臨月に入るちょっと前から、いつも市丸が沙樰の傍に着いていた。しかし、羨望される程の外科医として有望な市丸を自分の出産の為だけに束縛しては、市丸に手術してもらう事を首を長くして待っている患者に申し訳が立たないと思い、沙樰は、市丸に提案をした
ギン、ちょっといいですか?
「ん?何や」
実は、私の出産の事です
「ボクが、取り上げるで。沙樰が、嫌がっても変えへんから」
いやいや・・・話は、最後まで聞いて下さい
「ほな、話してや」
陣痛促進剤を前夜から投与して、出産予定日その日に出産したいです否、出産します。
「そんなん無理に産まんでも・・・えぇのと違う?」
いいえ、私の出産の為に、ギンを束縛するのは、ギンに手術してもらう為に待ってる患者さんに申し訳が立ちません。一応、医療従事者だから・・・
「・・・沙樰」
予定日を明後日に控え、沙樰は市丸と出産前最後のSEXをしていた。
あ゙っぁぁぁん・・イッちゃうっ・・イッちゃうっよぉっ・・ギンっ
「ほな一緒に逝こうな」
あぁんっ・・うんっ
「ほな、逝くでぇ沙樰っ」
市丸は、沙樰の足を広げて押し上げる様に突き入れると沙樰は市丸の腕に掴み躰をビクッビクッっと痙攣させ
ぁんっ・・ぁんっ・・あ゙っぁぁぁ・・ギンんんん・・・っっ!!
「沙樰ィィィ・・・っ」
子宮口めがけ射精した。市丸は、膣内から男芯を抜くと沙樰を腕に抱き
「ボクが与えた刺激だけで、陣痛起きたらえぇのになっ」
はぁはぁはぁ・・・ホントだね
暫く、抱き合い市丸は、沙樰をベットに残したままガウンを着て寝室から出ていった。沙樰は、腹を摩りながら
二日後に、キミと逢えるんだよぉ・・・お母さん、キミを頑張って産むからね・・・ん?何か・・・お腹張って来てないか?・・・まさかね
市丸が、浴槽に湯張りをして戻って来た。
「ほな、沙樰、お風呂に行こか」
・・・ん
市丸の手を引かれ浴室へ向かった。沙樰が、市丸に躰を洗って貰っていると、チクっと痛い感じが腹からした。沙樰は、市丸の手を腹に持って行き
ねぇ、ねぇ・・・ギン、私のお腹張って来てるよね???
市丸は、沙樰の腹を触り触診した
「確かに、張ってるなぁ・・・念の為、お風呂から出たら診てみよな」
・・・うん
「陣痛やったら、えぇな」
・・・うん
躰を洗い終え、浴槽の中に入ったが、腹が張る感じに、更に波の様にチクチクと痛みが来ては消える。沙樰は、市丸を見つめ
・・・陣痛来たと思うよ。
「え!?」
せっかちだね・・・この子。
陣痛なんだと分かった沙樰は、落ち着いていた。しかし、市丸は、そうではなかった。
「どないしよ・・・今、陣痛が始まったやとして・・・子宮口が、全開まで・・・」
・・・まだまだだよ。ギン、落ち着いて・・・それより、ギン・・・お腹摩って
「なんや沙樰、えらい落ちついてはるなぁ・・・ボク、もっと騒ぎはると思ったんやけど・・・」
・・・今は、まだ序の口だから・・・陣痛が進めば・・・騒ぐよ・・・痛いぃぃぃぃぃぃ!!!って・・・ふふっ。
市丸は、沙樰を背後から抱き腹を摩り
「辛なったら、ボクの腕に掴まってえぇよ」
だから、まだまだだって・・・ゔんん
「今、陣痛の波やな」
はぁ・・・ちょっと強くなって来たぞっ
「ほな、次のが来る前に、湯から上がろうな」
・・・うん
躰を拭き、ローブを着て、沙樰は市丸の手に引かれ寝室まで戻って来た。市丸は、沙樰をベットに寝かせ
「どんくらい開らいたか、診てみよか?」
全然、開いてないよ・・・多分・・・1㎝も開いてない。
「そうなん?」
多分ね・・・ゔっん
「ボク、電話してくるよって・・・」
・・・
確実に強まる陣痛の痛み。沙樰は、腹を撫で
もし、母さんの言葉が、分かるなら・・・父さんが、仕事を休んでくれた・・・明後日に産まれて欲しいなぁ
すると、強まって来た陣痛の痛みが、少し治まって来た。
イイ子ねぇ・・・ホント、親思いだわ。
そこに、市丸が、電話を終え戻って来た。
「どうや、大丈夫なん??」
大丈夫だよ。
「そうや、ボク、明日も公休もらったで」
え!?
