※この作品はR-18です。

魔法科高校の問題児   作:もっち~!

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慌ただしい日常

---司波和也---

 

朝、目覚めると部屋の外では、何か慌ただしい様子だった。今朝は、既に深雪の姿は無かった。部屋の外へ出ると、兄ちゃんと深雪、水波が何かを話している声が聞こえた。階下へと降りていくと、

 

「和也君、おはよう♪」

 

水波がいつものように声を掛けてきた。

 

「おはよう…水波。何か遭ったの?」

 

「達也さん、どうします?」

 

兄ちゃんに訊く水波。

 

「俺から話す。水波、朝食の支度を頼む。深雪も手伝ってくれ」

 

「はい、お兄様」

 

水波と深雪がキッチンへと消えていった。そう言えば、亜夜子ちゃん達がいないなぁ。

 

兄ちゃんから、話を聞いた。僕の理解した範囲では、昨晩、北山グループの娘の雫さんが僕をガーディアンにすると、魔法師協会から通達があったそうだ。それに、真夜さんが魔法師協会に猛反発したそうだ。師族でも無い家系の娘に、四葉家の分家である司波家の僕が、ガーディアンになるのは、おかしいだろうと。

 

その後、一悶着有り…雫さんが僕の下僕になり、真由美さん姉妹が僕のガーディアンになることで決着したそうだ。はて?

 

「兄ちゃん、下僕って何?」

 

「召使いのことだよ。そうだな…水波みたいな感じだよ」

 

「そうなんだ…じゃ、いらないよ!水波がいいよ~」

 

「大丈夫だよ。水波はいなくならない。和也の傍にずっといるから、安心して良いぞ」

 

そうなのか。それならば、安心だな♪

 

-------

 

そして高校生として4日目…登校途中で、エリカと合流♪

 

「達也君、今朝の通達はなんだ?」

 

エリカは合流して直ぐ、兄ちゃんに訊いた。

 

「通達って、何のことだ?」

 

「魔法師協会からの通達だよ」

 

「俺達、魔法師協会に入会していないんだが…」

 

「はぁ?魔法師の高校へ通っているのにか?」

 

驚いたような声を上げたエリカ。

 

「俺はCADに興味が有るだけだ。和也は学校に通いたいだけだし、深雪は和也と通学したいだけだ。ただ、和也はランドセルで通学が出来無くて凹んでいるが」

 

「そうなのか?なんだかなぁ~な理由だな」

 

何かを疑っているエリカ。

 

「どんな通達だったんだ?」

 

兄ちゃんが、逆にエリカに質問をした。

 

「七草家の三姉妹を、四葉家の次期当主のガーディアンにするって」

 

「なら、俺達には関係無いことだ」

 

「え?四葉の数字落ちで無いのか?」

 

「母とは一緒に住んでいないので、わからないな」

 

「ねぇ、エリカ、数字落ちって何?」

 

分からない言葉を訊いてみた。

 

「分家ってことだよ。和也には、ちょっと難しい話だな」

 

そうなのか…難しい話はパスだ♪

 

-------

 

教室に入ると、昨日よりも席が2つ多くなっていた。

 

「うん?この時期に転入生か?」

 

教室内は、謎の2つの席のことで、ざわめいている。担任の先生が入って来て、二人の女性を教室に呼び入れた。二人とも、何故か、僕を睨んでいた。なんでだ?

 

「はい、静かに!今日から、お友達が二人増えました。北山雫さんと、光井ほのかさんだ。二人共一科生であったが、諸事情で、このクラスへの転入になった。諸事情に関しては訊かないようにしてくれ。以上だ」

 

二人は先生に促されて、追加された席に座った。

 

 

そして、昼休み…二人が僕達に近づいて来た。

 

「どういうことよ!」

 

雫さんが僕に怒りをぶつけて来た。

 

「おい!先に和也に手を出したのは、お前らだろ?」

 

兄ちゃんが僕を護るように、雫さんの前に立った。

 

「あなた達は何者なの?」

 

