95層のボスは赤く、獣と人が混じった巨人であり、凶悪な剣を持った怪物だった。一度動き出せば狂ったように武器を振り回して怪物的な膂力でプレイヤーを一瞬で挽き肉にしたであろう、というのは想像に易かった。だがそれすらも今は意味はない。極限までリアルに心意を使って近づけられた今、必殺は必殺になる。先に叩き込み、殺したほうが正しくなる。それが絶対唯一の真実。故に接近し、首を断ち、殺し、そして赤く染まる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
息を荒げて吐き出す。頭がガンガンと痛みを訴えてくる。目の前で倒れる巨体を見て、95層のボスを始末したのを今、確認した。どうやって首を断ったのか? 思い出せない。だが加速すればする程、自分という存在が燃え尽きて消えて行くのを感じ取っていた。あぁ、何を忘れたのだろうか。それすらも解らない。だけど解っている事がある。
ユウキという少女に恋をしてしまった事実を。犯して、踏みにじって、それから始まるなんて―――なんて―――無様なのか。だけどそれが悪党に相応しい末路なのだろうと思う。それが自分に対して相応しい結末なのだ。そして自分で決めた自分の末路。脳髄が焼き切れそうな中、背後からどさり、と音を立てて倒れる気配がした。
振り返り、確認すれば白野衣が倒れていた。そのスタミナゲージは0で、そしてその体力も尽きた。その姿を見て、笑みを零す。
「あぁ、お疲れ白野―――」
そこまで言葉を放とうとしたところで、馬の嘶きが聞こえた。倒れていた白野衣は息を漏らしながら、噛みしめる様に鬼の形相を浮かべ、此方が背に乗っている間に段々と染まって来た赤い血液によって塗りたくられた姿を四肢で持ち上げた。そして勢いよく、死体を持ち上げると、魂の全てを込めるかのように立ち上がり、吠えた。体を引きずる様に前へと進む、手綱を揺らして鞍を示した。
「はは……そうか、すまんな……お前をたかがデータと侮っていて。いや、最後まで逝こう、相棒」
首筋を撫でてからその背に跨り、鞍の上に座った。お互い、もはやシステム的には限界を超えていた。それでも動き続ける―――動く事を止められなかった。初めてだった。ここまで苦しいのに、ここまで清々しい気持ちは。今までユウキはこんな気持ちで戦っていたのだろうか? 正義を疑わずに生きていた人間はこんな気持ちで力を振るっていたのだろうか? 人生に迷いのない目的を持つ人間が羨ましい。そう、自分の思いに対する正義を持てる奴が羨ましい―――こんな気持ちでいたなんて。なんて卑怯なのだろうか。
あぁ、だけどそう考えるのすら億劫だ。眠い。疲れた。辛い。痛い。苦しい。
だけど心地よい。
ボスを殺して迷宮区を抜け、転移門に触れる事無く次の転移門へと向かう。邪魔をするプレイヤーは当然ながら存在しない。転移門がなければ追いかけて来ることが出来ないからだ。故にここからは敵は運営が事前に用意していたシステム側の使徒だけ。そして味方はこの白野衣一頭だけ。自分がゲームコンセプトを無茶苦茶に蹂躙し、そして突破している現状を人はどんなふうに評価するだろうか? チート任せのクソ野郎か? それとも攻略してくれた英雄だろうか? どちらにしろ、
気になるのは彼女の事だけだった。
ユウキ―――そう、ユウキの事だ。今更ながら、アレはないだろう、と思わなくもない。とはいえ後悔しているか? と問われたら間違いなくNOの言葉を返せる。そう、結末は見えて来た。だけど、それでも自分の人生に後悔はなかったと断言できる。
だからこそ今、こうやって未来の事を一切考えずに燃え尽きている。そこに一切の憂いはない。ただあえて言うなら―――もうちょい、ユウキを犯したかったかもしれない。そこら辺の性根の腐り具合はもはや、矯正不可能な領域だった。まぁ、それが結果、自分らしさなのだろう。
そう思うと、迷宮区に見た事のない姿を目撃した。
「―――ここから先は立ち入り禁止だ」
