※この作品はR-18です。

神器なき男3   作:もっち~!

2 / 93
最悪の悪魔
終わって始まる物語


世の中には神が多い。そんな神には2種類ある。本当の神と呼ばれる存在と、人々が信仰している神との2種類である。後者は神族という種族である。見分け方は性別である。全知全能なる神には、性別など無い。そして、神族は男神と女神がいる。これは種族を増やせるよう、交配する為である。種を残す必要の無い神は、必要に応じて神を創造する。その神もまた性別は無い。ただし、神以外と交わる事により、ハーフ神と呼ばれる者を世に送り出せる。それを愛の結晶だと言う神もいる。

 

神は配下として天使を創造した。その天使と神が交わることで、神族が産まれたとも言われている。始祖神族に関しては、記録が無いので、言われているだけで、本当かどうかを調べる術は無い。

 

随分と昔のことで、記憶違いも有るけれども、僕は兵器として『大いなる意志』に創造された。役目は、神族の暴走を押さえる役目だった。神族は時として、地上の者達へ猛威を振るう事があったのだ。些細な理由で。ムシャクシャしたからとか、気分が悪いからとか、信仰する者が少ないとか、力を見せつけたいとか…

 

僕は、神より上の階位にいる『大いなる意志』という存在により、『神殺し』という特権を与えられていた。これは神族を殺せる能力である。どうしてかというと、純粋な神より、神と天使のハーフである彼らの方が頑丈であり、神の命令を無視する神族が出始めたからだった。それら神族を取り締まり、粛清する為だ。

 

『神殺し』として恐れられていた僕は、二人の女性と知り合い、愛し合った。そんな僕に『大いなる意志』は、心を与えてくれ、生殖器官を与えてくれた。「愛を感じろ」と…その結果、彼女達との間に、子宝に恵まれたのだが…

 

 

僕は神族達に恨まれていた。殺したい程、憎まれていた。しかし、神族には僕を殺す特権も能力も無かった。その為、悪神達に、伴侶と子供達を人質に取られ、自害するように命じられた…

 

--------

 

そんな因縁の元凶である悪神を、同じ悪神に因縁を持つ仲間達と共に、漸く仕留めることが出来た。因縁を断ち切った僕、ファルコン、ジム、そしてフレイの身体が光の粒子に分解されて行く。悪神の仕掛けた最後の罠が発動しだした。

 

時の牢獄という、この世界での永久禁固か、パンドラの箱を開けての、この世界の滅亡かの2択を置き土産にした悪神。僕の選択は、パンドラの箱を開けて、僕が総ての災いを受けとめ、この世界を救うにした。選択肢に無いものを選択…破綻した僕だから出来ることか?

 

 

最期の一手を打たないと…仲間達まで災いの餌食にされてしまう。

 

『ソウルマージ(魂の再結合)!』

 

分解されていく魂を再結合させた。その影響で、ファルコン、ジム、フレイの身体が実体化しだし、僕だけが光の粒子に分解されて行く。

 

「団長、なんで…一緒にいたいです」

 

ファルコンが、こんな僕の為に涙を流してくれていた。でもね…

 

「この世界の後始末を頼むよ、ファルコン♪…僕は箱を開ければ、飛ばされる運命なんだ。また、どこかで逢おう。そうだな、いい女がいっぱいいて…平和な世界がいいな…」

 

脳裏には、愛してくれた者達の顔が、走馬燈に映し出すように、浮かんでは消えていった。

 

「リアス…ソーナ…ヴァイラ…フィア…メイビス…ハニー…アスナ…マッチー…深雪…蘭…そして、母さん…逢えて良かったよ…」

 

僕の意識は闇に飲み込まれて行く。

 

-------

 

パンドラの箱を開けた途端、ここに飛ばされた。う~ん…みんな、元気かな…仲間達の顔が浮かんでは消えていく…

 

今度は、どこの誰の子宮内だ?いや、誰と誰の間の受精卵に着床したのだ?まったく、外界の情報が読めない。子宮内の受精卵にいるのは、経験済みなので、わかるんだけど…う~ん…受精卵なので、子宮内の他の細胞に触れることが出来無い。胎児にまで成長すれば、可能かな?

