---シュウ---
ベース・キャンプで、雪姫と夏凜に、この世界のことを調べてもらっていた。
「この街、ヘルサレムズ・ロットは、外部とは関門と呼ばれる結界の穴以外接触できないみたいだ」
雪姫が僕の持ち込んだ書物から、読んで得た情報を話してくれた。
「LHOSという組織が張った結界だろうな。大崩落時に命と引き換えに張った魂の結界のようだ」
うっうぅ~ん…と、僕の下から雪姫の艶めかしい声が聞こえる。
「私にも何かしてなさいよ~!」
全裸で十字架に磔にした夏凜から、リクエストが飛んで来た。スルーだな。
「で、異物の正体は?」
「書物によると、人間の姿に擬態しているヤツらは、人知を超えた存在が、DNAに直接術式を書き込んで人間を改造し、作り上げた異物のようだ。見た目通りのやつは、見た目通りのようだ。で、前者は吸血鬼と呼ばれているみたいだな」
DNAに直接かぁ…う~ん…目の前にある雪姫の乳首を舐めながら、考え込む。吸血鬼でないのに吸血鬼か?特性がそうなのか?鏡に映らないとか…
「痛っ!おい、噛むなよ…」
雪姫から文句。スルーだな。
「殺しても灰から再生可能だそうだ。私達より再生力はおう盛だな」
「殲滅は無理でも、封じ込めはしたいよな…」
雪姫の乳房に頬ずりして、考え込む。
「肌の感触を愉しんでくれるのは嬉しいが、下も頼むぞ」
顔を真っ赤に染めた雪姫からのリクエスト。
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地上に戻り、ベッドで寝ているチェインの横に滑り込み、チェインの身体を愉しむ。雪姫より肉厚はないが、かよわさは感じられない。
「あぁ、シュウ…おはよう…」
寝ぼけ気味のチェイン。挿入して体内から体温を上げてあげる。
「暖かい…余計に眠くなりそう…」
僕の胸に頬を重ねて、二度寝…う~ん、体温下げたら起きないよな…
で二人揃って出勤。
「どうだ、ジャンク屋の方は?」
クラウスに訊かれた。
「無いなぁ…なぁ、人身売買系の店ってあるか?」
「あるぞ…そこにいるのか?」
「わからない。でも、色々調べることは大切だろ?」
「ザップに臍の垢を飲ませてやりたいような発言だな」
って、スティーブン。
「そういう店だと、チェインよりスティーブンの方が良いだろ。二人で調べてこい」
と、クラウス。
「私は?」
「チェインは別件の依頼が来ている」
今日のパートナーは男になるようだ。
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スティーブンに、表通りの店に連れて行かれた。こういうのは表通りにあるのか。
「ここがそうだ」
中に入ると、ガラスの仕切りの反対側に、全裸の女性達が拘束されていた。女性達を見て廻るが、いないなぁ…
「どんなのを、お探しですか?」
店員に訊かれた。
「プレイボーイ誌に出ていそうな女…」
「高いですぜ」
「目録はあるか?」
奥の部屋に案内されて、目録を見せてもらった。いた!
「この女は?」
「あぁ、ソイツは売却済みだ。見るだけ…ビデオ販売だけだ」
店員からビデオ販売店を紹介されて、店内を物色。もう一人見つけた!見つけたビデオをスティーブンに買ってもらい、職場へと戻った。
で、再生…レビアは、どこかの屋敷にいるようで、人型の者にペット扱いされていた。もう一人は闇雲那魅という巫女である。彼女は無数の触手を持つ者にいたぶられ、逆さ吊りの状態で八つ裂きにされ、内臓を喰われていた。グロな映像な為、スティーブンは吐き気を…
「ひでぇ~な。これは…」
「どの世界でも聖なる者を蹂躙したいんだろうな、闇の者達は」
と、他人事のように言う僕。
「これらの映像から、場所を特定できるかな?」
「う~ん…やってみるが、期待しないでくれ」
ビデオはコピーし、ヤマトにも渡して、ヤマト達にも解析をしてもらうことにした。この街は魔や闇に飲み込まれていてノイズが多く、索敵がうまく出来無いし。
「で、次の手はどうする?」
クラウスに訊かれた。
「門へ行ってみようと思う。どこにある?」
「街の中心部…永遠の虚(ウロ)と呼ばれている」
「そう…ちょっと、怒りをぶちまけてくるよ」
あんな映像を見たんだし…怒り心頭にならない方がおかしいと思う。クラウスが言うには、あんな程度、ここでは日常茶飯事だと言うが…
街の中心部…大きな穴があり、底の方から闇の気配が湧いていた。剣をフル装備して、深呼吸。前回は3日も掛かったけど、今回はどの位かな?
