ベル・クラネルがモテ過ぎるのは間違っているだろうか 作:ぽちょむきん
今回、見直しが足りてないので後で修正するかもしれません。
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「……で、今日はドコに行くんですか?」
「フフ♪あそこ!」
「――、?」
待ち合わせをしてから一悶着……というか大事件があった後に、少し歩いた辺りで僕はエイナさんに行くあてを尋ねた。
というよりも、今日は「僕の買い物」としか聞いていない。
エイナさんが楽しそうに指し示す先は、天高くまでそびえ立つオラリオの中で最も目立つ建造物。
ダンジョンの真上に位置し、「蓋」の役目を担いつつも、神々が会議の席を設けたり冒険者が利用する数々の施設で構成されるそれは――
「……『
「そ♪『ヘファイストス・ファミリア』のお店だよ」
「えっ、……えぇぇえええええええ!?!?」
ヘファイストス・ファミリアのお店がバベルにも存在する事自体初めて知ったけど……。
今日僕がする買い物が、毎日憧れの目で眺めるしか無かった商品を出す、あの有力ギルドの店舗だったとは思いも寄らなかった。
「そっそんな僕……ヘファイストス・ファミリアで買い物できる程の大金持ってないですよ!?」
手持ちはおよそ1万ヴァリス。
だんだん稼ぎは増えてきたけど、僕が自由に使えるほぼ全財産だ。
最低でも数十万ヴァリスの値がつくヘファイストス・ファミリアの商品なんて買えるわけもない。
「良いから行くよぉ?男の子なんだからグズグズ言わないっ」
「えぇ、エイナさぁん!」
手に指を絡ませて、元気よく歩き出すエイナさん。
引っ張られながら僕は不安を背負いながらも、柔らかくひんやりとした指の感触にドギマギする。
「やっほーい、ソレいけー♪」
繋いだ手をぶんぶん振って、軽やかな足取りで天まで伸びる塔に向かっていく。
終始、エイナさんは楽しそうだった……。
********迷宮都市オラリオ~
ベル君と手を繋ぎながら昇降機を昇っていたけど、目的の階まで途中でふと思い立って降りてみる。
ここは4階から8階までに存在するヘファイストス・ファミリア支店のうち、下の階みたいだ。
よりダンジョンへ近いこの階にあるのは、1級品ばかりでベル君のお財布にはちょっと厳しいと思うけど、いつかお世話になるかもしれないし、場所や商品のレベルだけでも知っておいてもらおう。
ベル君は降りてから、辺りをキョロキョロして豪華な商品の陳列に驚いてる様子だった。
「知りませんでした。……バベルにこんな店があったなんて」
「お目当ては上の階なんだけど、ここもヘファイストス・ファミリアのお店だから、ちょっと寄って行こっか」
「……、」
二人で中を歩いている最中、色んな武具を見ていたベル君は1つの商品の前に張り付いてしまった。
その拍子に繋いだ手も離れてしまい、ちょっと寂しくなる。
――、やめとけば良かったかな……なんてね、
「っ、ぅええええ!?!?さ、3000万ヴァリス!!!?」
あまりの値段に驚くベル君。未知の金額ではあるかもしれないけど、一級冒険者だとそのくらいは平気で消耗していくわよね……と、冷静になってしまう。
大きなリアクションをしてくれるベル君を見て微笑ましい気分になっていると、その品物を扱っているお店のドアが開いた。
