※この作品はR-18です。

ひびみくドスケベ短編集   作:数多 命

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そんなこんなで思いついてしまった拙作『立花響の中の人』verのオメガバースです。
オメガバース系の基本設定は、チョイワルの方と同じです。


番外編
番外編『ドスケベビッキーの中の人』


――――今でも、夢のように思ってしまう。

左手の薬指を見るたびに、そんな気持ちを抱く。

あれからもう、十年に届きそうな時間が経った。

心が砕けそうな事があった、足が竦むような事が合った。

それでも確かに手にしたものがあって、育んだ絆があって。

その行き着いた先は、信じられないくらい幸せな結末で。

たくさんの人に祝福された、両親も祝ってくれた。

だけど何よりも嬉しかったのは、あの人が笑ってくれたことで。

はにかみながらその言葉を伝えてくれたとき、思わず泣き崩れてしまったことは。

今でも鮮明に覚えている。

 

 

 

 

ただ、時の流れと言うものはやっぱり優しいだけじゃなくて。

結ばれたら結ばれたで見えてくるものも、往々にしてあるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――はぁ」

 

S.O.N.G.本部、休憩時間。

未来はコーヒーをお供に一息、と思いきや、なんだか浮かない顔でため息をついていた。

時折コップに口をつけても、その表情はすぐれない。

どことなくただようアンニュイな雰囲気は、ある種の近寄りがたさを醸し出していた。

 

「よ、なんかお悩みってところか?」

「クリス」

 

そんな彼女へ、遠慮なく話しかける人物。

クリスは薄く笑みを浮かべて、未来の向かいへ座る。

 

「結婚は夫婦になってからが本番っていうのは、本当らしいな」

「あはは」

 

――――彼女達がシンフォギアや二課にかかわり始めて、すでに十年近くが経過しようとしている。

学生だった少女達は女性へと成長し、ある者は歌を届け続け、またある者は防人としての勤めに従事し、それまたある者は防人達のバックアップに就いた。

そんな中、あの頃思いを伝え合った少女達が、つい春先に『結婚』という名の一区切りを迎えたのだった。

クリスが左薬指の指輪を見つつからかうように言えば、未来はどこか照れくさそうにはにかむ。

だが、やがてためらうような顔になってうつむいてしまった。

 

「・・・・なんかあるなら、吐き出せるうちに吐いときな。取り返しつかなくなったら、大変だろ」

「そう、だけど・・・・んー・・・・」

 

クリスの意見には賛成らしいもの、やはり浮かない顔。

どうやら、口にするのがはばかられる内容らしい。

ひとしきり口ごもった未来は、やがて決意するよう口を開いた。

 

「――――仕事終わりでいい?ここでは、ちょっと」

「はは、いいぜ。上がってからな」

 

やはり、言いづらい内容だったらしい。

どこかためらうように頼まれて、クリスは何度もうなづいて承諾したのだった。

 

 

 

 

閑話休題。

 

 

 

 

 

本日の勤務も無事終了し。

待ち合わせていた未来とクリスは、手ごろな居酒屋へ入る。

いい塩梅に喧騒に包まれたここなら、多少の内緒話にはうってつけだ。

 

「そんで、何があったよ?」

 

手ごろなカクテルとつまみを注文し終えて、クリスが改めて問いかけると。

未来は一度うなづいてから、神妙な顔になって。

 

「その、今度、響が出張から戻るじゃない?」

「ああ、明後日だったか、それが?」

 

未来の配偶者である響は、半月前から長期任務に出ている。

恩師である遥から依頼された、古代遺産(ロストロギア)回収任務。

シンフォギアが有効打であることが分かったため、要請を受けて向かっていたのだった。

 

「別に、戻ってくること自体はいいことなの。無事に帰ってくるならそれに越したことはないし、また一緒にいられてうれしいし・・・・だけど・・・その・・・・」

 

運ばれてきたカクテルをちびちび飲みながら、未来はなおまごついてから。

 

「響、こういう離れたときってその・・・・・は、はげしくて、夜、が」

「あっ、ああ、あーぁ、はいはいはい・・・・」

 

自分でもなんつー話をしてるんだと思ったのだろう。

耳まで真っ赤にしてうつむく未来を見て、クリスもつられてほほを染めながら納得した。

 

