※この作品はR-18です。

罪ノ光ランデヴー 風香アフター   作:伝野てつ

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なんで不安で

全てを恵美に伝え終えるころには、空は曇天になっていた。

夕焼けは影に落ち、今にも雪が降りだしそうな寒さ。

そんな中でも、恵美はジっと黙って私の話だけを聞いてくれていた。

なにも言わず、ただ咎人の懺悔を耳にして。

 

「ごめん、こんな醜い私で、本当にごめん」

「醜い……?」

「友達に嘘ついて、ずっと黙って、それに弟の、大切な人の人生まで狂わせた」

「怖くて言えなかったんだ、ずっと……」

 

恵美に怒られると思いつつ、本音を吐露する。

でも、恵美はニッコリと気持ちいいくらいの笑顔になり。

 

「いいじゃん、人間らしくてさ。アタシは好きだぜ?」

「えっ……?」

「そんな気にすることないだろ。だいたいな、弟さんだって後悔してないと思うぜ?」

「後悔してるなら、お前と一緒にこの街に来ないだろうし、もうとっくに覚悟決めてる証拠じゃん」

「ぁ……」

「あのな、アタシのときもそうだけど、風香って人に対して絶望し過ぎだろ」

「もうちょい、楽観的に見ようぜ、なぁ、おい」

 

恵美の笑う顔を見て、少し心が晴れる。

思いつめていた自分が間抜けだったということなんだろうか。

 

「それにさ、美しいものばかりじゃ、息苦しいだろ」

「人間、美しさも醜さも兼ね合わせるから、不安定だから、魅力的だと思うけど?」

「……なに、それ言い訳?」

「お、いいね。クヨクヨしない、気持ちがいい風香に戻ったじゃん」

「……ふふ、今はそれでも気分がいいわね」

「うへぇ、んだよ、けなされて喜ぶとか、そっちの気あるわけ?」

「馬鹿ね、私じゃなくて、それは弟」

「……お前の弟さん、変態だな」

「そうね、私にとっては愛おしい変態さん、かな」

 

笑って、軽口が叩ける。

いつもどおり、恵美と接せられる。

罪を告白することで、なにか壁ができてしまうかと思ったけれども、杞憂みたいだ。

 

「ありがとな、ちゃんと話してくれて」

「こっちこそ、聞いてくれてありがとう。苛立っても、問い詰めてこなかったから、素直に言えた」

「まぁ、それに関しては、めっちゃ我慢したからな」

「恵美らしくないわね、我慢だなんて」

「うっせーアタシだって、たまにはそういうことすんだよ。デリカシーぐらい持っとるわ」

「あら、縁遠い言葉が出てきたわね」

「まぁ、そう言うなって。これでも真面目に考えてたんだからよ」

「そうなの?」

「まぁね、色々考えて、悩みもして……」

 

恵美も、同じような傷を負っていて。

友達だからこそ、共有してくれて……なんだか、心が軽くなった気がし――。

 

「今聞いてハッキリしたけど、アタシはあんたたちのこと、祝福はできない」

 

胸の奥に、ピシリと亀裂が入った音が聞こえた気がした。

 

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