 

 

『ヘルプ』を唱えてみた。しかし、誰からも応答が無い。ここはどこだ?取り敢えず、今できることをする。まず、現状で持っている物をチェックする。魂に宿る者…一誠以外は皆いる。って、ことは一誠とは無事分離したか、一誠のいる世界であるってことか?でも後者なら、『ヘルプ』で連絡が出来るはずなんだけど…じゃ、前者かな。まず一安心か。

 

持っているスキル…パッシブは総て所持。不思議な袋は空間に保管されているので、装備、アイテム類も総て保持している。これも安心だな。

 

みんなから応答が無いのは、前回の教訓のようだ。一番エネルギーを喰わないリリスが、教えてくれた。みんなが目覚めると、僕の活動エネルギーが欠乏気味になるので、徐々に目覚める取り決めを、事前にしておいてくれたそうだ。なので、リリスも必要最低限で反応してくれるようだ。ありがとう、みんな♪

 

この状態で出来ること…気の鍛錬だけかな。まだ手足が無いもんな。それだけをこなしていく。

 

数日経つと、姉ちゃんから念話が届いた。

 

「ごめん…亘…爆睡していて、亘の救難信号に気付かなかったよ~」

 

って…『ヘルプ』は届いていたようだ。

 

「ここはどこ?」

 

「13…クリス君達の並行世界だよ」

 

13?僕の処?で、(改)の世界?また、厄介な世界へ飛ばされたものだ。

 

「で、誰の子宮内?」

 

「リアスちゃんのだよ…」

 

はぁ?

 

「相手は?」

 

「鳴神一成…」

 

それって、オリジナル(改)で、最悪なシナリオのど真ん中じゃん…そうなると、僕がドラゴニール?

 

「そうそう…兵藤一誠を何度も殺す極悪悪魔…」

 

はぁ~いぃ~?

 

「まぁ、試練だな。うんうん、その世界をどうするかは、亘次第だよ♪」

 

えぇぇぇぇ~!僕の手腕次第?

 

「で、僕は…ハーフ悪魔?」

 

「現状では…飛ばされる前の身体は、キープしたあるから、出産後に同化吸収できるように手配はしてあるわ。これにより、聖魔融合体の天使と鬼の化け物になれるわ」

 

ますます、カオスな身体、カオスな種族になっていく僕。原形を留めないくらいだ。

 

「まぁ、罠に嵌まった効能じゃないけど、これにより、心の強度は上がるはずよ。悪魔の耐久性が付加されるからね」

 

でも、僕は悪魔で無いんでしょ?

 

「同化吸収前はハーフ悪魔よ。出産してすぐには、同化吸収出来無いしねぇ」

 

ベースになる身体が安定しないと、ダメだったなぁ。

 

「出産後3ヶ月くらいは、ハーフ悪魔として、育ちなさい。13だから、どうにでも手を差し出せるし。ペナを受ける絶対神は亘なので安心よ♪」

 

えぇぇぇ~、僕がペナ受けるの?心外だよ、姉ちゃん。

 

「神なのに、何でそんなにコロコロと罠にかかるのよ。これはペナ対象だからね」

 

凹む僕…そうだ、アレを聞かないと。

 

「一誠の世界はどうなった?」

 

「平和よ。それは心配しないでいいわ。でも、亘のロストで、ちょっとねぇ。まぁ、居場所が判明したから、私がどうにかするわよ」

 

蘭とクラリス…あぁ、後マッチーが心配だ。

 

「その3名には長期出向って伝えてあるわ。なので、待っているそうよ」

 

それなら、いいか…

 

--------

 

胎児になると、子宮内で身体が動かせるようになった。臍の緒でリアスと接合できたので、妖術の鍛錬がてらで、リアスの夢に乱入したり、エロ系術の鍛錬がてらに、リアスの身体を弄んだりして、過ごす事が出来た。なので、ストレスフリーに近い。

 

そして、出産…ソーナが取り上げてくれた。大切に保育器に収められた。

 

「なぁ、何かおかしくないか?」

 

誰かの声が聞こえる。

 

「う~ん…何だろうか?このプレッシャーは…」

 

あぁ、魂のオーラがダダ漏れしているのか。まだ、コントロール出来無いんだ。

 

「この赤ん坊が発しているよな?」

 

「魔王様の妹君の子供だ。そういう物かもしれないぞ」

 

医療関係者の声かな?知らないオーラなので、判別が出来無い。

 

------

 

出産1週間で母子共に退院。無事にグレモリー邸に連れて来られた。あぁ、美味しそうな女体のオーラが多数有るなぁ♪

 

リアスの母乳…美味しく無い。なので、イチゴミルク化させて飲む。ベースが悪魔なので、魔力が初めから有るのは、嬉しいことだ。これからの課題は、魔力上限値のアップだな。赤ん坊は寝るのが仕事なので、マインドロストギリギリまで使い切って寝ることにする。

 

いやなヤツ…父親の鳴神一成に、魔力弾を撃ち込み、遊び兼鍛錬をし魔力を使い、経験値を稼ぎ、上限値をアップさせていく。生後3ヶ月までには、中位魔法くらいを行使できるくらいになりたいし。

 

生後1ヶ月検診…何故かグリゴリに連れて来られた。能力値を測定するのかな?

