エリアスとオリジナルヒロインのラブストーリーとなります。
ヒロインは大人なので、情事、十八禁、ありです。
森の中を何かを探し回るように魔法使いは歩いていた、だが、目当ての者は見つからない、もしかして妖精達が邪魔をしているのかもしれないとと思ったが、それはあり得ない。
自分が、その気になれば気配ぐらいわかる筈だ、なのに、そのわずかな残り香、痕跡さえも見つけることができないのだ。
もしかして、誰か、自分と同じ暗い力のある魔法使い、もしくは魔術師が邪魔をしているのではないかと思ったが、正直なところわからない。
遠巻きに妖精達の気配を感じるが、あまりにも遠すぎる、用心しているのだ、数日前のことを思い出すと無理はない。
あの女性は人間、妖精、もしくは精霊の類だろうかと思ったが、どれも当たっているようで違うように思う、もう一度会って確かめたい。
そんな事を考えていると、突然、声がした。
風に運ばれて聞こえてくるのはかすかな声だ。
木の根本に体を預けて座り込んでいる、その姿を見つけたとき、魔法使いは、その場にしばらく立ち尽くしていた。
近寄ろうと一歩踏み出したとき、気づいたのか相手が顔を上げて自分を見たが、それだけだ、ゆっくりと立ち上がり、歩きだそうとした。
自分のすぐそばを通り過ぎようとした時、相手の体が揺れた。
思わず手を伸ばした彼は、その体を抱きとめた。
自分の家、ベッドまで運ぶまでの間、女は何度か薄く目を開けたが、いやがる様子も嫌悪の表情も浮かべなかった。
窓を開けようと思ったが、少しばかり風が冷たくないだろうかと思い、カーテンを引くと、魔法をかけた、誰も入ってこないように侵入を防ぐ為だ、といっても、この数年、家に客が尋ねてきたことなどない、それなのにだ。
「どうしてだろう」
それは自身に対しての問いかけだった、何故、ここに家に連れて来たのか、自分でもわからなかった。
目が覚めたとき、この女はどんな顔をして見るだろう、自分にどんな言葉をかけるだろうと思いながらふと魔法使いは自分の口元に手を当てた。
骨の頭、口元がわずかに開いて、息を大きく吸っている、いつもより、大きく口を開けて呼吸しているのかと思ったが、そうではなかった。
もしかしてと思いながら、魔法使いは自分の口元、顎の周りを撫でた。
「あなたは魔法使いなのね」
目が覚めた女の前で顔を隠す布を取ると、骨なのねという言葉が返ってきた、驚いているのか、そうでないのか分からない声の調子に魔法使いは尋ねた。
「どうして、あそこで寝ていたんだい」
「寝ていたの、よ」
そんな風には見えなかったがねと言葉を続けると、妖精が自分の精気を吸ったからだと女は言葉を続けた。
「皆、ちゃんと加減してくれるんだけど、そうでないときもあるのよ」
その言葉に魔法使いは奇妙な音を発した、かたかたと骨の鳴るような音だ。
「やめたほうがいい」
どうしてと女は不思議そうな顔をした、子供ならその疑問は不思議ではない、だが、こうして近くで見るとわかる、成人した大人なのだ。
「君はスレイベガだろう、そんなことをしていたら命を縮めることになる」
「何、スレイ、ベガって」
知らないのかと魔法使いはあきれた声で女を見た。
「今のままだと君は長く生きられないよ、だが」
女が不思議そうな顔をした、その顔をよくみようと魔法使いは顔を近づけた。
茶色の目と黒い髪、顔色が白い、いや、すぎるくらいだ、ところどころ少し赤く、小さな手形がついている、妖精、精霊達のものだろう。
顔だけではない、首筋、シャツの下から覗く腕にもだ。
その赤跡から、漂い匂うに残り香に魔法使いは顔を寄せた。
「僕と一緒に暮らすんだ、そうすれば大丈夫だよ」