それは人の集団だった。合計10人ほどの。痛む頭を押さえながら白野衣の足を止め、鞍から降りてその姿を見た。
その全員が見た事のない服装をしていた。SAOでは珍しいとでも言うべきか、もっとゆったりとした、金属製ではない防具をメインにしている他、その背には見覚えのない翅の様な物が見えた。髪色も赤、青、とバリエーション豊かなのは―――SAOと変わらねぇな、と呟いた。ふと、左目が軽く霞んで見えた。にんまり、と笑みを浮かべた。いよいよリミットが見えて来たな、と。
「貴様がどうやって突破してきているのかは解らないが、ここから先は通すことが出来ながっ―――」
「辞世の句にしちゃあ言葉がなげぇな」
言葉が終わるよりも早くナイフを投擲し、顔面に突き刺した。そのモーションで停止した男は悲鳴を上げる間もなく後ろへと倒れ、ポリゴンとなって砕け散った。その光景に周囲の男たちが動きを停止させたが、
「か、構うな! 相手は何らかのチートを使用しているが、此方は再ログインするだけで再び戻ってこれる!」
「はは、デスゲームに馬鹿みたいに付き合う必要はないからな」
そうか、と呟きながら集団に飛び込んだ。見慣れないエフェクトに、見慣れない装備、見慣れない恰好。昔であればその景色に食指を動かされる事もあっただろうが、その存在を前にまるで魅力的に思えないと判断する自分があった。狂わされてしまった、あの少女に。前まではあんなに楽しかったのに、あんなに喜べたのに、この暴力を振るう事が。
故に無心で飛び込み、殴り飛ばし、引きちぎり、その動きに合わせて白野衣も飛び込んで蹴り飛ばしてくる。
「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死ね、とは言ったもんだが初めて見るな、実際のものは」
脳裏をノイズが走る。世界が一瞬だけモノクロに染まる。だがそれに驚くこともなく、一気に踏み込んで、一番嫌な予感を直観的に発させる、何かを呟きだした男の顔面を引き千切った。男の喉から悲鳴が沸き上がるのを痛みが通じる様に首を握り潰しながら、武器の代わりに殺した男の新鮮な死体を使う。
「キチガイかよ!」
「そのキチガイに殺されるんだよお前らは」
この攻略する行いは果たして善だろうか? 攻略を止めようとする奴を殺す事は善になるのだろうか? それを流石に善と呼ぶのは苦しいだろう。いや、正直な話、どうもいい。ただただ、前へと足を進ませる事だけは止められなかった。殺して、潰して、悲鳴を握りつぶして、何もいなくなったところで再び前へと歩き出す。
「……っと、そうだ、白野衣に乗った方が早かったな」
笑いながら振り返り、ふらふらと揺れる馬の背に乗って、殺戮現場を後にした再び迷宮区を走り出す。ひたすら、攻略とボスの殺害を求めて。それ以外の機構を全て自分の体から排除して。
もう二度とこの時間は返ってこないというのを実感して、笑みを浮かべた。
善と悪。
これは非常に難しく、そして複雑な言葉である、善い事をする、といってもそれは誰かにとっての悪い事であるかもしれない。そう考えれば純粋な善とは、善い事とは一体どういう事なのだろうか? 善いと悪いの明確な基準とは果たして? 一体何をどうやってそれが正しいと解るのだろうか? それは恐らくは永遠の問答の一つであろう。その問答に対して明確な答えを出す人間はおるまい。あまりにも根本が難しすぎて、それでいて移ろいやすい物事である為、明確な答えそのものが存在しないのかもしれない。だけど、今となって、思う事はある。
アスナを犯すのは楽しかった。
アレは可哀想な女だった。良い女ではあるが、憐れだった。アスナの根本にあったのは現実への恐怖と脅迫観念だった。彼女は常に逃げる様に自らに与えられた役割に没頭する。彼女は自分が自分で道を選ぶという行いその物に対して恐怖を抱いていた。故になさねばならない、という強迫観念を抱いていたのだ。彼女はリアルではエリートコースを歩む人間だった。家族が与え、そして育ててきた道を歩んできた彼女は、そこから外れる事を極端に恐れた。
