※この作品はR-18です。

ベル・クラネルがモテ過ぎるのは間違っているだろうか   作:ぽちょむきん

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2章と話が繋がっていて繋げて書いていた為、ほぼ連続投稿になります。

※オリジナルな展開しか興味ない方は、今回の序盤と後半が私なりにアニメ3話の要約でしか無い内容ですので読み飛ばした方が良いかもしれません。


3章「神様の刃(ヘスティア・ナイフ)」
1話「輝きを、其の手に」


 

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

 

 

 

 

 

 

そう、あの時も確か……こんな風に晴れた日だった。

 

 

 

山でモンスターに殺られ、あっけなくお祖父ちゃんは死んだ。

 

 

 

探しにも行けない、深い谷に落ちていったらしい。

 

 

 

――決めたよ、お祖父ちゃん。僕、冒険者になる。

 

 

 

でも、こんな弱そうな僕を冒険者として受け入れてくれるファミリアは見つからなかった。

 

 

 

その日も、僕はファミリアを訪れては門前払いを食らっていた。

 

 

 

 

 

 

『――やぁ、少年。ファミリアを探しているのかい?』

 

 

 

 

 

 

神様が、そこに居た。

 

 

 

――僕の、『かみさま』……。

 

 

 

 

 

 

********迷宮都市オラリオ~ダイダロス通り~********

 

 

 

 

 

 

巨大なモンスターから逃げ惑い抵抗するも安物のナイフは砕けてしまい、今の僕の実力では太刀打ちが出来ない。

 

一旦は切り抜けるけど、このままでは神様もろともモンスターの餌食だ。

 

そして、貧困街の中にある水路の扉を閉じて僕は神様を置き去りにした。

 

この水路から逃げて、その間に僕があのモンスターの囮になれば神様だけは助かるかもしれない。

 

――神様、僕はもう「家族」を失いたくないです……。

 

 

 

「うまく逃げて、くれたかな……神様」

 

 

 

とうとう怪物――【シルバーバック】に追い詰められた。

 

もう脚もろくに動かない。

 

身体ではなく、心が拒んでしまっている。

 

鋭い牙が、強靭な爪が、僕に終わりを告げようとしていた。

 

ふと、5階層で遭遇したミノタウロスを思い出した。

 

 

 

――今度は現れてくれないよね、アイズさんも……。

 

 

 

もう1度逢いたかったけど、良かったのかもな……。

 

格好悪い姿を、見せずに済んで――

 

 

 

「さよなら、神様……」

 

「――ベル君!!」

 

「っ!?」

 

 

 

ここにある筈のない声を聞いて、顔を上げる。

 

そこには、先程までと変わらぬ様子の神様が立っていた。

 

立って、しまっていた。

 

 

 

――どうして……

 

 

 

「――何で来ちゃうんですか!!」

 

 

 

モンスターが標的を歓喜するように神様へと移すのに対し、咄嗟に神様と転がりながら逃げる。

 

そうして再び宛てのない逃走を再開した。

 

何故来てしまったのか。

 

来てしまっては、守れない。

 

守れないから、僕は一人で――。

 

 

 

「約束、してくれただろう?」

 

 

 

『お願いだから、僕を一人にしないでおくれ』

 

 

 

「でも……、でもこのままじゃ二人とも……!」

 

 

 

「諦めるのは早いぜ、ベル君!」

 

 

 

なのに、神様はこんな弱い僕を信じて、笑っていた。

 

 

 

「すまない、ベル君!僕はこんな状況なのに、心から幸せを感じてしまっている!」

 

「何言ってるんですか、神様!」

 

 

 

頬を染めながら場違いな事を言っている神様を、無礼と知りながらも抱きかかえて駆け抜ける。

 

そして仕掛け扉の先にある袋小路で、僕達は一度モンスターをやり過ごした。

 

あいつは神様を追っている。このままでは……

 

 

 

「だったら、考えを変えよう。ベル君、キミがあのモンスターを倒すんだ!――ここでステータスを更新する。キミのチカラを、あのモンスターに見せつけてやれ!」

 

 

 

――無理です……少しくらい強くなった所で……

 

 

 

――それに、僕じゃあのモンスターを倒せません……

 

 

 

この折れたナイフの様に、強敵を前に挫ける僕の心では……。

 

 

 

「ボクはキミを信じてるんだぜ。だってそうだろう?あのヴァレン某とかいうバケモノみたいな女を目標にしている冒険者(ベル・クラネル)なら、あんなモンスターちょちょいのちょいさ♪」

 

 

 

そうして神様は、僕に一振りのナイフをくださった。

 

黒い刀身に刻まれた神聖文字(ヒエロ・グリフ)。

 

刃は一見鋭さを失っていて、これでは切ることも断つことも難しそうだ。

 

鞘から完全に抜いた瞬間、その文字が一瞬光った様な気がした。

 

 

 

――ああ、このナイフは僕なんだ。

 

 

 

なんとなくだけど、そのナイフからは神様がくれる恩恵の暖かさを感じた。

 

神様と出会ったことで冒険者になれた僕の様に……。

 

神様がもたらしたことによって、このナイフは一級品の武器(チカラ)になる――!

