元μ,sのメンバーからお灸を据えられた日から数日後
絵里のマンションにて
慎は理性と性欲の狭間で揺れ動いていた。『自制しなければ』という思いと『絵里と一つになりたい』という思いが入り交じり、慎は悶絶している。当の絵里は、悪気はないのか、それとも無意識なのか、色気が身体全体から滲み出て、慎を誘惑していた。特に二人きりになると色気という名のフェロモンがより一層濃く出ている。
「ねぇ、慎」
ソファーに腰を下ろし、慎に甘えた声で絵里が慎の服を引っ張る。慎は無言で絵里を見下ろした。頬を赤く染めた絵里の顔。慎はドキリとする。
「……何だ?絵里」
慎はなるべく平静を装う。すると、絵里が微笑んだ。
「これ、着けてくれない?」
そう言って、手のひらに握っていたペンダントを慎に見せる。慎は徐にそれを受け取ると、絵里の首にペンダントを回し当て、後ろの留め具を掛ける。その時、慎は絵里のうなじを見つめ、キスがしたくなった。
(……っあ…ぶねぇ!)
我に帰る慎。
「どうしたの?」
絵里が振り返りながら言う。その横目がまた色っぽい。慎は絵里の唇に指を這わせ、そのままキスをした。舌を絡め、濃厚な口付けを交わす二人。慎の手が絵里の胸に下りた。
「……ぃて」
慎の手を絵里がつねる。
「慎、今胸触ったでしょ」
「……触ってない」
「今の間は何よ」
疑いの眼差しを向ける絵里。慎は視線を反らした。
「……絵里だって悪いんだぞ」
「私の何が悪いのよ」
頬を膨らませる絵里。慎は小さく溜め息をついた。
「フェロモンが駄々漏れなんだよ。我慢出来なくなる」
慎の発言に絵里は真っ赤な顔に染まる。
「……ちょっ…と、何言ってるのよ。……恥ずかしいでしょ。それに私は、フェロモンなんて出していないわよ」
真っ赤な顔を両手で覆い、絵里は言った。すると、その言葉に慎は大袈裟に溜め息をつく。
「分かってるよ。絵里、無意識にフェロモン出してるから厄介なんだ。油断するとシたくなるんだよ」
「……なら、すれば良いでしょ?」
上目遣いで言う絵里。慎は生唾を飲み込んだ。そして、首を勢い良く横に振る。
「ダメだ!そしたら、歯止めが効かなくなるし、また絵里に無理をさせる」
「私、無理なんてしていないわよ?」
絵里の言葉に、一瞬慎は揺れ動いた。絵里の眼差しは真っ直ぐ慎を捉えている。慎はその視線から逃げるように無言で部屋を出た。
数日後
桂木プロダクションの一室に慎と聖はいた。二人は相変わらずスマホを弄りながら談笑している。
「ところで、最近絵里ちゃんとエッチしてんの?」
爽やかな笑顔でドストライクな質問をぶつける聖。慎は聖を睨む。
「……してねぇよ」
苦々しく答える慎。聖は長テーブルに置いてあったお菓子受けからチョコレートを摘まみ、そのまま口に放り込む。
「絵里ちゃんの身体の事を考えたらって事?」
「ああ、そうだ」
「……でもさ、我慢も良くないんじゃないかな?反動で寧ろヤバそう」
その考えは慎にもあった。現に、ここ数日は絵里の何気ない仕草でも衝動が抑えられない自分がいる。
「絵里ちゃんに正直に白状したら?」
「……何をだよ」
「何って、勿論エッチだよ。じゃないともっとヤバくなりそうだし」
聖が真顔で言う。慎は無言のまま答えない。そんな様子の慎に聖もそれ以上何も言わなかった。
次の日
慎はいつもの様に絵里の手料理を食べ終えると、そのままお風呂場に向かった。脱衣室で着ていた服を脱ぐ。すると、絵里が中に入ってきた。
「ねぇ、慎。今日は一緒に入らない?」
「……はぁ?な、何言ってんだ?」
珍しく狼狽える慎。絵里は服を脱ぎ始めた。慌てる慎。
「ま、待って!脱ぐな!」
「どうしてよ」
「そんな事されると、俺。もう抑えられない。マジで!」
その言葉に、一瞬絵里の動きが止まる。そして、慎を見つめた。明らかに慎は慌てている。絵里の身体を隠すようにバスタオルで包み、脱衣室から追い出そうとしていた。慎の手を絵里は掴む。
「……ねぇ、どうして我慢するの?みんなに言われたから?」
そう言う絵里の目は潤んでいた。
「ごめん、絵里を泣かせるつもりはなかったんだ。ただ、絵里の身体の事、考えると」
ゆっくりと抱き寄せる慎。絵里も慎を抱き締めた。
「ありがとう。でも、この間も言ったけど、私、無理なんてしていない。確かに、体力は持たないけど」
お互い、少し身体を離す。
「私も慎ともっと触れ合いたい。感じたいの」
絵里はつま先立ちし、慎の唇を塞ぐ。慎はそれに答えた。啄む様なキスを交わし、舌を絡め合う。絵里の服を一つ一つゆっくりと脱がす。慎も服を脱ぎ、そのまま浴室には入らず、寝室に絵里を抱き向かった。
「待って、お風呂」
「無理、もう我慢出来ない。早く絵里の中に入りたい」
慎は絵里の首筋を舐め、吸う。慎が吸った場所には、赤い小さな華が咲いている。首筋から始まった小さな華は、徐々に下へと下りていき、二つの乳房に両方咲く。絵里は、慎が付ける小さな華の存在に気付いていない。それは、慎の指が絵里の秘所の中で踊っているからだ。絵里はその刺激に甘く喘ぎ、腰を踊らせる。
「……ん…慎……もう」
「ああ、俺も早く入りたい。絵里、入れて良い?」
慎の言葉に、絵里は頷く。慎は上半身を起こすと、そそり立つソレを秘所へと宛がう。勿論、相変わらず避妊具は着けていない。それでも絵里は良かった。
「絵里、もし妊娠したら産んでくれるか?」
「当たり前でしょ」
絵里の言葉を聞いて、慎のソレが中にズブリと入る。絵里の中は喜びで震え、慎のソレを何度も締め付けた。慎はゆるゆるとした動きで絵里の中を抉る。
「……はぁ…んん……ねぇ…慎」
「…………」
絵里の言葉に反応しない慎。絵里は慎の目を見た。ぎらぎらと目が光り、今にも絵里を滅茶苦茶にしそうな眼差し。絵里は小さく溜め息をついた。
(……やっぱり、慎は我慢させない方が良いわね。そうじゃないと、体力的に持たないわ……今日は諦めましょ)
絵里はこれから数時間、慎に抱かれ続ける覚悟を決めて、目蓋を閉じた。
それから数時間後
絵里はグッタリとベッドの上で横になっている。慎はというと、ようやく性欲を我慢していた反動が落ち着いたのか、絵里の身体を抱き締めたまま寝ていた。ただ、慎のソレは絵里の中に入ったままだが。穏やかに眠る二人。ベッドサイドに置かれていたスマホのランプが点滅している。これが、嵐の到来を告げる合図だった。
次回はいよいよ継母再登場です。