「初産やから、出産の進行は、遅いかも知れへんけど・・・もし、ボクがいない間に・・・って思うと、耐えられへん」
・・・ゔっん
治まっていた痛みが、嘘の様に押し寄せて来た。沙樰は、腹を撫で
・・・ゴメンね・・・折角、キミは生まれるのを我慢してくれたのに・・・
市丸は、沙樰の手の上の自分の手を重ね
「産まれて来る時、沙樰を苦しめずに、すんなり産まれてくるんやで、言うて聞かせたやろ。ボクは、そないなワガママな子には、玩具買うてあげへんで」
・・・違うのよ。ギン
「何が違うん?」
私が、この子にお願いしたの・・・ギンが、仕事を休んでくれた・・・明後日に産まれて欲しいなぁって・・・そしたら、陣痛が治まって来たんだけど・・・ギンが、明日も休みだって、分かったから・・・陣痛が強まったの・・・だから、この子は、悪くない・・・親思いなの
「そうだったん・・・堪忍。ボクは、キミを誤解してたみたいや」
すると、ゲシッゲシッと腹を蹴った
・・・ふふっ。怒ってる
「ふふふっ。そうみたいやね」
沙樰は、陣痛の合間に着替えをすると、市丸は出産用品を入れバックを持って、病院に向かった。市丸に支えられながら産科病棟に行くと、ひよ里が待っていた
「おっ来たな」
せっかちな子みたいだから、予定日より早く生まれたいみたい
「えぇやないのっ・・・って、私、介助入れへんやん・・・」
ごめんねぇ・・・
「あぁ。気にせんとって。」
「なぁ早う・・病室に沙樰を案内しいんやけど」
「チッ。今、案内しようと思っとったわ」
ひよ里は、沙樰を一番奥の部屋に案内する。
「ココの部屋や。アンタの旦那が、ココの部屋やないと嫌だと言わはったから・・・開けといたんや」
・・・重ねがさね・・・ゴメン。
沙樰が、ベットに座り、ひよ里に恐縮している横で、市丸は、さっさと準備をしていた。そして、準備を終えると、ひよ里に視線を向け
「後は、ボクが、居るよって、何かあれば呼ぶさかい、キミ、出ってや」
ちょっ!!ギンっ
「呼ばれんでも、陣痛の経過を見に来るわ!!」
ひよ里は、病室を出ていった。沙樰は、ベットの上に準備されていた病衣に着替えベットに躰を横たえた。
ギン・・・このLDRの部屋ってココしかないんだよ。私は、別に分娩室で産んでも良かったのに・・・
「なに言うてんのッ!!ボクの子が、他と一緒やなんて、ダメや!!」
・・・どっちがワガママなんだか・・・あ゙っん゙ん゙
「沙樰、大丈夫か」
市丸は、沙樰の腰を摩る。今の、陣痛の波の間隔では、まだまだ、だと沙樰は、冷静に思っていた。暫くすると当直だった浦原が来た
「こんばんわっス。陣痛の間隔は、短くなったっすか」
・・・全然ですよ。
「そうッスか・・・そいじゃ・・・どうします?促進剤使ちゃいます?市丸先生?」
えっ!?私に聞くんじゃないの??
