※この作品はR-18です。

ベル・クラネルがモテ過ぎるのは間違っているだろうか   作:ぽちょむきん

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今回は絡みなしです。

いわゆる「本番シーン有り」みたいな印とか必要でしょうか?


5章「魔導書(グリモア)」
女神に追われ


********西メインストリート~とある酒場のテラス~********

 

 

 

「……っぶはぁあ!!」

 

 

 

ドンッと乱暴に空のグラスをテーブルに叩きつける、黒髪を双方に結った女神ヘスティア。

 

私こと【ミアハ】は、お互いのファミリアから近い酒場で友の愚痴に付き合っていた。

 

 

 

「聞いてくれよ、ミアハぁ‼ベル君が……」

 

 

 

そう涙ぐまなくたって聞いているとも。

 

このテーブルを囲んでいるのは我等二人のみだし、その話はもうかれこれ6回目だ。

 

 

 

「ベル君が浮気をしまくってるんだぁあ‼うぅううっ」

 

 

 

涙を流しながらテーブルに突っ伏す女神。

 

怒りのやり場を失った拳は何度も木製の卓上を殴りつけている。

 

私は胡椒を振った焼き菓子(プレッツェル)を齧りながら、白髪の子供が苦笑いする様を想像していた。

 

 

 

「くそぉ、そもそも何なんだあの子達はぁ!ベル君はボクのものなんだぞぉ!」

 

「これこれ、ヘスティア。ベルは誰のものでも無いぞ」

 

「フンっ!!わかってるさ、そのくらい!ただ言ってみただけさ!!」

 

 

 

解ってないではないか。

 

どうもこの女神はたった一人の眷属が可愛くて仕方なく、独り占めしたいらしい。

 

これは夕方、ウチでナァーザがベルと部屋の中で睦言を交わしていたという話はしない方が良いだろう。

 

 

 

「んぐっぶは、言ってみたかっただけさぁ!!」

 

 

 

やるせない想いを、自棄酒で解消しようとしている友ヘスティア。

 

安物の麦酒(エール)はどんどん小柄な女神の胃に収められていき、真っ赤な顔をして「ぶはぁああ」と酒臭い息を吐き出している。

 

 

 

「ああ、べるくうんっお願いだからボクの前から居なくならないでおくれぇぇえ!!」

 

「これこれ、声がデカイぞ」

 

 

 

まるで目の前にベルの幻を見ているかのように両手を伸ばし、テーブルに倒れ込む。

 

私はベルではないので受け止めないし、料理が駄目になるので皿を取って避難させる。

 

子供への愛が深く酒癖の悪い女神は、とうとう滝のように涙を流し始めた。

 

これは、ベルもナァーザも苦労しそうだ。

 

 

 

「あ゛い゛じでる゛よ゛ぉおお、ベぇルくぅううううん‼」

 

 

 

天に向けた女神の咆哮は、果たしてあの子供に届くだろうか。

 

 

 

 

 

 

********とある教会~『ヘスティア・ファミリア』ホーム~********

 

 

 

 

 

 

「ぁああああぁああああぐああああぁあああうううううあああああ……」

 

「大丈夫ですか、神様……」

 

「……――、ふん……」

 

 

 

 

昨晩ミアハと深夜まで飲み明かした後、ホームに帰って泥のように眠った。

 

そして自分の酒臭さに目が覚めたと思ったら、割れる程に頭が痛い。

 

もともと酒豪な訳じゃないボクは、泥酔するほど酔うと大抵この「二日酔い」という症状に悩まされる。

 

天界の宴ではこんな事は無かったけど、いざ下界に降り立った時に困ったことの1つだ。

 

ベル君から奪い取る様にコップを受け取り、中身の水を一息で飲み干す。

 

だが痛みが和らぐと昨日の一件を思い出したボクは、ベル君に背を向け膝を抱える。

 

 

 

「どうかしたんですか?神様」

 

「どうもしないよっ」

 

 

 

――ふん、なんだい。ベル君の浮気者っ

 

ボクはこんなにベル君を愛しているのに、彼は他所の子供にしか手を出さない。

 

