ベル・クラネルがモテ過ぎるのは間違っているだろうか 作:ぽちょむきん
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時刻は夕方。もうすぐ日が暮れる。
私こと【リュー・リオン】は食材の補充として買い出しの帰り道だった。
いつもの路地を歩いていると、階段の先で何やら騒ぎが聞こえてくる。
「このっ糞
「っ、!」
聞こえてきたのは怒鳴り声と金属音。
刃と刃がぶつかり合う、戦いの音だった。
私は気配を消して、踊り場の影から様子を伺う。
「ぐっ――、なんだテメェ。そいつの仲間か」
「ち、違……初対面です」
そこに居たのは、髪を後ろに括っている冒険者の男。得物は
そして相対するのは私の親友であるシルの想い人、クラネルさんだった。
因縁を付けているのは明らかに男の方で、クラネルさんは距離を離すと低姿勢で相手を落ち着かせようとしている。
――あれでは相手が付け上がりますね。
「……じゃあ何で庇う?」
「……えっ?」
私が感じた気配は3人だったが、どうにもやり取りをしているのは彼等二人だけ。
どこかに潜んでいるのか……でもその前に払わねばならぬ事がある様だ。
「……お、女の子だから?」
「ぁあ!?何言ってんだ糞ガキ!!」
「――止めなさい」
男が剣を抜いた所で静止をかけた。
くだらぬ怒りで彼に武器を抜くなど、器が知れている。
出で立ちからも、下級冒険者の中でも良くて中層一歩手前の実力が良い所だろうか。
買い物袋を片手にというのは些か格好が付かないですが、武器を収めてもらう分には問題ない。
「はぁ……、街中で剣を交えるなど、穏やかではありませんね」
クラネルさんは少し安堵した様な空気を出している。
そのあどけない顔には可愛げも感じるが、この様な男には増長させるきっかけにしかならない。
案の定、例の男は一瞬私の容姿を見て怯むが、所詮酒場の店員に過ぎないと侮られている様だ。
――多少、脅してしまうしか無さそうですね。
「あぁ?口出しすんじゃねぇ。とっとと失せろこの……」
「――吠えるな」
「っ!」
低俗な言葉で耳を穢される前に、一喝して男を黙らせる。
大方
私は下らぬ癇癪に交わす言葉など、持ち合わせていないのだから。
「手荒な真似はしたくありません。――私はいつもやり過ぎてしまう」
「――っ、クソ……」
少し威圧した辺りで男も分が悪いと判断したのか踵を返す。
見えなくなるまでその背を見送り、下で緊張から開放されため息を溢すクラネルさんへ歩み寄る。
「……はぁ、ありがとうございます。助かりました、リューさん」
「いえ、差し出がましい真似を……」
そういえば、彼の前で
あの程度で大人気なかったと今更に気まずくなってしまう。
クラネルさんに向けられた剣を見て、私もどうやら焦りが出てしまったのかもしれない。
「あ、そうだ……あの子は、――あれ、居ない……?」
「――、……」
クラネルさんは後ろを振り返り、誰かを探す素振りを見せる。
奥の物陰に別の気配を感じた私はそちらへ視線を移すが、もう気配は消えていた。
――妙な事になっているのかもしれませんね……。
「怖くて、逃げちゃったのかな……」
私が怪しい者を探しても良いが、確証もない上に今からでは夜陰も邪魔して時間がかかる。
それに、彼も小さい子供ではない。
あまり私のような日陰者が迂闊に手助けをする必要は無いだろう。
「……貴方が怪我をしたら、シルが悲しみます。気を付けて下さい」
