※この作品はR-18です。

罪ノ光ランデヴー 風香アフター   作:伝野てつ

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ムーンマーガレット

 

「到着、っと……」

 

結局、ここに来るまでの間に決意は固まらなかった。

隠したい、明かしたい、ふたつの気持ちを行ったり来たりして、どっちつかずだった。

多分、今の私は情けない顔をしているんだろう。

みっともない、すぐにしっかりしないと。

こんなんじゃ、またあのときみたいに、優人を傷つけてしまって……。

 

「はぁぁぁぁぁぁ」

 

しばらく黙っていた恵美が深いため息を漏らし、ジロっとこちらを睨んできた。

今にも平手をお見舞いしそうな雰囲気だが、なんとか我慢しているように見える。

眉をピクピクと上下させ、じっと、私がなにかを言うのを待っている。

強く風が吹き、肌に冷気が伝わる。

突き刺さるような一陣の風に身震いしてしまう。

本当に風だろうか。風に身震いしたのだろうか。

いいや、違う。

 

「そっか……」

 

恵美に睨まれているこの状況に身震いしている。

隠し事をし続ける自分に嫌悪感を抱いている。

なによりも、友達を信用しきれなかった私自身に恐怖しているからだ。

 

「ごめん、恵美。私、言う」

「私に……私たちになにがあったのか、全部、包み隠さず」

 

逃げずに、恵美を見つめ直す。

真っ直ぐと、力強く、彼女へ告白する。

今までの弱かった私はもういない。

優人が傍にいてくれる、ずっと一緒にいてくれる。

だから、もう怖がる必要なんてないんだ。

 

「私ね……実の弟と、恋人になったの」

「今まで、黙っててごめんなさい」

「……そっか」

「隠しててごめんなさい」

「うん」

「恵美には言いたいって、伝えたいって思ってたけど、できなかった」

「怖かったの、自分の罪を告白することが」

 

喉の奥は痛くなっていて、声はかすれている。

多分、涙を流しているから、こんなにも苦しいんだ。

切なくて、耐えられなくて、子どもみたいにみっともなく泣いている。

 

「でも、ちゃんと話す。もう逃げないから」

「だから……しっかりと聞いてくれる?」

 

恵美はため息を漏らしながらも、ニコリと笑ってくれた。

 

「あったりまえだろ? ったく、おせぇよ、馬鹿」

「そうね、ほんと、遅くなっちゃって、馬鹿だわ」

「風香は勉強できるくせに、そういうところが抜けてるから」

「まったくもって、そのとおり……少し長くなるから、覚悟して聞いてね」

「おう、大丈夫」

「それじゃあ、話す。まずは、故郷に戻ってからなんだけど……」

 

その笑顔にちょっとだけ救われたような気がして。

私は、珠里村で起きたことを洗いざらい、告白した。

なにもかも、すべてを包み隠さず、私の罪を。

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