理不尽な状況に不貞腐れていると、頭にぽふっと濡れた布巾が乗せられひんやりと気持ちいい。

 

 

 

「あの、神様……こんな時になんですけど、次のバイトのお休みっていつですか?」

 

「……休み?何でだい」

 

 

 

そんなものを聞いてどうするんだろうか。

 

何かボクに頼むことでも、とベッドからベル君を見上げる。

 

すると彼は照れ隠しに頬を掻きながら、目を逸らしてぽつぽつと打ち明けた。

 

 

 

「実は最近、ダンジョンでたくさん稼げるようになって……神様に恩返ししたいなって、僕」

 

「……」

 

 

 

ベル君の雰囲気から、言いたいことを先読みする。

 

もしかして、これは――

 

 

 

「だからその、行きませんか?……二人でちょっと豪華な食事でも食べに」

 

「……逢い引き(デート)」

 

 

 

そう、それは男と女が連れ添い、愛を深める逢瀬(ランデヴー)。

 

とうとうボクの愛が、浮気気味なベル君を射止めたのだ。

 

ボク達は結ばれる。いや、結ばれなきゃならない!

 

想いが通じ合うならば、その成就は今宵すぐにでも!!

 

 

 

「今日行こう……」

 

「えっ」

 

「今日行きたい!」

 

「で、でも……」

 

「今 日 行 く ん だ ! !」

 

 

 

何が何でも今日ベル君とデートに行くため、おでこをくっつけて言い聞かせる。

 

さっさとベル君との愛を深めないと、またどこぞの子供と浮気しかねない。

 

 

 

「体調は……?」

 

「もう、治ったぁ!!――っ、くん、くん……」

 

 

 

頭痛や吐き気がナンボのものか。

 

ボクとベル君のデートの事を考えたら、体調なんて崩していられない。愛は全てを超越するんだ。

 

さーて、おめかししなくてはとクローゼットを開けた所で、大事なことに気がつく。

 

 

 

――、臭う

 

酒をしこたま呷(あお)り、水浴びもせずに布団に入ったもんだから酷い匂いだ。

 

これでは決(・)戦(・)の時にしくじる……!

 

 

 

「――ベル君。6時に南西のメインストリート、『アモールの広場』に集合だ!」

 

 

 

ボクはぐっと親指を立てて、ベル君と落ち合う約束をする。

 

今回、全力で準備をして臨む必要がある。

 

――それに、待ち合わせなんて……まさにデートっぽいじゃないか!

 

 

 

********迷宮都市オラリオ~南西メインストリート「アモールの広場」~********

 

 

 

南西のメインストリートから伸びる小路から辿り着く先にある広場。

 

鮮やかな敷石で舗装された園内、華やかな雰囲気を飾る花の植栽が垣根となっていた。

 

そんなここ「アモールの広場」は待ち合わせによく使われるのだが、

 

――き、気まずい……。

 

 

 

ベンチで寄り添い、愛を語らう者。

 

抱き合いながら時折隠れるようにキスをしている者。

 

そう、ここは恋人同士(カップル)がよく利用する広場なのだ。

 

目のやり場に困り、俯きながら神様を待っていた。

 

 

 

「ベル君!」

 

 

 

すると尊敬する神様の声に安心して、そちらに向き直る。

 

そこにはいつもの独特な露出の多い服ではなく、肩を出した白のワンピースに髪は真っ直ぐに下ろした、私服の神様が居た。

 

 

 

「ごめんね、ベル君。待たせちゃったかい?」

 

「い、いえ全然……僕も今来たばっかりですから」

 

「――、うん」

 

 

 

まるで僕達まで恋人みたいなやりとりに感じてしまう。

 

目を背けてはにかんでいる神様を見てると、僕までカァっと顔が熱くなる。

 

そして神様は、僕の方へゆっくりと手を伸ばし、

 

 

 

「おお!アレが噂のっ」

「ヘスティアの男!?」

「「キャァアアアアアア可愛いいい♪」」

 

「ぅはぁ!?」

 

「か、神様!?」

 

 

 

急に現れた女神様達に突き飛ばされる神様。

 