「それを言うなら、お前らは何様だ?本人や家族の承諾無しに、和也をガーディアンに申請だと?!ふざけるな!」

 

兄ちゃんが珍しく激怒していた。

 

「ガーディアンって制度は、師族の四葉家が取っている制度のはずだ。お前らは四葉家なのか?!」

 

兄ちゃんの言葉で、クラスメイトが、雫さん達を警戒し始めた。

 

「そうだと言ったら?」

 

雫さんは四葉家らしい。

 

「兄ちゃん、止めようよ…四葉家って恐い家系なんだろ?」

 

兄ちゃんの激怒を無かったことにするが、無くならない。無かったことに出来無い場合は、必要不可欠な事らしいと、以前兄ちゃんに教わった。

 

「そうだな。四葉家は恐い集団だ。関わりたく無いな」

 

クラスメイト達は、今手に入れた情報をネットで拡散しているようだ。皆、手に情報端末を持って、何かを打ち込んでいるし。

 

「北山家、光井家は四葉家の数字落ち…ネット拡散されているぞ。ふっ」

 

兄ちゃんが、うっすら笑った。

 

「違う…違うわよ!」

 

「もう、遅いよ。お前らは最初に認めたんだからな!和也、深雪、飯を食いに行くぞ」

 

兄ちゃんの後を追う僕と深雪とエリカ達。

 

-------

 

食後のトークタイム…僕は深雪の肩で昼寝タイムだ。

 

「さっきのは、どういうことだ!」

 

でも、エリカの声で、昼寝に集中出来無い…

 

「どうとは?」

 

「和也があいつのガーディアンにされた件だよ!」

 

「されていないよ。和也の保護者が激怒したからね」

 

「和也の保護者?達也君の母親じゃないのか?」

 

「違う。和也は生まれて直ぐに引き取られたんだよ。戸籍は俺や深雪と同じ司波家で有るが、親権は違う家が持っているんだ」

 

「引き取られた?」

 

エリカの声は何故か、震えていた。

 

「どうして…」

 

「大人達の事情は、俺達にはわからない。今回のことも、大人の事情なんだろう。俺達の知らない処で起きたことだ」

 

昼休みが終わり、教室に戻ると、転入生の二人はいなかった。授業が始まっても、戻って来ることは無かった。

 

で、放課後…今日も真由美さんが迎えに来た。今日はやらかしていない筈…なんでだ?そして、生徒会室に…

 

「どういうこと?!」

 

兄ちゃんに真由美さんが訊いた。

 

「どうって?何の話だ?」

 

「私達姉妹が、四葉家の次期当主のガーディアンになったって…魔法師協会から通達が届いた件よ!」

 

エリカと同じことを訊いた真由美さん。

 

「俺達は知らない。俺達は司波家だ。四葉家の決定は知らない」

 

「四葉の数字落ちなんでしょ?!」

 

激高している真由美さん。なんか恐い。そんな僕の腕を優しく抱き締めてくれる深雪。

 

「家庭の事情を話すつもりは無い」

 

「どうして?!私のこの先の人生が掛かっているのよ!達也君が次期当主なんでしょ?!」

 

「俺は違う。俺はガーディアンだ」

 

「ガーディアン…四葉家の数字落ちは否定しないのね」

 

少しトーンダウンした真由美さん。

 

「生徒会とは反目したくは無いからな。ただ、誰が次期当主かは、現当主が公式発表していないので、わからない」

 

「ねぇ、誰のガーディアンなんの?」

 

「妹の深雪のガーディアンだ。兄が妹を護るのは、当然だから受けた」

 

「じゃ…深雪さんが次期当主?」

 

「だから、知らないと言っているだろ?」

 

「まさか…和也…君…?」

 

「和也、帰るぞ!」

 

「まさか…そうなの?ねぇ、達也君…」

 

「和也にガーディアンなんか、いらない。俺達、兄妹で護りたいからな」

 

兄ちゃんは格好良く、捨て台詞を残して、生徒会室を後にした。あぁ、僕と深雪もだよ♪

 

 

 

---七草真由美----

 

和也君のガーディアン…達也君じゃ無いんだ…呆然としてしまった私。

 

「七草!しっかりしろ!」

 

十文字君の声で、我に返った。

 

「俺の方でも調べた。お前の親父が、昨晩やらかしたそうだぞ」

 

私の父が…何をやらかした?

