又、久々の投稿なので、誤字、脱字等あるかと思いますが、ご了承下さいませ。
今回は、真姫が絆に初めてを奪われる直前の海未が紡に連れて行かれるところからです。若干、時系列が不安定ですが、続きをどうぞ
海未の腕を掴んだまま、桂木プロダクションを飛び出る紡。元々体力がない紡の呼吸は激しく乱れている。しばらく、歩道を歩いていると腕を掴まれた海未が歩みを止め、紡に掴まれていない手で、紡の身体を引っ張った。その反動でバランスを崩す紡。肩で息をする紡がゆっくりと振り向く。
「……」
「……」
無言で見つめ合う二人。無言の海未が、紡に掴まれた腕を振り払おうと、動かす。抵抗する様に、紡は掴む力を強めた。しかし、何故か海未はため息と共に力を抜く。そして、紡の腕を掴まれた腕とは反対の手で掴んだ。
「紡、ちょっと一緒に来て下さい」
「……ぃやだ」
「あそこには戻りませんから」
そう言って、視線を桂木プロダクションに向ける。海未の言葉で、紡の身体の力が抜けた。掴んでいた手を放す。次の瞬間、今度は海未が紡の腕を掴んだ。
「今から行きたい所があります。紡、一緒に来てくれますよね?」
そう言った海未の目は、とても怖かった。
音ノ木坂学院 弓道場
静まり返った弓道場に響く弓の空を切る音。海未は珍しく弓道着も着ず、弓を引いていた。怒りの感情が、海未の目に灯っている。的の中心は幾つもの矢が突き刺さり、最早刺さる場所はない。それでも、海未の怒りは治まらず、矢を放つ。矢が向かう先は、的の中心。刺さっていた矢を押し退ける形で、矢が突き刺さる。ふぅと、一息吐く海未。その後ろでは、真剣な表情で海未を見つめる紡。海未の後ろ姿を息を殺して見つめ続ける。
「……海未ちゃん」
無言で立ち、微動だにしない海未に紡は怖々と声を掛けた。その声に、ゆっくりと振り向く海未。その目は、まだ怒りが宿っていた。徐に生唾を飲み込む紡。怒っている表情も美しい。そう感じてしまう。
「…紡、私が何故怒っているか分かりますか?」
その問いに、首を横に振る紡。
「あの時、真姫を助けようとしたのに」
それだけ言うと、再び無言になる海未。
「……ごめん、海未ちゃん。でも僕」
「もう、手遅れ……ですよね。小林さんのあの状態でしたら…今頃真姫は」
独り言のようにそう言うと、海未の顔は徐々に赤く染まり、頭から湯気が上がる。
(海未ちゃん、可愛い)
海未の今の姿に、紡の心臓は高鳴る。気が付けば、海未に近付き、手を伸ばしていた。手が、海未の頬に触れる。強張る海未。
「……紡」
「ごめん、西木野さんの事」
「今更そんな事言われても困ります」
「うん、そうだよね。でも、ごめん」
紡は俯いた。海未も何も言えず黙り混む。
「……あの時、そうしなきゃと思ったんだ。別に、絆に言われた訳でもないんだけど。でも、海未ちゃんを守らないとって」
海未が真っ直ぐ紡を見つめる。
「この間の事、きちんと話したいっていうのもあったし」
その言葉で、海未の顔が徐々に赤く染まる。それを確認して、紡は口を開いた。
「僕、海未ちゃんが好きだよ。一人の女性として」
言いながら、一歩下がる紡。海未の表情が曇った。それは不安な表情。
「対人恐怖症なヤツが何言ってるんだ。って言われるかも知れないんだけど、好きでそうなった訳じゃないんだ。僕だって、人並みに恋だってするよ」
言いながら、また一歩下がる。海未の不安な表情が濃くなった。
「でも、臆病なヤツなんだ。僕は」
また一歩下がる。海未が何か言いたそうな表情をした。
「……君に嫌われたくなくて、ズルいんだよ。でも僕、自分でもどうしたら良いのか分からない。好きなのに、嫌われたくないのに……」
苦悶の表情の紡。呼吸が荒くなり、その場に踞る。
「紡!」
海未は駆け寄ろうとしたが、紡の手が制止の意思を示す。呼吸が荒いまま、ゆっくりと立ち上がる紡。
「…ごめん、一人で考える時間が」
「許しませんよ」
「……っえ?」
海未の言葉に、紡が顔を上げる。目の前には、真剣な表情の海未。
「逃げるんですか?私に……その、告白しておいて」
頬を染めたまま、海未は言った。そして、ほんの一瞬の口付け。何が起こったのか分からず、固まる紡。海未の手が、紡の頬に触れる。微笑む海未。
「…私……も、好きです。紡の事が」