そして僕は一斉に囲まれてしまう。

 

 

 

「ゲット♪」「えぇいっこっちも♪」「やだっなんかこの子……」「どうしよ、濡れてきたかも」

 

「え、いやっあの、ちょっと……」

 

「なななななななななな……」

 

「ごめんなさいねぇ、ヘスティア。気になって付いて来ちゃったの」

 

 

 

神様が別の女神様と会話してるみたいだけど、ソレどころじゃない。

 

あ(・)っ(・)ち(・)こ(・)っ(・)ち(・)と(・)頭(・)を(・)撫(・)で(・)ら(・)れ(・)た(・)り(・)、(・)抱(・)き(・)す(・)く(・)め(・)ら(・)れ(・)た(・)り(・)で(・)揉(・)み(・)く(・)ち(・)ゃ(・)に(・)さ(・)れ(・)る(・)。

 

――ま、不味い……。

 

女神様達の中には奔放な服装な方もいて、素肌の感触がダイレクトに伝わってきた。

 

胸や太腿を思い切り当てられたり、たまにお尻を触られたりもしていれば当然僕の股間は盛り上がってくる。

 

 

 

「なんかいい匂い……?」「というより、美味しい?れろっ、ちゅ……」

 

「ひゃぃ!?」

 

 

 

うなじに鼻を押し付けて匂いを嗅がれたり、耳を舐められ始めた。

 

最初はハグ程度だった女神様のスキンシップも、胸や腰を弄ってくる動きに変わってくる。

 

このままではアソコを大きくしている事がバレてしまう、と僕は必死にもがく。

 

 

 

「やば、身体火照ってきた」「何、貴女も?」「近くに宿ってあったかしら」「連れ込んじゃう?この子」

 

「は、離してくだ、さ……い」

 

 

 

お香や香水の混ざった妖艶な女性の匂いと、押しくら饅頭によって上がった体温で僕は逆上せてしまう。

 

なんとか脱出し倒れ込んだ先で、とても柔らかい布団に包まれる。

 

そして、それは布団ではなく女神様の谷間。

 

要は女神様のお胸に顔(・)を(・)埋(・)め(・)、(・)抱(・)き(・)し(・)め(・)ら(・)れ(・)て(・)い(・)た(・)。

 

その事に気付いた頃には僕の股間も最大まで膨らみ、女神様のお腹へ押し当たってしまっている。

 

 

 

「……」

「……」

 

 

 

ゆっくりと大きな谷間の中で目線を上げると、そこにはキョトンとしている金髪の女神様。

 

そして女神様の目線が僕の目から下腹部に移り、再び僕の目に合わさる頃には満面の笑みになっていた。

 

――勃起(おっき)、しちゃったのね♪

 

優しく慈愛に満ちた女神様の目から、言い逃れ出来ないことは明白だった。

 

再度、僕の顔は女神様の手によって谷間の奥まで包み込まれてしまう。

 

 

 

「やだもぉこの子ったら大胆ぁああん♪持ち帰ってウチの子にしちゃーう!」

 

「なぁあああああああああああ!?」

 

 

 

女神様の羽交い締め(ヘッドロック)で視界が真っ暗、いやむしろ真っピンクになる。

 

柔らかいやら甘い匂いやら神様の絶叫やらでもう何がなんだかわからない。

 

とにかく言えることは、この女神様のお胸は大層ご立派だということだけだった。

 

 

 

「ベぇえルくぅううううん!!」

 

「あらっ」

 

「んんぅううおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

叫びながら僕の首根っこを掴んで女神様の抱擁から掻っ攫い、神様はそのまま広場から走り去る。

 

僕は引きずられながら、先程まで顔を包んでいた感触に頭が真っ白になっていた。

 

 

 

「「ヘスティアが逃げたぞぉ!」」

 

 

 

周りを取り囲んでいた女神様達は、その場から去る僕達を追いかけてきた。

 

そうして、追われながら隠れながら僕達が逃げ惑っていた頃には、オラリオに夜の帳が下りていた。

 

 

 

「よ、ようやく逃げ切れましたね……神様」

 

