ベル・クラネルがモテ過ぎるのは間違っているだろうか 作:ぽちょむきん
********~ダンジョン上層~********
僕とリリは、あの後もパーティを組んでダンジョン探索に向かっていた。
「ベル様」
「ん?」
「リリを正式に雇ってくださって、ありがとうございます」
まだモンスターの居ないダンジョン表層で、リリにお礼を言われる。
昨日はリリのおかげで沢山稼げたのだからパーティを組んで貰えて喜ぶのは僕の方だ。
他にも理由はあるけど……。
「……、ところでベル様?あのナイフが見当たらないようですが」
「うん。今度は落とさないように、ここに収納したんだ」
昨日は危うく神様から貰った「ヘスティア・ナイフ」を失う所だった。
繰り返さないように、左腕のグリーン・サポータの内部に鞘ごと収納するスペースがあったのでそこに仕舞っている。
よく考えてエイナさんは選んでくれたんだと思うと、とても嬉しくなる。
「そうですか……」
「それより、本当に契約金とか良いの?」
本来、サポーターは探索一回ごとに一定の報酬を受け取ったりするものと聞いた。
でもリリに聞いたら、稼ぎからの配分で問題ないと言われた。
「ええ、ベル様はお一人ですので配分もややこしい事になりませんし。それに……」
「それに?」
「――その方がベル様にも都合がよろしいでしょう?」
「……えっ?」
リリの言ってることがわからなくて、問い返す。
僕に都合が良いというのは一体、
「さぁ、行きましょ。ベル様に頑張って頂ければ、何も問題ありませんから!」
「ぁ、うん……」
考えている間に、リリに促されてしまった。
まぁ、あまり重要な事でも無いだろう。
「今日はどれくらいまで行きましょうかねぇ」
「そうだなぁ――」
昨日よりは多く、なんて高望みをしながら僕はリリとダンジョンに潜っていく。
********迷宮都市オラリオ~中央広場~********
「「に、
ギルドで換金した稼ぎは、見たこと無い金額だった。
金貨がたっぷりと詰まった袋が2つ、目の前にその重みを体現している。
その事実をすぐには受け入れられず驚愕の声を上げてしまう。
「ぁ、あぁっ夢じゃないよね!?こんなにお金が入るなんて!」
「ベル様凄ぉい!!お一人でレベル1の5人組パーティを上回る額を稼いでしまいましたぁ!!」
「いや、ほらぁ『兎も煽てりゃ気に登る』って言うじゃない?それだよ、それ!!」
「全く訳がわかりませんが、今日の所は便乗しときます!すごぉーい!!まだまだ上を目指せますよぉ」
リリも一緒になって喜んでくれている。
やはり彼女とパーティを組めて本当に良かった。
「では、ベル様?そろそろ分前を……」
「うん、はいっ」
「――えぇっ?」
「はは、これなら神様に美味しいもの食べさせてあげられるかもっ」
丁度、12000ヴァリスが入った袋の片方をリリに渡す。
僕の方にも12000ヴァリスが残る訳で、これだけでいつもの何倍の稼ぎになるのだろうか。
これを持ち帰った時の、神様が喜ぶ顔が目に浮かぶ。
最近、僕の主神はとてもお金に困っているみたいだから。
細々と最初の頃のように暮らし始めて、僕も毎日気を揉んでいた。
「あっ良かったらリリ、これから一緒にご飯食べない?」
「ぁ、あのっベル様!!」
「――、?」
この際だから神様にリリの紹介も兼ねてお祝いなんてどうだろうかと思ったけど、何やら深刻な顔で僕を見上げながら、渡した袋と僕の間に視線を彷徨わせている。
「な、なんで山分けなんて……独り占めしようとか、ベル様は思わないんですか!?」
「え、どうして?僕一人じゃこんなに稼げなかったよ。リリが居てくれたからでしょ?」
「――はぁ?」
「全部リリのおかげだよ、ありがとう」
ここまで稼げたのはリリのおかげなのに、それをリリが受け取らないなんて理由がわからない。
きっと、謙虚な子なんだろう。