「・・・・参考までに聞くが、どんくらい?」

「え、えっと、前、中東に一週間くらい行ってたじゃない?」

「ああ、あったな」

 

紛争地帯での、国連組織の護衛任務だったはずだ。

クリスも一緒に行ったため、よく覚えている。

 

「帰ってきた日に、当然・・・・うん、当然、『食べられた』んだけど」

「おう」

「次の日立てなかった」

「ケダモノかよ」

 

そういえば、クリスが覚えている限りだが。

ちょうどそのころ、響と入れ替わるように未来が一日だけ休んだことがあった。

あれはナニが原因かと、一人納得する。

 

「それで、今度は半月じゃない?」

「ああ、そりゃどうなるこったって悩むよな」

 

何より桁が違いすぎる。

未来の心配事は尤もだと、クリスは相槌を打った。

 

「んー・・・・あたしはまだそういう相手がいないから、憶測でしか言えないけどさ」

 

話を聞き終えたクリスは、唐揚げを頬張りながら頭を捻って。

 

「やっぱり、はっきり断ることも大事だと思うぞ?結局はお前の体なんだし、大事にしないとな」

「そう、かな」

「そーさ」

 

口の中のものを飲み込んで、箸先で指す。

 

「なんやかんやで、後輩どもにも慕われてんだしよ。知ってるか?Ω(オメガ)なのに通信主任なんてお偉い地位にいるお前を、リスペクトしてる奴だっているんだぜ?」

「そうなの?」

 

未来にとって、それは全く初耳だった。

古くから『発情』という固有の症状を持つΩ(オメガ)は、その淫らな印象から差別的扱いを受けることがままあった。

その社会的に弱い立場である自分が、差別する側の他人から評価を受けているなんて。

クリスが、響と同じ優位な側であるα(アルファ)であることも後押しして、未来は目を見開いた。

 

「『ジャイアントキリング』ってのは、どこの業界でもロマンがあるってことさ。んでそれを実現させたやつが、ちょっとしたヒーロー扱いされんのは、見えてる話だろ?」

「な、なるほど・・・・?」

 

評価自体は嬉しいものの、素直に喜んだら喜んだで何だか悪いことをしている気分になってしまうので。

未来は高まる気持ちを抑えながら、首をかしげることで誤魔化した。

もっとも、クリスには見抜かれていたようだが。

 

「ま、なんにせよだ。言ってもなおらねぇ様なら、あたしにいいな?ガツンとかましてやるからさ」

「あはは、うん。お願いします」

 

相談が一区切りしたところで、話題をシフトさせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――未来、別のこと考えてるでしょ」

「ッひゃあん!!」

 

不意打ち気味の快感。

意識が強引に引き戻され、視界が開ける。

間隔短く呼吸する肺、絶えず喘ぐ喉、声を耐えようと食いしばる奥歯。

そして、下半身を何度も突き穿つ鈍痛と快楽。

またホワイトアウトしそうな視界で振り向けば、恍惚とした顔の響が見下ろしていて。

そこでやっと、現状を思い出したのだった。

今日は響が帰ってきた日。

夕飯は腕をふるっておいしいものをたくさん作って、団欒でもいつも以上に触れ合って。

・・・・それが変わったのは、入浴からだ。

食器の片付けなどで、未来は後から入ったのだが。

着替えを用意し忘れたのが運のつき。

タオルを巻いていたとは言え、裸のままで出てしまって。

そのままあれよあれよと、ベッドへ連れ込まれて。

 

「ああ、ほら。また考え事してる」

「ふゎあ、っは・・・・!」

 

また快感の不意打ち。

抉るような一突きが、未来の思考を遮断した。

 

「みく、みく、みく、今は何も考えないで、わたしだけ、わたしのことだけ思って、ねえ、みく、みく」

「あ、ひぅ、ぃ、っつ、はぁ、は、あん、ゃあ・・・・!」

 

後ろから、多いかぶさる形で。

何度も、何度も、何度も、何度も。

動くたびに、穿たれるたびに。

快楽に思考を抉られて、目の前がちかちかした。

 

「はあ、っあ、んっ、ふうぅ・・・・!」

「ひゃっ、あ、あ、あっ、あぁ・・・・!」

 

