※この作品はR-18です。

―お医者さんゴッコなんちゃって―   作:若桜沙樰

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月日は、流れ・・・

 

 

「母さん、今日は、父さん所で寝る日やなぁ・・・ボク、兄妹が、もっと欲しいんやけど・・・母さん、予定ないんか?」

 

 

台所で、食事の支度をしていた沙樰の元にやって来たのは、アキラだった。沙樰は、危うく、自分の指を包丁で切りそうになった。

 

 

・・・何を言ってのよ。母さんは、アキラと翠を育てるので手がいっぱいよ!!

 

 

今度は、翠が沙樰のエプロンを掴み

 

 

「何で?母さん、私も妹か弟が欲しい!!」

 

 

いらねぇーって言ってるだろうがっ!!子供を産むってのが、どんだけ痛いのか知ってんの??鼻から西瓜を出す勢いで痛いんだからね。鼻から西瓜だよ。

 

 

沙樰は、アキラと翠の視線の高さに身を屈め言った。しかし、アキラは、それでも

 

 

「そやけど・・・ボクは、兄妹欲しいやもん。翠と二人だけやなんて、寂しいやん。兄妹は、多い方がえぇやん」

 

 

「私も、アキ兄ィと二人なんて寂しい」

 

 

・・・はぁぁぁぁぁ。あんた、子供が出来る仕組み知ってるの?

 

 

「知ってるで。父さんが母さんと交尾して、運が良ければ出来るやろ?」

 

 

交尾って・・・今、アキラ・・・交尾って言った?

 

 

「うん。だって、父さんが、そう言ってはったわ」

 

 

・・・ギンは、何をアキラに教えたんだよっ

 

 

「あっ。私もアキ兄ィと一緒に、ととさんに、聞いたよ。」

 

 

・・・・はぁぁぁ。

 

 

「なぁ、母さん、ボクと翠が二人だけで寝れるって言うたら毎日、父さんと交尾が出来るやろ?そしたら、ボクと翠に兄妹が出来るんと違う?」

 

 

「アキ兄ィ、頭良い!!」

 

 

良くねぇーよ。調子づくじゃねえーかっ!!ギンが。

 

 

兄妹が、仲が良いのは良い事だと思う。しかし、“最初が肝心や”の市丸独自の教育の元、市丸から色々と入らぬ事を教えられ育つアキラと翠は、沙樰と市丸が、一緒に寝る=交尾をしていると理解していた。絶対、教育上良くないと沙樰はシミジミ思った。

 

 

「帰ったでぇ」

 

 

「あっ・・・父さん!!お帰りなさい」

 

 

「ととさん、かいりー」

 

 

元凶の市丸の帰宅に、沙樰の口端は自然とヒクヒクと動く。沙樰の元から市丸の元に寄って行く、アキラと翠。

 

 

「なぁ・・・父さんも、もっと子供欲しいやろ?」

 

 

「欲しいよねぇ~ととさん」

 

 

「欲しいけど、出来ひんのやから仕方ないんや・・・残念やけど」

 

 

「父さんも歳やからダメなんやねぇ・・使えへんわ」

 

 

「・・・アキラ、キミには、言われたないわ」

 

 

「アキ兄ィ、ととさんにホントの事、言うたら傷付くよ。秘かに、ととさん・・・加齢を気にしてるんだから」

 

 

「・・・ボク、加齢なんて気にしてないわっ失礼な事、言わんとって翠」

 

 

沙樰は、アキラと翠に遣り込められて顔を引きつらせている市丸の姿に笑いが込み上げてきた。二人が口達者なのは、間違いなく市丸の遺伝だと沙樰は、思った。すると、市丸が沙樰方に歩いてきて、カウンター越しに

 

 

「なぁ、ホンマに、あん子らボクの子供なん?物凄く、ボクを甚振って来るんやけど・・・」

 

 

ギンの目は、節穴ですか?アキラも翠も貴方の遺伝子が濃く表れてるでしょうがっ!!大体、そんな親を甚振る様な口達者に育てのは・・・ギン、貴方でしょ?自業自得よ

 

