【R18】レズビアンの私が異世界転生したから学園百合をしようと思う 作:碧風樹
説明の必要を感じる。
おもにゆりえっちパートを読み飛ばしている読者向けに。
結論からすると全ては丸く収まった。
姉様がご執心していたアメリアという娘は、王家とあまり仲の良くないレルゲン侯爵家の令嬢だったが、私が前世から受け継いだノンケをも落とす必殺のレズキステクで完璧に陥落し、忠実な手駒となってしまったのだった。
ちなみに侍女(メイド)たちは集団レズでお互いを慰めあっているようなので(アメリア談)、これからも手駒の供給を狙うなら侍女が良いだろうという結論に私は至った。
そして翌日の授業から、姉様付のメイド兼生徒として教会学園に通わせることにした。周囲の娘には調略によって取り込んだと説明したらあっさりと納得してくれたどころか「さすがリリィ様ですわ」などと褒め称えられてしまったので、私は立つ瀬がなかった。
まあ、それはともかく、授業はすでに三日目。今週の授業はこれで終わりで、みなそれぞれの領地に帰ることになる。もちろん王城で奉公をしているアメリアはそのまま城で仕事に励むのだが、とりあえずは一旦お開きだ。
ということで私主催で夜会を開催することにした。
「どうでしたか、マリア様。今回の学園は?」
「はい、とても楽しかったです。また来たいと思いました」
とりあえず成功。最初は楽しくして、また来たいと思わせるのが第一歩だ。
「カサンドラ様はいかがでした?」
「うん、楽しかったよ。今度はアメリアとも交流を深めたいね」
そう言って流し目をすると黄色い声が流れるのだから大したものだ。
「アンリエッタ様はいかがでした?」
「わたくし、運動が楽しかったです。普段家では色々と抑圧されておりますので、思いっきりはしゃげてよかったと思っております」
うんうん、予想どおり。
「ヘレン姉様はいかがでしたか?」
「すべての授業に満足ね。これからどんどん難易度が上がってくるんでしょうけれど、どこまでついていけるか心配ですわ」
「またまた、お姉様なら問題ありませんわ」
実際転生前の小学校レベル程度の問題しか用意していないはずなのでこのメンツなら挫折する心配はないはずだった。
と、耳元でかすかに聞こえるだけのベルが鳴る。
「みなさま、急用ができましたので失礼致しますわ。ゆっくり楽しんでいってくださいませ」
挨拶をし、それから人気のない部屋に移動する。
「何事?」
「緊急事態です」
総報告したのは、私が学園と同時に手掛けた影の諜報組織『のばら』だった。
「報告を」
「はい。東の王国が緊急に、かつ秘密裏に軍備を整えて国境に集結しています。遊牧民に紛れて移動しているため判別が難しく、このままでは我が国は奇襲を受けることになりかねません」
「そうですか。辺境伯の娘をここに」
「はっ!」
しばらくすると、アンリエッタがやってきた。
「どうしましたの、リリィ様? 内密でお話なんて……」
「詳しいことは省きますが東の王国が遊牧民に紛れて軍隊を国境近くに集めているようです。ですのでハーゼ辺境伯の娘アンリエッタに王女リリィが密命を託します。今すぐに供を連れて王都を離れ、わたくしの私設騎士団『銀牙騎士団』とともに故郷を防衛しなさい」
「は、はい。でも姫様はなぜそれを……」
「話している時間が惜しいので聞いてください。銀牙騎士団は三年前に設立した私設騎士団で、実戦経験こそありませんが、東の騎馬王国を仮想敵国として十分に訓練を積ませた、数も質も誇るべきわたくしの騎士団です。アンリエッタ、あなたにはこの騎士団の指揮権を委託します。これを率いて、故郷と、ご家族をお守りなさい」
「わかりましたっ! 後のご恩は必ず!!」
事態を理解したアンリエッタはスカートの裾をつまみながら走り出し、召使の名前を大声で呼びやる。緊迫した様子の召使が集まってくるので、私は助け舟を出した。
「アンリエッタの取り巻きに状況説明を。ついでに戦争が終わるまで組織を上げてフォローを」
「はっ!」
のばらの構成員をアンリエッタのサポートにつけると、私は何もないような顔をして夜会場に向かうのだった……
ちなみに騎士団やのばらの運営費用はまだ未発達ながらも成立しているこの世界の株式市場を利用して得た金銭で賄っているわ。正直、勝ちすぎて額面だけ見ればマンダリン王国の国家予算三年分はある。それほどまでに潤沢な資金に物を言わせて育てた私の組織をフル活用するのだから、なんとか東方の防衛には成功してほしいわね。
ちなみに騎士団は貴族や商家の三男坊とかを集めた行き場のない子どもたちの軍隊に近いけど、実力は信頼してるわ。なにせここで立身出世しないと行き先がないものね……(暗黒微笑)
狼と香辛料は神