そこから現れたのは私が一方的に知識として知っている、女神の一柱だった。
「いらっしゃいませー♪今日は何をお探しでしょうか、お客様ぁ?」
赤を貴重としたメイド服のような制服を身に纏っているのは、「ヘスティア・ファミリア」の主神である女神ヘスティアだった。
――バイトをしているって聞いてたけど、ここで働いてたのかしら。
「えっ」
「――、」
そして、愛想よく接客をしようとしていた神ヘスティアとベル君の視線がパチパチ、と数回ぶつかりようやくお互いを認識したみたいだ。
「ベル君!!」「神様!!」
「何やってるんですか、こんな所で!」
どうやら、ベル君には内緒のバイトみたい。
神ヘスティアはベル君よりも低身長だから、まるで仲の良い兄妹の諍いに見えて、つい頬が緩む。
――この方が、ベル君の家族。
「近頃やけに忙しそうだと思ってたら……バイトの掛け持ち!?」
「っ……、べべべべベル君こそどうしてココにぃ、――というか誰だいっこのハーフエルフ君は!!」
気まずそうに視線を泳がせる神ヘスティアの目が私を捉えて、ぷんぷんと抗議をしている。
親の立場である神からすれば、息子が見知らぬ女と歩いてるようなもの。
ここは、しっかり理性ある人物であることを女神には知っていただこう。
「あぁ、そうだ神様。この人が……」
「――初めまして、神ヘスティア。ギルド所属のエイナ・チュールです」
ベル君が紹介するよりも早く、頭を下げて名乗る。
務めて真面目に、受付でベル君以外の冒険者を相手にする時と同じような、職務モードの私で話す。
神に認めてもらうには、しっかりとした誠意を見せなくてはいけない。
「ベル・クラネル氏の迷宮探索アドバイザーを勤めさせて貰っています」
「へぇ、キミがぁ……」
「――?、はぁ……」
自己紹介の内容に問題は無かったはずで、今も私が案内役としてベル君に装備を選ぶ知恵を授けている様に伝わったと思ったけど……。
私の奥を見通す様なじとっとした目で神ヘスティアはこちらを見つめている。
そして内緒話をするように声を潜めて手招きをするので、私は女神の方へ耳を近づけた。
「時に、アドバイザー君?キミは自分の立場を利用して、ベル君に色目を使うなんてこと……してないだろうね?」
「――、っ」
なんと、女神が気にしているのはベル君に女の影を感じていたかららしい。
そしてそこに私服の私が側に居るものだから、
そして女神の予想は、見事的中している。
一瞬、公私混同は避けていると誤魔化そうか頭をよぎった。
……だが、私は正直に事実を伝えることにした。
何よりベル君との関係を、彼の大事な人へ否定する事に強い抵抗を感じたから。
「……はい、
「んんなっぁああ!?」
「ぇええ!!エイナさん!?」
神ヘスティアだけじゃなく、ベル君までも驚愕に叫んだ。
ベル君はどうやら隠すと思ってたみたいだけど、親に子との交際を認めてもらうんだもの。お姉さんの私が率先してあげないとね?
後ろめたいことなど、何もないんだから。
「勿論、今夜も彼と二人きりでたっぷりと
「ちょちょちょちょちょっっっっとぉおお!!エイナさぁあああん!!」
私は見開かれた女神の瞳を見つめて、しっかりとこれからの予定も伝える。
彼と誰にも隠すこと無く愛し合う、と。
……にしてもベル君ったら騒ぎ過ぎじゃない?恥ずかしい事言ってるみたいじゃない。
まぁ、言ってるんだけどね?