「う~ん。ボクは、正直専門外やから・・・」
「元々、明日には使う予定だったので、使ちゃいまショ」
「そやね」
沙樰は、陣痛の波が治まったので、ムクっと起き上がり
勝手に決めないで下さい!!せめて、診察してからでしょ!!
「ふふふっ。そんな、元気があるウチは、まだまだですヨ」
「そうなん?」
「えぇ。でも、ご希望とあらば、診まっスけど?歩けます?」
歩けますよ。
沙樰は、ベットから降りると、ジョジョジョと足元に水たまりが出来た。
えっ!?
「破水しちゃいましたねぇ・・・。こりゃ大変だぁ」
「産まれるって事やろか?」
「取り合えず、ベットに・・・」
浦原は、沙樰をベットに寝かせナースコールを押し
「沙樰サンが、破水しました・・・至急、病室まで来て下さい。ひよ里さん」
『なんやてぇ!!』
「取り合えず市丸先生は、着替えて下さい」
「分かったわ」
病室に飛び込む様に入って来た、ひよ里と入れ違いに市丸は、着替えに出て行った。ひよ里は、ベットを分娩台へと変化させ
「ほな。足乗せるで」
沙樰の足を持ち上げ固定し手袋を嵌め
「多分、開いてへんと思うけど・・・一応診るで」
・・・うん
ひよ里が、膣鏡を使い沙樰の子宮口を確認すると、10㎝開いていた。
「・・・全開してはる」
「えっ!?ホントですか」
浦原も覗く。確かに全開していた。一気に部屋の空気が緊迫し
「ひよ里サン、促進剤を」
『はい』
ひよ里が、促進剤を取りに行った。浦原は、膣鏡を外すと
「沙樰サン、一度息んでみまショか」
・・・でも、間隔が・・・
そこに、着替えを終えた市丸が入って来た。
「どないです?やっぱり、まだですか?」
「いえ、全開してましたよ。」
「え゙っ!?」
「ですが、陣痛の間隔が、まだまだみたいで・・・市丸先生もご覧になりマス?」
「そうやね・・・診ぃひんと分からんし」
浦原が、膣鏡を入れようと触れた時、急に沙樰の様子が変わった
あ゙っあ゙っい゙っ゙だい゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙!!!
「・・・産まれるみたいやね」
「もしかして、市丸先生を待ってたんですかネ」
「そうやろな」
足元で、世間話をするような口調の市丸と浦原に、沙樰は急に間隔が縮まり強くなった陣痛の痛みで、若干錯乱し
早く、息ませやがれぇぇぇぇぇ!!!!
病室の外まで響く声だった。そこに、促進剤を準備して持ってきた、ひよ里
『外まで、響く声出して、どないしたん沙樰』
はぁ・・はぁ・・はぁ・・ひよ里が私の赤ちゃん取り上げて!!!
『まぁまぁ・・・そう、興奮せんとリラックスや沙樰』
沙樰が、無意識に息んだのか、パックリと膣口が開き子宮口から銀色の頭が薄ら見え、浦原は、ひよ里に視線を向け
「ひよ里サン、促進剤を」
『はい』
「ちょっとチクっとしますヨ・・・すぐ効いてきますからネ」
ドクドクドクドク脈打つ音が高まり、今までよりも強い陣痛の波が来たので
ギンんん・・ちゃんと取り上げてねぇぇぇ!!!
「任せとって!!ほな、沙樰、思いっきり息みィィィ」
ゔっんんんんんんんん・・っ!!!
「えぇ感じや・・・上手で、上手い」
陣痛の波が遠退いた。ひよ里は、沙樰の手を握り
『沙樰、はっはっはっや』
はっはっはっ・・・ゔっんんん・・っ!!!