 

 

 

 

 

 

「キミの――いや、ボク等の武器だ。名付けて……神の刃(ヘスティア・ナイフ)」

 

 

 

 

 

 

ステータスを更新しナイフを受け取った僕は、神様の信頼に応えるためまた立ち向かう――。

 

 

 

――大丈夫だ、ベル君。ボクがキミを、勝たせてみせる。信じてくれるね?

 

 

 

背中に刻まれた神聖文字を通して、神様からの恩恵を実感する。

 

僕は、強くなった。

 

動きが視える――脚が動く――モンスターの攻撃にも、ビクともしない。

 

このナイフも、僕に合わせて成長している。

 

肉を絶ち、怪物(シルバー・バック)をねじ伏せていく。

 

怖くない……

 

反撃全てを避ける。向こうが動く前に斬りつけて、敵が怯む前に回り込む。

 

この武器が、今の僕のチカラだ――!

 

 

 

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

 

 

巨体が倒れる。

 

胸に突き立てたナイフと魔石を残して、あのモンスターは黒い灰になった。

 

――勝った。

 

――――僕と、神様があのモンスターを倒したんだ!

 

 

 

「……やったぁああああああ!!」

 

「はいっやりました、神様!」

 

 

 

いつの間にか集まっていた観衆の拍手の中、僕と神様は寄り添って喜びを噛み締めていた。

 

僕等の武器があの怪物を打ち倒し、神様を守ることが出来た。

 

初めて、神様の期待に応えることが出来たかもしれない。

 

僕等を褒め称える人達で既に周囲はごった返していた。

 

この人達も、僕があいつを倒せなければ被害が出ていたかもしれない……。

 

 

 

「……なんか、凄い騒ぎになっちゃいましたね」

 

「ああ、そうだね……」

 

「――、神様?」

 

「ベル君、本当 に……良く、頑張った、ね……」

 

 

 

弱々しく笑う神様は、その言葉を最後に地面へ崩れてしまった。

 

 

 

「か、神様ああああああああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

********迷宮都市オラリオ~西メインストリート『豊穣の女主人』~********

 

 

 

「ダイダロス通り」で倒れた神様をちゃんとした寝床で休ませてあげたくて、僕は「豊穣の女主人」のお世話になっていた。

 

お昼はあんな事があったけど、もうすっかり夜になって酒場として賑やかになった1階の喧騒を聴きながら、僕は2階と3階を繋ぐ階段の下で俯いていた。

 

神様、いつ目を覚ますのかな……。

 

 

 

「――如何です?女神様のご様子は?」

 

 

 

すると、1階の酒場から階段を昇ってシルさんが様子を伺いに来た。

 

クロエさんと一緒で、彼女も夕方まで休暇で夜はしっかり従業員として働いているらしい。

 

 

 

「疲れが出て、眠っているだけみたいです……。お騒がせしました、ベッドまで貸してもらっちゃって」

 

「困った時はお互い様です。ミア母さんにも許可は取っていますので、ゆっくりしていって下さい」

 

 

 

本当にシルさんにはお世話になってばかりだ。

 

僕からは何もお返し出来てないのに、こんな親切にしてくれる。なんていい子なんだろう……。

 

 

 

「それに、元はといえば私がお財布を忘れたせいで……ベルさんを騒動に巻き込んでしまったんですよね。――ごめんなさい」

 

「い、いえ……シルさんの所為じゃ!」

 

 

 

シュンと落ち込んだようにお盆を胸に抱え込んで俯いてしまった。

 

彼女は何も悪くないのに、あれは只の事(・)故(・)だったんだ。

 

階段の途中から見上げる彼女よりも下になるように、僕は床に擦るほど頭を下げる。

 

神様から聞いたことのある、極東の謝罪ポーズに近い姿勢だ。

 

 

 

「そうそう、街の皆さんが言ってましたよ?モンスターと戦っているベルさんは『勇敢だった』って!」

 

「い、いや……逃げ回っていただけですし……」

 

 

 