私の言葉の
黒髪のツインテールがユラユラと蠢いてるけど、あれって動かせるのかな。
「そうかい、そうかい……キミがベル君と……ボクのベル君の、ベル君を……」
「……あの、神様?」
ただならぬ雰囲気を醸し出す女神に、恐る恐るベル君が様子を伺う。
ベル君はたった一人の眷属だろうからまぁこうなるかな、とは思っていた。
どうやら年下の恋人を得るのは、一苦労しそうだ。
「……ぅうう許さぁああああああああんんん!!!!」
「きゃっ」
ビーーーンッとツインテールを逆立てて、女神が噴火した。否、憤慨した。
あまりの大声にびっくりしてしまった。
拳を握り、もう片方の指を渡しに突きつけて女神は捲し立てる。
「キミはどうやら越えてはならない一線を越えたみたいだね!良いだろう、このボク自ら神の鉄槌を……」
「か、神様ぁ!何言ってるんですか、落ち着いて」
「キミも同罪だぁ!!ベル君の浮気者ぉおお!!」
「っうぇええ!?」
「あ、あはは……」
どうやら、ヘスティア・ファミリアでは眷属の不純異性交遊に関しては厳しいみたいだ。
そして当人であるベル君にも怒りの矛先は向けられ、断罪が決まったらしい。
でも怒ってる姿が癇癪を起こしてる子供みたいでやはり微笑ましくなってしまう。
兄を取られた妹が、我儘を言ってるみたいで可愛らしい……神に対して不敬とは思うけど。
ベル君が神ヘスティアを宥めようとしている所、女神が出てきた扉からヘファイストス・ファミリアの鍛冶師と見える女性が出てきた。
極東特有の袴姿に、髪を後ろに括っている姿はまさに職人らしい格好である。
「ちょっとーバイト女神様ぁ、暇ならこっちの陳列手伝って下さーい」
「待ち給え鍛冶師君!ボクはこの淫乱ハーフエルフ君に裁きを下さないといけないんだぁ!!」
「い、淫乱……」
あまりの言い様に引きつった笑いが出た。
愛しの子供をキズモノ(普通は逆だろうけど)にされて、怒り心頭のご様子である。
鍛冶師の女性は、一瞬こちらを見て「はああぁ」と大きめのため息を吐き出す。
「ハイハイ、こんな清純そうな人に淫乱なんて失礼っすよー。いやぁ、すみませんねぇこの女神様、ココ来たばっかりなもんで」
「はぁ……」
「こっちでしっかり言いつけますんで、どうぞごゆっくりご覧になって下さいな」
「ちょっと待つんだ!まだ話は終わってなぁああい、終わらせないんだぁ!!」
「はい、バイト女神様はこっちねー」
「離せっ離すんだ鍛冶師君!!ベぇえルくぅうん!!、帰ったらお仕置きだぁあああああああああ!!」
ベル君にとって不吉な捨て台詞を叫びながら、女神は店内に連行されていった。
なんというか、とても愉快な神だと思った。
あれがベル君の明るさの源になっているのかもしれない。
騒がしかった通路はシンと静まり、再び私とベル君だけになる。
いい加減、目的の場所に向かった方が良さそうだ。
「……上、行こっか」
「……はい」
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「変わった神様、だね?」
「…………」
一悶着あってから、私とベル君はさらに上の階へ昇っていた。
神様の話題を振ると恥ずかしいのか、気まずそうに笑っていた。
「はい、到着」
そうして、目的地である階に到着した。
そこは先程の
全体的に薄暗く、所狭しと鍛冶師達が自分の作った作品を並べては、やってくる冒険者達に売り込んでいる。
「ベル君は、ヘファイストス・ファミリアみたいな高級ブランド、『自分には縁がない物』って思ってるでしょ?」
「……、はい……」
「実は、そうでもないんだなぁ」
ベル君はとても謙虚な子だ。そこが魅力でもあるが、上を見上げるばかりで視野が狭くなっている。
私は彼に新しい知識を教えてあげるのが楽しくて、鼻歌交じりに先を歩く。
そして、彼の得物であるナイフが置かれている場所で止まった。
ベル君へ、その値段を見るよう促す。そこにあるのは「1200ヴァリス」の文字。
「ほら、見てみて」
「ぁ、あれ……、そんなに高くない?」
「♪、驚いた?」