響のピストンが、早くなる。

未来の疼きと熱は、いよいよ以って激しさを増す。

目を強く瞑れば、中で動く響と、重くいやらしい水音を。

やけにはっきり感じた。

 

「んっ、あっ、あっ、あっ、あっ――――!」

 

仕上げといわんばかりに、思い切り引き抜かれた性器は。

その先端を、強く、強く、打ちつけて。

 

「んんんんんんんん~~~ッッ!!」

 

未来はただ、耐えることに必死だった。

歯が折れそうなくらいに噛み締めて、体を必死に強張らせて。

迸る熱を、全身を駆け巡る『電流』を、溢れそうな嬌声を。

押さえつけ、耐え抜き、飲み込んだ。

 

「はああああああ・・・・!」

「っはぁ・・・・は、は、は・・・・!」

 

うっとりしたため息が後ろから聞こえて、未来もまた息を思いっきり吐き出す。

零れた熱い液が、太ももを伝っていくのが分かる。

今更ながら、後ろからまぐわう獣のような体勢を自覚して。

未来の顔は熱るほどに熱くなった。

羞恥にぐるぐるする頭に、一昨夜のやりとりが蘇る。

 

―――――はっきり断ることも大事だと思うぞ

 

現状を鑑みるに、『これ以上』なんてされたらたまったもんじゃない。

響には悪いが、今宵はこのくらいで我慢してもらおう。

 

「へ」

 

そう決意して顔を上げると、何故か目の前にある響の顔。

こちらを見下ろす瞳は、依然熱にぎらついていて。

 

「ごめん、未来」

 

柔く、優しく。

未来を抱き寄せた彼女は、

 

「――――まだ出る」

「・・・・ッ!?ぃ、ぃや・・・・!!」

 

未来にとっての死刑宣告を囁いた。

さっと熱が引いた顔で『待って』を言おうにも、時既に遅し。

唇を噛み付くように塞がれたまま、引き抜かれる感覚がして。

また、思い切り、貫かれる。

 

「~~~~~~~ッ!!」

 

千切れそうなくらいにシーツを握り締めながら、上と下の快感に身悶える。

 

「や、やぁっ、ん、っぐ、ちゅ、ふっ、あ、あっ、あっ、あっ、ひぃあっ・・・・・!」

 

口内にねじ込まれた舌に舐られ、『中』は先ほどよりも激しく蹂躙され。

未来はただただ、淫らな様を見せるしか出来ない。

そのされるがままの姿は、響をより一層欲情させて。

攻め手を更に強くさせた。

 

「んっ、は、みく、みく、みく、ちゅ、んむ、んぐっ、むっ、ぷはっ」

「ひび、やっ、はぁっ、ひびき、ひっ、むぐっ、は、んっ、っく、ふぁっ」

 

すっかり興奮しきった響は、数えるのが億劫になったキスをまた落とす。

頭がぼやけきった未来は、もうされるがままになるしかない。

理性なんて削られきって、もはや微かな『一線』が残っているだけに過ぎない。

その『一線』もまた、響は容赦なく壊しにかかる。

 

「みく、すき、だいすき、ずっと、ずっと、みくのことかんがえてた、はなれてるあいだ、ずっと、みく、だけ」

「ひびき・・・・?」

 

ピストンはやめないまま、甘ったるい声で囁く。

その声が、今までの熱に浮かされたものとは、違うことに気付いて。

未来は耳を傾ける。

 

「みくは、どう、なの?わたし、いなくて、さみし、かった?こわ、かった?」

 

そして、その懸念は確信へ変わる。

目が合う。

見慣れた琥珀の瞳が、揺れている。

 

「おね、がい、みく、さみしい、って、いって、ねえ、みく、おねがい、おねがい、おねがい」

 

どこか懇願するような声。

見える顔は、今にも泣き出しそうで。

 

「おねがい、みく、いっしょに、いさせて」

 

そこで、思い出した。

いつもは勇敢なこの人は、今は獣と化しているこの人は。

実のところ、どうしようもない寂しがりやなのだと。

家族を亡くして、自分が何者か分からなくなっていたあの頃が。

時折こうやってぶり返っては、響自身を苦しめているのだと。

 

「・・・・わた、しも」

 