 

「自業自得って・・・そんな言わんでもえぇやないかっ!!」

 

 

・・・あら、ゴメンなさい。

 

 

悪びれも無く謝る沙樰に市丸は、口端をヒクヒクさせいると、アキラと翠が、市丸の傍に寄って来て

 

 

「父さん、ケンカせんとって!!」

 

 

「そうだ、そうだ!!ケンカしないで、ととさんっ!!!」

 

 

沙樰は、そろそろ仕事復帰したいと密かに思っていた。しかし、それを市丸に相談する事が、どうしても出来ず悩んでいた。食事を終えアキラと碧を寝かせ、沙樰は入浴していた。

 

 

「沙樰、逆上せてまうで?」

 

 

浴室をドアが開き、中年なんたらとは無縁な躰つきの市丸が入って来た。沙樰は、溜息を吐き

 

 

・・・入浴くらい一人で入りたいんだけど?

 

 

あらら、ボクの奥さんは、今日が何の日か忘れてしもうたんやろか?

 

 

前から、思っていたのだけれど・・・ねぇ、子供は二人で十分じゃない?

 

 

「・・・沙樰の考えは、よう分かったわ。ほな、ボクも沙樰に聞きたい事あるんやわ」

 

 

えっ?

 

 

市丸は、沙樰の顔を両手で覆い

 

 

「・・・なぁ、ボクに黙ってる事あるやろ?」

 

 

市丸の真紅の目が開眼し沙樰を捉えて離さなかった。沙樰が視線を反らすと市丸は、耳元に顔を近づけ

 

 

「視線反らすやなんて疚しい事あるん?沙樰」

 

 

・・・ある訳ないわ。

 

 

「ふ~ん。ほな、そう言う事にして置くわ・・・」

 

 

市丸を沙樰は訝しげに思い視線を合わせると市丸は、沙樰の唇をなぞり

 

 

「ボク、心配なんよ」

 

 

えっ?

 

 

「沙樰は、ボクの大切な奥さんなんやで?」

 

 

市丸の言葉を聞き沙樰は、秘めていた事を打ち明ける事にした。バスローブを纏い寝室に移動し市丸と向かい合い沙樰は真摯な目を向け

 

 

・・・私、仕事に復帰したい

 

 

すると、市丸は肩をクツクツと揺らした後、真紅の目が開眼し沙樰を射抜くように見つめ

 

 

「・・・えぇよ」

 

 

えっ!?仕事復帰していいの??

 

 

「ただし、ボクが勤務する病院でや」

 

 

色々と不満があるが沙樰は、条件を飲んだ。それから、すぐに沙樰は、仕事に復帰した。配属された部署は、夜勤のない内科の外来だった。

 

 

「若桜さんって、ホントに子供さん居るの?見えないんだけどォ」

 

 

同年代の看護師が、沙樰のスタイルを見て言った。沙樰も悪い気は、しないがジロジロと見られるのは、恥ずかしく赤面した。同僚と昼を取る為、病院内の食堂に向かっていると研修医を従えた歩く市丸を見つけ沙樰は、口元を綻ばした。

 

 

「市丸先生って、カッコいいですよねぇ~。でも、結婚してるんですよねぇ・・・」

 

 

・・・らしいですねぇ

 

 

食堂で、沙樰が昼食と取っていると懐かしい人が、近づいて来て

 

 

「沙樰、仕事復帰したのか」

 

 

えぇ。まぁ

 

 

「良く、あの男が許したな」

 

 

意外にも簡単に許してくれました

 

 

「ふ~ん」

 

 

ニヤニヤと笑うのは、今や小児外科主任となった日番谷。親しくしている様子に同僚の看護師は、沙樰に

 

 

「えっと・・・若桜さんと日番谷先生は、お知り合いだったんですか?」

 

 

あっ・・・うん。日番谷先生と私は、幼馴染なんです。それに、前の病院でも一緒に働いていました。

 

 

「って事は、若桜さんの旦那さんも知ってるって事ですか?」

 

 

・・・まぁ。

 

 

「沙樰の旦那かぁ・・・ふふっ」

 

 

「どんな人なんです?」

 

 

「俺と同業だよなぁ?…なぁ沙樰・・・ふふっ。」

 

 

・・・えぇ、まぁ。

 

 

「じゃぁ、若桜さんの旦那さんも医者って事ですか!?」

 

 

・・・まぁ…そう言う事になるかなぁ・・・っ!!