「そうや、その調子やで・・・」
市丸は、裂傷しない様に会陰を押さえながら膣口を指で開く
「もう少しや、沙樰」
「ゔっんんんん・・っ・・はっはっはっ」
「おっ!!頭が出たわ」
『沙樰、息むの止めや・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・や!!分かるやろ』
・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・
市丸は、発露した胎児を回転させながら引き出し、臍の緒を外す
「ンギャンギャンギャンギャ」
沙樰ィィ産まれたでぇぇぇ!!男の子や!!
市丸は、沙樰に見えるように抱き上げ、腹の上に乗せ臍の緒を切った。沙樰が産まれたばかりの自分の子供を見ると、間違いなく市丸の子だと思った
・・・銀髪だ。
「ボク、女の子やと思っとったのに・・・」
はぁはぁはぁ・・そんな言うなら、京楽先生に性別聞いておけば、良かったのに
すると、浦原が市丸に向かい
「後産は、私が、処理しますから、市丸先生は沙樰サンを褒めてあげて下さい」
「沙樰・・・よう頑張ったなぁ・・・偉かったでぇ」
・・・ギン
ひよ里が、沙樰の産んだ子を綺麗に拭き、おくるみに包み市丸に渡し
「おめでとうございますぅ・・市丸先生」
「あっ・・・おおきに・・・見てや沙樰・・ボクに・・・」
沙樰は、後処理を全て終える前に出産の疲労で、眠りに落ちて行った。次に目覚めると、沙樰の手を握る市丸の姿
・・・ん
「起きたん?」
ずっと傍に居てくれたのですか?
「居ったよ。ずっと可愛い沙樰の寝顔見とったわ」
じゃ・・・ギンは、寝てないの??
「ボクは、大丈夫や」
大丈夫じゃない!!
沙樰は、躰を動かそうとしたが、痛みが走って断念。その姿に苦笑した市丸
「無理せんときィ」
でも・・・ギン、寝なきゃ・・・あっ・・・初乳飲ませてないっ
「あぁ。大丈夫や。ちゃんと飲ませたよって・・・」
・・・えっ!?
「吸い付いて離さへんかった・・・」
市丸の話によると、沙樰が出産の疲れで寝てしまった後、市丸が沙樰に子供を抱かせ、病衣の胸を開き乳房を持ち上げ子供口に乳首を充てたら吸蜇反射で吸い付き飲んだらしい・・・それも、産まれたばかりの赤ん坊では、考えられないほど・・・。すると、市丸は沙樰の手を再び握り
「ボク、次は女の子が欲しいんやけど・・・作らへん?」
出産を終えたばかりの妻に、次は女の子が欲しいと持ちかける夫が、何処にいるんだろうか・・・と沙樰は思い。あっ・・・ココに一人居たんだったと、心底ガッカリした。
・・・でも、出産したばっかりだし・・・当分は、次、要らないです。
「ボクも育児手伝うよって、そう言わんと作ろうや」
・・・嫌です。
沙樰は、市丸に背中を向け寝た。すると、スピーカーから、ひよ里の声
『沙樰、起きてるんやったら、ナースコール押してや。そしたら、子供連れて行くよって』
沙樰は、ナースコールを押した。すると、すぐに、ひよ里が新生児用のベットに乗せ産んだ子供を連れて部屋に入って来た。しかし、子供は啼いていた
「ンギャンギャンギャンギャ」
・・・泣いてる。
ひよ里は、新生児ベットから、抱き上げ沙樰の腕に抱かせ
『・・・お腹減ったみたいやわ。母乳あげてや』
・・・乳房マッサージとか・・・しないの?
『沙樰には、いらんやろ・・・とにかく、頼むわ』
ひよ里が出て行った。沙樰は、意味も理解せず、乳房を出し子供口に乳首を充てた。すると、パクっと咥えたと思ったら吸引力が凄かった。乳房が、ペッタンコになって片方の母乳が出なくなると、ペッと咥えていた乳首を離し
「ンギャンギャンギャンギャ」
えっ!?今、飲んだよね?まだ、飲むの???