精神統一した後、僕は穴に身を投げた。
---チェイン---
「彼はどこに行ったんですか?」
シュウが帰って来ない…いつも、夜明けまでには帰ってきたのに…
「わからない」
クラウスの返答はそっけない。
「わからないって、どういうことですか?」
「おい、クラウスに怒りをぶつけてもなぁ」
スティーブンが割って入ってきた。
「昨日の相棒は、アンタでしょ?なんで、一人で行かせたのよ?迷子になって路頭に迷って、違う女に拾われたら、どうしてくれるのよ~!」
「あっ!そうだ。門の場所を訊かれた」
クラウスが思い出したように答えた。
「門?何の門?」
「異界への門だよ」
まさか…異界へ行ったのか?まさかなぁ…
「もしかして、永遠の虚に足を滑らして落ちたり♪」
ザップが禄でも無い事を言う。
バキッ!
アイツの頭部へ上段蹴りを一発かました。
「何すんだよ、このクソ女!退院したばかりなんだぞ!」
「アンタが禄でも無いことを言うからだよ!」
「どこかに潜入したのかもしれないな。スティーブン、画像の解析を進めてくれ」
クラウスは平然としていて、スティーブンに指示を出した。
「ねぇ、正式のメンバーでないからって…」
「共闘する仲間って意識ではいる。2,3日待て!協力組織に情報を集めてもらうから」
家に帰り、彼の帰りを待つ。彼と出会う前は、毎晩呑み屋を渡り歩いていたのに、いまはそんな気がまるで無い。帰りを待つって、つらい。戦って、護って上げていた方がよっぽど楽だと思える。
彼が掃除をしてくれた部屋…私の寝ている間に、掃除をしていてくれた。起きると毎朝、私の身体を堪能していてくれた。でも…今朝もいない…どこへ行ったのよ~
出勤しながら、彼を探す。彼の痕跡を探す。
---シュウ---
しまった。時間の概念がわからない。あれから何分、何時間、何日、何年経ったのだろうか…異物達が襲ってくる。どこかに話せる奴はいないかな。剣で屠り、魔法で屠り、術で屠り続ける。チェインは生きているかな。再会は老婆だろうか?まぁ、それも人生かな。
器が限界に来たようだ。次の形態になり、器を休ませる。次の形態は死そのもの。死神の鎌の刃の部分である。触れる者を即死させていく。こいつら魂が無いみたいなので、即死しても直ぐに動き出す。う~ん、この形態ではダメみたいだ。
次の形態、恐怖そのもの。しかし、異物達は恐怖ってものがわからないのか、襲ってくる。前回より、なんかやるだけ無駄な気になっている。どうするかな。話せる相手はいないかな…
『亘、何ちんたらやっているのよ~!』
姉ちゃんから念話が届いた。今更なんだ?
『今更なんだよ?また、あれか?』
『油断していたわ。平和続きだったから、久しぶりに爆睡して…で、援軍を送ったから。で、そこは第5宇宙…で、話せる相手は、あなたの嫌いな神族よ!』
姉ちゃんが何かをして、僕は本当の形態になっていた。異物達が後ずさりしている。
「貴様、何者だ!」
精神体の塊が僕の方へ飛んで来た。話せる異物を探していたから、見付からなかったようだ。
「お前こそ、何者だ?僕は宇宙神の特務機関の者だが」
「宇宙神?絶対神が密告したのか?」
密告?コイツ何かエグいことをしているのか?
「何のようだ?」
「人間界との門を閉じてくれないかな?」
「何故だ?」
「人間界に悪影響が出ているからだ」
「人間?そんなのは材料だ。文句を言われる筋合いではない」
横柄な神族は嫌いだ…沸々と湧き上がる、ヘイト感。
「なぁ、お前神族だよな?」
「全知全能なる神だ!頭が高いぞ、宇宙神の使用人風情が!」
「神族だよな?」
「全知全能なる神だ!貴様のような下等な存在にはわかるまい」
「はぁ~、宇宙神を語る神族かぁ…僕は『神殺し』なんだけど…消えてくれないかな?」
ビクっとした神族。僕は神殺しの妖刀村正を手にして構えた。
「死んだはずだろ?」
「大いなる意志の命により、お前達、クソ神族に鉄杭を喰らわす為に、リターンしてきました♪」
問答無用に一刀両断して仕留めた。異物達が、恐れおののいている。
「お前達が悪いとは思わないが、他の種族を脅かすのであれば、消す。どうする?話出来るやつはいるか?」
1体の異物が前に出て来た。
「門を閉めろ!誰でも出られるのでなくて、害無き者だけの出入りにしろよ!」
「希望を残してくれるのか?」
「その代わり、害為す者は、お前達で躾しろ!」
「希望は持てるのか?」
「希望?そんなもんは、自ら見つけろよ!他人が与えるものではない」
「わかった…門を閉めて、関門を設置するんだ。戻って来たヤツは全員受け入れ、出て行くヤツは、行いを見極めて、殺せ!」
「「おぉぉぉ!」」
殺すのか…まぁ、自主管理に任すか。
「あぁ、約束が守れないのであれば、お前達を他の世界へ飛ばす。約束が守れるのであれば、お前達だけの星を与える。そこで希望を育てろ♪」
代表者と契約を交わらせた。地上に残っている異物は、殺していいって感じの…
そして、地上へ戻ると、大崩落した現場に、大きな塔が立っていた。どこかの迷宮都市のように、あれが蓋というか関門の役目を果たすらしい。まぁ、一応解決ってことで、職場へと帰る事に。
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「シュウ…どこに行っていたのよ~」
オフィスに入ると、チェインが…目を腫らしたチェインが抱きついて来た。血塗れなんですが…
「何?これ?血?それにしては臭いけど…」
「あぁ、異物達の血…違うなぁ。アイツら血なんか無いか。あれ?誰のだっけ…あぁ、神と名乗った神族のだ♪」
「おい!神を殺したのか?」
クラウスが驚いている。
「あぁ、問題点はソイツだったから。何が全知全能なる神だよ、クソ喰らえだよ」
うん?皆、固まっている。どうしたんだ?