「あ、あ……ハイッ」
「では、私はこれで」
「本当に、ありがとうございました!」
背中に彼の素直な謝辞を感じながら、私もその場を去る。
……シルは良い男性に巡り会えましたね。
********とある教会~『ヘスティア・ファミリア』ホーム~********
「――よしっ」
今朝も探索に出かけるため、朝早くに起きて準備をしていた。
昨日購入した兎鎧MK-Ⅱを身に纏い、左腕にエイナさんから貰ったグリーン・サポータを装着する。
姿見に映る自分を確認しながら、感触を確かめる。
守って貰っているような安心感に、早く探索へ向かいたくなる衝動に突き動かされそうだ。
「神様、じゃあ行ってきますね!」
「ふゅう……いってらっひゃぁい……ふみゅ……」
まだ神様は目覚めるには辛いらしく、ベッドでもぞもぞしながら返事が戻ってきた。
昨日も結局遅くまでバイトがあったらしく、帰って来てもすぐ寝てしまった様だ。
……神様を楽させるためにも、頑張らないと。
********迷宮都市オラリオ~中央広場~********
朝靄がかかる中央広場、そしてそこにそびえ立つ
僕の他にもこれから探索に向かう為、バベルに赴く冒険者達。
そしてその傍らに、巨大なバックパックを背負って随伴する人達が目に入った。
「サポーター、か……」
「お兄さん、お兄さんっ白い髪のお兄さん!」
真後ろからかかる声が、僕を呼んでいるのだと振り返ればそこには巨大なバックパックを背負った少女がこちらを見上げていた。
フードを被っていて雰囲気が少し違う気がするけど、その容姿には見覚えがあった。
「初めまして、お兄さん!突然ですが、サポーターを探していませんか?」
「ぁ、あれ?君は確か……」
顔をよく見てみるけど、やはり記憶にある少女と合致する。
昨日、冒険者の男性に斬られそうになっていた少女と同じ顔をしていた。
だがあの時の怯えたような表情と違い、とても明るい雰囲気に少し戸惑ってしまう。
「……?、混乱してるんですかぁ?でも今の状況は簡単ですよ。冒険者さんのお溢れに預かりたい貧乏なサポーターが、自分を売り込みに来ているんですっ」
「っ、そうじゃなくて……君昨日の、小人族の女の子だよね?」
「小人族?……リリは獣人――
だが彼女は徐ろに頭のフードを外して、その栗毛の上に昨日は無かった2つの耳をピョコン、と動かした。
「本当だ、小人族じゃない……」
「、ふぁあんっ……はわわぁ、お兄さぁんっ」
「あっゴメン!つい……人違いだったみたい」
他人の空似というやつかもしれない。
いくら僕でも、小人族と犬人は見間違えるとは思えないし。
落ち着いて話をするために、広場の噴水の縁へ二人で腰掛けていた。
「えっと……それでリリルカさんはどうして僕に声を?」
「はい。見たところお一人のようでしたし、冒険者さん自らバックパックを背負っていらっしゃったので恐らくは……、と」
「ぁ、……」
それで僕がサポーターを探しているんじゃないかと予想したのか。
僕もサポーターが居ればもっと探索が捗るかもと周りをキョロキョロしていたし、いつも一人で荷物も全部持参だった。
「それでどうですかお兄さんっサポーターは要りませんか?」
「えっとそれが……出来るなら欲しいかな、と丁度思ってた所で――」
「本当ですかぁ!なら、リリを連れて行ってくれませんか!?お兄さんっ……リリは貧乏で、手持ちのお金も心許なくて……」
食い気味で来られたので呆気にとられる。
そして今度は俯き気味に身の上のを語り始めてしまう。