 

「司波和也を北山グループのトップの娘のガーディアンにしたと、魔法師協会へ通達したそうだ。魔法師協会は司波和也のアンタッチャブルな情報を持っていて、アイツの保護者に確認したそうだ。その結果、北山家と七草家による情報テロと認定されて、その結果が、あの通達だったそうだ」

 

「アンタッチャブルな情報って?」

 

「協会の一部の者しか知らない情報だそうだ。全貌は秘匿されている。それだけ、ヤバい情報らしいぞ。まぁ、この俺を病院送りにしたヤツだ、ヤバい情報だろうな」

 

「情報テロ?」

 

「あぁ、そうだ。そもそも、ガーディアンって言うのは、四葉家内で重要人物をガードする為の制度だ。他の師族の家系には無い」

 

確かに…うちには無いなぁ。

 

「そんな制度を、師族で無い北山家が導入したってことは、四葉家も了承したって思わせたんだろう。お前の親父は、四葉家を蹴落とそうとしていたからな」

 

四葉家の耳に入って、逆鱗に触れたのか…

 

「現状で四葉家と七草家が戦った場合、七草家は潰されるぞ。問題はあの兄妹だが、達也の会話から、四葉家の関係者ってわかった。七草、通達に従え。あの兄妹だけでも七草家は消える可能性がある」

 

「でも…私だけでなくて、妹達も…」

 

「人質だろうな。戦国武将達が使った手だ。次は無いってこと…次に何かすれば、お前達の命は無いってことだろう」

 

なんてことをやらかしたんだ…父は…

 

 

 

---司波和也---

 

夕食後、水波とベーゴマをして遊んでいると、知らない男の人が訪ねて来た。兄ちゃんが応対に出た。

 

「夜分、申し訳ありません…北山潮と申します。雫の父でございます。四葉真夜様にお目通り出来るよう手配をしていただけませんか?」

 

「うちは司波家です。依頼される家を間違えていませんか?」

 

「しかし、お宅の和也君のガーディアンになれと…通達が来ました」

 

「四葉家の決めた事、当家では関与していません。お帰りください」

 

「いえ、帰れません!娘の将来が掛かっていますから」

 

「和也の将来を弄んでおいて、ソレはどうなんですか?あなたの娘さんにも伝えましたが、何様なんですか?お帰りください!」

 

「しょうがない…おい、やれ!」

 

武装した集団が家の中に入ってきた。

 

「言う事を聞かないのであれば、武力行使ですか?深雪、ボス以外をやれ!」

 

「はい、お兄様♪」

 

あのおじさん以外、生の時を刻むことを放棄した。

 

「何をしたんだ?」

 

「無力化しました。和也、こいつらを強制転移させろ。転移後に解凍してやれ」

 

「うん、わかった」

 

空気が揺らぎ、武装した集団は消えた。

 

「彼らはどこに?」

 

おじさんに訊かれた。

 

「千葉道場…強いお兄さん達がいるから♪」

 

「次はどんな奴らを呼び出しますか?」

 

おじさんをいたぶる兄ちゃん。

 

「はい、そこまで♪」

 

兄ちゃんの彼女の響子さんが入って来た。

 

「おい、和也!彼女じゃない。知り合いだ」

 

僕の心を読んで、否定した兄ちゃん。表情が変わらないので、真偽がわからない…

 

「北山さん、ちょっと来て貰えますか?傭兵を雇って、達也君の家を襲わせるって、穏やかで無いですよね?」

 

「君は何者だ?」

 

「あぁ、申し遅れてすみません。陸軍一〇一旅団・独立魔装大隊の少尉で、藤林響子と申します。私の弟枠の達也君を襲わせるって、許せる行為では無いですよ」

 

おじさんは後ろ手にされ、拘束されて、響子さんに連行されていった。なんか、毎晩、慌ただしい…

 

-------

 

翌朝、目覚めると今朝も深雪はいなかった。部屋の外は今日も慌ただしいようだ。部屋を出ると、

 

「お願いです!父を返して下さい」

 

って、雫さんの声がした。階下へと降りていくと、

 

「和也、お前なぁ。なんで、うちの道場にあんな奴らを送り付けたんだ?」

 

何故か、エリカがいて、僕を問い詰めている。深雪は苦笑いして見ているし。なんだっけ?

