四人は楽しく談笑し、酒を飲み明かす。俺は金髪の女性に触れるチャンスを窺う。女性は気分が良いのか、身体をフラフラさせている。そして、俺にもたれ掛かった。ドキリとする俺。彼女からフワリと微かに甘い香りがした。
「絵里ち、大分酔っぱらってんな」
「そんな事……ないわ」
そう言いながらも、彼女は俺にもたれ掛かり、少し眠そうにしている。
「ああ、限界やわ。絵里ち寝そう。そろそろ帰ろうか」
紫色の髪の女性が立ち上がる。俺は彼女の身体を揺すった。
「……えっと、名前」
「絵里」
俺を見つめ、彼女は目をとろんとさせている。頬を上気させ、俺を見ていた。
「絢瀬絵里」
それだけ言って、彼女は目蓋を閉じる。
「そう言えば、自己紹介まだやったね。うちは、東條希」
「時田慎だ」
「俺は和久井聖」
「慎君に、聖君やな。今日はありがとな」
希は絵里の肩を揺すり、何とか立たせる。俺も身体を支え、出入り口まで一緒に行った。いつの間にか、タクシーが店の前に止まっている。
「花陽ちゃん、ありがと。タクシー呼んでくれたんや」
「うん、絵里ちゃん大丈夫?」
花陽と呼ばれた女性店員が心配そうに彼女を見ていた。俺と希が二人がかりでタクシーに乗せる。すると、彼女は俺の腕を掴んだ。身動きが取れない俺。
「……あ、ど。どうしようか」
「そやな。聖君。慎君の荷物持ってきてくれん?」
「分かった」
希の言葉に聖は素直に聞く。そして、俺の荷物を持ってきた。
「慎君、絵里ちの事頼むわ。お持ち帰りされてくれん?運転手さん、ここまで」
俺の返事を聞かずに、希はタクシードライバーに目的地を告げる。俺が呆然としていると、そのままタクシーは動き出す。後ろを振り向くと、聖と希、花陽の三人が手を振り見送る姿。俺は諦めて、溜め息をついた。俺の腕をしっかり掴み、微睡んでいる彼女。
(やっぱり蕁麻疹出てない)
女性アレルギーは数年前から発症していた。その原因をつくったのは、俺の親父の再婚相手。本当の産みの親である母親は、俺が小さい時に交通事故で命を落とした。小さい時は、普通に本当の母親の様に育ててくれていた継母。それがいつしか、拒絶する対象になったのは、思春期の頃。俺が大人の男になるにつれて、継母は俺の身体を触る様になっていった。そして、それはエスカレートし、一線を越えてしまう。求められる度に、俺の中で何かが壊れた。
俺は継母が怖くなった。同じ空間にいるだけでも、全身に蕁麻疹が出てしまう。それは、家を出るきっかけになった。継母から逃れるために家を出た俺は、当然住む場所もお金もない。ボロボロの服に、痩せこけた身体で徘徊していた時に、桂木社長に出会った。社長は住む場所を与えてくれ、そして仕事も俺に探してくれた。社長は女性だったが、身体に触れなければ、蕁麻疹は出ない事に気付く。アイドルを始めたのもそんな時だ。
「……ん…」
俺の横で身動ぎをする彼女。不思議と彼女に対しては蕁麻疹が全く出ない。彼女を見つめていると、タクシーが停まった。目的地に着いたらしい。俺は彼女を揺する。しかし、彼女は目蓋閉じたまま動かない。仕方なく、俺は彼女を背負いタクシーを降りた。
「部屋どこ?」
そう聞くと、彼女は長く白い指をマンションのエントランスに向ける。俺はマンションの中に入った。ポストの前に立ち、彼女を起こす。彼女は無言で部屋の番号を指した。どうやら、喋る気力が今はないようだ。俺は彼女を背負ったまま、部屋に向かう。玄関の前に立つ俺。彼女は鍵を俺目の前に出した。それを受け取り、玄関の鍵をあけると部屋の中に入る。彼女の部屋は1DK。俺はとりあえず、寝室に彼女を連れて行く。部屋の中央に、セミダブルのベッド。俺は彼女をベッドに下ろすと、履いたままの靴を脱がし、玄関に持っていった。
寝室に戻ると、ベッドの横に座って上目遣いで俺を見つめる彼女。瞳は潤み、頬はほのかに赤く染まっている。心臓の音が五月蝿い。
