---シュウ---
目覚めるとまた、誰かの子宮内に強制転移された。なんでかな?リアスの子供だった筈…罠を喰らった覚えも無い。はて?
今度は、どこの誰の子宮内だ?いや、誰と誰の間の受精卵に着床したのだ?まったく、外界の情報が読めない。子宮内の受精卵にいるのは、経験済みなので、わかるんだけど…う~ん…受精卵なので、子宮内の細胞に触れることが出来無い。胎児にまで成長すれば、可能かな?あれ?隣にはリアスの魂が着床した受精卵もある。って、ことは、今回は双子なのか?いや、なんで母親だったリアスの魂が、隣にいるのだ?
姉ちゃんと交信出来るようになって、その理由は判明した。僕の母親となったリアスのいた世界は、愚かなことをした。神と契約したのに…初めてリアスが、幼子となった僕と添い寝をしたのだが、それは罠だった。僕とリアス…母子共に…
僕は基本的に、寝たら起きない子なので、リアスが殺された瞬間を知らない。気づいたら、ここに強制転移というか着床していた。姉ちゃんはきな臭さを感じていて、僕の意識をモニタリングしていたそうで、事件を目撃したそうだ。神との契約の一方的な反故による罰…その世界及びその世界から枝別れしている並行世界総てが、アカシックレコードから刈り取られた。しかし、姉ちゃんの手により刈り取られる前に、僕とリアスの魂だけは救出され、違う世界に飛ばされたそうだ。
『で、ここはどこよ?なぁ、姉ちゃん』
『まったくもって、言いにくい…知らない方が幸せだと思う』
そんなヤバい人物の腹の中なのか?リアスを護れるかな?まったくもって自信が無い。
『いや、ヤバいことはヤバいよ。だけど、ヤバさの質が違うというか…』
あぁ、とっても嫌な予感しかしない。まさかなぁ…
『クリスとレイナーレの間って事は無いよね?』
僕の言葉に対して無言になる姉ちゃん。をい…まさか…ダメだって…そこは姉ちゃん権限で避けろよな…
『亘…がんば♪』
無理に元気に振る舞う姉ちゃんの声。まさか…えぇぇぇぇ~!あの世界なのか?ダメだろ?僕が世界を滅ぼすのか…アイツらを殺しまくるのか。
『あぁ、亘の身体は預かっているから、頃合いをみて同化吸収させる。前回の悪魔成分で、強度はアップしている。で、今回は…聖属性の純血悪魔と純血堕天使のハーフだ。まずます、強度に磨きがかかるぞ♪』
いやいやいや…確定なのか?その両親の組み合わせって…天使成分を持つ悪魔と、天使の血を持つ堕天使だぞ。確実に天使になるだろ?それも最凶天使だな…
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前回同様、胎児の時点で出来うる鍛錬をする。リアスが一緒なので、たまに会話したり。双子なのでツインズホットラインというか、二人専用の念話が出来るようだ。
魔力は前回よりもデフォルト上限が高い上、聖属性が濃い魔力のようだ。たまに、外界での声も聞こえる。クリスとレイナーレ…イッセとイッセーの声もするし。確定だ…クリスにまかせた(改)の世界のようだ。
僕がクリス達の子供になった事実は、姉ちゃんは誰にも言っていないそうだ。いや、言えないというか。メイビスとヴァイラは心配しているんだろうな…
『その二人にも転移先は伝えてないわよ。キャッスルドランにも伝えてないけど、出産後に見付かる可能性は大きいわよ。チームドラゴンの発するオーラに気づくだろうから』
気づくだろうな…
『ドラゴニール…ごめんね』
リアスが会話に割り込んできた。いや、姉ちゃんとの念話はリアスには届いていない。
『何が?気にしていないよ。リアスは本能のまま生きた。それでいいんじゃないのか?』
『でも、あなたの育児を…』
『しょうがないよ。母親でなくてメスになったんだし。交わったら、母乳が出なくなるって、グレイフィアに習わなかったんだろ?』
『うん…』
リアスも記憶をリセットせずに保持している。転生をする為に、天界の門を潜った者は記憶のリセットを、受精卵に着床した時に行うそうだけど、このリアスは門を潜っていない。僕の魂と寄り添い、一緒に強制転移に巻き込まれたから…
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そして、出産…初めて僕の視界に飛びこんで来たのは、レイナーレの嬉しそうな顔だった。感慨深さは無い。よりによって、こいつから産まれるとは…双子の出産でグレモリー夫妻も喜んでいる。そして、僕はドラゴニール、リアスはリアスと名付けられた。僕の名前をグレモリー卿から聞き、嫌な顔をしたクリス。そうだよな。クリスの知る最悪の悪魔の名前だし。姉ちゃんが言うには、その命名は運命付けられた物だという。僕は最悪の悪魔に決定らしい。