死に物狂いで、鮮やかさなんてどこにもない無様な戦いだった気がする。

 

それでも、感謝している娘に神様を守ったあの出来事を褒めて貰えることが嬉しくて、つい頬が緩んでしまう。

 

至近距離にあるシルさんの瞳は少し潤んでいて、頬が染まっているのを見ていると何か妙な勘違いをしてしまう――、そういえば、僕はこの人にキスをされていたんだった……。

 

 

 

「そんな事ありません……実は私も、少しお見かけして――、」

 

 

 

一度目蓋を閉じながらそんな事を言っているシルさんは、少し背伸びをするように此方へ顔を近づけてきた。

 

あれ、何か既視感が……と感じる間もなく、両手で顔を挟まれて僕の唇が柔らかい触感に包み込まれた。

 

 

 

「んぅう!?」

 

「――、んっ、ふふ……♪」

 

 

 

目を閉じて、味わうように舌で舌を絡めてくるシルさん。

 

前回が初めてって言ってたし今回は2回目?だとしたら何故こんなに手慣れた舌と唇の動きが可能なのか。

 

こんなの、もはや愛情表現を越えた一種の性交の域である。

 

流し込まれる唾液の味は甘美で、こちらがだらしなく垂らす唾を余すこと無く舌でべろりと舐め取られていく。

 

彼女の女性としての本能がそうさせるのか、隠れた才能なのか。

 

 

 

普段の清楚な印象とのギャップが強すぎて、混乱するしか無い。

 

僕の舌を強く吸うことで口から外に出され、だらしなく伸ばした僕の舌をぷるんとした唇に包まれる。

 

下品にも映るほど窄めた唇と内頬でにゅぽにゅぽと顔を前後して愛撫されると、まるで彼女の膣に侵入させて抽送させている錯覚に陥る。

 

 

 

――私の中でも、こんな風に愛してあげますからね?

 

 

 

深い愛情と情欲を感じるキスから、彼女のそんな思考を感じる。

 

シルさんとのキスだけで股間は痛い程勃起して、ズボンを破ってしまうんじゃないかと思った。

 

――というよりも、このままじゃ……!

 

こちらの生気を吸っているんじゃないかというくらいジュルジュルと音を立てて舌を吸われた瞬間、股間に不味い衝撃が走った。

 

 

 

「――っ!?――!、!!!!……ぅっ、――」

 

「♥♥♥」

 

 

 

最初に思ったのは「そんな馬鹿な」だった。

 

まさか、接吻で出してしまうなんて……。

 

しかし下着の中でドクンドクンと脈打ち、ぐちゃりとした冷たい不快な感触が広がっていく。

 

口を吸われながら、僕が最後までズボンの中を汚し終わってからようやくキスから開放された。

 

 

 

「ぷはぁ!、あっあの!これはその……」

 

「♪、我慢が出来ませんでした。それに――」

 

 

 

間違いなく軽蔑されるに違いないと思っていたが、射精したばかりでドゲザの姿勢の僕の耳元に熱い吐息がかけられる。

 

 

 

「私、見惚れちゃいました」

 

「……ぇっ?」

 

「気持ちよさそうなベルさん、とっても素敵です。――下着は私の部屋に替えがありますので、そちらを使って下さい。……鍵と部屋の番号は大丈夫ですよね?」

 

「」

 

「お店の手伝いしてきます、また後で……ベルさん!」

 

 

 

もう言葉も出ない。そしてこれも以前あった事……この人には何度固められる羽目になるんだろうか。

 

彼女が恥じらうようにお盆で口元を隠して、頬を染めながら階段を降りていくのを見て「今更何を恥じるのか」と思わずには居られなかった。

 

――からかうにしては、流石に変だよね……。

 

勘違いとするには、彼女の性格からして判断材料が足りなかった。

 

 

 

初めて入るシルさんの薄暗い部屋の中をあまりジロジロ見ないように務めて中に入ると、ベッドの上に男性用の下着が綺麗に畳まれていた。

 

まるで用意されていた様なその準備の良さに、彼女の底知れなさを実感した。

 

 

 

着替えを終えて戻った時、神様の寝言が聞こえて部屋へ飛び込んだ。

 

良かった、目が覚めたんだ……!

