※この作品はR-18です。

魔法科高校の問題児   作:もっち~!

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和也、暴走する*

---司波深雪---

 

いつもと違う目覚め…私の下には兄さんでは無く、お兄様がいる。

 

「お兄様、おはようございます♪」

 

「深雪…おはよう…」

 

お兄様は何かを考えているようだった。

 

「どうかされましたか?」

 

「和也のことだ…あいつは胸の内を読んでいるぞ」

 

何のことかわからない。何を言われたいのだろうか?

 

「どういうことですか?」

 

「俺はアイツの片割れだ…そのせいなのか、アイツの思うことが、わかることがある」

 

「あぁ、一卵性双生児ですと、不思議なことがあるそうですよね」

 

「後、深雪達は勘違いしている。和也の『癒やし』は相手の痛みや苦しみを消し去る能力では無い。相手の代わりに、和也が背負ってくれているんだ」

 

「背負っている?」

 

「そう…相手の心と同調して…痛みや苦しみを肩代わりしているんだ。だから、たまに昨日の様に、闇墜ちをすると凶暴性が現れてしまう」

 

闇墜ち…

 

「和也は、俺達と違うんだ…怒りの代わりに和也は闇墜ちし、本来の残虐性が顔を出す」

 

「本来?」

 

「和也は真夜様と母さん、俺と深雪の闇を肩代わりしてくれているんだ。それぞれ、何かを恨んでいた。それらの恨みは、和也の中で融合し濃縮されている」

 

「兄さんが優しいのは、演技?」

 

まさかなぁ…

 

「演技では無い。あれは和也の素の部分だ。まぁ、和也を刺激するな」

 

エリカさんを虐めたことが引き金か…

 

「後、俺を含めたみんなの胸の内も、和也は知っている」

 

「どういうことですか?」

 

秘めた思いを知られてしまったのかな…

 

「深雪、エリカ、七草先輩、水波…和也と一緒になる気は無いだろ?」

 

「お兄様…」

 

お兄様にも知られてしまっているのですね。だから、こうして…

 

「中身が幼稚園児だしな…たぶん、みんな、和也は弟枠だろう」

 

それは…

 

「真夜様は勘違いしている。和也は幼稚園児並の知性、道徳観では無いんだ。あいつは、聖域での知性、道徳観がある。もう俺達の想像の域を超えているぞ」

 

「えっ!」

 

あなどっていた訳では無かった。でも、言動、行動は幼稚園児そのもので…

 

「闇墜ちが発現したってことは、昨日までの和也と思うなよ」

 

お兄様は、何かに気づかれているようだった。

 

-------

 

兄さんに誘われて、屋敷の周囲を散歩している。いつもと変わらない、無邪気な兄さん。そんな兄さんに、油断していたのかもしれない。

 

屋敷の裏手にある森の中に足を踏み込んでいた。子供の頃、鬼ごっこ、かくれんぼなどした場所である。

 

「深雪…鬼ごっこしようか…僕が鬼になるよ♪」

 

兄さんの声がいつもと違った。危険を感じ、兄さんから逃げる。

 

「そうだ!もっと逃げろよ。僕は鬼だ!捕まえれば、愉しいことを一杯してあげるから」

 

来た道を戻っているはずだが、景色がまるで変わらない。屋敷が見えても良いはずなのに…

 

「きゃっ!」

 

足首を掴まれた。いや、蔦が伸びてきて、私の足首を捕らえたようだ。

 

『お兄様、助けて~!』

 

心で叫ぶ私。

 

「無駄だよ。兄ちゃんには届かない。結界を張ってあるから、結界の外からは見えないし♪」

 

全裸にされ、背中の後ろで腕と脛が縛られてしまった。

 

「じゃ、お医者さんごっこをしようか♪」

 

パチッ!