僕達はすくすく育つ。ガイア、シルキーなどのイレギュラーな悪魔の成長速度を知る、クリス達にとって、僕達の成長速度は恐怖を与えたかもしれない。生後3ヶ月で、僕もリアスも天使の翼を展開出来た。まぁ、父親のクリスも天使の翼持ちの純血悪魔だから、そんなには気に留めていないようだけど…僕的には嫌な予感がする。これって、悪魔の女性とは、もう出来無いのでは無いのだろうか?その証拠に、僕を抱くのを避けるグレモリー夫妻。僕を抱くと自然に放たれている聖なるオーラが痛いらしい。リアスの方はそうでもないみたいだけど。
生後半年…コピー体の生成に成功した。で、早速テストへと出掛ける。この世界で一番耐久度の高い悪魔…同化吸収しまくっているセラフォルーをターゲットにした。睡眠中に、透過能力で直に素肌に触れる。ビクっと反応するセラフォルー。乳首に触れただけなのに…クリちゃんを捏ねてみる。飛び起きて、オーラを探る。空気と同化して、索敵から逃れている僕。クリちゃんを舐めてみる。
「痛っ!誰?誰なのよ~痛いよ~、止めてぇぇぇぇ~!」
舐めているだけで、これだ。差し込んだら死んじゃうかな?まぁ、生後半年では、性交はまだ無理だけどね。う~ん?穴に腕がするっと入った。
「誰か知らないけど、動かないで…痛い…あっ!」
違う意味で達したセラフォルー。激痛によるマインドロストのようだ。口から泡を吹いている。凄まじい激痛だったようだ。困ったなぁ…まぁ、放置して、本体の元へと戻る。。
---クリス---
セラフォルーさんが、意識不明で見付かった。何者かに襲われたようだ。傷とかは無いのだが、何らかの攻撃を受けたようだ。考えられるのは精神攻撃だけど、セラフォルーさんに効くとは思えない。何をされたんだ?
「探査したんですけど…」
アーシアさんが、セラフォルーさんの身体を調べてくれた。その表情は優れない。どうしたんだ?
「膨大な量の聖なるオーラが検出されました…膣の中から…残留オーラとは思えない量です」
それは聖属性の者が手加減をせずに、セラフォルーさんを手籠めにしたってことか?
「イッセ!昨晩、侵入者はいたのか?」
この家は結界で護っている。侵入するには結界を破るか、もしくは無効化、さらに言えば透過しない限り、無理なのだ。
「結界はどこも破られてません。これって、団長だったり…」
僕達のチームの団長は結界無効持ちの上、透過能力も有るのだが、現在行方不明なのだ。仲間を護ることに命を賭けるのに、自分の危機は見落としがちで、罠に嵌まりまくっている。今回も強制転移系の罠にはまり、行方がわからないのだった。
「でも、来たら分かるだろ?鬼降臨だと…」
「ですよねぇ。う~ん、では何者が侵入したのだろうか?」
団長は基本鬼と天使のハーフで有り、その放たれるオーラ…『鬼降臨』のサインは、生きた心地がしない。しかし、昨晩は鬼降臨を感じ無かった。
「来たら来で何かしらの証拠は残すだろうに…証拠を残さないのは変だな」
疑わしい容疑者は1名居る。僕の息子のドラゴニールだ。僕の知る最悪の悪魔の名前だし。なんで、こんな名前を命名したんだ?僕の義理の両親達は…僕と妻のレイナーレは、この世界のグレモリー夫妻の元に、夫婦養子として迎えられていた。
この世界のリアス・グレモリーは、途轍もなく傲慢だった。そのせいで、実の父親の手で殺された。その彼女を僕達の団長が生き返らせて、更正させて養女にした。強くて優しい魔王として育てあげる為に。その見返りってことでは無いけど、身寄りの無い僕とレイナーレを夫婦養子として迎入れてくれたのだ。
「何か証拠が無いか。調べてくれるか?イッセ、イッセー!」
「「了解!」」
イッセとイッセー。共に別々の並行世界の兵藤一誠で有る。それぞれ訳有りで、団長の下で育ている。まぁ、僕も訳有りで育てて貰っていた。いや、チームメンバ-のほとんどが訳有りで有る。団長はいやな顔をせずに引き受けている。性癖以外は尊敬できる人物である団長。こんなマネをしない。いや、するかも知れないが、したのなら証拠は残していくはずだ。
ドラゴニールを監視対象にするかな。一応、危険生物だし…
---シュウ---
クリスが僕に疑いの目を向けている。それは正しい判断だ。クリスが思っている以上に、危険生物化している僕。大きくなったら、どこで性欲を発散すればいいんだ?それは
僕にとって、一番大事な問題である。
双子の姉、リアスは、僕と添い寝をしても大丈夫なようだ。ずっと傍にいたからかな?でも、姉とは交われないし…どうするよ、姉ちゃん♪
『私は?』
姉ちゃんと?う~ん…この身体で、神の間に行けるかが問題だ。
『だよね。2、3回器がアップグレードすれば、来られるのでは?まぁ、同化吸収してから考えようか。生後1年で同化吸収は出来ると思う。ただ…すれば、キャッスルドランにばれるけどな』
キャッスルドランとは、僕の城のことだ。元々、獰猛な巨大ドラゴンだったけど、バンパイアの王様により、城にされたのだ。そのバンパイアの王が死んだ後、僕の配下…僕の城になったのだ。その城の中には、数部隊規模の僕の仲間達がいる。同化吸収をすると、彼らにバレることになるのだ。どうするかな?