 

 

 

 

 

 

「びっくりしましたよ、いきなり倒れちゃったから……」

 

「いやぁ、流石に疲れが出たらしいね。ゴメンね、心配かけて」

 

 

 

見る限り顔色も良く、本当に疲れていただけみたいだ。

 

怪我もかすり傷程度だし、僕でも神様を守れたと少し誇らしくなる。

 

 

 

「シルさん達に聞いたんですが、あの怪物(シルバーバック)以外のモンスターも全部倒されたそうです。――アイズ・ヴァレンシュタインさんも活躍したそうですよ」

 

「……へぇ、そうかい」

 

「ところで、神様」

 

「?」

 

 

 

若干神様が不機嫌になったようにも見えるけど、それよりも気になることがあり僕は懐からあの武器――「ヘスティア・ナイフ」を取り出した。

 

 

 

「このナイフ、どうしたんですか?鞘に『Hφαιστοs(ヘファイストス)』って……あの」

 

 

 

取り出した鞘には、戦闘中には気付かなかった鍛冶師ギルドの証――見覚えのあるロゴが刻まれていた。

 

 

 

「あの【ヘファイストス】さ!正真正銘のねっ」

 

「――、」

 

「知ってたよ。キミがヘファイストスの店の窓にいつも顔を貼り付けていたのを」

 

 

 

知られていたのか。

 

こんな武器が僕にもあればと、何度あの鍛冶ファミリアの武器を眺めていたことか。

 

 

 

「キミの欲しがっていたモノとは、ちょっと違うかもしれないけど……でもこれ、世界に一つしか無いんだ。凄いだろ?」

 

 

 

そんな、子供の自慢を語るように神様は誇らしく語る。

 

 

 

「ボク、見ているだけは嫌だったんだ。養われるだけじゃ、助けられてばっかりじゃあ……嫌だったんだよ」

 

「……でもお金は?ヘファイストス・ファミリアの武器は凄く高くて……!」

 

 

 

そう、あの鍛冶師ギルドが出す1級品の数々は、到底手が届く値段で提供されていない。

 

 

 

「話は付けてきた!強くなりたいんだろう?言ったじゃないか、手を貸すって。これぐらいのお節介はさせてくれよ♪――誰より何よりも、ボクはキミのチカラになりたいんだよ」

 

「――っ、――」

 

 

 

涙が、止まらなかった。

 

熱を持った大粒の雨が、頬を大量に流れていく。

 

僕の不安を、自己嫌悪を、葛藤という泥を洗い流していくように……そして――

 

 

 

 

 

 

「ボクはキミの事が、好きだから!」

 

「――ひっ、……っく、かみっさま……神様ぁ!」

 

 

 

 

 

 

そんな曇り無い笑顔が、僕の淀んだ心を照らしてくれていた。

 

思わず、神様に抱きつく。

 

母のように、神様は僕を優しく抱き留める。

 

 

 

「いつだって頼ってくれよ……ボクはキミの『かみさま』なんだから」

 

 

 

そうして最後まで、僕は神様の腕の中で泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

 

 

 

 

 

「ところでベル君、なんか臭わないかい?」

 

「え、そうですか……?僕にはわかりませんけど……」

 

「んー、というかキミの方から臭いが?――何かポケットから出ているよ、べる…く……ん」

 

「っっっっっっっ!!!!!!」

 

「これはキミの下着だよね……なんでポケットに……しかもなんかカピカピしてるし……生臭い……」

 

「神様、これにはワケが……」

 

「ちょっと失礼、ベル君。服をめくらせてもら――なんだい、コレは」

 

「ですから、その」

 

「ほほぉ、理由があるならしっかり聞こうじゃないか。下着をカピカピにさせて、かつ見覚えのない替えの下着を履いているというこの状況について」

 

「…………」

 

「ベル君?」

 

「……、はい」

 

 

 

「この、……ぅう浮気者ぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

 

「うわぁぁああああ!!許してくださぁああああああいいい!!!!」

 

 

 

 

 

ooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo

 

 

 

「……あーあ、これじゃあ今夜もお預け……ま(・)た(・)、(・)遊(・)び(・)ま(・)し(・)ょ(・)う(・)ね(・)。(・)ベ(・)ル(・)さ(・)ん(・)」

 

 

 




もっとアレンジを加えたかったですが、アクションシーンなんて書いてもつまらないと思いますし、今回のダイジェスト部分も多少クサい表現が目立つので不快だった方がいらっしゃるかもしれませんね。

ただなるべく原作の流れにアレンジを加える方針ですので、どうしても今回の様な展開は起こります。

言い訳がましくなりましたが、真面目な文章も格好良く書けるよう精進します。



次回の章からまた新しい展開になり、ヒロインとの絡みも比じゃないくらい増えそうですので投稿間隔が空くかもしれません……忘れられない様にがんばりますので、気長にお待ちくださいませ。

それでは、次回の更新も是非宜しくお願い致します。
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