彼のお財布事情は何となく察している。
きっと数万ヴァリスの装備も十分に買えないのだろうが、そこは駆け出し冒険者なのだからしょうがない。
だがここにあるのは、そんな彼が1日で稼げる程度の金額が載っている。
「ここにあるのは、新米の鍛冶師の作品だからねぇ。安くても実際に売られて評価を受けることが、駆け出しの彼等にはプラスになるの」
そう、駆け出しで困っているのは冒険者だけではない。
鍛冶師にとって、その冒険者達に商品を売り込むきっかけが欲しいのもまた事実なのだ。
いくら高い品質を誇っても、それを知るための評判が無ければ誰も手に取らないのだから。
「中には掘り出し物もあったりするんだよぉ?……さ、行こ♪」
ベル君と共に、武器や防具が更に陳列されてる方へ進む。
様々な剣や槍、ナイフや盾が並んでおり、それぞれには銘を入れれない代わりに製作者の名前が入ったプレートがかかっている。
「――、へぇ……――ははっ」
「……ふふっ」
まるで玩具屋にやってきた子供の様に目をキラキラさせるベル君。
隣りにいる私も、デートというより引率のお姉さんな気分になってつい一緒に笑ってしまう。
「奥の方も見てきますねっ」
「あぁ、ベル君っ」
もう待ちきれない、という顔をして元気に走り去ってしまった。
どこか甘い最初の空気は飛んでしまったな、という残念な思いと彼を楽しませることに成功して良かったと安心している自分がいる。
恋人気分でのお買い物は、どうやらまたの機会になりそうだ。
「――、もぉ……」
では私も、あの無鉄砲な所がある男の子が怪我をしないようなお手頃の防具を探すとしよう。
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バベルに武器商店がある事自体初めて知ったのに、さらにその上にこんな所もあるなんて……。
ここに並んであるものは、確かに先程みた超一級品には及ばないかもしれない。
だがどれも十分自分には価値のある品で、しかも値段が僕でも手が出せる範囲だ。
「わぁ……。へぇ……――、っ?」
見てるだけで楽しい。
見ると防具も安い値段で提供されているみたいだ。
色々な商品を見て回っていると、箱から見える白い防具が目に留まった。
「――、――……」
手に取ると、まず感じたのはその軽さだった。
そして、薄そうにも見えるその材質は恐らく【メタル・ラビット】の素材を使用したのだろう。
軽く、そして硬い。素早くダンジョンを駆ける兎モンスターの動きを阻害しないように、ある程度のしなやかさもあった。
白い輝きに、赤いラインが刻まれたデザインに、何か愛着が湧いていく。
胸当ての裏側を覗くと、そこに製作者のサインがあった。
「【ヴェルフ・クロッゾ】……」
それが、その白き鎧【兎鎧MK-Ⅱ】を造った者の名だった。
「値段は、と……――っげ!?9900ヴァリス……」
――手持ちほぼ全部……でも、
と悩んでいた所で、不意に視界が塞がって柔らかい感触が瞼を覆う。
「だ~れだ♪」
「ぇ、あのっエイナさん、前が見えない……」
「はい、正解っご褒美のキスだよ?――んっ……」
視界が開放され、両手で顔を引き寄せられた先にはエイナさんの笑顔が目の前にあった。
かぶり付くように唇を奪われるが、ここが商店の中であることに羞恥心が勝ってすぐに顔を離す。
「ぷはっだ、誰かに見られちゃいますって!」
「大丈夫♪この辺りは今、私達しかいないよ。もう一回する?」
「そ、それは……じゃなくて!」
キスが嫌では無く、むしろ心地よいと感想を述べてしまいそうになる。
気を抜くと毎回すぐエイナさんのペースに乗せられてしまう。
「ふふっ♪ゴメンゴメン。ベル君、あっちに良いの見つけた、……あれ?」
「――っエイナさん、僕これにします!」
僕は、話題を変えるため手に持っていた兎鎧MK-Ⅱの胸当てをエイナさんに見せる。
すぐにエイナさんは、この防具の性能をおおかた察し、ため息をついた。
「はぁ……ベル君ってほんっと軽装が好きなんだねぇ」
「す、すいません……」
僕の長所はこの
