「相変わらずなベッドヤクザっぷりよ、まったく」
「……はい」
都合何度交わったかわからないほど、お互い汗と精液と愛液でドロドロな状態で畳に横たわる。
もう出るものも出ない状態、まさに精根尽きている感じだ。
「ったく、節度ってもんがあるでしょ。それなのに、何度も何度も求めてきて」
「いや、風香の方が俺より多く求めてきてた」
「……ふぅん、すけこましに言われたくないセリフね」
「ピロートーク中なんだし、こう刺々しい感じじゃなく、甘々なこと言えないんですかね……」
「ふん、そんなのないわよ。この絶倫男」
「それは、まぁ、はい、すみませんでした」
「そうそう、わかればいいのよ、わかれば」
なんだか釈然としないけど、胸がざわついて、心地良いし、いいんだと思う。
罵られ、苦笑いし、最後には笑い合う。これが俺たち距離感。
そして、確かに繋がっている愛情だ。
「でも、一次が通ったってだけで、二次もあるんだろ?」
「そりゃ、まぁね。でも、一休みしたって悪くはないでしょ?」
風香が俺の腕に引っ付いてくる。
身体から熱は徐々になくなり、だんだん冷えてきていた。
「昼間は暑いのに、夜は寒くなるわね、やっぱり」
「こんな格好ってのも問題だけど、秋だしね、もう」
「秋、ねぇ。あそこを出て、もうそんなになるんだ」
二人して珠里村を出た時はどうなるかと思ったけど、なんとかなってしまっている。
安心というよりも、正直言うと、恐怖が少しだけあった。
こんな上手くいくなんて、どこかしらで落とし穴があるに違いない。
だって、俺たちは罪を犯しているんだから。
「……優人?」
「ごめん、ちょっと考え事してた」
「なによ、もう腰痛くて、これ以上は無理よ?」
「いやいや、俺だって体力がないよ」
「あの人たちの資金援助、受ければよかったのに」
「……それは受けられないよ。これはケジメだ。俺がわがまま言うための」
故郷のみんなを捨てて、俺は自由を手にした。
恋人であり、姉である
自由を得るには、責任が伴う。
「だから、苦しくはあるけど、全然大丈夫だ」
「あんたね、ほんっと昔から泣き虫の癖に意地だけは一人前なんだから」
ため息をつく風香だけど、表情はどこか嬉しそうだ。
あぁ、その笑顔が見れるだけで、俺は明日もやっていける。
「優人、好きよ。誰よりも、なによりも、あなたを愛してる」
「俺も愛してる」
町が寝静まるころ、俺たちは口づけを交わす。
電気を消した暗い六畳一間。
決して裕福ではないし、将来のことなんて不安しかないけれど。
許されない罪を二人で背負いながら、俺たちは幸せに生きている。