だからその恐怖を外してやった。外れるという事を教え、その上でそのどうでも良さを体で教えた―――そして再び、役割に縛られる。それがアスナという女だった。張りの良い乳で揉み心地は良かったし、膣も中々良かった。だがあの女を今思い出して感じるのは、そのどこまでも救われない哀れさだった。彼女にはきっと、誰かが必要だった。彼女だけを見て、支え、そして一緒に生きていられる人間を。それが俺には出来ない。それをアスナは理解していたから、エリートコースの執着を捨て、俺という力を前に屈服、依存した。
そして、ユウキだ。あの少女もどこまでも憐れだった。あの瞳に恐らく、出会った瞬間に恋をしていたのだ。だからそれに気づかず彼女を壊そうとして何度も犯した。度し難い話だった。だけど目を瞑れば何時だってその乱れた姿は思い出せるぐらい、何度も何度も繰り返して蹂躙してきた。あの少女は生きる事に必死なだけだった。自分という存在を記憶に刻む為、誰かの記憶に残って精一杯生きた事を証明する為に。
だからこそ、その姿に惚れたのだ。そこは認めるしかなかった。その一途で、変わらない姿と心にどこまでも恋をした。だからその出会いに善かったと言える。そう、この出会いだけは自分の人生の中で、善い事であったと断言出来た。彼女との出会いだけが自分の人生における善き事だった。
それ以外にもいっぱい、いろんなことをやった。現実では法に触れる様な事をやり、そしてSAOでは何人もの人生を破滅させてきた。犯すだけじゃなく、殺すだけではない。誰かを悪の道に堕としたり、誑かしたり、そうやって自分の持つ力を何度も確認する様に使って、遊んで、楽しんできた。
だが最終的に、気付かされるのだ。
またそれ故に
「……だとすれば、俺の人生ってなんだったんだろうな」
足を引きずる様に進む。もはやそこに迷宮区の姿はなかった。一歩一歩が重く、体を蝕む感触があった。やはりまともなシステムじゃねぇな、と確信する。えーと、白野衣はどうしたんだっけ? と、さっき潰れてしまったんだな、と思い出す。駄馬め、最後までついてくるような気配を見せておきながら途中で倒れやがった。まぁ、いい。今度は地獄で乗り回してやろう。地獄での活躍を予約しつつ、
日の下を歩く。
それには天蓋が存在しない。
殺して殺して殺しとおせば、いつの間にか最終点へと到達していたらしい。真っ赤に染まる視界の中で、その実感は薄く、感動と呼べるものも存在しない。なんだっけか、確か晶彦はここを紅玉宮と呼んでいた気がする。本当に紅玉の様な色をしているのだろうか? 今、自分に見える景色は全て血色に染まっていてその違いが良く解らない。あぁ、これは少しだけ、勿体ないのかもしれない。そう思いながら足を引きずって最後の決戦の地へと向かう。
ここへ至り、どれだけ殺したのだろう。どれだけの願いを蹂躙したのだろうか。果たしてぽっと出の力で強引にハッピーエンドを作ろうとすることは邪悪なのだろうか? それが結果的に誰かを救おうとするのであれば、それは善い事なのだろうか? だけどそう、純粋と呼べる善や悪はそこに存在しないのだということは確かなのだ。
善い事には常に理由がある。願いの為、誰かの為、社会の為、それをそうするだけの理由がある。善い事をするのは当然である。
それと同じように、悪にも理由がある。殺し、犯し、蹂躙し、貪り、奪い、そしてひたすら悪事を成す。それらもまた、純粋ではない。常に何か、何かしらの理由が存在するから純粋悪という物にはなれない。
俺は悪ではあったが―――純粋悪にはなれなかった。
宮殿へと進む。血色の世界はどこまでも赤く、そして人の気配を何も感じさせない。だが奥から喚く声と、足音が聞こえる。また破壊するような音も聞こえ、誰かがそこにいるのだという事を確信させる。ゴールが目に見える形で出てきてくれたのは良い事だ、と思いながら体を引きずり、崩れ落ちそうな体を運んだ。
