---司波和也---
家に帰ると、知らない女性がいた。僕を見るなり、
「達也君、どういうこと?」
って、僕に近づいて来た。
「僕は兄ちゃんで無いけど…」
怪訝な表情を浮かべる女性。
「夕歌様、彼は達也様ではありません。双子の弟の和也様です」
って、水波が正解を伝えた。
「双子?聞いていないわよ。どういうこと?」
僕に詰め寄る夕歌という女性。
「僕に言われても…」
「なんで、黒羽家は取りつぶしになったの?」
「なんででしょうね?」
「あなた!何も聞かされていないの?!」
凄い剣幕でまくし立てる夕歌さん。
「聞いてません。難しい話は兄ちゃんに訊いてください」
兄ちゃんに連絡して、帰宅してもらった。
「和也に訊いたんだですか?弟は何も訊いていないですよ」
と、僕と同じ答えを伝えた。
「達也君は知っているのね?」
「ノーコメントです。5月連休の集まりの場で、当主様からお話が有るでしょう」
「次期当主候補の文弥君を、排除したって聞いたけど、本当の処はどうなの?」
この女性はしつこそうだ。兄ちゃんも困り気味のようだけど。深雪は僕の背中に抱きついていて、二人のヤリトリを静観しているようだ。
「本当も何も、俺は当主では無いですから、答えようが無いです」
「そう…なら忠告をしておくわ。黒羽家の取りつぶしに戦々恐々の分家が多いらしい。中でも、新発田家には気をつけてね」
「勝成さんですか…防衛省に入省したとか…まさか、軍隊を使って排除ですか?それは戦々恐々になりますね」
軍隊相手か…戦う場所次第かな…
「司波家はどうなの?」
「俺達は興味無いですよ。縛られて生きたく無いですから。ただ、決めるのは当主です」
「そう…無駄足だったみたいね」
夕歌さんは帰って行った。
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小淵沢へ行く前日、エリカが泊まりに来た。
「朝早いらしいから泊まりに来たよ♪和也の部屋はどこだ?」
「深雪の部屋に同居だけど…」
何か驚いているエリカ。
「ベッドは別だろ?」
「1つしか無いけど…」
「まさか…毎晩添い寝か?」
頷く僕。
「深雪!おかしいだろ?実の兄妹で添い寝だと?有り得ないと思うのだが!」
深雪を睨むエリカ。
「赤の他人のエリカとの添い寝の方が、問題有るんじゃないの?」
深雪も睨み返している。あたふたするしか無い僕。苦笑いしている水波。
「わかった…今夜は私も添い寝する」
エリカが深雪に宣告した。
「う~ん4人かぁ…強度を上げないとダメだな」
って、兄ちゃんが深雪の部屋に向かった。
「4人?まさか、達也君も添い寝?」
「まさか、そんなことをお兄様はしませんよ!水波です。添い寝をしているのは」
水波が苦笑いしている。何か激しいバトルの予感がする。
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そして、就寝時間。僕はトンズラしようとするが、深雪に捕らえられた上、水波の防御壁により逃げ場を失った。二人にベッドへと連行されていく。服を脱がされて、3人の全裸の女性に囲まれている…
「兄さん、誰が一番良いですか?」
って、深雪。難しい質問だって、僕でも分かる。答え次第では…う~ん、狸眠りだな♪
くぅ…
「ほぉ~、そう来たか、和也君…」
水波の声。目を開いたら負けだと思うので、目を閉じたまま、されるがままになる。
僕のアレ…3人が交互で咥えているようだ。3人が交互で挟んでいるようだ。3人が交互で跨がっているようだ…寝られない…三人三様の刺激は斬新過ぎる。誰かの口が僕の口を塞いだ。たぶん、舌の感触からして水波の気がする…アレを残り二人の女性が競うように舐めているようだ。
なんかヤラレ放しって、負けのような気もする。反撃の手段を考える僕。そうだ!女性は虫嫌い多いはずだ。『這い虫』を起動した。何とも言えない触感の虫を、敏感なエリアに這わせた。
「いやっ!」
「何?何をやらかしたの!」
「やめろ~!」
叫び声が響く。だけど、空気振動を無かったことにする。音波は波動を伝えることが出来無くなり、声は消えた。蠢く3体の女体。虫は穴を出たり入ったり、穴の入り口を舐めたりしている。全身を痙攣させて、体液を撒き散らして果てる女体達。
動かなくなったことを確認して、近づいて観賞してみた。う~ん、深雪の身体を見ていると、ムクムクしてきた。深雪を四つん這いのまま、腰を持ち上げて、入れてみた。深雪の腰が勝手に動いている。何かを言っているようだけど、声は聞こえない。気持ちが良かったので、深雪の中に出す物を出した。深雪から溢れるくらい…溜まり過ぎだな…少し反省。
そして、エリカの胸を枕にして寝入った僕。
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朝…目が覚めると、3人の女性達は蠢いていた。あっ…術の解除を忘れていた。急いで、『這い虫』を解除した。ぐったりとしている3人の女性達…口をパクパクさせている深雪。あぁ、空気の振動も元に戻さないと。
「兄さん…酷い…」
涙目で僕を見つめる深雪。深雪の身体から、僕の体液があふれ出ている。
「だって、3人で襲うのは酷くないのか?」
「和也…襲っていないだろ?かわいがりだぞ♪」
って、荒い息づかいでエリカが答えた。
「虫…嫌いなのに…」
水波は泣いているし…う~ん、やりすぎたか。
「兄さん、無かったことにしたら、許さないからね!」
って、深雪…そうなの?
