---小比類巻 香蓮---
彼の事が忘れられない…どうして…リアルであったことが無いのに…
「はぁ~」
溜息しか出ない。ゲーム内でも、ジャム以来見かけていない。どこに行けば逢えるの?
「香蓮、アスナさんが行方不明らしいよ」
美優が情報を集めてきてくれた。彼女はALOというVRMMOをしていて、そのゲームにはSAOの生き残りの人々がたくさんいるらしい。アスナさんも生き残りであったのだが、意識が戻らず、病院に入院していたらしい。でも、あの時…いや、あの辺りで行方がわからなくなったそうだ。入院していた病院のベッドから忽然と消えたのだとか。
「アスナさんの恋人のキリト君から聞いた情報だから、確実だよ、って、どこに消えたのかな?」
GGOでは生き生きとしていたアスナさん。意識不明な人とは思えない。
「どこへ行ったかだよね?きっと、彼が一緒にいるはずだと思うの」
「あのパーティーの情報がまるで、取れないんだよ。エフさんは伝説のゲーマーで、今どこにいるかわからないし」
そうなんだ…
美優と別れて、ゲーム屋さんへふらりと立ち寄った。そこで目に入った『アルフガン』のパッケージ。そうだ、エフさんがやっているって言うゲームだったはず。迷わずそれを購入した。
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家に帰り、インストールをして、レンをコンバートした。そして、起動…
始まりの街という場所に出た。ステイタスをチェックする。アバターはレンのままだが、レベルが0に…はぁ?ヘルプを見ると、ステイタスは初期化されるとある。おいおい…
街の中を徘徊する。そこで、あることに気づいた。持ち金すらもゼロ…宿屋にも泊まれないじゃない…まずい。セーブポイントは宿か家か霊安室…霊安室は死んだら、そこへ飛ばされるそうだ。デスアンドセーブか?痛いのはいやだよ~。
「あれ?レンちゃん?」
え?声を掛けられた。振り返ると、アスナさんがいた。
「アスナさん…行方不明って…」
きっと幽霊でも見たかの表情になっているのでは?
「あぁ、心配で、ここに来たの?違うか、彼目当てかな?」
耳が熱い。なんで、バレているの?
「ビンゴね♪彼の能力、『癒やし』…心が孤独だと、引かれちゃうのよね♪」
え…アスナさん…経験者?あれ?キリトさんは?
「キリト君?あぁ、リーファちゃんと結婚しているわよ。ここではね♪」
そうなんだ…
「で、お金ゼロで、セーブ出来ないのかな?初めて来た者への最初の試練だからね」
誰でも一度は通る道なんですね。
「う~ん…私の家でセーブも悪くないけど、レンちゃんのレベルだと立ち入り禁止だね」
高レベルだと家が持てるのか。
「じゃ、宿屋に泊まるか」
アスナさんのおごりで宿屋へ…
「あの…」
「彼の事かな?今、仕事でここにはいないわよ。って、言うか、滅多にここには来ないわ。私が呼ぶか、問題が起きないとね」
呼び出せる間柄なんだ…羨ましい。
「そんな羨ましがれる間柄じゃないわよ」
あれ?言葉にしていないのに…どうして…
「ふふふ♪相手の心を読む能力の取得が、彼の仲間になる条件の1つよ。言葉って不便よね。声に出すと聞かれちゃうし、書き残すと証拠になるし。だから、心での会話が基本なの」
すごいスキル…そんなスキルがあるんだ。
「ねぇ、レンちゃん。あなたも仲間に成らない?」
え?
「私達と一緒に戦場を駆け抜けない?彼に会うには、仲間になることが近道よ」
「仲間って…どのゲームでですか?」
「ゲーム?何を言っているの?現実世界でよ」
現実世界で戦場って…
「傭兵みたいな仕事をしているんだよ、彼はね。隣で戦うことが出来れば、ずっと居られるよ。って、私は落第生だから、必要な時にしか呼ばれないけど」
傭兵…アスナさんも…
「まぁ、考えて置いてね♪」
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ログアウトしていた。自分の部屋にいる私。姿見を見るが、長身の私の姿が映った。あれって、夢?
情報端末で『傭兵』を検索した。この国にいる傭兵…彼の名前が分からない。でも、悩む事はなかった、一人だけしか表示されなかった。
その名前を手がかりに、家を割り出して、向かった。駒王町…都内から遠い…
そして、『兵藤』と書かれた家に辿り着いた。インターフォンで用件を伝えると、会ってくれるのか、家の中に入れてくれた。
あれ?実体は物凄く歳上である。この人に…あんなことを…美人の奥様もいるのに…
「君の話を聞く限り、それはシュウだと思う」
シュウ?
「本名はなんですか?」
「個人情報はちょっとね。今、確認をしている。ちょっと待ってね」
確認?なんのだろうか?
「アイツ、今、この国にいないんだよ」
いない…
「ちょっと、頼みごとをして、遠くの国にいるんだ」
傭兵の仕事中なのか…
「あれ?香蓮じゃないか…どうしたんだ?」
若い男性の声。振り返ると高校生くらいの男性が立っていた。この人は誰?
「シュウ、悪いな、呼び出して」
シュウ?あれ?遠くの国にいるんじゃないの?
「誠、連絡サンキュ♪アスナからも連絡はあったよ」
アスナさんから…
一瞬、まばゆい光に包まれて、光が霧散すると、違う場所にいた。
「転移術だよ。座標点が判れば、一瞬で移動できるんだ」
魔法使い…
「違うよ。僕は魔導戦士だよ♪」
魔導戦士…ゲーム内では無くて?現実世界で?
「で、僕の仲間になりたいって?」
アスナさんから聞いたのかな…あれ?彼が上にいる…私の谷間に彼の顔が…えぇぇぇぇぇ~!何時の間にか全裸で押し倒されている。
「魔法を信じていないようだから、僕なりの方法で実演したよ♪」
既に入っているし…体内で蠢く彼…気持ちいい…私の奥底に彼が入っていく。夢なら醒めないで…
「香蓮は好き者かな?乳首が立っているよ」
舌先で乳首を舐める彼…それだけ、ただそれだけなのに…腰が勝手に動く。
「溜まっているようだな。抜いておいてあげる♪」
疲れや、悩みが消えていく。これが魔法なのか…
「僕の仲間になれば、死に近づくよ。いや、死を通り越すかな?それでもいいのか?」
実際の戦場…私なんか直ぐに死んでしまいそうだ。
「死と隣合わせの生活がイヤなら、止めた方がいい」
一瞬、目の前の空気が揺らぎ…気づくと自分の部屋のベッドに寝ていた。脱がされた服は、ベッドサイドに畳まれておかれている。履いていった靴は玄関に置かれていた。