 

「痛い!」

 

乳首とクリを洗濯バサミで挟まれた。

 

「う~ん…味気ないなぁ…そうだ♪」

 

手足が解放された。だが、肘から先、膝から先がなくなっていた。

 

「4本足の生き物だよ、深雪は♪」

 

首には首輪を嵌められた。

 

「じゃ、兄ちゃんにしたことを、僕にもして♪」

 

お兄様との行為を見ていたのか?まさか…

 

「ほら!」

 

リードを引っ張られる度に、悶悶としていく。手足が震える。前後の口からヨダレが…お兄様には見られたく無い姿だろうな。

 

兄さんの肉棒から誘うような香りがする。その香りを嗅ぎたくて、肉棒を舌で舐めていく。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

動く度に洗濯バサミが揺れ、痛さという快感に溺れていく。

 

「兄ちゃんに後ろからヤラれて、嬉しかったのか?僕の目の前でするとは、深雪、大胆だよな」

 

見られていたのか?昨日のお兄様と同じように、後ろから差し込み、背中に胸板を…違うのは、乳首に付けている洗濯バサミを指で弾いていることだけだ。

 

「痛い…兄さん、止めて~!」

 

「僕の心の痛みは考慮してくれないんだな♪」

 

兄さんの心の痛み?裏切られたってこと…

 

「僕は知っている。兄ちゃんは、深雪とも水波とも仲が良いことを。僕は知っている、深雪も水波も兄ちゃんを敬愛し、尊敬し、恋人にしたいことを…僕は知っている…エリカも真由美さんも、兄ちゃんを狙っていることを…僕は…」

 

何事も無かった…私は洋服を着て、立ち尽くしていた。いや、1つだけ起きた事があった。目の前には兄さんの死体があった…殺したのは、私…兄さんの精神を凍結させたのだ。いつものように無かったことにせず、私の殺意のある攻撃を受け入れていた。

 

どうしよう…お兄様を呼び出した。数分後に水波ちゃんと共にお兄様が現れた。

 

「だから、言ってあっただろ…深雪…」

 

無表情で私を見つめるお兄様。

 

「なんで、いつものように生き返らないの…ねぇ、和也君!」

 

水波ちゃんが兄さんの亡骸に泣きすがった。

 

「和也は死にたがっていた。だから、深雪を挑発して、殺意のある攻撃を待ち続けていたんだ」

 

えっ!

 

「なんで、仰ってくれなかったんですか?」

 

お兄様に訊いた。

 

「それも言ったはずだぞ、深雪!胸の内は読まれる。だから、察して欲しかったんだ…」

 

それで、今朝、あのような話をされたのですか。

 

 

 

---桜井水波---

 

知っていたのね…私と達也様の関係を…

 

『僕が突然いなくなったから?』

 

脳裏に和也君の声が聞こえる。そう…和也君と同じ顔の…和也君の代わりだったけど…

 

『兄ちゃんはクールで格好いいもんね。兄ちゃんなら間違いは無い』

 

こっちに返ってきて…和也君。

 

『兄ちゃんのことは認めている。水波も深雪もエリカも兄ちゃんと一緒になれば良い。僕は一人でもいい…ずっと、一人だったし…』

 

ダメだよ!戻って来て!

 

『だって、痛いだけの世界なんだもの…僕、痛いのは嫌いだよ♪』

 

わかった…ケジメを付ける…

 

 

 

---司波深雪---

 

兄さんに泣きすがっていた水波ちゃんが、小刀で自分の首を…

 

「水波ちゃぁぁぁぁ~ん!」

 

私とお兄様が駆け寄る。

 

「これでいいんです…和也君の元に…」

 

兄さんを一人にさせない為に?

