※この作品はR-18です。

罪ノ光ランデヴー 風香アフター   作:伝野てつ

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夜の公園

「ユウ……」

「はぁ、はぁ、いた、いてくれた……」

 

予想通り、カフビさんは公園のブランコに座ってしょぼくれていた。

額の汗を拭いつつ、カフビさんへ近づいていく。

誰もいない夜の公園でひとり座ってるなんて。

 

「全速力で走ったから、ちょっと疲れて……」

 

荒れた呼吸を整え、ようやくカフビさんの隣にたどり着く。

冷たい空気を吸って、吐いて、落ち着きを取り戻すと、カフビさんが静かに喋り出す。

 

「……ワタシ、国に帰ることになりました」

「うん、知ってる」

「お店も、クビ言われました」

「聞いた」

「ごめんネ、ユウ、優しくしてくれたのに……」

 

カフビさんが涙を浮かべながら謝罪してくる。

彼の顔を見て、胸の奥が切なくなり、痛くなる。

 

「違う、そんな、謝らないで」

「ごめん、ごめんなさい、ユウ、ワタシ……」

 

ポロポロと零れるカフビさんの涙。

真珠みたいに綺麗に見えて、なぜだか尊いものに感じる。

多分、それは、俺も同じだからだ。

彼と同じく、俺も罪人であり、本来は裁かれないといけない側の人間だから。

普通のレールを自ら外れてしまった、外側の人間なんだ。

 

「違うんだ、カフビさん」

「ユウ……?」

「俺こそ、謝らないといけない」

 

カフビさんの前に立ち、正面から見つめる。

逃げてしまいたい気持ちに駆られるが、真正面からいかなきゃならない。

なぜなら、カフビさんもそうしてくれたから。

俺に、自分をさらけ出して、打ち明けてくれたから、こっちも逃げちゃいけない。

 

「俺、カフビさんに嘘ついてたんだ」

「嘘……?」

 

すぅっと息を吸い、ゆっくりと吐く。

これを伝えたら、もう後戻りできなくなる。

下手すれば、俺と風香の関係も壊れてしまうかもしれない。

それでも、伝えたいと、共有したいと思ってしまう。

初めて出会えた、似たような罪を持つ“仲間”に。

 

「俺も、同じなんだ」

「カフビさんと同じように、俺もいけないことをしているんだ」

 

カフビさんは涙をとめ、目をまん丸にする。

虚をつかれたような、予期せぬことが起きてしまったような反応を示す。

そんな彼を真っ直ぐ見据えつつ、言葉を続ける。

 

「前、カフビさんが教えてくれた夜、実は言おうか迷ってたんだ」

「自分自身、いや、俺たちのことを」

「……あの絵の子ですか?」

「うん、そう」

 

あのときは言えなかったけど、今ならはっきり伝えられる。

俺たちの関係を。許されない関係を。

誰にも明かしてなかった秘密を口にする。

 

「カフビさんがいなくなっちゃう前に聞いて欲しい」

「俺とあの子、風香のこと」

「俺たちの罪を」

 

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