※この作品はR-18です。

神器なき男3   作:もっち~!

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リアスの片思い*

---シュウ---

 

夏休みは病院で過ごした。翼の再生は時間がかかるのだ。今も再生しきれておらず、ドラゴンの羽で飛ぶことしか出来ない。う~ん…

 

まぁ、学校へ通っていないから、毎日が夏休みではあるけど、娘達や弟子達に稽古を付けられなかった。反省中である。

 

深雪と達也は、娘達のいる学校へ転校してきた。彼女達の親と本家当主には、誠が事情を説明に行き、了解を得てきてくれた。前兵藤家当主の座にいた誠。人間相手でも、それなりに信用があるようだ。

 

深雪達を連れて、家に帰宅。母さんと父さんに、深雪兄妹を紹介した。

 

「ふ~ん…周太郎の好みだよね、彼女♪」

 

って、母さん。その言葉に、何故か深雪の表情がほころび、赤く染まる。あれ?達也好きだろうに?なんでだよ?

 

「この子、やらかすことが得意だから、問題があったら、私に言ってね」

 

って、母さん。おぃおぃ…娘達は、毅然とした深雪を知っているので、戦々恐々である。本拠で生活していた時、よく深雪に教育という躾を受けていたらしい。なので、この世界の深雪に対しても、礼儀は正しい。リアス相手とは、まったく違う。

 

「え?並行世界の私と結婚されているんですか?」

 

白音がいらんことを告げ口している。僕を見る顔は悪人顔だ。

 

「お兄様、好きなら好きって、態度で示してあげてくださいね」

 

って…いや、僕は別に…

 

「はぁい?並行世界の私二人と結婚されているんですか?」

 

ベスもだ…

 

「大切な人は何人いても良いんですよ♪」

 

って。そうじゃないんだよ~。今度こそ達也と…

 

「過去2回、私とお兄様を添い遂げさせようとして、失敗されたそうですね」

 

って…誰が、チクったんだ…凹む僕。

 

「今回も失敗に掛けますよ」

 

って、三十路の深雪…お前か…三十路の深雪が母さんと父さんに挨拶をしている。

 

「へぇ~、周太郎、お嫁さんを選ぶセンスがいいわねぇ♪」

 

って、母さん。その後、深雪同士で話しているし。何を話しているんだ?戦々恐々な僕。

 

「今、いいですか?」

 

達也が声を掛けてきた。

 

「いいけど…深雪は達也を愛しているし、達也も深雪を愛しているダロ?添い遂げるなら、僕が司祭をしてあげるよ♪」

 

僕の願望を伝えた。

 

「でも、深雪がシュウさんを選ぶなら、俺は大歓迎ですよ」

 

って、ここでも、深雪と達也の添い遂げ計画は、敗戦濃厚である。

 

「それより、訊きたいことがあります」

 

「ネギのことか?」

 

頷く達也。

 

「アイツも並行世界の住民だ。母親は四葉真夜、父親は七草弘一で、『八重奏』持ちだ」

 

「なるほど…両親がスゴいですね」

 

「問題はそこじゃ無い。アイツは完全調整体なんだ」

 

顔色が変わる達也。完全調整体とは、遺伝子レベルで調整された人造人間であり、その寿命は人間並であるのだ。一般に人造人間は、無理ヤリ作られている為、身体のどこかしらに欠陥が有り短命で、人間ほどの寿命が無いのだ。

 

「まさか、精子、卵子レベルでの調整体ですか?」

 

頷く僕。

 

「真夜の広大な魔法演算領域も持っている。その分、記憶力に難があるんだ。達也、お前のように感情を削っていない弊害だよ」

 

達也も普通の人間では無い。人造魔法師と言う改造人間である。拡張した魔法演算領域の為に、感情を司る脳細胞が奪われたのだった。

 

「人工的に何かをすれば、弊害は出るんだよ。なんで、人間はそのことに気が付かないんだろうな。並行世界をいくつも見て来たが、やっていることが変わらないんだよ」

 

「そうですか…俺は…いや、深雪もですが、転生悪魔になったことを後悔していません。俺も…たぶん深雪も、普通の人間では無いのですから」

 

「そうか…」

 

知っているんだな。

 

「後…白音さんから訊きました。シュウさんが離脱するとき、俺達もつれて行ってください。同化吸収されても構いません。お願いします」

 

僕に頭を下げる達也。どうして毎回、こうなるのだ…敗北感に苛まれる僕…

 

 

 

---イッセー---

 

夏休みが終わり、転校生が二人。あのエロ親父の新しい門下生であり、俺と同じシトリー眷属の達也と深雪だ。深雪も妄想の対象外だ。あのエロ親父と関係があるのか。羨ましいぞ~!深雪って子は、胸は大きく、腰回りは細く…抜群のプロポーションである。あの子で妄想がしたい…胸だけ大きい桐生では…妄想の限界を感じる。

 

「イッセー、なんか逞しくなったわねぇ」

 

って、その桐生。こいつも、胸がデカくなったんじゃないのか?