 

「お兄様…」

 

お兄様は水波ちゃんの怪我を、無かったことにしようとした。生きている限り、怪我の無かった状態に戻せるはずだ。でも、死んだはずの兄さんが、起き上がり始めた。

 

「水波は僕が助ける」

 

兄さんが、息を吹き返した。

 

「水波…ねぇ、水波…何もそんなことしなくても…」

 

「うぅ?あぁ、和也君…戻って来てくれた♪きっと…こうすれば、戻って来てくれる…って…」

 

「水波…」

 

兄さんは、水波ちゃんを背負って、屋敷の方へ戻っていく。私とお兄様に何を言わずに…

 

「和也…」

 

お兄様は悲しそうに、兄さんの後ろ姿を見ていた。

 

 

 

---司波和也---

 

香澄ちゃんと泉美ちゃんに、お手玉とかおはじきとかアヤトリを教えて貰う。

 

「おぉ~!」

 

輪にしたヒモで、色々な物が出来上がっていく。

 

「すごい…」

 

「いや、そんなに感動されると照れるなぁ…」

 

香澄ちゃんはテレながら、技を披露してくれた。

 

「でもいいんですか?女の子の遊びで?」

 

泉美ちゃんに訊かれた。

 

「うん!色々な遊びを知りたいんだよ」

 

七草姉妹とは仲良くなっていった。真由美さんは兄ちゃん狙いなので、近寄らないようにした。

 

「お姉ちゃんは嫌いなんですか?」

 

泉美ちゃんに訊かれた。

 

「真由美さんが、兄ちゃん狙いだから…僕なんか、眼中に無いよ。ねぇ、他にどんな遊びがあるの?」

 

更に二人から遊びの手ほどきを受ける。

 

 

 

---千葉エリカ---

 

和也が私を避けていた。なんでだ?思い当たるのは、深雪に調教されたからか?う~ん…

 

「達也君…ちょっといい?」

 

達也君を見つけたので、声を掛けた。

 

「和也のことか?」

 

「察しがいいなあ。なんか、私を避けているんだけど、なんでかな?」

 

「エリカ、和也のことを愛せるか?」

 

いきなり、何を言い出すんだ…う~ん、

 

「弟枠として大好きではあるが…大きな幼稚園児を、愛する自信は無いな。って、いうか、和也に愛を語らせても何も出なそうだけど」

 

「エリカは正直だな」

 

「そういう達也君は、私を愛せるの?」

 

言った後で耳が熱くなっていった。達也君は、何も応えず、私の唇に唇を重ねてきた。彼の太い腕が、背中に回され、私を抱き締めてきた。彼の手の平は、私のお尻をの辺りを弄っている。

 

「これが返事だ…」

 

私の目を見つめる達也君。なんか、嬉しい…

 

「ただ、これだと、俺は深雪を護れない」

 

彼の目は寂しそうだ。何を思い、何を憂っているのだろうか…

 

 

 

---司波和也---

 

こっちに来て、兄ちゃんは4人と関係を持った。まぁ、それが自然だよな。僕は僕であり、大きな幼稚園児であり、見た目も中身も格好いい兄ちゃんには敵わない。戦えば、勝つ自信は有るけども、それだと兄ちゃんはいなくなってしまう。僕が僕である為のジレンマだ。

 

死んでも、当主様の元へ帰れない。課題をクリアしないと、僕の居場所に帰れないのかもしれない。兄ちゃん、深雪、エリカ、水波の愛を理解している。課題をクリアするのに必要な愛…どうすれば、僕は手に入れられるんだろうか?こんな世界にいたくない。当主様の屋敷に戻って、日々の生活に戻りたい…なのに…

 

森に籠もって、当主様の屋敷でこなしていた日課の鍛錬をしている。嫌な事を考えず、無心になれるので、この時間は好きだ。

 

「人間は厄介な生き物だよな、和也」

 

声を掛けられた。魔王ルシファーだ。

 

「逢いに来てくれたの?」

 

ルシファーに抱きつく。

 

「和也が荒んでいるから、見て来いっていわれたよ」

 

僕は僕に起きたことを話した。

 

「殺したいほど難いアニキか…難しいな。殺しちゃダメなんだから」

 

「どうすればいいのかな?地獄でも天国でも冥界でも冥府でもいいから、帰りたいよ~」

 