「………友達の好きとかじゃなく…て?」
「初めての感情なので、私も何と言えば良いのか分かりませんが、お友達の好きではありません。紡にもっと触れて欲しいと思っています」
頬を染めたまま、真剣な表情の海未。紡の呼吸は正常に戻っていた。紡の手が海未の頬に触れる。その触れた手に、海未は自分の手を重ねた。
「……海未ちゃん」
「はい、何ですか?」
「…キスしたいです」
海未が微笑み、ゆっくりと目蓋を閉じた。
(っあ、どうしよう。海未ちゃんが可愛い過ぎて、止められる自信ない)
海未の唇に吸い寄せられる様に、紡は顔を近付け、そんな事を考えていた。
数分後
「…ん……ちょっ…と、待って」
弓道場の床に押し倒され、海未の声が震える。海未が何か言おうとすると、それを塞ぐ様に紡が唇を重ねてくる。紡は海未の唇を貪った。勿論、すでに紡の下半身は雄の象徴が浮き出て、ズボンが窮屈そうだ。そして、その昂りを紛らわす様に、海未の下半身に擦り付けていた。
「…ゃん、ちょっと紡」
足と足の間に、紡の身体が邪魔をして、恥ずかしくて足を閉じたくても閉じられない海未。その恥じらう姿に、紡の下半身は強く反応。より強く擦り付ける。
(ダメだ……やっぱり止められない。どうしよう)
今まで感情を閉じ込めていた紡。特に、恋はもう無理だと諦めていた。そこに海未が現れ、しかも今の自分を受け入れてくれたというその喜びに、紡の感情は暴発している。頭では『冷静にならなくては』と、思っているのに、感情と身体は言う事を効かない。海未の唇を貪り、手は海未の身体を撫で這う。海未は何度も身動ぎ。ただ、抵抗しているようではなかった。
(嫌われたくないのに、止められない!)
荒い呼吸、紡のキスを受け入れながら、海未は紡の頬に触れる。
「……紡」
「ごめん、自分でも止められないんだ」
泣きそうな表情の紡。海未は腕を回し、背中を撫でた。
「……それは良いんです。ただここではちょっと……それに腰も痛いですし」
紡の動きが止まる。海未の顔を見つめた。身体を海未の上から退き、海未の身体を起こす。海未の手を掴んだ紡。
「海未ちゃん、それって」
期待と不安の表情で、紡が言う。海未も、恥ずかしいのか、視線を泳がせ。小さく頷いた。その後の紡の行動は、出逢ってから初めて驚くほど速かった。
とあるマンションの一室
海未は、産まれて初めて男の人の部屋に入った。紡は、几帳面なのか、とても綺麗にしている。家具のほとんどが明るい木目調で統一され、壁紙は淡いベージュ。間取りは、8畳一間のワンルーム。セミダブルのベッド、二人掛けソファー。ローテーブルとテレビ。キッチンは対面式で、紡はそこでお湯を沸かしていた。海未の内心はそわそわ。自分が言った手前、恥ずかしさと不安で言葉が見つからない。『心の準備が出来てないから』なんて言える筈もなく、真っ赤な顔のまま段々と俯いていく。
「…海未ちゃん」
「…は!はい!」
急に声を掛けられ、上擦る海未。そんな海未の姿に、紡はクスリと笑う。
「…ど……どうして笑うのですか」
「あはは!ごめん、あまりにも海未ちゃんが緊張してるから」
「紡!」
海未の手が横に腰掛けた紡の膝を叩く。紡が両手を上げて、降参の意思を示す。
「緊張しないで、何もしないから」
「……本当に?」
「うん、海未ちゃん。心の準備出来てないでしょ?」
「…そ、それは…そうなんですけど」
「確かに僕、暴走してたけど、場所移動して、今は落ち着いたから」
「そうですか」
明らかに安堵のため息を吐く海未。紡は残念な表情を浮かべた。
「でも、油断してると」
「…っえ?」
海未が顔を紡に向けたと同時に、紡がキスを一つ。真っ赤に染まる海未。
「海未ちゃんに嫌われたくないけど、僕も男だからね。油断してると食べちゃうかも」
不敵な笑みを見せる紡。海未の心臓は高鳴った。
(紡、反則ですよ。格好良すぎます)
しばらく、海未の心臓は高鳴ったままだった。
まだまだ、不規則、不安定な投稿状態が続くと思います。書き手としては致命的ですね……。善処出来るよう頑張ります!
紡と海未が付き合うのが、ちょっと急すぎるなぁなんて、書いてる自分も思うところ。でも、この二人。意外と最初から両思い的な感じで進んでいたので(自分的に)結果オーライです。