奥へ、奥へ。
「―――なぁーんなんだこれはぁ! なんだこの設定は! 僕はこんな設定をした覚えはない! やはりアイツか! あの男か! クソ! クソ! おい、早くアミュスフィアを引き抜いて僕をログアウトさせろよお前ら……!」
見苦しい男の喚き声と醜態が宮殿の中心部に存在していた。そこにいたのは白い鎧に整った金髪の容姿の男。微笑んでいれば間違いなく美男子だと呼べるのだが、今、その男は醜態を晒していた。アルベリヒ。このゲームのラスボスとして茅場晶彦に設定されてしまった憐れな男だ。ヒースクリフが担うはずだった設定を押し付けられた結果、100層に到達した時点でラスボスはこの男へと固定され、そして同時にこの男の死がこの世界を救うものとなった。
「良かったぁ、じゃないか……お前は文字通り英雄になれるんだ……アインクラッド解放の英雄に……な……」
「お前は……いや、違う……あの男はもっと狡猾で、そして態々自分を危険にさらすような男じゃない……!」
「解ってるじゃないか」
息を荒げながら中央部、入り口の壁に寄り掛かって、中央で喚いていたアルベリヒを見た。男は未だに激情の真っただ中にあるが、晶彦の関与を感じ取った瞬間、凄まじいまで憎悪と敗北感、屈辱を感じさせる気配を見せていた。素晴らしいまでの劣等感を感じさせる匂いだった。あぁ、その匂いには嗅ぎ覚えがある。俺自身が放っていた 匂いと一緒だ。
「負け犬の匂いだ」
「僕が、負け犬だと……? ALOを運営し、SAOからのショックを立ち直らせたこの! 僕が! SAOを救う英雄となる僕がッッ!」
「知るかよ……あぁ、だけど同情はするぞ。お前も憐れな男だなぁ、アルベリヒ……。敵に回す相手を間違えたんだよ、お前……狡い奴を敵に回しちゃ駄目なんだよ。この、世の中は……そういう意味では最初から負けているんだ、俺もお前も」
ご老公、モリアーティー、そしてヒースクリフ。俺の人生における最大の死神達だ。特にモリアーティーは本当によくやってくれた。
眠い。
ふらつく体に最後の力を入れて、壁から引きはがす。点在する血の跡を引きずりながら一歩、また一歩、アルベリヒへと近づいた。距離で言えば100歩ほどの距離。だがそれが万里にも等しい距離に感じた。
「さ、懺悔は済ませたか。神への祈りは終わらせたか? それではお互いに役割を果たそう、アルベリヒ」
「ふざけるなふざけるなふざけるな! 半死人が、僕の邪魔をするな……そうだ、ここでお前を始末して、そしてSAOをゆっくりと解析すればいい! 所詮はALOと根本的な構成は変わらない。だとすれば後はアルゴリズムを解析すればマスター権限を完全に強奪できる―――そうすれば、僕は本当にこの世界の神になれるッ!」
子供の様に夢を広げる姿に笑みを零す。なんて先が見えていない奴なんだろうか、と。だけどそれを成し遂げるだけの頭脳は兼ね備えているのだろう。それが厄介なところだ、有能なクズは。だけどそのジャンル、自分もまた当てはまるのが非常に困る。あぁ、でも、もう、
なんでもいっか。
執着は……一つを残してもうない。だからここまで言っておいてだが、
「どうでもいいか……」
呟き、ふらつく体を精神力だけで支えて踏み出す。真っ赤に染まった視界で男を見た。立場だとか、目的とか、どういうことがだとかあれとかこれとかそれとか―――全く、全然どうでも良かった。
「―――! ―――!!!」
煩い。喚くな。面倒だ。血を吸い込んで重くなった体を引きずり、前へと出る。男は剣を抜いた。一発でも触れれば死ぬ―――とか喚いているが、当然だろう。戦いとはそういうもので、失いながら磨きあがれて行くというのがそうなのだから。だから切っ先が体に刺さったら死ぬのは当然の理で、当たり前の話だから今更説明されたところで困る。だけど、今まで殺してきた人間と、解放を望む人たちの無遠慮な希望が足を引くようで、体が思うように動かない。
疲れた。
でも前に出る。拳を作り、そして歩いて前へと進む。