コロコロと表情が変わる、感情豊かな女の子なんだなぁと感じた。
「それに、男性の方に……リリの
「――、っ!!」
僕はリリルカさんの耳を触っただけなんだけど、彼女の言い方だと何かとんでもない事をした気持ちになる。
まるで女性の純潔を奪ってしまったみたいで、顔が熱い。
断る理由も無い上に、非礼をした詫びも兼ねて僕は彼女の申し出を受けることにした。
「わ、わかりました……それじゃあひとまず今日1日、サポーターをお願いします」
「――、ありがとうございます!」
そうして両手を握り込みとても嬉しそうに笑う彼女を見てると、頼んで良かったのかもしれない。
********ダンジョン上層********
「――はぁっ!」
「ベル様お強い!」
【キラー・アント】の群れを難なく討伐するベルという白髪の男性。
私こと【リリルカ・アーデ】はまんまと彼のサポーターとして同行する事に成功し、「チャンス」を伺っていた。
今朝まで私の事を覚えてはいたみたいだが、やはりこの人も私の魔法【シンダー・エラ】を見破ることは出来なかったみたいだ。
「はぁ……リリが居てくれるおかげで、戦闘に専念できて助かるよ」
「いえいえ、これだけのモンスターをぜぇーんぶ一人で倒してしまったベル様の方が、ずぅーっと凄いです!」
適当に彼を褒めちぎって機嫌を取る。
だが実際これは事実でもあり、彼はその頼り無さそうな雰囲気とは裏腹に手慣れた動きを見せていた。
私の見立てでは、7階層程度ならソロで全く問題無い程の実力と捉えていた。
そして、私が最も気になるのは――
「まぁ、ベル様のお強さは武器による所も確かにあるのでしょうが」
「ああ、やっぱりそうだよね……僕もちょっとこのナイフに頼り過ぎかなって」
冒険者の癖に謙虚に言う彼が持つ漆黒のナイフ。
その刃が放つ輝きは上級冒険者が持つ物、あるいはそれ以上の「剣気」を放っていた。
モンスターをあれほど屠ってもなお刃毀れ一つしない業物。
だが、なぜ彼のような下級冒険者がそんな身の丈に合わない物を持っているのだろうか。
「……ベル様、そのナイフはどの様に手に入れたのですか?」
「あ、あぁ……僕のファミリアの神様に頂いたんだ」
成る程、主神が相当な親馬鹿らしい。
だが神縁りの品であの異様な武器……恐らく「ヘファイストス・ファミリア」が仕上げた武器だろう。
――数千万ヴァリスは下らない……!!
私は興奮が彼に伝わらない様に、地面に散らばる魔石を拾い始める。
「……そういえば、リリは?どこのファミリアに所属してるの?」
「――はい、ソーマ・ファミリアに」
「へぇ……そうなんだ」
務めて冷静に返答する。
見るからに世間の黒い部分を知らなそうな少年だ。反応からしてウチのファミリアがどれだけ下らない集団かも聞いてなさそうだ。
どうせ後で知られても、二度と彼に会うことなど無いだろうから……。
「それよりベル様、『コイツ』の魔石も取っちゃいませんか?胴の浅い所にあると思います。落ちてるのはリリが回収しときますから、今日はソレであがりましょ♪」
「あ、うん」
何の疑いもなしに渡したナイフを受け取り、壁から生えた状態のキラーアントの亡骸に向かう彼。
私が渡した物は、特殊な樹脂を塗って切れ味が最低レベルに落ちているナマクラだ。
案の定彼は「あ、あれ?」とマヌケに呟きながら、無防備に腰のナイフを晒している。
――、ごめんなさいベル様。これからはお人好しなのも大概にした方が良いですよ?