 

「あぁ、筆下ろししたからだろ?」

 

って、紅。おぃ、俺の初体験をばらすな!

 

「えっ…誰と?」

 

桐生が喰い付いている。

 

「藍華ちゃん、狙っていたのかな?」

 

って、緑。

 

「な、訳無いでしょ?なんで、私が…」

 

「ふ~ん…」

 

桐生を疑わしい目で見る紅と緑。

 

「じゃ、誰でもいいじゃん」

 

って、ティオナ。紅と緑と違い、竹で割った性格だよな、こいつは。

 

「藍華ちゃんは未だなの?」

 

緑からクリティカル気味な質問が飛びだした。

 

「えっ?!」

 

はっとした桐生。紅、緑コンビによる桐生虐め開始か?

 

「巨乳が武器にならなかったのかな?あぁ、胸がデカいんじゃなくて、巨乳首だもんねぇ~」

 

真っ赤になる桐生。ビンゴなのか…乳首のデカい女性は妄想しづらいぞ。

 

「そういえば、あの子は乳首が大きくなかったよね、イッセー」

 

って、火の粉が俺に…

 

「そ、そうだったな…あははは」

 

誤魔化す俺…逃げ場を探し始める。

 

「なんで、紅が知っているのよ?」

 

桐生が紅に問い詰める。止めろ、止めてくれ…掘り下げないでくれぇぇぇぇ~!心で絶叫する俺。

 

「だって、私達の目の前で、イッセーがプレイをしていたから♪」

 

公開生ライブみたいに言うなよ~、紅…

 

「どんなシチュエーションなの?」

 

桐生以外は喰い付いていない。皆、とばっちりが恐いからだ。いや、転校生に群がって避難している。

 

「藍華ちゃん、興味あるんだ♪ここで、実演してみたら?」

 

おい…桐生の顔色が見る見る蒼くなっていく。

 

「はぁ~い、紅、緑!そこまでよ。連帯責任になるから、もう止めてね」

 

リヴェリアが止めに入った。

 

「あぁ~、そうだった。リヴェリア、止めてくれて、ありがとう…次やったら、2週間コースだもんなぁ~」

 

凹んだ紅。エロ親父の躾は、エロ親父らしくなく、厳しいらしい。

 

------

 

放課後、桐生に呼び出された。誰もいない体育館の倉庫にだ。なんだ?

 

「イッセー…あのね…」

 

桐生らしくない。モジモジしていて女の子ぽい。

 

「用が無いなら、帰るぞ。これでも俺は忙しいんだよ」

 

桐生に背中を向けた瞬間、背中に衝撃が走った。なにやら柔らかい物が接触している。それも2つだ…これって…乳首では無い…その土台の感触である。

 

「イッセー、待って…あのね…」

 

モジモジする桐生の下腹部が、俺のケツを撫でている。うぅぅぅぅ~、気持ちえぇ~♪

 

『念動力』を発動して、桐生のブラを外した。柔らかみを増す背中の刺激。次に桐生のスカートを外した。湿り気がケツを襲う。濡れていたのか…体位を入れ替えて、桐生の方を向く。唇同士が重なり、胸同士が重なり、下腹部では交わり合う。交わり合う?なんで?俺はズボンもパンツも脱いでいないぞ!

 

(え!どうして…何が起きたの?)

 

桐生の胸の内が聞こえる。が、桐生の腰をがゆっくりと動きだした。

 

(イッセーが私の中に…そんなつもりは…でも、悪く無い…)

 

桐生が俺に身を預けてきた。桐生の胸が俺に密着する。気持ちいい…、出ちゃうかも…いや、出た。マズい。念動力で、出た物を総て桐生の胃袋へ移動させていく。

 

達したのか、桐生の意識は無い。どうするんだ、これ。桐生を抱いたまま、その場に立ち尽くす俺。

 

 

 

---シュウ---

 

鍛錬の時間にイッセーが来ない。探索すると桐生と抱き合っていた。それも学校内の体育館倉庫でだ。アイツ、度胸があるなぁ。度胸に免じて、強制転移はやめておいてやる。しかも、交わっているし。それも、服を着たままである。なんらかのエロ系の能力が芽生えてようだ。

 

達也と深雪は剣術の基本と、体術を鍛錬メニューにした。身一つで護れないと危険が一杯だからね。

 