エイナさんが僕の防御力を心配するのはわかるけど、どうしてもこれに関しては中々変われそうにない。
「良いよ、ベル君が使うんだもんね。キミが『コレ』って決めたんなら、それで良いと思う」
「――、ありがとうございます!」
「で、明日もダンジョンに行くの?」
「はい!!」
「出来れば、パーティも組んで欲しいんだけどねぇ……せめて、サポーターを雇うとか」
サポーター、アイテムの運搬や魔石の回収などダンジョン探索の補助をしてくれる人達の事だ。
「サポーター、ですか」
「うん。何かと効率も上がると思うよ?君がその気なら探してみるけど」
確かに最近の稼ぎであればサポーターを雇う余裕もあるし、むしろ戦闘に専念することで効率はエイナさんの言うとおり上がるはずだ。
だが、今まで仲間と一緒に探索など経験が無いので、不安もまだある。
「……ちょっと、考えてみます」
********迷宮都市オラリオ~西のとある宿~********
エイナさんと入った宿は宿泊から休憩まで幅広く対応しているそれなりの値段がする宿だった。
利用代金は前払いで、僕も払うと言ったのだが「今度、ベル君が連れてきてくれた時にね」とウィンクされやんわりと断られてしまった。
渡された鍵と同じ番号の部屋まで、手を繋いで入ったが僕達は途中から無言だった。
そしてダブルサイズのベッドに寄り添って座り、繋いだ手だけがトクントクンと音を刻んでいた。
「――、じゃあ……しよっか」
小首をかしげ、沈黙を破ったのはエイナさんだった。
ぎゅっと握られる指の感触が、なんだかこそばゆい。
「……は、はい……あの、宜しくお願いします……」
「こ、こちらこそ……」
初めてエイナさんと繋がった時を思い出し、顔が熱くなるのを感じながら俯いてしまう。
つられてなのか、エイナさんの顔も尖った耳まで真っ赤だ。
「うふふ、なんか変だね。もう何回もシてるのに」
「ぅう……」
「もうっベル君が恥ずかしがるから、私がいやらしい女みたいじゃない」
そう、エイナさんとこういった事に及ぶのはもう何度もあった。
でも慣れるかどうかは別問題で、どうしても恥ずかしくなってしまう。
求めてもらう嬉しさ、綺麗な女性に甘えたくなる欲求、そんな節操のない自分への羞恥がごちゃごちゃになる。
「そんな事思ってませんよぉ!」
「えぇー、……でも、ベル君。私なんか押し倒してくるか説教するかの女で鬱陶しくないの?」
「そ、そんなっエイナさんは……僕にとって……」
どれだけ僕がエイナさんに助けられていることか。
必死に伝えようとする僕を、エイナさんは微笑ましい物を見る目で優しく見つめてくる。
「なぁに?」
「え、えっと……」
僕は、正直にいつも思っていることを溢し始める。
「いつも、僕みたいな頼りない冒険者に親身になって接してくれて……エイナさんのアドバイスが無ければ危なかった日はたくさんありました……」
「そうだよぉ。私がどれだけ心臓に悪い日を送っていることか、反省しなさいっ」
「あうっ」
途中で小突かれてしまった。
でも、伝えたいことはまだその先にある。
「……でも、今日だって僕がダンジョンで無事に探索できる知恵を教えてもらえました。バベルの新人鍛冶師の売り物なんて、僕一人じゃ辿りつきませんでした。――、エイナさんには感謝してばかりです」
「ふふ、どういたしまして」
「僕、これからもエイナさんに案内役……お願いしたいです」
「……うん、任せて。ベル君が立派な冒険者になる、手助け……私も、してあげたいな」
唇が触れるか触れないかぐらいの距離まで顔が近づき、お互いの息遣いが伝わる。
「ベル君……」
エイナさんの長い睫毛の奥でグリーンの瞳が潤んでいる。
固く握られていたお互いの手は、段々僕達の身体を触り合う動きになる。
「……脱がせて欲しいな。その為に……今日着る服、選んだんだよ?」
「っ――、エイ、ナさん……その、失礼します……」
少し躊躇するが、ゆっくりとエイナさんのブラウス、そしてその中にある下着に対面する。
薄紫の下着は、朝触った感触の通り大事な部分の布が無く、全体的に透けている。