「次は兄さんの手で…虫はダメ!」
深雪も虫はダメなようだった。その後、順番にシャワーを浴びる…二人ずつ…僕はデフォで、皮膚がふやけていく…
そんな慌ただしい朝…真由美さん姉妹、亜夜子さん、文弥君、雫さんがやって来て、荷物と共に、小淵沢に転移した。今回の部屋割りは二人部屋が基本らしく、兄ちゃんと真由美さん、和泉ちゃんと香澄ちゃん、雫さんは一人で、深雪とエリカだった。僕は僕の部屋だし♪
「和也、お帰りなさい♪」
真夜さんの部屋に行くと、彼女が抱きついて来た。
「あなたが想像以上に人脈を広げられて嬉しいわ♪」
僕の頬に頬を重ねてきた。兄ちゃんは真由美さんを連れて、深夜さんに会いに行ったらしい。
「僕は誰を連れて来ればいいのかな?」
「和也が連れて来たいと思った時に、連れてきなさいね」
って、優しく答えてくれた真夜さん。
部屋に戻ると、深雪とエリカがいた。水波はメイドのお仕事で忙しいらしい。
「深雪は深夜さんに会いに行かないで良いの?」
「兄さんに会いに来ちゃダメですか?」
「いや、かまわないけど…ここは何も無いよ」
窓すら無い部屋。生命維持装置付きのベッドが1つだけある。本棚すら無い部屋。
「私達の部屋に来ますか?」
僕が答える前に、僕の両腕に抱きついてきた深雪とエリカ。彼女達の共同作業により、僕は、彼女達の宿泊部屋へと連れ込まれた。
「夕べのリベンジをしたいなぁ♪」
って、エリカの目は狩人のようだ。
「兄さん、術の使用は禁止ってルールにしましょ♪」
って、深雪…う~ん、僕が不利では無いのか?先手必勝って感じで、彼女達の服を無かったことにして、極小のサイオン弾を、彼女達の突起部へと放った。
「えっ?」
「何?」
極小の刺激だけで、蠢く二人。腰を捻り、四つん這いでダンスをしているような…
「兄さん…好きにしていいのよ…」
って、涙目の深雪。では、見ているだけ…
「和也…見ているだけか?」
って、涙目のエリカ。昨晩の『這い虫』が効いたのかな。今日はやけに低姿勢な二人。
「お願い…身体の中が疼くの…助けて、兄さん」
固く大きくなった乳首を僕の背中に這わせる深雪、胸の谷間に僕の顔を埋めるエリカ。どっちに転んでも、こうなるのねぇ…凹む僕。
昼食の準備が出来たと、水波が知らせに来るまで、僕にとっての不毛な時間が続いた。
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昼食後、深雪達から逃走して、裏山で鍛錬をした。召還術で色々な種族を呼び出して、組手をしていく。
「どうだ?人間の世界は?」
中の良いドラゴンに訊かれた。
「当主様の元に帰りたいよ~」
彼に泣き言を言う僕。
「宿題が出来ていないんだろ?愛とか愛しいとか…理解できていないと、連れ帰れない。和也、がんばれよ♪」
と、僕の背中を押して、当主様のいる世界へと帰っていく彼…いいなぁ…
夕食後、明日の予定が真夜さんの口から発表された。四葉家の次期当主の発表と、それに関連する決定事項の発表だそうだ。僕には関係なさそうだけど、僕達の参加は決定らしい。まぁ、その為に来たんだものな。
この日の夜は平和だった。一人で熟睡できた。翌日判明した事実…僕のベッドで二人は無理らしいことを深雪達は知っていたようだ。まぁ、介護ベッドだしねぇ。
朝起きると、羽織り、袴姿にさせられる。これは着慣れない為か、違和感がある。
「双子なのに、達也君は格好良いのに、和也は…くっくっくっ♪」
エリカに笑われる。まぁ、着こなしが出来ていないのは事実ではある。
「皆様に注意ですが、呼び出しの時、笑わないでくださいね」
って、水波。呼び出し?笑う?意味が分からなかったが、舞台袖に待機すると理由が分かった。呼び出し方が、お相撲さんを呼び出すような感じだったのだ。
「マズい…笑いこけそうだ」
って、エリカ。いや、僕もなんですけど…水波が僕達二人を睨んでいる。周囲を見ると、僕達以外は神妙な面持ちであるようだ。