「……お水…頂戴…」
艶やかな唇が動く。俺は生唾を飲み込むと、なんとか理性を保ち水を取りに行った。お水の入ったコップを彼女に渡す。彼女はそれをゆっくりと飲み始めた。水を飲む度に動く彼女の喉元。それだけでも色っぽかった。
「……俺、帰るから」
(このままいたら、彼女が欲しくなる)
残りの理性を総動員して俺は言った。背を向け、自分の荷物を持つ。無言の彼女。俺は部屋を出ようとした。
「もう帰るの?」
「ああ、ゆっくり寝れよ。じゃあ」
「……ねぇ」
「何だ?」
「……もう少しいてくれないの?」
彼女が言う。心臓が鷲掴みされたような感覚。俺は無意識に振り返っていた。彼女は微笑んでいる。それだけで俺の理性は吹き飛んだ。気が付けば、彼女を抱き締めている。
(……ダメだ。彼女が欲しい)
自分から女性を抱き締めていた。すると、彼女は俺の頬を撫で、頭を撫で、そして優しく抱き締める。俺は彼女を押し倒した。彼女は抵抗しない。ゆっくりと近付くお互いの唇。そっと重なり、何度も啄む。
「……ん」
彼女は俺の首に腕を回し、何度も頭を撫でる。それだけでも気持ちいい。彼女の胸が鎖骨の辺りに当たっている。俺はそっと触れた。ぴくりと反応する彼女。服の上から撫で回し、尖端を探し当てる。
「……ぁ…」
重なったままの唇から、彼女の甘い声が溢れ、俺の身体は疼き始めた。何度も尖端を触り、もっと触れたいと思った俺は、彼女の服に手を掛けた。
「……初めてだから優しくして?お願い」
そんな事を言われたら、止められなかった。彼女の服を全て剥ぎ取り、下着も一気に取る。色白の肌に、ふくよかな乳房。尖端は淡いピンク色をしていて、俺はそれをしゃぶりつく。その度に彼女の唇から、甘く柔らかな吐息。しばらく乳房を堪能する。そして、下に手を伸ばした。脚の間をすり抜け、彼女の大事な部分を撫で上げる。彼女の秘所はしっとりと濡れていた。俺は脚の間に頭を入れ、秘所に舌を這わせる。彼女は身体を仰け反らせた。舌の動きに彼女の腰が揺らめく。ズボンの中が窮屈になる。俺は我慢出来ず、ソレを取り出し、彼女の秘所に擦り付けた。彼女は緊張しているのか、身体を震わせ、俺を見ている。
「怖かったら言ってくれ。なるべく、優しくする。」
「ん、大丈夫」
お互い見つめ合い、唇を重ねる。それと同時に、腰を進めた。苦痛に歪む彼女。俺の背中に爪を立てる。俺はその痛みを感じながら、彼女の中を一気に貫いた。
「……ん…ぁあ…」
唇を重ねたままの彼女。お互いの身体が密着している。身動ぎをする度に、クチュクチュと音が奏でられ、より一層結合が深まる。俺は、不思議な感覚だった。
(嫌な行為の筈なのに、どうしてだろう。とても気持ちいい。もっと繋がっていたい)
ゆっくりと腰を動かす。彼女の表情は苦痛に歪んでいる。出し入れを繰り返す内に、彼女の中は解れて滑りが滑らかになっていく。それと比例して、彼女の口から喘ぎが出始めた。
「……ん…ぁあ………やぁ……んん」
身体がぶつかり合う音が部屋に響く。彼女は潤んだ瞳で俺を見ている。俺はそっと唇を塞いだ。彼女が俺の舌と絡め合う。腰の動きにあわせてふくよかな乳房が揺れ、俺は腰の動きを加速させる。そして、彼女と果てた。
数時間後
彼女と俺は繋がり続けた。彼女の表情は妖艶で俺を惑わす。数時間前まで処女だった彼女。俺は色んな体位で彼女を責めた。彼女はそれに答える。
「……んん、もっと」
彼女の中はもう完全に俺の形になっている。
(ずっと彼女の中にいたい。感じたい。繋がっていたい、このままずっと)
朝、目を覚ますと、彼女が顔を隠し溜め息をついている。
「おはよう。身体大丈夫か?」
俺の言葉に彼女は。
「ごめんなさい。私、覚えていないの」
そう言われ、一瞬頭が真っ白になった。不思議だ。もっと彼女が知りたいと思う。俺はわざと彼女を責めて、再び抱いた。その後。彼女から追い出された俺だった。
次回は、聖編です。