たわわな胸の膨らみの先端にある、ピンクの突起と股間の茂みや少し唇が開いた秘裂も全て見えてしまっている。
「どう、かな……やっぱおかしいよね、その下着……」
「いえっその……凄く綺麗です!」
「ありがとう、でもその言葉は待ち合わせの時に聞きたかったなぁ」
「――、すっすいません……」
エイナさんに苦笑いをされてしまった。
だが少しくだけた雰囲気が出たおかげで、緊張が解れる。
すると、一つ大事なことを思い出した。
「あ、あのっエイナさん……いつも、その……エイナさんって……」
「うん?――ああ、今日は避妊してないよ?」
「そ、それなら……」
「いつも思ってたんだぁ。君がくれるモノを薬で拒むなんて、なんか嫌だなって」
「……エイナさん」
全てを受け止めてくれそうな笑顔のエイナさん。
僕の顔を両手で包み込んで、彼女は僕に優しく語りかける。
「ベル君、――私ね、産むなら君との子供が良いな。……駄目?」
「……っ、――」
真剣な想いが目から伝わる。
――僕との子供、エイナさんとの……
「僕……こんな事考えていたら嫌われるって思って……黙ってました」
「……なぁに?」
「エイナさんに、僕の子供……産んでもらいたいです」
「――、――」
エイナさんの目に溜まった涙が一筋、頬を伝う。
温かい涙を流しながら、彼女は満面の笑顔を見せた。
「――うん、良いよ。私の
「っエイナさん!」
覆いかぶさるように抱きつき、エイナさんの胸に顔を埋める。
柔らかい肌の中で甘い匂いを吸いながら、小さい子供のように甘える。
「きゃっ慌てないで……私は逃げたりしないよ?」
「す、すいませんっ」
つい慌てる気持ちを抑えて、僕は姿勢を正す。
そして、痛いほど腫れ上がってる僕の性器を、エイナさんの入り口に宛がう。
だが、狭い穴がどこにあるのか伝わってくる感触ではわからず、ニュルッと滑ってしまう。
「そういえばいつも私から挿れてたもんね。……うん、そこだよ。きて……」
エイナさんが僕のモノをそっと触り、正しい場所へと導いてくれた。
ぐにゅっと一回侵入を始めれば、どんどん奥まで進み一気に根本まで迎え入れられた。
エイナさんの中で包まれ、先端に当たる感触が子宮口なのだと思うと更に胸が高鳴った。
「んっ今日は一段と、大きいね……それに硬い……」
回された手がスリスリと背中を擦る。
正常位で繋がった僕は、エイナさんの胸に舌を這わせながら腰を振った。
いつもエイナさんが乗ってするように、今は僕が自分自身を彼女にぶつけていた。
「あっあ、凄い!ベル君、私の中っベル君でいっぱい!」
ぎゅうぎゅうに締まる膣肉。
じゅぷじゅぷと溢れる泉を掻き出しながら、エイナさんの中をひたすら擦る。
「んあっあああ!!あ、あっああん!どうしよう、私っ本当にぃ、いやらしい女にされちゃうよっベルくぅん!」
普段、真面目にアドバイスをくれたり、時には厳しく叱るエイナさんが今、僕に貫かれて舌をだらしなく垂らしながら喘いでいる。
そんな 僕しか知らない淫らなエイナさんを見てると熱い気持ちが湧いて、尖った耳の中に舌を差し込み優しく囁いた。
「エイナさん……、『大好き』です……」
「――っ!!ぁ、なんで、今っ――!!」
すると、目を見開いたエイナさんは僕の頭を抱きしめて、腰には長い足がしがみ付くように絡んだ。
声にならない叫びを上げながら、彼女の中がぎゅうぎゅうと一層締め付けてきた。
「あっうそ!やだやだ、……ゴメン、ベル君!私もう――!!」
きっと、滅多に見せないエイナさんが「達する」所なのかもしれない。
彼女の奥を擦りながら、ピンと勃った乳首を思い切り吸う。
「ぁぁああああああ!!」
そして、エイナさんは全身で僕にしがみつき、獣のように吠えた。
プシっと温かい液体が股間にかけられても、少し入り口が降りてきたように感じる子宮口へ先端をグリグリ押し付ける。
エイナさんの息が落ち着くまで、繋がりながらそうしているとじっとりとした半目で睨んでいる彼女と目が合った。
「もう、ベル君ったら。そういうのはここぞという時に使うのっ安売り禁止!」
「ぅ、すいません……」