「さっきもそないな感じやったわ・・・」
市丸は、呆れたように、ソッポうを向き言っていた。
吸い取られる・・・
沙樰は、驚異の早さで退院し家に戻った。正しくは、入院など、してられなかった・・・何故なら、夫である市丸が、仕事を抜け出し逢いに来るからだ。退院後の初めての検診を終え帰宅し、おくるみを取りベビーベットに寝かせると、アキラの目が開いていた。その目は、市丸と同じ真紅色をしていた。
・・・ギンに見られてる気分だわ
すると、偶然なのか・・・アキラの口角が上がっていた。
・・・アキラ。ニヒルな顔しないのよぉ・・・母さん怖いわ
沙樰が、ボソっと零すと、意味合いを理解してるのか、アキラは更に笑う。ハッキリ言って、自分の子供ながら、沙樰は恐怖だった。アキラは、食欲が旺盛な為、沙樰の乳房は母乳でパンパンに腫れ上がり痛いと言う経験を未だしない・・・。
「ンギャンギャンギャンギャ」
どうしたのぉ?
沙樰が、急に泣き出したアキラをベットから抱き上げると、沙樰の乳房のある辺りに唇を充てる。また、お腹が空いたのかと、半ば呆れながらアキラに沙樰は、乳房を出しアキラの口元に乳首を充てる。パクっと咥え母乳が出なくなるまで吸い続ける・・・。
・・・アキラ、そんなに飲んだら・・・ポンポンが破裂するよ?
そんな言葉を何度口にした事か・・・
その夜、夕食も終え、市丸がアキラを腕に抱いている時
ねぇ・・・ギン
「ん?なんや」
今日、アキラが目を開けて私にニヒルな顔したの・・・偶然かも知れないけど・・・
「・・・そうなん?アキラ」
市丸の問いかけに、アキラは薄ら、真紅の瞳を開いた。やはり、言葉の意味を理解しているんだと沙樰は、悟った。すると、市丸はアキラに向かい
「えぇか?アキラ、沙樰は、ボクのもんやで。決して、アキラ、キミのもんやない。そこは、誤解せんとってな」
ちょっと!!何、自分の子供に、言ってのよっ!!
「何事も、最初が肝心なんよ。えぇか?アキラ。キミが、躰に免疫が付いて来はったら、母乳は、卒業や。その後は、粉ミルクで育つんよ、えぇな?」
ちょっと!!!そんな事・・勝手に決めないで
すると、市丸は真紅の瞳を開き沙樰に視線を向け
「ボク、病室で言わんへんかったやろか?次は、女の子が欲しいんやって」
だから、それは・・・当分は、いらないって答えたじゃないですか
「沙樰が、いらんでもボクは、欲しいんよ。・・・沙樰、キミに似た女の子が」
・・・ギン
市丸の思惑にハマリ、沙樰は再び妊娠した・・・勿論、取り上げたのは市丸で、望み通り女の子だった。しかし、違ったのは、沙樰似では無く、市丸に激似の女の子だ。これ程までに遺伝子が似るのだろうかと、その場に居た誰もが思い・・・市丸本人も思ったらしい。
「ボクが女の子になったみたいやわぁ」
・・・そうだね
育児は、二倍になり、沙樰の体力を容赦無く奪っていったが、双子を産んだと思い踏ん張った。産んだ女の子は、翠と名づけられた。アキラの様に食欲旺盛では、無いが・・・兄のアキラに興味を持っているらしく・・・沙樰は市丸の目を盗みアキラにも母乳を与えていると、必ずと言って良い程、翠は、アキラの手を掴もうとする。
「兄ィ兄ィに興味があるの?翠」
問いかける沙樰に、ただ見つめ返してくる翠。大人の言葉を理解しているのは、アキラと同じだった。