素直に喜んで欲しくて、僕は彼女の目を見て笑いかける。
「これからも、宜しくね」
「――、……」
友好の証として、手を差し出す。
小さな
「――、変にゃのぉ……」
「……んっ?」
握手を交わして、お互いの関係を納得して終わりかと思ったけど……。
今なにか妙な声が聞こえたような、
「べるしゃま、へんにゃのぉー」
「り、リリ?」
何かリリの様子がおかしい。
顔は真っ赤だし、目はトロンとしている。しかも内股になってモジモジし始めた。
握った手をぎゅっと掴んで離さず、何かを我慢しているみたいだ。
「えっと、トイレ我慢してたの?」
「ちっ違いまふ、べるしゃまのおばかぁ」
トイレを我慢していた訳では無いみたいだ。
なら、後考えられるのは……少し汗ばんだ上気した頬、息も荒く何かの症状にも見える。
「そうか、風邪だね!僕ってば気付かなくて。えっと、熱は……」
「ふゃぁああああんんっ」
僕は彼女の体温を計るために、おでこ同士をくっつけるとリリが更に変な声を出し始めた。
もしかして危ない状態なのかもしれない。
しかし彼女の額から伝わる体温は高めではあるが、熱があるという程でもなかった。
「何か毒を持っていたモンスターが居たのかな……」
「ち、ちがっ……べるしゃま、はにゃっはにゃれてぇえええ」
「あ、ごめんね。……もし良ければ良いお薬があるお店を知ってるんだけど」
ミアハ様の所に行けば、何かこの症状を抑える薬があるかもしれない。
それにもし種族特有の病気だとしても、あのお店にはリリと同じ犬人のナァーザさんも居る。
女性だからしっかりとした診断だって出来るはずだ。
それにもし高額な薬だったとしても、今日みたいな稼ぎなら立て替えてもらえば何日かで払えるだろう。
「い、いらにゃいでしゅ……おくひゅり、いらにゃいでしゅ」
「そんな事言って、こんなに顔が真っ赤だよ!?」
「また触っちゃぁああはぁあああんっ!!」
「くっ、急がないと。ごめん、リリ!」
「っっあぁっ!!――ひ、ぁっ!?」
僕はダイダロス通りで神様と逃げた時の様に、リリを抱きかかえて「ミアハ・ファミリア」のお店へ向かう。
腕の中で、リリがビクビクと震えてる。
――時間は無い。急げ、女の子を助けるんだ!
********迷宮都市オラリオ~西の路地裏「青の
「それで、その
「いや、つい昨日パーティを組んだ女の子ですってば!それよりもリリを診て貰えませんか!?」
僕は大急ぎでリリをミアハ・ファミリアのホーム兼お店までやって来た。
戸を叩いて、中から出てくれたのはファミリアの団長である【ナァーザ・エリスイス】さん。
眠そうに半分閉じた目蓋と垂れた耳が特徴の
今は薬師をしているけど元はレベル2の冒険者で弓の名手でもある。
「今ミアハ様は買い出しで居ない。それにその子……」
「――っリリの症状、わかるんですか?」
「わかるというか、身に覚えがあるというか……」
お店の前に座り込み今は少し落ち着いてきたリリを見て、ナァーザさんは軽くため息をつく。
やはり種族、もしくは女性特有の症状なのか。
だとしたらナァーザさんに是非解決して貰いたい。
「お金なら、高くても分割で払います。だからリリをどうか!」
「お金……それも魅力的だけど、今はそっちよりも――」
「っあの、ナァーザさん?」
顔を息がかかるまで近づけるナァーザさん。
亜麻色のウェーブがかった髪の毛の匂いや、目蓋で半分隠れた紺色の瞳が視界に広がる。
何やらスンスンと鼻を鳴らして、彼女はジトッと僕を睨んだ。
腰から伸びたふわふわの尻尾が、不機嫌そうにユラユラと揺れている。
「最近来てくれないと思ったら、他所で雌を漁ってたなんて……」
「えっ?」
「浮気者のベルにはお仕置き。こっちに来なさい……」
「いやあのナァーザさん!リリがっ」
彼女の右腕が僕の手を取る。
なんか小さく「がるる」とか唸ってるし、もしかしなくても怒ってる?
