今回は、慎の逮捕から始まります。
慎が逮捕されて一時間後
慎は無機質な部屋の中で、大きな身体を丸くして震えていた。鉄格子の向こう側では、慌ただしく警官が動き回り、一人の警官が鉄格子の鍵を解錠。
「時田慎、出なさい」
その言葉に慎はゆっくりと顔を上げ、警官を見つめる。数秒間、警官を見つめ、無言で立ち上がり、その警官と真っ白な廊下を歩く。警察署の出入り口では、腕組したにこと凛。そして、絵里に似ているあの女性が立っていた。さらに、その女性の横には見知らぬ女性の姿もある。慎はゆっくりとにこ達に近付き、真っ直ぐ見据えた。
「ご迷惑をお掛けしました」
にこが警官に深々と頭を下げる。警官は『いえいえ、勘違いで良かったです。』そう言って、その場を後にした。そのやり取りを無言で見つめる慎。
「……時田さん、ごめんなさい。私てっきり泥棒さんと思って。まさか、お姉ちゃんの彼氏さんだったなんて」
あたふたしながら言う絵里似の女性。
「亜里沙、絵里から何も聞いていなかったの?」
「はい、何も。私も今日、ロシアから帰って来たので」
亜里沙と呼ばれた女性が、慎を横目で見る。その目は、好奇心に染まっていた。キラキラしている横目。その横では、不信そうに慎を見つめるもう一人の女性。
「本当に絵里さんの彼氏なんですか?」
「…………」
無言で小さく頷く慎。そんな様子に、にこが溜め息をついた。
「雪穂、亜里沙。ごめんね。慎、女性が苦手だから」
「……っえ?でも、お姉ちゃんとはお付き合いしているんですよね?」
「付き合っているわよ。ただ、絵里以外の女性に対してなんだけど」
「それって、お姉ちゃんが特別って事ですよね」
慎に向けられる眼差しが、より一層光輝く。慎はその眼差しに耐えられず、一人先に警察署を出た。
桂木プロダクション、事務所の一室
「そう言えば、亜里沙。絵里に連絡した?」
「いいえ、まだしてないよ」
それを聞いて、何故かニヤリと笑うにこ。凛も同じ様にニヤリと笑う。
(何か企んでるな、あの二人)
部屋の片隅で二人を見ていた慎が溜め息をつく。スマホを取り出し、電話をする。電話の相手は、どうやらにこの旦那、宗次郎のようだ。
「そうなの。警官に連れて行かれてね。……うん、そう。詳しい話は後で」
それだけ言って、電話を切る。慎は溜め息をついた。
「俺、もう釈放されてんだけど」
「分かってるわよ。ちょっと絵里の反応が知りたくなって」
「……ちょっと待て、宗次郎さんと一緒にいるのか?」
「あれ?言ってなかった?」
「聞いてねぇよ。絵里、今どこにいるんだよ。迎えに行ってくる」
「う~ん、それは無理でしょ。だって、絵里と希。福岡だし」
テヘペロの仕草でにこは謝る。慎は呆然と立ち尽くした。
福岡空港
「…………」
落ち着きなく空港のロビーで右往左往する絵里。その表情は焦りと不安で一杯だ。どの便も満員で、キャンセルも無い。希も絵里にどう声を掛けて良いか悩んでいる。そこに、宗次郎が近付き。
「絢瀬さん、今日は一旦ホテルに戻りましょう。詳しい話は後でにこに聞きますから」
その言葉に、絵里の動きが止まる。そして、希と宗次郎を見ると、小さく頷いた。ホテルに戻り、希と二人、ベッドに腰掛ける。すると、タイミングを計っていたように、スマホが鳴った。ディスプレイには亜里沙の名。絵里はすぐさま出る。
『もしもし、お姉ちゃん。亜里沙だけど』
「どうしたの?それより、いつ日本に帰って来たの?」
『今日の夕方。それでね。お姉ちゃん、話があるの』
「うん、何?」
『今日、お姉ちゃんの家に行ったら、知らない男の人がいて』
その言葉に、絵里の脳裏に慎が浮かぶ。
『泥棒さんと思って、警官に連絡したの』
「……うん、それで?…」
絵里の表情が強張る。希も苦笑していた。
『お姉ちゃんの彼氏さんだったなんて知らなかったから』
思った通りの言葉。絵里は肩を落として項垂れる。
「仕方ないわ。私が亜里沙に言わなかったから、知らないのは当然よ。ごめんね。びっくりさせちゃったわね」
『ううん、気にしてないよ。それでね。彼氏さんが』
「……慎がどうしたの?」
『ちょっとにこさんと揉めてるの。どうしたら良い?』
「……亜里沙、そこに慎がいるのね?」
『うん』
「電話代わってもらえる?」
絵里の表情は、笑顔のまま額には青筋が見える。それを感じたのか、亜里沙は無言で慎にスマホを渡したようだ。電話の向こうから慎の声が微かに聞こえる。
『もしもし』
「慎、私よ。絵里」
『ああ、絵里。どうしてそこにいるんだよ。』
「そこって、どこかしら?」
『福岡、俺の親父に会いに行ったんだろ?何でだよ』
「何故って、私が会いたかったのよ。ダメかしら?」
その言葉に慎は黙る。
「黙って会いに行ったのは謝るわ。でも、それは私達のこれからの事を考えてよ。あの継母の事もあるから」
慎からの返答はない。言葉が見つからないのだろう。
「慎、明日のお昼の便で帰るから、それまで亜里沙の事お願いね」
『…………分かった』
慎が小さく返事。絵里はその後、にこ達に慎の周囲に異変がないか聞き、電話を切った。
「絵里ち、うちも協力するから、いつでも言ってな」
「ありがとう」
そして、絵里達は眠りについた。
絵里のマンション
お昼の便で東京に戻った絵里達。福岡観光をする余裕などなく、ホテルをチェックアウト。電話で慎の父親と今後の話をして、東京へと戻る。勿論、にこをはじめ、亜里沙や慎、聖達が出迎えてくれた。そしてそのまま絵里のマンションに亜里沙と三人で戻る。
「お姉ちゃん、疲れたでしょ?お茶淹れるね。」
「ありがとう。亜里沙」
そう言ってキッチンに立つ亜里沙。慎はというと、絵里を後ろから抱き締めている。絵里の首筋にキスを落とし、舌を這わせる慎。亜里沙の立っている位置からは見えないが、絵里は内心焦っていた。慎の愛撫に身体は素直に反応する。
「……ちょっと、妹がいるのよ。……ん、後にして」
小声で抵抗する。その間も慎の腕が絵里の乳房に触れた。服越しでもしっかりと尖端の位置を探りだし、そこを執拗に触れてくる。絵里の身体は疼いた。もっと触れて欲しくて、秘所がピクピクと動いている。
「……やめて…お願……亜里沙に…気付かれちゃう」
「なら、後で一杯シテいい?」
そう言って、お尻に身体を押し付ける。慎のソコが硬くなっているのが、服越しでも分かった。絵里の身体は一気に火照り、秘所が蠢く。そんな事など知らず、亜里沙がお茶を、テーブルに運んでくる。慎はすっと絵里から身体を退かし、何事もなく亜里沙の淹れたお茶を啜る。
「お姉ちゃん、お茶淹れたよ。飲まないの?」
慎の愛撫で腰に力が入らなくなっている絵里。そんな事など、亜里沙は知る由もない。
次回は、ほぼほぼエロ、エロ、エロ~!で、進みます。