 

 

沙樰は、日番谷と視線を外すと何時の間にか居たのか市丸が見ていた。沙樰が、激しく瞬きをするので、日番谷が振り返り確認した後、肩を揺らし笑い出した。沙樰は、食事を途中で止め席を立つと

 

 

「・・・沙樰、おめぇも大変だなぁ…クスっ」

 

 

・・・ひっ人ことだと思ってぇ!!!

 

 

食器を片づけ、そそくさと食堂を後にした沙樰。残っていた同僚の看護師は日番谷に

 

 

「若桜さん、どうかしたんですか?何か、急に忙しなくなったみたいですけど」

 

 

「まぁ色々と沙樰にもあるんだろう。ふふっ」

 

 

足早に歩く沙樰の後をこれまた足早に市丸が追いかけて来るが、歩幅の長さと腕の長さで、沙樰は敢え無く市丸に捕まり、腕を掴まれ外科部長室に連れ込まれた。

 

 

「どう言う事なん沙樰」

 

 

・・・えっ?

 

 

「ボクと言う夫が居るのに、他の医者とイチャイチャしとったやろ」

 

 

・・・はぁ。何で、あれがイチャイチャに見えるのよぉ。相手は、日番谷先生だよ?

 

 

「相手が、誰やろうとボクは、かなんんよ」

 

 

ふふふっ。私は、ギンの白衣姿にときめいているのに・・・ホント素敵だなって

 

 

昔なら、照れて言えなかった言葉も歳を重ね共に過ごした年月が沙樰を変え、煽てる事を覚えた。しかし、使うべき時と場所を考える事を欠落していた沙樰は、市丸にソファーへと押し倒され

 

 

「さっ沙樰っっっ!!!!」

 

 

わぁぁぁっ!!!ちょっと!!!

 

 

「なぁなぁ、ホンマにボクに、ときめいたん??」

 

 

・・・ぅうん

 

 

「ほな、その気持ちを大切にして形にせなアカンと思わへん?」

 

 

・・・え゙っ?

 

 

市丸の顔が沙樰に近づき唇を塞いだ。沙樰は、市丸の背中をポコポコと叩くが、それを無視し続ける市丸。例え、市丸専用の部屋だったとしても互いに、まだ就業している時間にコトに及ぼうとするのは沙樰に取って最も嫌な事の筈なのに、躰に染み込んだ快楽は理性を阻害する。市丸の手が沙樰の白衣をたくし上げ下着の中に入り込むとソコは、少し滑りを帯びていて

 

 

「あらら…ボクの奥さんも実はノリノリやったん?」

 

 

…知らないっ

 

 

すると、市丸はニヤリと口元を歪め沙樰の下着を抜き取った後、白衣のポケットに忍ばせていたブツを取り出し指で柔らかくすると沙樰の膣に指と共に入れブツを奥へ奥へと送り込み頃あいを見て、市丸は自らの男芯を膣口に押し当て

 

 

「…ボクと沙樰の愛の形を残そうな」

 

 

あっ…ちょっ…今、何か入れ…あ゙っぁぁぁん

 

 

一気に奥まで挿入するとゼリー状になったブツを子宮口に押し付ける様にしながらピストンする。

 

 

「ボク、知ってんでぇ沙樰が、隠れてピル飲んではる事」

 

 

あ゙っあ゙っ…それっそれは…あ゙っあ゙っん…ギンにも…責任…あるんっ

 

 

「ボクにも責任あるやて?ほな、言うてみボクの責任を」

 

 