「師匠、達也君と深雪さんの能力は、どんな感じですか?」

 

ソーナに訊かれた。

 

「達也は分解系の術師だ。物理攻撃や魔法も分解して、無かったことに出来る。深雪は分子振動系だ。物質の分子運動を制御する事で、凍らしたり、燃やしたり、蒸発させたり出来る」

 

ソーナはメモをしている。

 

「強力な術師なんですね。戦術的には、どうしたら良いですか?」

 

「イッセー次第だな。アイツの仕上がり具合で、戦術は変わる。イッセー抜きで考えると、ティオナ以外の娘達は何かしらの術を使える。で、全員、剣術が使えるんだし、全員木刀で殴り込みでも行けるんじゃないかな?」

 

「なるほど…真空斬りは必須ですね」

 

「イッセーが使えない状況では、椿姫がソーナをガードだ。椿姫の苦手なレンジの場合は、ソーナが椿姫をアシストしてみな」

 

「はい」

 

「わかりました」

 

素直で教え易いシトリー眷属。リアスはいいのか?鍛錬していないけど…

 

 

 

---リアス---

 

「一緒になりたい人がいます」

 

家族の団らん中に、私は告白をした。唖然として私を見るみんな。

 

「どこの誰かな?」

 

お兄様に訊かれた。

 

「兵藤一誠くんです」

 

あの男の子の正体を思い出したのだ。イッセーと呼ばれていた男の子。以前会った男子で、イッセーは兵藤誠さんと一香さんの息子である一誠君だけであった。

 

「ソーナ君の眷属だぞ、リアス、知っているのか?」

 

え?ソーナの眷属。なんで?

 

「いいじゃないか、サーゼクスよ。トレードして上げれば良い」

 

お父様のお墨付きを貰った。ソーナから奪える♪

 

「待ってください、お父様。リーアにはトレード出来る人材がいませんが」

 

「あら?リアスに眷属がいるって、サーゼクスが言ったのよね?」

 

て、お母様。

 

「眷属の契約はしていますが、駒は入っておりません。たぶん、リーアの価値では眷属には出来ない者達です」

 

「なんだって?!眷属契約?駒を入れての眷属化では無いのか?」

 

「えぇ、違います。眷属のいないリーアの為に、誠殿が契約を結んでくれただけです」

 

「まぁ、いい。じゃ、せーゼクスよ。お前の眷属とトレードをしてまいれ!そして、リアスにプレゼントするのだ」

 

お父様も一誠君を歓迎してくれるようだ。

 

 

 

---サーゼクス---

 

マズい事態である。アイツの元を訪れて、相談してみた。

 

「はぁ?リアスにイッセーをトレードしろって?無理だよ。駒が無いんだぞ」

 

「では、駒を直してくれ」

 

「う~ん…駒を直しても、イッセーはもう無理だよ」

 

もう無理?

 

「そう、もう無理だ。ソーナがイッセーを眷属にしたのは、能力のギアアップ前だ。今だと、リアスの女王の駒が有っても眷属化は無理だ」

 

そんな…

 

「俺の…グレイフィアとトレードならどうだ?」

 

「おい、駒種の違う者はトレード出来ないんだろ?グレイフィアは女王だが、イッセーは兵士4だ。トレードは無理だ」

 

それはそうだが…

 

「魔王ならなんでも有りか?だから、グレモリー家は…」

 

言葉を飲み込んだアイツ。言いたいことは判る。そして、飲み込んでくれた理由も。だけど…

 

「どうにかならないか?」

 

「方法は2つだ。ソーナ・シトリーを殺すか、グレモリー家の当主を殺すかだな」

 

「ソーナ君の方は判るが、何故父を…」

 

悲しそうな顔をしたアイツ…

 

「ソーナを殺す事は想定内か…残念だよ、サーゼクスよ。で、お前の父親が無理難題を言っているんだろ?ならば、その口を塞ぐ為だよ。誠…残念な結果になった。どうする?」

 

何?俺の目の前に、誠殿、一香殿、イッセー君…そして、ソーナ君、セラフォルーが現れた。

 

「サーゼクス…お前も単なる悪魔だったとは、残念だよ。もっと思慮深い悪魔だと思っていたが、買いかぶりだったようだな」

 

誠殿が残念そうである。俺は、選択を誤ったのか?