 

「アザゼル、頼む。甥っ子の能力、特に神器の有無を知りたい」

 

サーゼクスさんの声が聞こえる…近くには、リアスの心配そうなオーラを感じる。

 

「あぁ、分かった。有るといいな」

 

アザゼルによって、検査機器に入れられる僕。でも、無いと思う。

 

「サーゼクス…残念だが、無いなぁ。ただ、魔力の上限値が異常に高いんだが…」

 

「なんだって!」

 

そうか。上限値は順調にアップ出来ているんだな。

 

『同化吸収できそうね。身体を送るわ』

 

姉ちゃんの声がして、身体に異変が起きる。体組成が組み替えられていく。ハーフ悪魔の身体に、鬼、天使、魔人、魔物、神の遺伝子が組み込まれて、融合していく。力が湧き上がる。身体のパッシブスキルも組み込まれていく。再生、吸収、透過…戦うのに必要な物が、僕に戻って来た。そんな僕の変化に気づかない、アザゼルとサーゼクス。こいつらで試運転をするかな?

 

記憶領域に、あらゆる大系の術式が流れ込む。これで、魔力やオーラがあれば、使えるようになる。

 

いきなり警報音が鳴り響いた。あぁ、検査機器が僕の異常に気づいたようだ。ふふふ…

 

「どうした?何…どういうことだ?」

 

あたふたするアザゼル。

 

「どうした?何が起きたんだ?おい、アザゼル」

 

サーゼクスさんが、僕を覗きこんだ。そんな彼に、ヴリトラのラインを撃ち込み、魔力をドレインしてく。

 

「何を…して…いる…」

 

マインドロストして、意識を飛ばして倒れるサーゼクスさん。

 

「マズい…コイツ…何者だ。おい、リアス!お前は何を産んだんだ?!」

 

「えっ!子供…違うの?」

 

声が震えているリアス。目の前で、魔王である兄が倒れて、プチパニックに陥ったようだ。うん?何かの魔法陣が僕の上に現れて、僕はどこかに強制転移された。

 

--------

 

同化吸収するタイミングを間違えたようだ…

 

生後1ヶ月で、隔離って何?絶対隔離領域に封印されている僕。母乳はどうした!おい、育児拒否か?エサが無いと、悪魔としての成長が鈍る…どうするかな?

 

コピー体を隔離領域に置いて、夜な夜なそこから出歩く僕。『結界無効』持ちには無意味な鳥かごであった。そして、夜な夜な冥界の女性達からエネルギーをドレインしまくり、黒いオーラ持ちの悪魔を狩る。戦闘生物なエロ神は本能のままに冥界を闊歩していく。

 

生後2ヶ月…だいぶ、能力値も上がってきた。もう少しで身体のアップグレード出来そうだ。一日1回、リアスの母乳を目一杯吸う。もちろん、イチゴミルク味で♪たまに、メロンミルク味であるけども。順調に成長をする僕。

 

「お前…どうやって、抜け出したんだ?」

 

或る夜、鳴神とリアスが交わっていた。おい、そんな行為をしたら母乳が出なくなるだろう!怒りが込み上げ、鳴神を半殺しにする。『エアスタンプ』で叩き潰し、上空5000メートル辺りから叩き落としてあげた。その後で、リアスの乳首を吸うが…やはり、母乳は出なく成っていた。異性と性交することにより、母体は単なるメスになっていたのだ。

僕の楽しみを…リアスに『催淫』を発動して、流れ出る液体を母乳に変えて、更にイチゴミルク味にして、食する鬼畜で貪欲な僕。

 

「ごめん…ドラゴニール…ごめんね。母乳が出なくなったのね…」

 

謝る母親リアス。しかし、今の僕では声帯発達中の為、まだ言葉を発することは出来無い。なので、彼女を睨むだけだ。

 

 

 

---アジュカ---

 

リアス君の子供が、夜な夜な絶対隔離結界から、抜け出しているようだった。どうやって抜け出しているんだ?総ての大系を網羅してつくりあげた領域なのに…昨晩、リアス君の旦那の鳴神一成君が襲われたそうだ。母乳を求めやってきたドラゴニール君の前で、リアス君と交わっていたそうだ。その為、母親から女になったリアス君からは母乳が出なくなったそうで、その怒りをぶつけられたそうだ。その後、母乳の出なくなってしまったリアス君は、ドラゴニール君への謝罪の言葉を譫言のように繰り返している。