一旦、ピストンを止め市丸は沙樰の顔を見下げると沙樰は、市丸の首に腕を伸ばし引き寄せ唇が当たる程、顔を近づけ

 

 

…今、子供を作る目的だけの為に行為をしてる。確かに、ギンの子供を産めるのは、嬉しい事だけど…何だか、私…ギンの子供を産む為の道具みたいで…寂しいなって…

 

 

「フフフフ。アホやなぁ…ボクが、沙樰をどんだけ好いてるか知ってるやろ?全く、道具やなんて思う訳あらへんやろ…大義名分でも作らへんかったら、沙樰…ボクと寝てくれへんと思うてな」

 

 

…そんな…言ってくれれば…いつだって…いつだって…ギンの為に

 

 

「…今の物凄う下にキタわ」

 

 

子宮口をグイっと押上げれる感じをダイレクトに味わった沙樰は、甘い吐息を零し

 

 

ぁんっ…実は、今日…排卵日なの…だからピル飲むの止めるねっ

 

 

「…せやったら、ボクが沙樰の膣に入れた排卵薬も効いて来る頃やし、確実にボクと沙樰の愛の形が出来よるなぁ」

 

 

…そこまでする?

 

 

「するやろ?ボクと沙樰の子は、可愛いに決まってるんやし…それに沙樰の妊婦姿は、可愛らしいんよぉ」

 

 

…はぁぁぁ。

 

 

「なぁ…そろそろ続きシテもえぇ?」

 

 

…萎えた

 

 

「聞こえへんで?フフフ」

 

 

市丸は、再びピストンを始めた。萎えた様子の沙樰だったが、次第に高揚感が押上げて来て膣は愛液を分泌し始め部屋に卑猥な水音と沙樰の悩ましい声が響く

 

 

ん゙っぁん゙っぁん゙っあ゙っあ゙っ…ギンっ

 

 

「今度こそは、沙樰に似た子が出来るとえぇなぁ…んっ」

 

 

ん゙っぁん゙っぁん゙っあ゙っあ゙っ…ギンっ…ギンっ…もう…もう…イッ・・・っっ!!

 

 

キュキュと男芯を締め上げる膣に市丸も堪らず

 

 

「ボクもっ・・・沙樰ィィ・・・くっ・・」

 

 

子宮口にグイグイと押し当てながら射精をし、沙樰の乱れて顔にかかった髪束を退け

 

 

「はぁはぁ…沙樰…好きやで」

 

 

…はぁはぁ…私もギン大好きよっ

 

 

沙樰が、余韻から冷めふと自分の腕時計に目を落とした後、顔を青ざめさせた。市丸は、そんな沙樰の様子にクスっと笑い

 

 

「あっ大丈夫やで?ボクが、内科外来に電話して…若桜さんは、午後から外科部長のボクの手伝いをさせますよって言うておいた」

 

 

…手回しが、相変わらず良いわね

 

 

「何、言うてんの仕事と家事と育児で疲れてはるやから、気にせんと躰を休めており」

 

 

…一番の酷使は、ギンの破天なセックスだと思うよ…って言うか…排卵を起こす薬なんてあるんだぁ医学の進歩って凄いのねぇ

 

 

「…あぁ。月一で京楽先生が、ココの産婦人科外来に出向して来るやけど、たまたま会った時に沙樰の様子を聞かれてたんよ。せやから、中々次の子供が出来ひん事を言うたら排卵薬が、あるって教えてもろうて…ボクの権限を有効に使うて、手に入れたん…せやけど、まだまだ処方回数の少ない薬やから…成功確率は未知なんやて」

 

 

…じゃあ、今回もし、私が妊娠しても自発的排卵なのか、排卵薬なのか分からないんだ…

 

 

「いいや…一つだけ分かる方法があるんよ」

 

 

…えっ!?

 

 

「多子の妊娠や」

 

 

…そっか…って、えぇぇぇぇ!!!

 

 

沙樰が市丸の子供を妊娠したと知った日から、数日後に不正出血を起こした。初めに気付いたのは、アキラだった

 

 

「母はん、母はん…足でも怪我してはる?」

 

 

えっ!?