「
「えぇ!?えっとリリ!そこで待ってて、辛くなったらすぐ言うんだよ!?」
「……いいから行ってきてくだしゃい」
「そんな雑な」と思いながらも、彼女の細腕に隠された力に抵抗できずお店の奥まで連行される。
小さなリリの返事が聞こえた気がするけど、あっという間に僕はお店の小さな部屋まで来た。
「ここは、私の調合部屋」
「ぇ、そんな所に僕が入って良かったんですか?」
「ベルなら、いいの」
先に中へ押し込まれ、僕は部屋の中を見回していた。
様々な薬品とガラスの容器、材料なのか植物の種子や根、そして大量の書物がある。
初めて見る薬師の仕事部屋に少し心が浮き立ってしまう。
「それよりも、ベル」
「――、ぁっ何ですか?やっぱりリリは何かの」
「脱いで。全部」
「っ!?」
病気なんですか、という言葉も言い切る前に僕は驚愕する。
後ろ手にドアと鍵を締めて、ナァーザさんは突然そんな事を言いだした。
そして音もなく懐まで接近されて、上着をぐいぐいと脱がしにかかっている。
「ななな何をいきなりっナァーザさん!」
「大人しくしなさい、じゃないと噛み千切る」
「!?!?」
物騒な事を言われながら、僕はあっという間に服を脱がされた。
彼女の方がレベルも高くかつ女性だから乱暴にも出来ず、僕の抵抗なんて通用しなかった。
せめてこれだけはと、下着だけは死守した。
「ベルは良い子なんだから、他所の子に
「かかるって、犬じゃないんだから……」
半裸の僕に伸し掛かり、マウントポジションで僕を睨むナァーザさん。
そして倒れ込んで来たと思ったら急に僕の顔を舐めだした。
「れろ、ちゅっベル、ベル……」
「あ、あのっ」
「他の
まるで大型の犬にじゃれつかれているような状態だが、相手は年上の綺麗な女性だ。
僕の胸を柔らかい感触がふっくらと押してくるし、顔だけじゃなくて耳、首、鎖骨に胸とくまなく彼女の唾液が塗られていく。
時折、ちゅうっと強めに吸い付かれてはそこに赤い痕が斑点のように残されていった。
素肌を這い回る温かい舌の感触と、熱い吐息のせいで僕の股間が反応して彼女の股を押してしまう。
「なに、私に種付けしたいの?」
「ぇぇええっ!?いやこれはそんなんじゃなくてぇ!!」
「……違うの?」
必死に否定するが、何故か余計にナァーザさんの機嫌が悪くなる。
半分閉じられた目蓋がさらに細められ、抗議の意志を感じた。僕にどうしろっていうんだ?
耳に舌を差し込みながら、彼女は僕の下着を捲ってしまう。
言い訳できないくらいに勃起した愚息が、外気に晒されてビタンッとお腹に貼り付く。
「何コレ。他の子を散々虐めたくせにまだこんなにして、ベルのスケベ」
「ご、ごめんなさい……」
泣きたい。というか若干涙が出てきた。
リリを助けようとしたはずが、何故か女性に押し倒されている。
「他の子」とは、エイナさんの事だろうか。もしかして「豊穣の女主人」の人達?