「それにベル君はまだでしょ、好きなだけ出してね……?」
「エイナさん、僕っ……!」
今度は両手を恋人のように絡ませて、目を合わせながら腰を振る。
痛みを感じるかもしれない強さでエイナさんの腰へ叩きつけて、パンッパンと音が響く。
「あっああ!!激しい、ベル君!」
「エイナさん、エイナさん!もう僕、我慢がっ」
歯を食いしばって、出来るだけエイナさんの中を擦れるように射精を我慢していたがそろそろ限界だ。
「貴方の中に出したい」と目だけで訴える。
「我慢しないで、出して!ベル君の熱いので、妊娠させて!キミので受精したいの!!」
「っ、――!!」
「――!!ぁあああああ!!」
最後の瞬間、エイナさんの胸の谷間に倒れ込み、むせ返るような女性の匂いに包まれながら射精した。
まるで睾丸が脈動してるのかと思うくらいに彼女の奥まで注がれていく。
「ああ……すごいよ……あついぃ、ドクンドクンって言ってるね……」
「すいません、まだ……」
「ふふ♪良いよ、全部出していってね?」
結局、射精が収まったのはそこから少し経ってからだった。
その間はずっと抱き合いながらキスをし続けて、離れた瞬間に結合部から大量にごぽっと白い液体が溢れる。
「わ、たくさん出したねぇ。ドロっとして、なんか溶き卵みたいだよ。ベル君」
「は、恥ずかしいですよ……」
指でこぼれた精液を弄ぶように見せられると粗相を見られた気分になって恥ずかしい。
口に運びながら、穏やかな表情になったエイナさんは僕の胸板に頭を預けながらぽつぽつと呟いた。
「あのね、ベル君。ハーフエルフって、純血の
「……エイナさん?」
「――だから、ね」
少し照れ臭そうに彼女は僕のモノを撫でながら、
「ここにあるベル君ので、今日確実に
「――、!!エイナさんっ」
「あん♪待ってまださっきの余韻が……ぁああ!大きいよぉ!!」
「エイナさん、頑張ります!僕の子供、産んで下さい!!」
「ぅあ、うん!お願いっキミの子供、ああん!!っ、産ませて!私の子宮っ全部、ベル君が奪ってぇ!!」
夢中になって腰を振る。
お互いの汁でドロドロになっても構わずに絡み合った。
エイナさんの中へ何度も欲望を吐き出していると、いつの間にか僕の意識は白く濁っていった。
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――そこは、白い世界だった。
浮いてるような感覚で、事実僕の意識は浮遊している。
目の前には、産まれたままの姿のエイナさんも居た。
彼女もふわふわと浮かびながら、幸せそうに微笑んでいる。
ふと、いつの間にか僕は何かを抱えていた。
白い、兎。
それは雪のように真っ白な子兎だった。
子兎は僕の手元から離れ、漂うようにエイナさんの所へ辿り着く。
優しそうな笑顔でエイナさんは、両手を広げて子兎を抱き締める。
一瞬柔らかな光が子兎を包み、そのままエイナさんのお腹へ吸い込まれていった。
愛おしそうに兎が沈んでいったお腹を擦るエイナさんの笑顔を最後に、僕の意識は途切れていく。
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「――ル君、ベル君?寝ちゃった?」
「っ、エイナさん……」
「あ、起きた起きた。疲れちゃったのかな、お疲れ様ベル君♪」
「あの、僕どれくらい……」
どうやら、寝てしまったみたいだ。
エイナさんに抱き締められながら、まさか寝たまま彼女を放置してしまったのかと少し焦る。
「うーん、最後にシてから10分くらいかな?急にベル君、眠っちゃってたよ」
「そ、そうですか……す、すいません、こんな乗っかったままなんて、重いですよね!」
「ううん、ベル君と繋がったまま重みを感じてたから……支配されちゃったな、って思えて……嬉しかったよ」
「そういうもの、ですか……」
「そ♪もう流石にベル君
「ううっ……」
何度もエイナさんの中を擦り続けたモノは、くたくたになり硬さは失っている。
柔らかいまま彼女の膣にあやされている状態に気まずさを感じた。