 

 

見れば、靴下が赤く染まっていて頭が真っ白になり沙樰は呆然となってしまった。そんな様子を見ていたアキラは、翆を呼び

 

 

「翆っ」

 

 

「ん?何アキ兄ィ」

 

 

「母はんの傍に居て」

 

 

「うん」

 

 

翆は、アキラの言うとおり沙樰の傍に来て手を握り

 

 

「母はん、大丈夫やて…」

 

 

アキラは、ケータイで市丸に電話をした

 

 

「あっ。父はんか?今なぁ母はんが、血出てるんや」

 

 

「はっ!どこから?」

 

 

「どこからは、分からんのやけど…母はん、おかしいんや!!父はん、どうないしたらえぇのっ!!」

 

 

「ほな、今すぐ救急車を呼ぶんや!!そして、父はんの勤めている病院の名前を言うや、えぇなアキラっ」

 

 

「うん」

 

 

アキラは、電話を切った後、119に電話をし救急車を呼び、玄関に出て救急車を待ちながら、沙樰が死んでしまうと言う恐怖で躰がガタガタと震え出した。

 

 

「早う、早う来てぇ~母はんが死んでまう!!」

 

 

サイレンの音が近づいてくる。アキラは、大きく手を振って誘導し家の中に入ると沙樰は、床に座り込んいた。

 

 

…アキラが、呼んでくれたの?ありがとう

 

 

「そんなん、どうでもえぇのやっ!!母はん」

 

 

救急隊員は、沙樰をストレッチャーに乗せ救急車に乗り込んだ。すると、アキラは市丸に言われた通り、市丸の働いている病院に行って欲しいと頼んだ。救急隊員は、ハキハキしているアキラに驚きつつも救急車は、動き出した。市丸は、自室から救急に降りて行き沙樰が乗る救急車の到着を待っていると、当番で救急外来にいた吉良が市丸の姿を見つけ

 

 

「どうしたんですか市丸先生」

 

 

「今、ボクの奥さんが救急車で運ばれてくるんよ」

 

 

「では、救急要請の患者は、若桜さんなんですか!?」

 

 

「あ゙ぁ゙どないしよっ。ボク、沙樰が、おらんなったら生きる意味ないわ」

 

 

沈着冷静な市丸外科部長と言う肩書も沙樰の事が絡むとただ妻を心配する夫になる。吉良は、そんな市丸の姿に、ほくそ笑んだ。そうしているウチに救急車のサイレンが近づいて来て、救急の入り口からストレッチャーに乗った沙樰と救急隊員に連れられたアキラと翆がやってきた。すぐに沙樰は、診察台へと移動した。

 

 

「…わっ若桜さん!?」

 

 

…あっ…どうも

 

 

落ち着きを取り戻した沙樰は、ペコっと頭を下げた。すると、市丸が口端をヒクヒクさせ

 

 

「あいさつしてる場合と違うやろ!!沙樰」

 

 

その場にいた吉良意外の看護師や医者は、声を荒げた市丸に驚いた後、沙樰に視線を送り

 

 

「「「「…えっえっえぇぇぇぇ!!!」」」」

 

 

市丸は、使い捨ての手袋を嵌めると吉良に視線を送り

 

 

「イヅル、何してはるんやボクの手伝いしいや!!!」

 

 

「はっはい!!!」

 

 

「沙樰、どっか怪我したんか?」

 

 

・・・多分、子宮からだと思う

 

 

「せやったらボクは、専門外やな…子供かぁ…ボクの子供」

 

 

沙樰は、そのまま産婦人科外来に移送され診察を受ける事になったが、これまた懐かしい産婦人科の部長となっていた浦原だった。沙樰の顔を見るや

 

 

「あはははっ。緊急で運ばれて来た妊婦は、沙樰サンでしたカ…また、昔みたいに無理したんでショウ…全く…」

 

 

診察した浦原はう~んと唸った。診察室に通された沙樰を待っていたのは、鬼の形相の市丸と苦笑いの浦原の姿だった。

 

 

「ボクに隠れて、辛いモン仰山食べたやろ!!!」

 

 

…えっ!?