********迷宮都市オラリオ~冒険者ギルド~********
「うーん……ソーマ・ファミリアのサポーターかぁ」
「何か、あるんですか?」
僕はリリと別れた後、エイナさんに探索の報告をしに行った。
ダンジョンから戻るとリリは、今回の報酬の中で2割程度しか貰っていなかった。
「今日はお試しということで、これで十分です」なんて言って、少しの稼ぎを受け取ってそのままどこかへ走っていった。
あれだけ助けてもらったのに、なんだか悪いなぁ。
「彼等は探索が中心のファミリアで、少しだけお酒も売ってるの。そこまでは普通なんだけど……」
少し不安そうにエイナさんが語っている。
エイナさんはギルド職員だから、殆どのファミリアの事に詳しい。
「みんなどこか必死なんだよねぇ、死に物狂いっていうか。……それより、ベル君から見てどうなの?そのリリルカさんっていう子は」
「はいっとっても良い子でした!おかげで今日はたくさん稼げたんですっ」
リリのファミリアに対して、あまり良い印象は無いみたいだ。
なら彼女だけでもエイナさんに良い子だと知って貰いたくて、彼女の助力が大きかったことを伝える。
実際、今日はいつもより多く稼げたのだからリリが居てくれて感謝している。
「そっか。だったら私は反対しないよ?……それに、その子も狙ってるんでしょ?」
「……ぇえっ?」
「だってほら、また私の中で大きくして……スケベねベル君♪」
例の如く、僕はギルドの個室でエイナさんと繋がっている最中だった。
数回ほど彼女の中で果てて、膣の中はドロドロだ。
既に結合部から入り切らない精液がごぽっと溢れ、泡を立てながら淫臭を放っている。
「よぉし、じゃあリリルカさんに出す分が無くなるくらい、私が絞っちゃうね?」
「そ、そんなぁもう無理ですよぉ」
「こんなにおっきくして、嘘付かないのっああん♪硬ぁい……ちゃーんと、妊娠させてね?」
「あうぅ……」
その後、エイナさんのお尻や口も合わせて何度も絞られる。
僕が乱れた服を直す頃には、もう夕方になっていた。
「とにかく、後はベル君次第。最後は君が決めないとね」
「ありがとうございます!それじゃっ」
「――、ベル君?」
「っ、はい?」
僕はエントランスで見送ってくれるエイナさんに別れを告げて、ホームに帰ろうと思っていたら呼び止められた。
何か忘れ物でもしただろうか、エイナさんは僕の腰元を凝視している。
「ナイフは、どうしたの?」
「え、……あ、あれっ?あれ、あれ!?」
何の事かと思い、腰に手を回すが
いくら弄っても僕の腰元には、何も無かった。
血の気が引いていく。きっと青褪めている事だろう。
「ぉ、落としたぁぁあああああああああ!?」
********迷宮都市オラリオ~西の路地~********
今日も私は、親友のシルと共に買い出しの帰り道だった。
「豊穣の女主人」へ向かう途中、路地の向こうから一つの小さな人影が向かって来ている。
フードを目深に被り、俯いて気配を消し歩く姿は背丈からして小人族だろう。
特段気にする様な相手では無いが、持っている物が特異である。
――今、左手に得物を隠した。
だが、私はその者が隠した物を見逃さない。
すれ違いざま、私は背後に向かって呼び止める。
「――待ちなさい、そこの小人族」
「――ぅ、」
狼狽える気配が伝わってくる。
昨日の騒ぎの中見えなかった1つの気配といい、大体察しはつく。
今頃、「彼」は大事な物を失って困っている筈だ。
「袖に仕舞ったナイフ、それを見せて欲しい」
「……リュー?」
シルが不思議そうにこちらを伺うが、説明する時間は無い。
願わくば、この者が今潔く行為を改める事を祈ろう。
「知人の持ち物に似ていたので確認したい」
「ぁ、生憎ですが、コレは私の物です。貴女の、勘違いでしょう……」
……残念だ。
「――抜かせ。
「っ!!」
袖に仕込んだコインを振り向きざまに弾き、ナイフを落とさせる。
小人族の姿勢が崩れた拍子に、フードに隠された赤毛の少女が露わになった。
彼女は武器を拾うことも無く、路地の奥を走り抜ける。
「やはり奴が昨日の……」
「あれ、それベルさんの?」
漆黒のナイフを拾い上げて、彼が扱っていた得物と同じだと確信する。
ならば奴は昨日クラネルさんに目を付けて、早速犯行に及んだということだ。
「追います。シルは後から来て下さい」
「あ、ちょっとリュー!」
小人族の少女が走った先へ向かう。