「――、そうだ。よいしょ、と……ベル君、はいこれ」
「?……、これって……」
エイナさんは上体だけを起こして、布に包まれた何かを取り出した。
それは腕に装着するタイプのサポータ。
盾と用途を同じくする防具で、軽く動きも阻害しなさそうだ。
色が彼女の瞳と同じ、緑玉石色をしている。
「私からのプレゼント♪ちゃーんと、使ってあげてね?」
「ぇえ!?そ、そんな……貰えませんっ」
「――、貰って欲しいな……私じゃなくて、君自身のために」
「……ぇ、?」
これだって、きっと数千ヴァリスする筈なのに軽い気持ちで受け取る事は出来ない。
だが、エイナさんは哀しそうに目を伏せてしまった。
「本当にさ……冒険者は、いつ死ぬかわからないんだぁ……。戻って来なかった冒険者を、たくさん知ってる」
「……、」
僕が冒険者になる前から、エイナさんは他の冒険者を見届けていて、その中の「結末」も知っているのだろう。
「居なくならないで欲しいなぁ……ベル君には。――ベル君、だけには」
このグリーン・サポータは、そんな彼女の気持ちなのだろう。
ダンジョンへ共に着いては行けない者の、せめてもの想い。
「ぁはは!これじゃあやっぱり、私のためかな?」
そんな健気な応援を誤魔化すように笑うエイナさん。
「それに、頑張ってる君を見て……力になってあげたいなぁって思ったんだよ」
――僕は何度だってこの笑顔に背中を押されていたんだ。
「だから……ね、受け取って……?――ンッ……」
「――、――」
だんだん顔が近づき、啄むようなキス。
もはや恋人としか思えないやりとりに、僕達は二人して真っ赤になる。
これが、今の僕らの関係だ。
照れ合いながら愛を育み、無茶をする僕の背中を押してくれるエイナさん。
「っ、……ぁありがとう、ござぃます……」
「ど、どういたしまして……」
「あの、本当に……子供……」
「……うん、産むよ。ベル君との、赤ちゃん」
何の問題も無いと笑うエイナさん。
本当に、彼女は身籠った時迷わず僕の子供を産むのだろう。
お腹を擦りながら、慈愛を含む目で
「なんとなくだけどね、もうここに君との子がね……居る気がするの」
「……、」
「えへへ、気が早いよね……一回避妊しなかっただけなのに」
「……いえ、僕も実はそんな気がして……っあ」
「うん?……ふふっ」
何となく、僕もそんな予感がした。
エイナさんとの子供。
大人のお姉さんが、僕の遺伝子を分けた子供でお腹を大きくする……。
――あ、まずい……。
「大きく、なっちゃったね?」
「す、すいません……」
「私が妊娠したかも、って想像で興奮しちゃったの?もう、ベル君はエッチだねぇ」
「ぐぅうう、!!」
図星だった。
いつもは頼るばかりだった女性を妊娠させたのが僕だなんて、変な征服感が込み上げてしまう。
エイナさんは前髪を耳にかけて、再び大きくなっていく股間に顔を寄せていく。
「じっとしてて?こっちはまだヒリヒリするから、飲んで……あげるね」
「はぁっ……エイナさん…、……」
「ぁむ、じゅるっ……またこんなにカチカチ、男の子だね……じゅ、んむっ」
口を下品に凹ませて、卑猥な音を立てて顔を振る。
搾り取るような動きに、僕はあっという間に限界を迎えてしまう。
結局、エイナさんには叶わないなぁと天井を見上げながら独りごちた。
「ん、んくっ、んむ……んっんく……」
柔らかいエイナさんの髪を指で掬いながら、彼女の喉へ射精をする。
粘りけのあるそれを嫌がらずに嚥下する音を聞きながら、僕は窓から見える空が朱みを帯びているのを眺めていた。
濡れ場の影響でボリュームが……。しかもまた話が進んでませんね。
少しシーンをカットしようか悩みました。
次回はようやくリリルカが登場します。
ここから色々なヒロインと関係を持つ展開へと進み始めますので、楽しみにして頂いてる方はご期待ください。
今回は週末の仕事が忙しかったので遅れたのですが、次以降もこれまでよりは遅いかもしれません。
時間が出来たときに一気に書き貯めて定期更新が出来ないか頑張ってみます。
それでは、次回の更新も宜しくお願いします。