 

 

「…沙樰サン、刺激物は控えてクダサイ。今回は、大事に至らなかった良かったですが…とりあえず、数日入院してクダサイ」

 

 

…無理ですっ

 

 

「全然無理やないですよって、今すぐでも入院させて下さい」

 

 

ちょっギンっ

 

 

「市丸先生の許可も出た事ですし…沙樰サン、栄養士からじっくり栄養指導受けて下さいネ」

 

 

そのまま、沙樰は産婦人科病棟の個室へと入院になった。しかし、救急外来での出来事は瞬く間に広がり、沙樰が市丸と夫婦である事が知れ渡ってしまい仕事場に行きづらいと沙樰が本気で思っていると、市丸に連れられアキラと翠が病室にやって来た。

 

 

「母はん、大丈夫やの?」

 

 

うん大丈夫よ!!

 

 

「何が、大丈夫なんや!!!子供流れてまう所やったんやぞっ!!!」

 

 

…ごめんね

 

 

「そう思うやったら、肝に銘じるんや…ボクと沙樰の子の為なんやから」

 

 

沙樰は、本気で怒っている市丸の姿に不謹慎ながらカッコイイと思ってしまった。黙って、沙樰と市丸の様子を見ていたアキラは、翠に向かって

 

 

「見たな翆」

 

 

「うん、うん。アキ兄ィ…父はん、カッコぇぇ!!」

 

 

「これが、医者の父はんの顔なんやねぇ…凄いわぁ」

 

 

「えぇな、アキラ、翆。もし、母はんが、また辛いモンを食べてはったら、父はんに教えるやで?」

 

 

アキラと翆は、コクコクと頷き、沙樰の腹に触れ

 

 

「ココに、妹か弟がおるんやねぇ…父はん、枯れてへんかってんな」

 

 

「…アキ兄ィ、枯れるって何?」

 

 

沙樰は、アキラの言葉に口をアングリさせてしまい市丸は、アキラを沙樰から引き離すと今にも泣きそうな顔をさせ

 

 

「…頼むよって、言葉は選んで言うて。マジで父はん傷ついてまうから」

 

 

「えっ!?凄いって思うたから言うたのに…父はん、弟か妹ありがとう」

 

 

「なぁなぁ、枯れるって何の事なん???」

 

 

「えぇから、翆は知らんで、よろし」

 

 

翆は、頬を膨らませたまま市丸に抱きつき

 

 

「…父はんのケチんぼ」

 

 

沙樰は、不貞腐れながらも市丸に抱きついている翆を手招きして呼び、頭を撫でながら

 

 

母はんに、子供が出来なかったのは、父はんの所為じゃないのよ…だから翆、アキラの言った言葉は、忘れてしまいなさい。あの言葉は、父はんのプライドを傷つける言葉だから…ってか、父はんは、そこらの男の人より…ギンギンなんのよ…名前からして…

 

 

「…プッ。なんやの…オヤジギャクなん?それ」

 

 

…だって、事実でしょ

 

 

沙樰は、顔を真っ赤にさせた。そんな沙樰に市丸はアキラと翆の見てる前でキスをした。勿論、沙樰は子供の情操教育に悪いと怒ったが、アキラと翆は親指を立て

 

 

「「父はん、やるぅ」」

 

 

「フフフ。そうやろ」

 

 

沙樰が、その情景を見て本気でガッカリした事は言うまでもなかった。月日は流れ沙樰が臨月を迎え大事を取って予定日より早めに入院した。荷物を片づけベットに横になり沙樰が腹を撫でているとチクチクと痛くなってきた

 

 

…えっ!?

 

 

そこに、様子を見に来た浦原

 

 

「どうですカ?沙樰サン」

 

 

…浦原先生、つかぬ事聞いていいですか?