「和也君、エリカさん…いいですか、呼ばれたら、舞台中央で客席に向けて、頭を下げて、振り向いて、ご自分の名札の付いている席へお座りください。で、座ったら顔は俯いてください。それで、多少はバレないと思います」
と、笑い対策を伝授してくれた。舞台袖から見ていると、水波の言う通りのことを、皆やっていた。一人を除いて…新発田勝成っていう人を除いて…
舞台に参加者が全員上がると、真夜さんが壇上へ上がった。
「皆様、今日はお忙しい中、お越し頂き、感謝します。今日、次期当主の発表をいたします。無用な混乱を防ぐ意味でね。先に発表しました黒羽家の取りつぶしは、次期当主を亡き者にしようとした動きが判明しましたのが理由です」
客席が響めく。新発田勝成さんの顔は険しい物になっている。
「では、発表します。次期当主は四葉和也。私の息子にします」
先程よりも大きく響めいている客席。
「ちょっと待ってください。真夜様に息子さんがいたという事実は無いですよね」
勝成さんが、真夜さんに対峙して立ち上がった。
「いますわ。和也、ここへ来なさい」
呼ばれたので、真夜さんの隣へと立った。
「司波達也では無いですか?」
「何をおっしゃっているの?達也さんはそこにいるでしょ?」
兄ちゃんを指差す真夜さん。勝成さんの顔が歪んでいく。
「何?二人いる…影武者か?」
「影武者?冗談では無いですよ。歴とした一卵性双生児です。産まれてすぐに、一人を私の養子にしたのですよ」
「それはおかしいでしょ?双子の弟の方は殺されたはずだ!」
僕が殺された事実…頷く者が多数いる。
「今、指摘した者、頷いた者は和也殺害に関わった者ですわね」
はっとした勝成さん。
「なるほど、新発田家も絡んでいたのね。後は椎葉家、真柴家、静家ですか?ふふふ♪生憎、和也は『不死身』持ちなの。寿命を全うするまで、死ぬ事は無いのよ」
勝成さん達の顔から血の気が失せていく。
「化け物じゃないですか…死んでも生き返るって…あなたは化け物を後継指名するんですか?!」
「お言葉ですが、和也は化け物では無くてよ。かわいい息子なんだから」
壇上で僕の頬に自分の頬を重ねる真夜さん。
「狂っている!」
「それはこちらのセリフです。幼い和也の頭部に黒い袋を被せて、首を絞め、銀のナイフで心臓を抉るって…お前達の方が狂っているだろ?」
うっ…あの時の痛みを思い出してしまい、顔をしかめてしまった。
「和也…思い出させてしまって、ごめんなさいね。悪い輩は排除しないとねぇ」
真夜さんが合図を送ると、先程の輩達は捕縛されて行った。
「勝成さん、クーデター計画は残念でしたわね。和也達は電車移動では無いから、見事失敗ねぇ。ふふふ♪」
電車で移動すると、危険だったのか?まぁ、電車なんで選択肢は元々無いからいいけど。
「どうやって来たんだ!この化け物がっ!」
「空間転移術だけど…」
「え…お前、時空系なのか…」
勝成さんが何かの合図をした。次の瞬間、数名の者が僕に襲い掛かってきた。咄嗟だったので深く考えずに、産まれなかったことにして消した。
「消えた…何をしたんだ…おい…化け物よ!」
「産まれなかったことにした。数時間すれば、みんなの記憶からも消える」
「えっ!この化け物がぁっ!弟を返せ!」
知らない女性が僕に襲い掛かってきた。しかし、今度は僕が何かする前に、真由美さんにより狙撃され吹き飛ばされた挙げ句、深雪に精神を凍結された。その場で死んだように倒れた女性。
「琴鳴!化け物!彼女に何をしたんだ?!」
「兄さんは何もしていません。私がしました。彼女の精神を凍結しました」
深雪が僕の前に立った。
「兄さんを襲う奴らは、私達が許しません!」
水波、エリカ、真由美さん、兄ちゃん、和泉ちゃん、香澄ちゃん、亜夜子ちゃん、文弥君が、僕の傍に寄ってきた。
「貴様ら、何故、化け物を庇うんだ!」
「私達は兄さんのガーディアンですよ。護るのは当然でしょ?」
深雪が勝成さんを睨み、言い切った。