「響...なにして...んむっ!」
「暁、じっとしていて。すぐ済むから」
いつからだろう...私が姉にそういう気持ちを抱いたのは...
姉というには性格がどこか幼く、天然さんでおっちょこちょいな姉を、私は昔から大好きだった。
どこかほうっておけない危うさがあり、姉は私が守ると意気込んで常に戦場へ向かっている。それは今も変わらない。でもいつからか姉に対する好きという感情が、それまでとは別のものに変わっていってしまった...
最初に気付いたのはとある戦いの後、MVPを取り司令官に撫でられる暁を見て嫉妬を抱いた事だった。それまでもそういう事は何度かあったが、その時は特に何も思わないか、あるいは私も司令官に撫でて欲しいと暁に嫉妬していただけだった。でもあの戦いの時は違った。
「私も暁を撫でてあげたい」と"司令官に"嫉妬していたのだ。それからというもの暁を見る度に心臓が早鐘を打つようになってしまった...
「響、どうしたのよ?」
私に抱かれながらで暁が怯えたような声を出す
「なんでもないさ...これが暁の味なんだね...」
今すぐにでも心の中の感情をすべて吐き出してしまいたい衝動に駆られるが、すんでのところで思いとどまる
「今日の響、ちょっとおかしいわよ?」
身体を話すと暁が問いかけてくる
「そうだね...たしかに私は少しおかしくなっているのかもしれない...」
そう答えると暁が私を優しく抱きしめてきた
「だめじゃない、何かあるんだったらきちんと相談してくれないと。私だってお姉ちゃんなんだから頼ってくれないと寂しいわよ」
「暁...」
「落ち着いて私に話して?何があったの?」
もうだめだ...これ以上抑えていたら本当に爆発してしまう...そう思うが早いか私は一呼吸置いて淡々と話し始めた
「暁...よく聞いて」
「ええ」
「私は心配だった。おっちょこちょいでどこか抜けているある人の事が...」
「おっちょこちょいで抜けている...?ひどい言われようね」
そういいつつも暁は優しそうな表情で私の話を聞いてくれる
「でも最近は心配だけではない別の感情を抱くようになってしまった。その人のことが四六時中頭から離れないんだ...」
「な、なるほど」
暁は少し顔を赤くしながら頷く。その瞬間私は全てを打ち明けようと決めた
「私は気づいたんだ。その人が好きだ、と。一人しかいない私の大切な姉の事が好きなんだ、と」
「なるほど、私の大切な...姉...ええっ!?」
暁が驚いたように目を見開く
「暁...私はあなたの事が好きです。妹としてではなく、1人の女として、暁の事が好きです」
もうどうにでもなれ、と半ばやけになりながら暁に心の内をさらけ出す
「私の事が...?え...でもそれって...本気なの...?」
「嘘なわけないじゃないか。暁の事が好きなんだ」
「えぇ...うーん」
しばらくの沈黙の後、暁が意を決したように口を開く
「分かったわ。響の気持ちを伝えてもらった。私はそれに誠意を持って答える義務があるわ」
「暁...」
「正直な事を話すと私も響の事が気になってたの。妹なのに私よりも大人で、強くてかっこいい。半ば憧れみたいな感情だったわ。あなたが私のことを真剣に想ってくれるのなら、私もそれに応えたいの。響、私と付き合って」
「もちろんだよ、暁!あれ...なんでだろう...嬉しいはずなのに、やっぱりおかしいのかもしれないな」
暁の言葉に安堵したのか勝手に涙が溢れ出す
「響...」
暁はそんな私を優しく抱きしめてくれる
「暁」
「なぁに?」
「好きだよ」
「私もよ」
そのまま私達は幸せな眠りに落ちていったのだった...