 

 

「何デス?沙樰サン」

 

 

…お腹が、チクチク痛いのって…やっぱり、陣痛ですかねぇ??

 

 

「アラアラ、気の早い子なんでしょうかねェ。いつから、痛くなって来たんデス?」

 

 

浦原は、沙樰の腹を触りながら訪ねた。

 

 

…荷物を片づけてベットで休んでいたら急にです

 

 

「…予定日より速いですケド、ぱっぱと産んじゃいマス?」

 

 

…この痛いのは陣痛じゃないですね?

 

 

「う~ん。お腹が少し張ってはいるみたいですケド…様子を少し見まショ」

 

 

…はい

 

 

沙樰も、そんなに気にもせず、チクチクと痛む腹を撫でながらテレビを見ていた。トイレに行きたくなり、トイレで少し腹に力を入れたら急に痛みが増加し

 

 

あたたたた…何か切れたぽいなぁ

 

 

病室に戻ると、様子を見に来た市丸が居たので沙樰は、自分では確認出来ないので市丸に見てもらう事にした

 

 

ねぇねぇ…ちょっと確認して欲しいんだけど…いい?

 

 

「ん?何をや」

 

 

…何にかが切れたぽいんだぁ

 

 

「え゙っ!?」

 

 

膣に指を入れた市丸は指先にニュルとした感触があり子宮口が開き胎児が出て来ているのだと瞬時に理解した。市丸は、呆れた様に

 

 

「痛ないの?多分やけど…子宮口開いてるで?」

 

 

・・・え゙っ!?そういえば痛い…凄く痛くなって来た…あたたた

 

 

市丸の言葉に触発される様に腹の痛み増し、沙樰は陣痛の波だと実感した。

 

 

「今回は、立ち会い出来ひんって諦めてはったけど…フフフ。今回もボクが取り上げられそうやねっ」

 

 

…マジでかっ

 

 

市丸から知らせを受け、浦原がやって来た。

 

 

「はははっ。やっぱり陣痛でしたねェ。んじゃ、ちゃちゃっと産んでしまいましょうねェ沙樰サン」

 

 

念の為にと促進剤を打たれ、沙樰の陣痛は急激に間隔が縮まり、一気に子宮口が開き怒涛の痛みと一刻も早くいきみたい気持ちがムクムクと支配していった。しかし、待てど、待てど、沙樰は分娩台に乗せられたままだった。痺れの切れた沙樰はコメカミに青筋を浮かばせ

 

 

ちゃちゃと産ませやがれっっっ!!!ぜェぜェぜェ

 

 

市丸は、興奮している沙樰を落ちつかせようと視線を向け

 

 

「…フフフ。そないに気張るんやない沙樰」

 

 

「ははははっ。沙樰サン、少しリラックスしまショ」

 

 

宥められれば宥められる程、沙樰のイライラは増して行き、限界に達した沙樰は勝手にいきみを始めてしまった。

 

 

…ゔっんんんんんんんん・・っ!!!

 

 

経産婦であるのと超安産型な沙樰のお産は、進行するペースが早い事を市丸と浦原は、欠落させていた。

 

 

「アラララ…出て来てもうたわ」

 

 

「そうデシタ、そうデシタ。沙樰サンのお産は、凄く早かったデスネ」

 

 

完全に頭が外に出ていて市丸が手を添えると回転しながら胎児が押し出されて出て来た。助産師が覗きに来た頃には、産声が響いていた。浦原に後処理をしてもらいながら沙樰は、腕の中で力強く泣く我が子を見て

 

 

…やっぱり、ギンの遺伝子は強いね。

 

 

「…どうして何んやろ。今度こそはって思ってたやのに」

 

 

「いいじゃないですカっ。次の子は、きっと沙樰サンに似てますヨ」

 

 

…また、余計な事を…はぁぁぁ。

 

 

「フフフ。せやなっ!また、頑張ろなっ沙樰ィ」

 

 

打ち止めじゃぁボケがぁぁぁぁ!!

 

 

沙樰の声が、分娩室に木魂した。

 

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