止まない快楽に耐えながら、どうにか口を開く。

 

「わたし、も、ひびきの、こと、かんがえてた、はやく、かえって、きてほしいって、んんっ、おもってた、だから、ね、ひびき」

「み、みく、っん」

 

今度は未来からキスをする。

『大丈夫』という言葉を、唇ごと持っていく。

思いは伝わったのだろう。

強く強く抱きすくめた響は、先ほどよりも強く、速く。

腰を上下させた。

今までの何倍もの快感、しかし今までのような怖さはもう微塵も無い。

未来も抱き返しながら、響の全てを受け入れながら。

感じるがままに身もだえ、よじり、声を吐く。

 

「みく、みく、みく、みく、ん、っあ、は、みく・・・・!」

「ひびき、ひびき、ひびき、ひびき、ひびき、っや、ふぁ、っ、ひび、きぃ・・・・!」

 

もはや言葉は出ない。

ただ相手の名前を、壊れた機械のように呼ぶだけ。

ずっと続けばいいと思った情事にも、終わりは訪れて。

 

「あああああああああああっみくうううううううううううううっ!」

「やああああああっ!ひびきぃ、ひびきぃ、ひびきいいいぃッ!」

 

また、一突き。

先ほどよりも多く、濃い『子種』が。

未来の中へ注ぎ込まれた。

絶頂した響が、最後まで搾り出すように数回腰を振る。

それから漏れないように押し付けて、射精の余韻に浸った。

目を閉じれば、互いの温もりを感じる。

確かにそこにいると確信できる。

独りではないと、安心できる。

部屋の中には、二人分の荒い息だけが聞こえていた。

 

「・・・・ひびき」

 

やがて、呼吸が整ってきた頃。

やや身を起こした未来が、響に抱き寄る。

すっかり熱の灯った目で、薄く笑いかけて、

 

「ひびき、もっと」

「・・・・うん」

 

珍しいおねだりを、響は無碍にしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて。

結局あれから、空が白む頃までくんずほぐれつした二人。

当然、しっぺ返しがこないはずもなく。

 

(まさか、熱が出るなんて・・・・)

 

相談を持ちかけたからだろう。

『どうだった?』と送られてきていたクリスのメールに、『ごめん、ダメだった』と返事してから、ため息。

汚れたシーツやらをきっちり片付けたベッドの上、冷却シートを当てた未来が横になっていた。

先ほど計ったところ、熱は37度。

小数点も加えるなら、38にまで届いてしまいそうな数字だった。

今日が休みで本当によかったと思っていると、ドアが開く。

 

「未来、具合どう?」

 

おずおずと、響が顔を出した。

手にはおかゆと風邪薬が乗ったお盆。

足と腰で起用にドアを閉めて入ってくると、お盆を脇に置いて未来の額に触れる。

 

「・・・・やっぱり、まだあるね」

 

未だ下がる様子のない体温に、悲痛な顔をした。

 

「・・・・ごめん、いっつもこうだ。ちょっとでも離れたら、歯止めが利かなくなっちゃう」

「・・・・そうね、こんなになるまで抱かれるのは、ちょっと」

 

未来が素直に打ち明けると、響は目に見えて意気消沈してしまう。

 

「・・・・ごめん」

「いいのよ、次こそお願いね?」

「・・・・うん」

 

肩口に埋まった頭を撫でてやると、かすかに鼻を啜る音。

しょうがないなと苦笑いして、抱きしめてやる。

 

「未来?」

「・・・・怖がらなくていいの」

 

頬も摺り寄せながら、囁く。

 

「わたしはちゃんと、帰りを待っててあげるから。どれだけかかってもいいから、ちゃんと帰ってきてね」

「・・・・ん・・・・うんっ・・・・!」

 

今度こそ泣き出してしまう響。

未来は責めることはせず、涙を受け止めながら、泣きじゃくる頭を撫で続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、この後。

響が泣き止んだはいいものの、今度は未来のメールを見たクリスが来襲。

発熱した未来を目の当たりにして、響へがっつり説教をくらわせるのだが。

それはまた、別のお話。




この時空におけるひびみく
・二人とも成人済み
・『番』関係にもなっている
・ひたすらラブラブ
・ビッキーが絶倫(爆




以上、お目汚し失礼しました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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