 

「どういうことだ、アジュカ!どうして、甥っ子は夜な夜な、出て来られるんだ?」

 

一度、ドラゴニール君に意識を刈り取られた経験を持つ、サーゼクスに怒鳴られた。

 

「わからない。結界は破られていないし、監視モニタでは、ずっと隔離されたままだ。って言うか、赤子を隔離して、何も思わないのか?サーゼクスよ!」

 

食事を与えずに赤子を隔離って、有り得ないだろうに?

 

「お前はアイツの怖さを知らないからな。アイツは生後1ヶ月で、魔王である俺の意識を刈り取ったんだぞ」

 

あぁ、恐いよな。この先、どう化けるか…最凶最悪な魔王になるのは、確実だろう。

 

「で、どうしたいんだ?死ぬまで隔離か?」

 

「話し合いが出来るまでだ」

 

「はぁ?言葉を教えていないのに、会話なんか永久に出来無いぞ!」

 

「うっ!」

 

おい、気づいていなかったのか?

 

「会話なら出来ますよ。アジュカさん♪」

 

知らない声が聞こえた。俺とサーゼクスが声の主を見る。サーゼクスの顔色はみるみる悪くなっていった。

 

「ど…ドラゴニール…どうして…」

 

「どうして?サーゼクス叔父さんが、僕と話し合いをしたいと、仰ったから来ました♪」

 

サーゼクスの甥っ子が現れた。結界を何重にも張ってある俺の城に…

 

「あぁ、結界ですか?僕は『結界・封印無効』持ちなんですよ。なので、何も無いのと同じです♪」

 

サーゼクスは口をパクパクさせている。それ程、恐怖を抱いたのであろう。

 

「おじさん、赤子を母乳の供給無しに封印って…酷いですよ♪」

 

彼から発するオーラは異常だった。生後3ヶ月のレベルでは無い。俺の膝が笑っている、サーゼクスは腰を抜かしたようだ。殺される気しかしない。

 

「君は何者だ?」

 

「アジュカさん、それは愚問ですよ。僕はドラゴニール・グレモリーです」

 

表情を崩さずに答えた彼。有り得ない…生後3ヶ月で、家族から封印されていた悪魔の赤子が、ここまで流暢に会話できるなんて…

 

「有り得ない?では、僕は何者だと思いますか?」

 

コイツ…読心も出来るのか…どこで覚えたんだ?

 

「どこで?う~ん…説明が面倒だからパッシブってことにします♪で、僕をどうしたいんですか?この場で消しますか?」

 

消す?いや、俺達が消されそうだ。コイツ…何者だ…俺の心を読んだのか、アイツは翼を展開した。それは、悪魔が敵対行動してはいけない者達の持つ翼だった。

 

「どうします?ここで灰になりますか?僕はどっちでもかまいませんよ」

 

返答次第で、ここ冥界の明日…いや、今晩は無いかもしれない。

 

「君を丁重に保護する…それでどうかな?」

 

「それをどう保証してくれますか?魔王の甥っ子なのに、産まれてまもない状態で、封印されていたんですよ、僕はねぇ」

 

サーゼクスを見る目がとても冷たい。ふとサーゼクスを見るとアイツは石化していた。コイツ…『メドゥーサの瞳』持ちなのか?

 

「契約を結ぶ…それでどうだ?」

 

目の前の赤子が、1枚の羊皮紙を手渡して来た。それに目を通す俺。

 

『願い主:アジュカ・ベルゼブブ 願い:冥界との和平 供物:ドラゴニール・グレモリーの保護』

 

と、見た事の無い文字と共に、悪魔文字で書かれていた。これって、悪魔以外の契約書か…コイツ…何者だ?俺は、渋々サインをすると、蒼い炎で燃えがり契約書は消えた。

 

「契約の一方的な反故による罰は、冥界の消滅になります。気をつけて運用してくださいね♪」

 

そういうと、アイツは消えた。

 

 

 

---シュウ---

 

生後3ヶ月目に、身体のアップグレードが起きた。魔属性の身体が完全に融合して、悪魔としての能力が使えるようになった。さっきの『メドゥーサの瞳』もそうだ。姉ちゃんの話によると、悪魔とファントムドラグーンとの間を取り持てば、帰還出来そうだと言う。どう取り持てばいいんだ?既に最凶最悪の悪魔扱いなんだけど…

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。