ルシファーにおねだりをした。

 

「課題をクリアしないとダメだぞ、和也」

 

「無理…僕には魅力が無い。大きな幼稚園児だし…裏返せば凶暴で粗野だし…誰も愛しちゃくれないよ」

 

「まぁ、そればお前に課せられた試練だ。もっと悩み、もっと苦悩しろよ♪」

 

「そうそう、こっちの世界で、鍛錬するにはどこがいいの?」

 

「はぁ?お前、完了しただろ?まだするのか?」

 

ルシファーが呆れていた。

 

「だって、発散しないと、兄ちゃんや深雪、水波に牙を向けちゃうよ~」

 

「耐えろよ!」

 

「無理♪」

 

「ったく、お前ってヤツは…」

 

ルシファーが羊皮紙に描かれた魔法陣を手渡して来た。

 

「そこへ行け!話は着けておいてやる。行くのは睡眠時だけだぞ」

 

「ありがとう、ルシファー♪」

 

「また、来てやるから、この世界を消すなよ」

 

「うん♪」

 

 

 

---司波深雪---

 

兄さんは、私を避けてしまった。話掛けようとするが、スルーして通り過ぎてしまう。どう、謝ればいいのだろうか?

 

「何か用か、深雪?」

 

あれこれ苦悩していると、兄さんの方から話掛けてきてくれた。

 

「ごめんなさい」

 

「深雪が謝ることは無い。僕に魅力が無いんだから、しょうが無いよ」

 

兄さん…私の前では無邪気さを見せてくれないようだ。

 

「兄さんの無邪気さは好きです」

 

正直な気持ちを伝えた。

 

「でも、兄ちゃんを愛しているんだろ?それで、いいんじゃん。深雪の世間体があるから、僕が婚約者であることにするから、兄ちゃんと愛を深めてください」

 

兄さんが、去ろうとしたので、後ろから抱きついた。

 

「これは何のマネだ?抱きつく相手が違うだろ?」

 

「ごめんなさい…」

 

「謝られても困る。兄ちゃんに抱きつき、寄り添えばいい。僕は僕の道を行く。深雪の好きなように兄ちゃんに接すれば良い。真夜さんには伝えておくから、心配はしないでいいよ」

 

「違うの…大好きなのは兄さんなの!」

 

感情が暴走しそうだ。お兄様の事は敬愛している。確かに、あぁいう関係に成りたいという願望もあった。でも、兄さんが大好きである。二股と言われればそうかもしれない。でも、憧れの相手と現実の相手の区別は付く。付くはずだから…

 

「大丈夫だよ。僕から離れても、深雪の闇は『癒やし』続ける。兄ちゃん、真夜さん、深夜さん、屋敷の方々みんなを『癒やし』続ける。それは僕の役目だ。この家の当主になる僕の役目だと思う」

 

そうじゃない…傍にいて欲しいのは兄さんの方なの…

 

「お兄様は敬愛しています。でも、愛しいのは兄さんなの!」

 

「ごめん…違いが分からない…う~ん…」

 

「どう言えばいいかな…お兄様は憧れ、兄さんは大好き♪」

 

兄さんの背中に、胸を押し当て、肩越しに頬を擦り合わせる。

 

「僕…深雪に残酷なことをしたよ。いいの?」

 

された…精神的に苦痛をもらった。挙げ句に、兄さんに殺意を抱き、魔法を行使した。それは、消せない事実である。

 

「僕は残忍で残酷で…」

 

兄さんの口を私の口で塞いだ。もう、聞きたく無いから。兄さんの首に腕を回す。徐々に腕を下ろし、兄さんの背中を抱き締めた。

 

このまま、時が止まっても良い。そんな気で魔法を行使するが、無かったことにされた。

 

『この世界を消す訳にいかない。もし、消すなら、それは僕の役目だ』

 

兄さんの言葉が脳裏に響いた。

 

 

 

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