でも彼女が僕の男女関係に関して何故ここまで執着しているのかがわからない。
「でも、僕は浮気とかそういうのは」
「言い訳しないの。ベルは悪い子だね、ぁぐっ」
「うわっ!!」
困りながら弁明しようとすると、ナァーザさんに乳首を甘噛みされた刺激で腰が跳ねる。
ナァーザさんは確か、主神のミアハ様の事が好きな筈。
僕とはご近所さんで仲良くして貰っているだけだと思っていたのに。
「またこんなおっきいの私に押し付けて……ベルとは
「僕の話を聞いて下さい……ぅぅ」
まるで子犬をあやすように肉棒の先端を、黒い手袋の右手で撫でられる。
動きは落ち着かせようとしてるけど、その部分に対しては逆効果でどんどん硬さを増していく。
その間もずっと、僕の顔をナァーザさんがペロペロと舐め続けていた。
「子供はファミリアの収入が安定したら。その後なら、ミアハ様と育てるから好きなだけ産んであげる」
「そんな酷いことしませんよ、僕は!」
「我慢できないなら、
「ぇえ!?あ、あぁ!!入っちゃいますってっ」
「んんっ……思ってた通り、大きいね。お腹がベルのでいっぱいになってる」
ナァーザさんはスカートをぺろんと捲るとそのまま僕に跨り、陰茎を手で支えながらそのまま体重を掛けてきた。
下着を履いていないのか、そのまま僕のモノはナァーザの中へ侵入していく。
しかし、そこは女性の膣では無くお尻の方にある不浄の穴だった。
「ぁ、な、ナァーザさん……」
「んっ安心して。ちゃんと綺麗にしてるし、ベルのこと想って毎日試験管で練習を……って何言わせるの」
「ぅああっ」
「こっちなら赤ちゃん出来ないし、さっき香油で濡らしておいたから気持ちいいでしょ?」
ナァーザさんとこんな事をするのは初めてで、しかも挿れているのはお尻の穴だ。
たまにエイナさんともお尻でする事はあるのだが、念入りな準備が必要な上に未だに彼女はちょっと痛そうにしているのに……。
でも今目の前で腰をクイクイと艶めかしく動かす彼女は、まるでこの行為に慣れているような動きだ。
肛門も締まりはキツ過ぎず、腸の中はぎゅっと陰茎全体を包み込んでいた。
「どう、ベル。ちゃんと私、気持ちいい?お尻の穴、変じゃない?」
「あ、はっナァーザさん、僕……もう、」
「私、こんな腕で……『キズモノ』だけど」
僕の頬に素手の左手を添えながら、彼女は口で右手に嵌めた手袋を脱ぎ、袖を捲くった。
そこには形状は普通の腕に見えるが、剣の様な金属光沢で関節部分には宝石が埋め込まれている。
「それでも、女として見てくれるベルが……好き。触っているとドキドキするベルが、大好き」
「――、……」
「ミアハ様も大好きだけど、ベルも大切な男の子。相手してくれないと……嫌」
「ぼ、僕は……」
いつもご近所のファミリアとして仲良くしてきたナァーザさん。
眠そうな目で、たまに冗談を言ってきては僕を困らせる年上の女性。
先輩冒険者としてアドバイスをくれて、お店では薬を調合して手助けをしてくれる薬師。
そして、主神のミアハ様を熱い目で見つめていた、恋する
「ベル、出して!熱いの出るんでしょ?赤ちゃん作れないけど、お尻にベルのいっぱい頂戴っ」
「……っナァーザさん!」
「ぁっ、ベルぅう!!――っぁあぁぉおおおお!!」
最後は乱暴に腰を振りながら、義手と素手で僕の顔を挟んで至近距離から見つめてくるナァーザさん。
限界だったモノは決壊し、噴火するマグマのように彼女の中へ注がれていった。
眠そうな目は今は見開かれて、舌はダランと垂れている。
中で脈打つ感覚を、全力で味わおうと肛門が締め付けて離さない。
顔を挟んでいた両手は、今は僕の頭を抱え撫でており少し恥ずかしい。
「くぅん、熱い……凄い量。格好いいね、ベル。お腹たぷたぷになりそう」
「すいません、まだ……」
「良いよ、全部出して?――ベル、たまにで良いから……もっとお店に顔を出して。またお話したい。私、ベルが来るの……お店で待ってるから」
「ナァーザさん……、はい。僕で良ければ、いつでも」
「……ありがと。――ん、」
「――、」
僕の射精が終わるまで、唇をそっと重ねるだけの温かいキスが続いた。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「ベルはベッドヤクザ。まだ腰がガクガクする」
「そんな、酷いですよぉ」
「ふふ、次来た時はもっと遊んでもら――」
「どうしたんですか、ナァーザさ……あっ」
服を着直し、扉を開け先に部屋から出たナァーザさんが石化した。