「まったくこれだから神ってやつは……娯楽に飢えたハイエナめ!」

 

 

 

二人で逃げた先はメインストリートから外れた先にある鐘楼の中。

 

大きな銅鐘が吊るされている空間で、ようやく一息つけそうだ。

 

 

 

「おかげですっかり夜も更けちゃったし……はぁ、せっかくのベル君とのデートが」

 

「でも、ちょっと楽しかったです」

 

「ふぇ?」

 

「それに……ほら見て下さい、神様」

 

 

 

確かに、何か血走った目で追いかけてくる女神様たちはちょっと怖かったし、「あの子を私色に染める」とかよくわからない事を叫びながら走り回る姿はミノタウロスを少しだけ思い出してしまった。

 

でも、一緒に息を潜めて隠れたり、焦りながらも手を取り合って走り回るのは楽しかった。

 

そして僕達の前には、夜のオラリオが一望出来て、その上では満天の星が輝いている。

 

 

 

「――、わぁ……はは、」

 

「綺麗ですね……」

 

「うんっ」

 

 

 

この誰もいない場所で、僕等二人だけがこの景色を独り占めしている。

 

それだけでも、少しは神様の気晴らしになったかもしれない。

 

 

 

「神様……またここに来ましょ?今度は絶対ご馳走しますから」

 

「……、」

 

 

 

そう、次はたくさん美味しいものを一緒に食べて、お腹いっぱいになってこの夜空をまた観に来るんだ。

 

その時にはきっと疲れた思い出じゃなくて、僕等の素敵な秘密になるんじゃないかな。

 

 

 

「――、……っ楽しみにしてるぜ、ベル君……」

 

 

 

何か言葉を1つ飲み込んだ後、そっと方に頭を預けてきた神様は、頬を染めながらうっとりと目を閉じていた。

 

いつか来る素敵な思い出(デート)に、想いを馳せて。

 

少し恥ずかしくて、僕は頭を掻きながら、そのまま夜空を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

********~ダンジョン上層~********

 

 

 

 

 

 

「ベル様、足元!!」

 

「ぐっ……!!」

 

 

 

ベル様と今日もダンジョンに探索で潜っていた所、それは起きた。

 

彼が複数のキラー・アントと立ち回っていた時に、俊敏な動きのメタルラビットが体当たりを仕掛けた。

 

慌てて声をかけ直撃は避けたが、膝に受けた衝撃でベル様は体制を崩してしまう。

 

倒れ込むベル様に、好機と鎌のような前脚を振り降ろそうとするキラーアント。

 

リリは、咄嗟に懐に忍ばせていた一振りの魔剣を抜いた。

 

 

 

「だめぇえええええええええ!!」

 

 

 

短剣型の紅い魔剣から、火焔が迸る。

 

槍のように真っ直ぐ怪物(モンスター)へと伸びた炎は、着弾した瞬間に全身へ燃え広がり、凶刃の動きを止めさせる。

 

 

 

「っ、はぁああ!!」

 

 

 

ぶすぶすと黒い煤を上げるキラー・アントをすかさず黒刃で一薙ぎにするベル様。

 

その後も体制を立て直し、残りのモンスター達も倒していく。

 

助かった、と安堵したのも一瞬でリリは慌てて魔剣を懐に仕舞い直す。

 

――しまった、つい魔剣を……。

 

あの少年どころか、誰にも所持していることを知らせていない魔剣。

 

こんな高級装備を隠していることを知られたら、私を監視して「謝礼金」を要求してくる【カヌゥ】達に何をされるかわからない。

 

ただでさえ昨日は定期的な謝礼金の支払いで、いつもの3倍も収入がある所を3割増し程度で誤魔化したばかりなのに、バレたら根こそぎ奪われる。

 

 

 

「はぁ……」

 

「ベル様っ無事ですか!?」

 

 

 

青褪めながら、ベル様はその場にへたり込む。

 

私は心配そうな声を上げながら、彼の元へ駆け寄った。

 

 

 

「リリ、ありがとう……助かったよ」

 

「ぇ、あっはい……」

 