「お前…神を殺したって?」
スティーブンの顔から血の気が失せている。
「だって、本当の神じゃなくて、神族っていう種族だよ」
「どうして区別が出来るんだ?」
クラウスが僕を疑っているようだ。
「どうして?そんなの話しすればわかるでしょ?全知全能って、笑っちゃうよ。神は全能では無いんだからさぁ」
「だから、なんで、そう言い切れるんだ?」
「神って男?女?」
「うん?普通は男だろ?」
って、ザップ。
「いい?全能者って、性別が無いんだよ。子作りも一人で行えて、全能認定をされるんだよ」
「うっ…それは一理有るなぁ…」
クラウスが半ば納得している。
「全能なる存在は、見た目も性別不明で無いとダメなんだよ」
「お前は見た事あるのか?」
あっ、やらかしてしまったかもしれない…正体がバレる予感…
「ノーコメントでいいかな。上司に怒られる…」
「上司って誰だ?」
スティーブンが突っ込みを入れてきた。
「いや…あぁ…また、情報漏洩で禁固刑か…」
「また?って、何年食らったんだよ?」
って、ザップ。
「前回は40億年ほど…」
しまった。正直に答えてしまった。
『まったく、お前の正直さは、大バカを越えているな。ふふふ♪』
大いなる意志から念話が…あぁ、禁固刑確定…凹む僕。
「なぁ、40億年って…お前、何者なんだ?って、年齢は幾つだ?」
ザップがぐいぐいと質問をしてきた。常識人達は固まっているのに…
「うっ…うぅぅぅ…」
涙が零れてきた…禁固刑はイヤ…
「おい、泣くなよ~」
ザップに慰めてもらっている僕。
「う~ん…年齢は永遠の17歳…過ごした年数は1兆5000億年ほど…」
ザップが指を折って数えている。この隙に逃げるか…あれ?エリ首を掴まれている。
「どこに逃げるのよ?シュウ!」
チェインだ。
「説明してよ!ねぇ、あなたが何者であっても、私は付いて行くからね♪」
僕の頬に口づけをした彼女。一瞬唖然として隙に、レオにも掴まれてしまった。逃げられない…
「すまない。取り乱してしまって」
クラウスが正気に戻ったようだ。
「レオ、彼の本来の姿はどんな姿だ?」
神々の義眼か…本当の姿が見えてしまう。本来の姿は神々の義眼程度では見えないけど。
「えっ!シュウさんって、人間では無いんですね…これって…どういう種族ですか?」
有り得ない種族ですよ…
「何が見えるんだ?」
クラウスが、レオをせかす。
「鬼…金色の鬼…背中には純白の翼…頭上には金色輪っかが3つ…」
「鬼と…天使の…ハーフ?」
チェインが正解に辿り着いたようだ。
「鬼と天使のハーフだと…有り得ない種族だな」
って、冷静なザップ。
「シュウ…お前も異界の者なのか?」
スティーブンに訊かれた。
「違う…僕は…」
どこと言えばいいんだ?出向ばかりなので、常時いる世界が無いのだが…
「時の放浪者というか…」
一番妥当そうな言葉を口に出した。
「並行世界を渡り歩いているのか?」
クラウスの問いに頷く僕。
「色々な世界に行っているのか?なぁなぁ、師匠から聞いたんだけど、どこかの世界に鬼畜といわれる最強な生物がいるらしいんだけど、見たこと有るか?」
って、ザップ…それって、僕だけど…
「ノーコメント」
「うん?有るんだな。どの位強ぇ~んだ?」
おい、ノーコメントって言ったのに、話を進めるな!
「もしかして、お前、そいつにボコられたのか?」
なんか、追い込まれている。逃げたい…逃げたい気持ちが、暴走した僕は、転移した。おまけを2つぶら下げて…