後ろから中の様子を伺って、僕も事情を察する。
調合部屋を出た眼の前の、居間とお店が繋がっている空間で待っていたのは彼女の主神、ミアハ様とリリだった。
テーブルを挟んで、二人でお茶を飲んでいたみたいだ。
「やぁ、ベル。元気そうで良かった」
「あ、あのミアハ様これは」
「それに、この前伝えた通りナァーザとも仲良くしてくれているみたいで何よりだ」
「そ、それはですね。えっと深い事情があるといいますか……」
「ところで、サポーターを雇ったんだね。ベルの良き相方だと聞いたから、中で休んでもらっていたよ」
「あ、ありがとうございます……」
このお店は決して立派な建造物とは言えない。
つまり壁は比較的薄く、先程までのやりとりを「詳細まで」聞かれていた筈だ。
だがミアハ様は一切気にする素振りを見せず、微笑ましい物でも見てるかのような表情だ。
そして対面に座るリリは僕ではなく、横で固まるナァーザさんをジーーっと見ている。
お茶を啜り、ゆっくりと湯呑みをテーブルに戻した彼女はややあって、
「……いいご趣味をお持ちで?」
「――、っっ」
リリのその言葉で、石像と化していたナァーザさんが再起動した。
ビクゥ!と身体を竦めた後、ギギギと錆びたネジのように此方へ顔を向ける。
犬耳の付いたリンゴかと思うくらいには真っ赤であった。
因みに、僕もきっと大差ないくらい赤い顔をしていると思う。
「――――――!!!!!!!!!」
声になっていない叫びを上げて、ナァーザさんは部屋に籠もってしまった。
呼んでも「駄目」としか返ってこない。
きっとまた暫くは会わないほうが良いのかも、と僕は彼女に申し訳ない気持ちになる。
「ベル様、日も暮れますしそろそろお暇しましょう」
「おや帰るのかい?道には気を付けなさい。是非、今後は当店をご贔屓に」
「ええ、リリもここが気に入りました!お茶、ご馳走様です♪」
後ろから聞こえるご機嫌そうな会話を他所に、僕は封印された部屋の前で途方に暮れていた。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「きょ、今日も乗り切ったぁ……ローン返済のためとはいえ、神のボクを遠慮なく顎でこき使いおってぇ……」
ボクはヘファイストスの店で働き終えて、夕暮れの街をぐったりしながら歩いていた。
全く、あの親友である神は子供たちにボクを「見習いとでも思え」と伝えてるのか扱いが悪い。
馬車馬のように1日中働いて、流石にくたくただ。
「早くベル君に会いたい……」
愛するあの子に会えば、きっとこの疲労だって消し飛ぶはずだ。
眷属である少年へ思いを馳せていると、願いが通じたのか喧騒の中に聞き慣れた声を感じた。
「――むっ!!」
例えどんなに騒がしくても、ボクがあの子の声を聞き間違える訳がない。
周囲を見回し、その雑踏の中で揺れる見慣れた白髪を発見した。
「……ベル君だぁ!!――っっ!?」
なんと運命的だろうか、やはり世界はボク達を引き合わせているんだね!と歓喜に震えたのも一瞬。
ベル君の隣で、ニヤニヤしながら歩く小柄な少女の姿が。
『だから違うんだよ、リリってばぁ』
『えぇー、でもベル様ってば酒場の店員にもコナかけてたじゃないですか、破廉恥ですねぇ』
『そういうんじゃないんだよ、ただ仲良くしてもらってるだけで』
『そう言って、リリにあんな大胆な事するなんて油断なりませんね?ベル様』
『ただ介抱しようとしただけだってぇ!』
「ガーーーーーーン!!」
なんだ、アレは。
ボクの愛するベル君が、見たこと無い女の子とイチャイチャしながら歩いている。
相手も頬を染めて完全にホの字じゃないか。
ベル君まで真っ赤になって、あのアドバイザー君に続いてもう新しいオンナを作っているなんて……
「ベル君の、浮気者ぉおおおおおおおお!!」
ナァーザを出したくて我慢できず無理やり登場させました。
彼女について補足すると、
・ベルとの友好関係はファミリア発足時からあるが、エイナと違い身体の関係は無かった
・スキル発動後に接触があったため(3章直後くらい?)に発情させられている。
・発情自体は自覚していて、ベルに原因があるとは思っていた。
といった感じでしょうか。
細かい矛盾は、スキルのせいにしてください……。
前回で導入とか言っていましたが、実は今回で4章が終わりになりました。案外カットする部分が多かったです。
次から5章ですので、あるキャラとも絡みが始まるのが楽しみですね。
それでは次回の更新も、宜しくお願い致します。