「ねぇ、リリ……今、魔法を使ったよね?」

 

「あ、いえ……あれは魔剣の力で」

 

 

 

若干的外れだが、流石に誤魔化せない。

 

正直に言った方が誤解を招かないだろうし、彼がとことんお人好しであることがリリでもわかってきたので、まさか奪い取られることにはならないだろうと踏んでいた。

 

 

 

「魔剣!?そんな貴重なものを僕のために!?ありがとう……」

 

「そ、それは……ベル様の為ですからぁ、ぁはは……」

 

 

 

彼が居なければダンジョンを無事に探索なんて出来ないし、稼ぎも減る。

 

それに、まだ例の黒いナイフも奪えてないのだ。

 

打算的な理由で助けたのだが、感極まりながら感謝されてしまい、リリは気まずくなってしまった。

 

 

 

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

 

 

「やっぱり魔法って凄いなぁ。……はいっ」

 

「、ぇ?」

 

 

 

モンスターの出現しない空間(ルーム)で、リリ達は休憩を取ることに。

 

座り込みながら先程の魔剣の威力に感動していたベル様は、四角い包みを空けると中のものを1つ取り、残りをそのまま此方へ差し出してきた。

 

その中は、なにか言葉で表現できない独特な色彩で彩られた、なんともまぁ独創的なサンドイッチが並んでいた。

 

下卑た笑いを浮かべた冒険者の連中に、残飯を投げつけられたことはあっても、昼食を分けてもらったことなんて無かったのでリリは戸惑ってしまう。

 

 

 

「貰い物だけど」

 

「……ありがとうございます」

 

「……ベル様っ」

 

「あー……、ぅん?」

 

 

 

一口目を食べようとしていた彼に、意を決して申し出てみる。

 

彼には、誤魔化さずに言うのが最も好転すると思ったのだ。

 

 

 

「明日一日、お休みを頂いても宜しいでしょうか」

 

「良いけど……何か用事でもあるの?」

 

「ファミリアの集会があって、どうしても出席しなくてはいけなくて……契約違反なのはわかっています。罰則(ペナルティ)はお受けしますから」

 

 

 

他の冒険者なら、己のファミリアの都合で休暇を取るなど「調子に乗るな」と頭を蹴られ、金を毟られる所だ。

 

ベル様がそこまで奴(・)等(・)と同じとは思っていないが、真摯に地面に膝と手を付き、頭を下げる。

 

 

 

「ぇえっい、良いよそんな事!?それより、ごめんねリリ」

 

「――、?」

 

 

 

なぜリリが謝られているんだろうか。

 

意味がわからなくて、顔を上げると居心地悪そうに頬を掻くベル様が居た。

 

 

 

「僕、気が回らなくて……休みたい時は遠慮なく言ってね。……ぁぐっ」

 

 

 

そう言って笑顔でサンドイッチをジャリジャリと頬張るベル様。

 

なぜあんな音がするのだろうかとかはどうでもよく、私は腑に落ちなかった。

 

縁の下の力持ち(サポーター)風情に気を使う冒険者なんて存在するのか。

 

目の前の彼の言葉を、素直に受け止められないリリと、この少年だけはその例外に当たるんじゃないかと信じ始めているリリが居た。

 

 

 

「…………」

 

 

 

ベル様との時間に「最後」が訪れた時、リリは果たして彼を裏切れるだろうか。

 

ソーマ・ファミリアを抜けると誓った決意が、彼の純朴な心に揺らいでいく。

 

何も言えぬまま、彼から貰ったサンドイッチを一口齧り、「ガゴリッ」と意味不明な食感が広がった。

 

……次からコレを貰うのは断ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作ほぼそのままですね。
モブ女神と行為に及ぶのは無理やりすぎなので、スキルが乱発するくらいに留めました。

次はまた誰かとの濡れ場が書ければ良いな―と思っております。


そして例の美女神様ですが、今のところベルが居ないシーンは殆どカットしている影響で出番がないですね。
流石に戦争遊戯まで放ったらかしは可哀想なので、そのうち登場させてあげたいです。


それでは、次回の更新も宜しくお願い致します。
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