 

「エリカ、和也は朝、弱いんだ」

 

「あぁ、知っているよ。おい、何か言えよ、和也!」

 

あぁ、武装集団の件かな?

 

「練習相手に良いかなって…」

 

「あぁ、練習台には出来た。うちの道場には警察関係者も多いから、逮捕も出来て良かった。しかしなぁ、事前に言っておけよな!」

 

いや、事前に知らせる時間は無かった…はず…手を伸ばすと、何か柔らかい物が…

 

「おい…和也!この局面で、私の胸を揉むって、どういうことだ!」

 

しまった、火に油を注いだようだ…

 

「偶然…手を伸ばしたら、柔らかくて、気持ちが良い物があったから…」

 

「お前なぁぁぁぁ~!」

 

あっ、殴られる。頭を抱えて、衝撃に備えると…何故か、エリカが抱き締めてきた。

 

「まぁ、無事で何よりだ。まったく、アニキが和也が心配だから、朝一で様子を見て来いって…兄上様からは伝言だ。今度からは、一言連絡してから送ってくれって♪」

 

優しいエリカの兄ちゃん達に救われた気がした。で、僕の兄ちゃんは、雫さんの頼みをスルーしていた。

 

「軍部に拘束されたんだ。身の潔白が証明されるまで、解放はされない。その件に俺が口を出す隙間は無いぞ」

 

「なんで、軍部がここをガードしていたんですか?」

 

「たまたま、軍部の知り合いが、遭遇して検挙しただけ。ここをガードしていた訳では無い」

 

「なんで、私達にこんな仕打ちを…うっうっうっ…」

 

泣き出してしまった雫さん。

 

「泣き落としは効かない。そもそも、お前達が先に仕掛けたことだろう?何様なんだ、北山家は?」

 

そして、埒が明くことは無く、僕達、雫さん、何故かエリカは、学校を休んだ。お昼ご飯を食べても、泣き止む気配が無く、兄ちゃんは通信ルームに行き、真夜さんと相談をして戻って来た。

 

「明日、叔母様の家に行く。メンバーはこの家の者、北山さん、エリカ、七草3姉妹だ」

 

「ちょっと!なんで私も?」

 

エリカが驚いたような声を上げた。

 

「もう、エリカは関係者だ。逃げられないぞ」

 

兄ちゃんはうっすらと笑みを溢した。

 

「逃げられないって…百歩譲って、達也君がつきあってくれるなら…きゃぁ♪」

 

エリカは兄ちゃんが好きなようだ。

 

「嬉しい告白だけど、ダメだ。和也と違い、女性に興味は有るが、ダメだ。そういう契約なんだ。すまない」

 

「契約?なんだよ~、それは…」

 

「俺は妹のガーディアンだ。妹以外の女性とは付き合えない。まぁ、その妹は俺じゃ無い方を選んだけどな」

 

兄ちゃんじゃ無い方?はて?深雪を見ると顔を真っ赤にして、僕を見つめていた。

 

「お前ら!変態兄妹かぁぁぁぁ!実の妹と…ダメだろぅぅぅぅ!」

 

エリカが叫んだ。ダメなの?

 

「ねぇ、エリカ、何がダメなの?」

 

「おぃ、この大きな幼稚園児は、どうにかならないのか?」

 

困り果てた顔で僕を見つめるエリカ。

 

「それが兄さんの真実です。恋愛対象には…うふっ♪」

 

何かに照れている深雪。はて?大きな幼稚園児だと、世の中、わからないことだらけである。

 

 

 

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