可能性を選ぶという事はまた、他の可能性を削ぎ落とすという事でもある。ふと、その事が気になった。俺が1層で殺した黒い少年はまだ、可能性に満ち溢れていたような気がする。彼を殺さずに気まぐれで生かしていたら、このSAOでの冒険は変わっていたのだろうか? どれだけ変わったのだろうか、少しだけ気になった。
とはいえ、過ぎ去った日々に後悔をするだけの事は無駄だ。
過去を変える―――そんな事、今を生きる全てに対する冒涜でしかない。流石の俺も自分の道筋が間違いだったとして、それを否定するような事だけは絶対にしたくはない。故に走り出したら止まらず、変わらず、後悔だけは絶対にしない様に突き進むだけ。それだけの簡単な事。
前に出て、終わらせる。
男が剣を握って加速した。システムの限界を超えた、処理落ちを利用した超絶加速。システム的に速度の優先順位に上下を設定させた絶対先制の動きは絶対に追いつけず、対処する事が後からは不可能になる。だがその不可能は、その速度の中で技量を活かすだけの腕前を持つ存在に限る。男の技量は稚拙だった。攻略組と比べるのが失礼なほどに、その剣術は空っぽだった。
考えれば攻略組も1年以上、最前線で命を投げ捨てて戦い続けていたのだから、動きが生きる為と戦う為に最適化されていて当然だったのかもしれない。だとしたら猶更この男と比べるのは失礼だろう。最低限の礼ぐらい、自分だって持ち合わせている。だから笑みを浮かべ、
「―――オオオオオオォォォォォォォ!!」
笑いながら咆哮を吐き出した。大気を震え上げさせるほどのウォークライ。命削りの戦咆。また魂ががりがりと削れる感触の中で、男が咆哮に一瞬だけ竦むのが見え、動きが緩んだ。次の動きを四重に予測し、それに対応する様に動いた。
振り抜かれる剣をコートの裾で払うように叩き、巻き込み、絡め、そして一瞬で奪って弾いた。
「あ―――」
「じゃあな」
そしてその動きに連動させて右手を心臓に突き刺して貫通させた。男の表情が痛みと恐怖に歪んだ。痛み? まぁ、そんな日もあるのだろう。そう思いながら痛みで涙と鼻水を流す姿から腕を引き抜く。絶叫する姿は助けを求めている。
言葉にして聞くのすら見苦しい。
助けを求めるその姿の首を、一撃で千切り潰した。
男だった存在はそこで砕け散って、ポリゴンの破片となってアインクラッドへと還元され、霧散する。男の姿が悲鳴と恐怖と共に砕け散った所で、一つの表示が出現した。
繰り返されるソードアート・オンラインというゲームの終焉、クリアの報告。そして開始されるログアウトの報告に漸く、1年間続いたこの世界の牢獄が終わりを迎えたのだという事を理解した。その理解と共に吐息が口から洩れる。
「は―――とんだ……クソゲーだったな……」
言葉と共に体が崩れ落ちた。
「心意って……なんだよ……バランス調整とか……どうにか、しろ……よ」
フラクトライトとか、ハッキングとか後なんかALOとかいうのもどうにかしろ。色々とガバガバじゃねぇかお前は。というかリアル技能に頼り過ぎなんだよこのクソゲー。もうちょっとそういう部分の見直しできない? MMOってつぎ込んだリソースの分リターンがあるから楽しいんであって、リアルが凄いならネットも凄いってユーザーの精神殺しに来ていない? 大丈夫? 現実でお前がクソならネットでもクソってリアルだけど救いがなさすぎない?
「はは……」
まぁ、とんだクソゲーだった、SAOは。レイプできるし。監禁調教できるし。R18にしてから販売しなおせって言いたい。いや、見直す点は大量にあるから言葉じゃ言い切れないけど、アレだ。
「楽し、かった……な」
その言葉と共に目を閉じた。
物語の前半と後半で雰囲気が違う? 寧ろエロだけでずっと続けられるとでも思ったのか愚か者め。無駄に長くなって完結出来なくなるわ。後書いてて最近思う事は主人公が性別男オンリーだと割とプレイ幅狭いよな、って。
それはそれとして、次回でラストデース。