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そうか…聖属性の者となら出来るのかな?この家で聖属性だと、アーシアかぁ…今夜もコピー体を生成して、アーシアの元に向かう。無防備で寝ているアーシア。まず、乳首を指先でポン!
「うっ…うぅ~ん…」
え?感じている。何でだ?舌で舐めてみる。
「あっ!ダメ…あぁぁぁぁぁ~」
悶え始めたアーシア。おかしい。予想とは違う挙動。僕って、聖属性では無いようだ。何なんだ?まだ、探査能力が芽生えていないので、判断がつかない。うっ…はだけた寝間着の隙間から、アーシアの花園が見えた…クリちゃんを口に含み、吸ってみた。当然だが、母乳は出ない…
「あぅぅぅぅう…いい…堕ちそう…ダメだって…あっ!」
大量の液体が決壊したダムのように、あふれ出てきた。なんか、マズい状況だ。自分の本体に逃げ帰る僕。
---クリス---
今度は、アーシアさんが襲われた。荒い呼吸では有るが、意識は有るようだ。
「どんなヤツでしたか?」
「わからない…気配もオーラも…まるで空気に同化している時の団長…」
団長なのか?
「でも、属性が違う…」
「属性?どんな属性でしたか?」
「はぁ…はぁ…はぁ…魔…」
アーシアさんの意識が途絶えた。疲れているようだ。魔属性?それだとセラフォルーさんを襲ったのとは違うのか?
「そうか…聖魔融合属性だ!」
木場さんが声を上げた。
「聖属性であり魔属性であり、相手の弱点属性を放てるのかもしれない」
って…団長の可能性が大だ。でも魔属性は無かったはずだけど…いや、もう一人いる…ドラゴニールだ、アイツは聖属性のハーフ悪魔だ。もうすぐ生後1年だし…自分の意志で自由に動けると思うし…
ドラゴニールのいる部屋に向かう。
---シュウ---
凄く恐い顔をしたクリスが入って来た。バレたのか?
「おい、ドラゴニール!お前…何をしているんだ?」
おい…まだ話せる歳では無いぞ!
「スルーか…」
クリスが躾の為か、ホーリーナックルを放ってきた。おい幼子にそれはDVだぞ!アイツの攻撃を透過する。透過したことに驚くクリス。
「何?何で…」
何でって…『透過』はパッシブだし。同化吸収しないでも使えるんだよ。って、クリスに念話が飛ばせない、まだ幼い僕。マズい、意志の疎通が取れない。
「お前…何者だ?」
クリスの目には恐怖な色が浮かんでいる。このくらいで、恐怖を感じるなよ。ビビリーは相変わらずか?