それほど俊足でも無く、私の
路地を走り抜き追いついた先では、何故かクラネルさんと共に倒れ込んでる少女の姿。
そして、
「……
「リューさん、シルさんも……ぁ、そうだ!」
その頭には獣の耳、小人族ではなく獣人の少女である証があった。
人違い?いや、その筈は無いが証拠もない。
シルも後ろから追いついたようだが、どうしたものかと思案しているとクラネルさんが急に立ち上がる。
「二人共、上から下まで真っ黒なナイフを見かけませんでしたか!?、なっナイフが真っ黒!?」
「――、これですか?」
「!!っ……、――」
シルと視線を交わし、「ひとまず落ち着かせよう」と意思疎通をすると私は彼へ探し物を見せる。
それが彼の持ち物である事を認識すると、どんどん目が滲み号泣する寸前の様な顔になる。
これは主神からクラネルさんが賜った物と聞く。よっぽど焦っていたようだ。
「僕の、ナイフ……ふぁあああああ!!」
「!!!!」
「っひゃあ!?」
すると、彼は突然ナイフを持つ私の手ごと両手で
女神に拝んでいるかの如く、擦るように触られていると自分でも理解できないほど胸が高鳴った。
――何なんだろうか、この感情は。
私の手を包む彼の手に、空いた手をそっと添える。
「ありがとうございます!ほんっとうにありがとうございます!」
「ク、クラネルさん……」
「、あれ?リュー、さん?」
彼の手の甲から、私の指を差し込むように絡ませる。
手を握り合い涙で揺れる紅の瞳を見つめた。
ヒューマンに触れられるなど、本来は痛い目に遭って貰う所だ。
だが彼と触れ合うことがここまで心地よいなんて、もしかして私は――
「……リューぅうう?」
「――はっ!!」
真横に迫っていたシルのじっとりした視線で我に返った。
何ということだ、私は親友の想い人に対してこんな劣情を抱くなど……。
後ろめたさからクラネルさんとシルから顔を背けてしまう。
「その、困る。この様な事は私ではなく、シルに向けて貰わなくては……」
「……そう思うなら、早く手を離しなさいよっ」
絡めた手を顔を真っ赤にしたシルに引き剥がされるまで、何故か私は離すことが出来なかった。
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「――では、どうぞ」
「はぁ、良かったぁ……」
「――、」
エルフの女性が彼にナイフを手渡した瞬間、その刀身に一瞬輝きが宿る。
……やはりあの武器は一級品に見えるのに、何故質屋では30ヴァリスの値しか付かなかったのだろうか。
「神様、ごめんなさい。もう二度と落としたりしません!」
「……落とした?」
「っ、……」
話題が不味い方向に向かったので、三人に背を向ける。
あの女性達が少しでも自分に疑いを向ければ、私はお終いだ。
「はい、これ何処にありました?」
「あった、というより……一人の小人族が所持していました」
「小人族?」
……どうやら見逃すらしい。
沙汰は少年に任せるということだろうか。
なら、このお人好しならいくらでも誤魔化せそうだと少し安心して立ち上がった。
「では、私達はこれで」
「あ、ありがとうございました!」
女性達は去るみたいだ。
さてどうやって言い逃れようかと考えていると、
「――あんまりオイタしちゃ駄目よ?」
「っ!!」
背筋の凍るような、優しい声音で囁かれる。
今のはエルフの女性ではなく、もう片方の鈍色の髪をしたヒューマンの声だろうか。
まるで二度はない、と刃物を突き付けられたような最後通告。
……助かった、とは言い難い結末だ。
「……あぁ、けど丁度良かった。実はリリの事も探さなきゃと思ってて」
「っ、」
私を探していた?
やはりこの少年も、私を最初から信じていなかったのだろうか――
「えっと、リリ?明日も僕とダンジョンに潜ってくれるかな」
「…………」
……やはり、どこまでもお人好しみたいだ。
不思議にその少年の笑顔を見ていると、果たして私は彼を騙し続けることが出来るのか怪しく思えてきた。
だが、私には果たすべきことがある。
視点を変えて自分なりの解釈を入れたり、無理やりエイナとの絡みをねじ込みました。
今回でやっと4章の導入を終えた感じなので、ここから話が展開していきます。
リリルカがここからどの様になっていくかはご期待下さい。
いつも感想・ご意見や誤字修正、大変有難いです。
次回の更新も、是非宜しくお願い致します。