていたこの刀で調教器具を作ろうと思っていてな。ただの調教器具を作るんじゃなく、どうせなら強力な淫魔の力の宿った物にしたいんだ。」
「そうなの。だったら、あたしはカウベルをお勧めするわ。」
「カウベル? 何だそれは?」
「これの事よ。」
そう言って、ホルシュタンは自分の首に着けている金色の首輪の大きな鈴を指で弾き、音を鳴らした。
cow(牛)のBell(鈴)で、カウベルか。
確かに、これを人間の女に着けさせれば、相手は相当な屈辱と羞恥を感じる事だろう。
「面白そうだな。なら、それを作ってくれ。」
「了解よ。あたしの魔力もたっぷり込めておくわね。」
俺が渡した刀に、ホルシュタンは手を触れさせ、ピンクの光を吹き込んでいく。
光が刀全体に広がると、光は刀ごと形を変えながら浮遊し、八重の首に巻き付いた。
そして、徐々に光が剥がれていき、ホルシュタンの物と同じデザインで色違いのカウベルが現れたのだ。
「こっちのカウベルは銀色か。」
「金はあたしのカウベルの色だもの。あたしと同じ色のカウベルを与える訳がないでしょう。ま、色はともかく、性能は問題ないわ。あたしが直々に力を込めたんだからね。さて、あたしは眠くなってきたから、そろそろ帰るわ。」
「悪魔でも眠くなるものなのか?」
「まだ封印から目覚めたばかりだもの。体があちこちダルいし、力をありったけカウベルに吹き込んだから、暫く休ませてもらうわ。じゃあ、また何かあったら呼んでね。」
「分かった。世話になったな。」
魔法陣の中へと帰っていくホルシュタンを見送ると、俺は「ふぅ」と溜息をついた。
これで、調教のお膳立ては整った訳だ。
あとは、八重を俺の女に躾けてやるまで。
俺の肉棒なしでは生きられない体にしてやるからな、八重!