「僕の子供だ…僕が責任を持って倒す!」
あ?倒す?躾だろ…普通は…げっ!室内でホーリーアローを撃ち込んで来た。ヤバい、リアスが…リアスの盾になる僕。
『ドラゴニール!大丈夫?』
リアスから念話が届いた。僕の身体には無数のホーリーアローが刺さっていたが、リアスは無傷のようだ。
『リアスは僕が護る!誰が相手でも…姉ちゃん、少し早いけど、同化吸収だ♪』
『あいよ♪』
僕を光の渦が飲み込んで行き、暫くすると光は霧散していく。
「おい!何をしたんだ?」
『リアス、お別れだ。一緒にいるとリアスが危ないから』
『えっ?どこに行くの…』
『リアスのいない処さぁ』
目の前の敵に飛び込み、一緒に転移をする。転移をしたのは、タンニーン達の住むドラゴンの里だ。ここなら暴れても、被害は少ない。
「クリス、どうしたんだ?」
突然、転移してきて、僕達の方へやってきたタンニーン。
「タンニーン、気を付けろよ!コイツは危険だ!」
クリスが警告を発する。危険?どう危険なんだ?室内でアレを撃ち込む方が危険だろ?僕の身体に刺さった聖なる矢は、僕の身体に吸収され、刺さった穴は再生されていく。見た目、悪役だな、これは…
「ホーリーアローも効かないのか…『デーモンブレカー』」
クリスは、僕のあげた白銀の鎧を身に着けた。幼子の僕を全力で叩くのか?あの鎧はミラリングアーマーだ。受けた攻撃ダメージの半分を被弾し、元のダメージ量を倍化して返す、カウンタータイプの鎧である。
こっそりあげたので、弱点を教えていなかったなぁ。実戦で教えてあげるか♪白銀の鎧に墨を吹き付ける。これ自体にダメージは発生しないけど、墨の付いた部分を突き破る。
「うっ!」
腹部を押さえて蹲るクリス。要は反射出来無いように、汚せば良いんだよ♪で、タンニーンは、固まっている。ドラゴンマスターである僕にドラゴンが攻撃は出来無い。いや、内に秘めたドラゴン達のオーラをタンニーンにだけ、放ったせいかな?
「おい!来るな!」
クリスに背を抜けて、タンニーンに迫る。クリスは立ち上がり、渾身の一発を放つようだ。罠とも知らずに…
『ホーリーランス!』
聖なる槍が僕目がけて飛んで来た。そんな物は透過だよ。僕を透過した聖なる槍はタンニーンに突き刺さった。その場で崩れるようにして倒れた冥界の悪魔属性のドラゴンキング様。超大な聖属性攻撃を受けて、タンニーンは灰化していく。なので、回復術で重体程度の身体に戻してあげた。
振り返ってクリスを見ると、魔力を使い切り、マインドロストして倒れていた。どんだけ、渾身の一撃を放ったんだ?さて、僕はこれからどうしようかな?
『亘…ここに転移させられないわ。まだ、その世界が離さないみたいよ』
この世界で生まれた僕は、ここで充分に成長しないと、他の世界へ行けないようだ。
『ドランは?』
『まさか、ここにいるとは思わないので、気づかれていないよ』
そうか、それならいいや。
『しばらく、身を隠す。隠れ住める場所に誘導して、姉ちゃん♪』
『あいよ♪』
---イッセー---
クリスさんの腹部は破られていた。あの白銀の鎧を破壊されて、身体にダメージを受けていた。敵は何者だ?
「タンニーンも重体だよ。何かを突き刺されたようで、傷が貫通していた」
イッセさんが、状況を説明している。
「ねぇ?ドラゴニールはどこ?」
レイナーレさんがパニックを起こしている。息子さんが行方不明になっていたから。子供部屋で何かが起きたようだった。幼子のリアスは泣いていた。室内は聖属性攻撃を受けたようで、破壊されていたし。
「ロスヴァイセさん、室内の探査をお願いします」
指揮官のクリスさんがいないので、木場さんが指揮を執っていた。これで、セラフォルーさんに始まり、アーシアさん、クリスさん、タンニーンさんと、大物ばかりがやられている。
「魔王様やアザゼルさん、ミカエルさんにも協力を要請しましょう」
ファントムドラグーンは団長が名乗っている。最悪のシナリオにおいて、ドラゴニールを倒せるのはファントムドラグーンだけだ。団長はどこにいるんだ?
「最悪…イッセー君だけでも、元の世界に戻す」
えっ?
「イッセ君、いいよな?」
「あぁ。出来る限りイッセーは、俺がガードする。でも…最悪の場合はそうするよ」
「僕も戦います!」
「イッセー君は元の世界で軍備を整えて、僕達を救いに来てくれ。ファントムドラグーンのように」
最悪のシナリオでは、過去の世界から、ファントムドラグーンと呼ばれる幽玄龍騎士団が、ドラゴニール・グレモリーを倒す為に現れたそうだ。
木場さん達が、僕を優しい眼差しで見つめていた。僕がファントムドラグーンを組織すれば良いのかな?団長…僕は、どうすれば良いんですか。