 

「せーゼクスちゃん、ひどいよ~。ソーたんを殺して、イッセー君を奪うって…酷すぎるよ~」

 

セラフォルーが泣いている。ソーナ君はそんな彼女の背中に隠れていた。

 

「イッセー、どうする?どうしたい?」

 

アイツがイッセー君に訊いた。

 

「俺は、蒼那先輩の元で鍛錬を続けたいです。リアスの元へは行けません。いや、行きたくないです。だって、蒼那先輩を殺してまで、俺が欲しいって、何ですか?そんな女の元になんか行きたくないです」

 

そうだな。俺も同じ立場なら、行きたくない。でも、当主の言葉は絶対なんだ。

 

「だからだ。その当主の口を塞げば良いだろ?お前、ここにいる全員を敵に回して、タダで済むとは、思っていないよな?」

 

アイツの言葉…いつも正しい。そうだ。タダでは済まないだろう。冥界が消えるか、グレモリー家はなくなるだろう。だけど…

 

「だけど、何だ?そこまでの犠牲を払ってでも、当主の命令は絶対なのか?魔王であるお前の意志よりも、絶対なのか?だったら、まず魔王を辞めろ。他の魔王が迷惑だろ?そんなヤツと同列に見られるのは。どうなんだ、アジュカ、ファルビウムよ」

 

何…あの二人もいたのか…

 

「残念だよ、サーゼクス。君ほどの魔王が…そんなつまらない理由で、若い芽を摘むことを選択するとはな」

 

って、アジュカ。

 

「サーゼクス…まず、リアスの教育が先だろうに…イッセー君を手に入れたら、この先、次々に欲しい人材を、殺してでも奪うぞ」

 

って、ファルビウム。そうだな。最悪な展開が待っているだろうな。だけども…

 

「だけども、何だ?もう一度訊く。その返答次第で、お前の父親と妹は消える」

 

消える?まさか、刺客を放っているのか?

 

「僕を舐めているのか?悪魔2体くらい、いつでも消せるよ。なんなら、グレモリー邸ごと消し去ってもいいぞ」

 

どこまでも冷たい視線で睨むアイツ…

 

「サーゼクス、お前の最終選択はなんだ?答えてみな」

 

ソーナ君を殺すと言えば、父と妹は消されるのか…でも父を殺す訳にはいかない

 

「答えは出たようだな。わかった、お前の願いを叶えよう」

 

俺の願い…何を言っているんだ?

 

「魔王サーゼクスは魔王の座を辞め、グレモリー家の当主になれ。以上だ」

 

何…

 

「こんな裁定でいいか?セラフォルー」

 

「うん♪」

 

「アジュカ、ファルビウムは?」

 

「ルシファーが空位になるが、しょうがないだろう」

 

「俺もアジュカと同意見だ。それが血を流さない裁定だろうな」

 

「で、供物だが、リアスを貰う。異論反論は認め無い」

 

リーアを?

 

「どういうことだ?」

 

次の瞬間、アイツの腕の中にリーアがいた。

 

「お兄様…どういうことですか?」

 

アイツがリーアの胸に手を掛けている。リーアは何故か嫌がっていない。

 

「ソーナ、戦車が1あったよな?」

 

「えっ?マジですか?マズくないですか?それって…」

 

「ソーナの眷属って、眷属同士の恋愛は禁止で無いだろ?」

 

「あぁ、なるほど♪了解です、師匠♪」

 

何…ソーナ君の戦車の駒が、リーアに吸い込まれて行った。そこまで、リーアの価値は低かったのか…この場で力無くしゃがみ込んだ俺。

 

「シュウって、裁判長がお仕事?」

 

セラフォルーが訊いている。

 

「してねぇよ。紛争の解決って、なるべく血は流さないに、限るんだよ。そうだろ?誠よ」

 

「あぁ、そうだな。血が流れれば、遺恨が深まるからな」

 

こうして、一件落着したかに見えたが…

 

-----

 

「何?リアスが、ソーナの眷属にだと?で、サーゼクスが魔王の座から追われて、この家の当主になっただと?有り得ない。そんな裁定は認め無い。おい、グレモリー家の全員を招集しろ。シトリー家を占領する」

 

父が激高している。

 

「もう、悪あがきは止めて下さい。グレモリー家を断絶するつもりですか?」

 

「何を言っているのだ。断絶するのはシトリー家だよ、サーゼクス」

 

「悪いけど、そうはさせない」

 

アイツが知らない仲間を連れて、現れた。

 

「貴様!何者だ!」

 

「名乗る程の者では無いですよ。直ぐに終わらせます。ヤマト、やれ!」

 

「はい、兄さん♪」

 

アイツの弟だと…

 

「終わりました。もう、野望も何も無いはずです。サーゼクスさん、この家を頼みますよ」

 

彼らが転移していった。父はどうしたんだ?

 

「お父様、大丈夫ですか?」

 

「うん?何の話だったか?最近、物忘れが激しいな」

 

激高していた父の顔は、穏やかになっていた。何をされたんだ?

 

 

 

 

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