---シュウ---
摩天楼を思わせるビル群にいる。キディと海坊主が、それぞれ最適なポジションに移動した。ここはGGOの世界である。イベントが開催と言うことで、参加したのだが…
今回の6名は、アスナ、レン、蘭、僕にキディと海坊主である。キディはスカさん特製の拳銃タイプの波動カートリッジ砲を試したいそうだ。こいつは、拳銃タイプの波動砲であり、とても現実世界でなんか使える代物ではない。一方の海坊主もスカさん特製の拳銃タイムのレールガンを持ち込んだ。拳銃タイプでありながら、滑走距離は2Km相当という化け物である。
蘭はナックルとナイフ装備の近距離タイプの戦士である。生身の身体ではなく、レン同様にアバター姿となっている。
「スタート地点がビル群とは…運が良い」
ご満悦の海坊主とキディ。で、1回目のスキャン…ビル群に5、目の前の森に5だ。前回前回よりも乱戦を期待してか、参加チームは50近くらしい。
アスナがスキャン結果を海坊主とキディに知らせた。その結果、崩落していくビルが多数。
「ビルが消滅しましたよね…」
レンがビビっている。たぶん、あれは波動カートリッジ弾だろう。レールガンの方は、一点ぶち抜きに適しているから。森の方で火の手があがる。海坊主が爆弾を撃ち抜いたようだ。
「で、シュウの今回の獲物は?」
アスナに訊かれた。
「ピトの本体と、チームシンクロの本体達かな♪」
ピトの方は試食済みである。チームシンクロは、レンの通っていた大学の付属高校の新体操部の女子6名だそうだ。アバターはあまり良い女では無いが、実物はかわいいそうだ。
「じゃ、僕は別行動でいいか?」
「位置情報はどうするの?」
リーダーの持つ情報端末に10分ごとに、敵の位置がスキャンされて、送られてくるのだ。
「スキャンデータをアスナの脳裏へ転送する。アスナが指示しろ。僕が囮になる♪」
僕がアスナ達から離れれば、アスナ達を補足するのは難しいはずだ。
僕は空気に同化して、まずビトを探しに出た。
---ピトフーイ---
エムと二人で参加である。スタート地点は森だった。1回目のスキャンまでに、都市部の近くまで移動していく。1回目のスキャン時には、ビル群が見える位置まで来た。スキャン開始と共に、森の奥で火の手が上がった。
「腰にぶら下げている爆弾を、狙撃されたんだろ」
って、エムがほざいているが、私の目の前では、ビルが崩落していく。
「なんだ、あの威力は…ビルを崩落だと…」
高層ビルが一瞬でガレキの山である。その時、身体に異変が…あの感覚だ。目の前にエムはいる。じゃ、誰が私を…心拍数が上がっていく。下半身に力が入らない。
「どうしたんだ、ピト…」
胸を揉まれ、乳首を甘噛み…濡れていく…ジャバジャバと音を立てて、濡れていく。そんな感覚を下腹部に感じている。
「あっ…ダメだ。止めろ!」
見えない敵に襲われている。四つん這いにされ、腰を手で掴まれている。ダメって…
「あっ…」
絶頂の彼方へ飛び去る私の意識…終わった。
---シュウ---
ピトの本体を攻略して、ピトの元に行くと、レンの相棒だったエムがいた。
「あれ?エムじゃん。今回も人質決定だよ♪」
「お前…あの時の…」
腰を抜かしているエム。ピトを抱え、3人で拠点まで転移した。
「ピトさん…彼女に何をしたんですか?」
レンが喰って掛かってきた。
「説明しただろ?ピトの本体を食うってさぁ。本体が意識を飛ばしたんだ。アバターだって意識は無いよ。で、状況は?」
「都市部の敵は殲滅出来たんじゃないかな?森にいたやつらは、屠ったか逃げたかな」
って、アスナ。
「じゃ、狩り場を変える。アスナ達はピトを人質として、市街地へ向かえ」
ピトのポッケからピト達の位置情報端末を盗み取った。
「エムはピトを運べ。エム達が妙なマネをしたら、エムは殺して、ピトは半殺しだ。頼むぞ、アスナ。僕は次のスキャン時に荒野あたりを目指す。って、あと2分簡か」
急いで移動する僕。
---ピトフーイ---
後手で縛られて、口を拘束されている。自殺防止か?誰かに背負われているようだ。どこかに運ばれているのか?
「市街地に反応が15だった。赤い屋根のお家以外、壊していいわよ。あそこを拠点にする。散会!」
リーダーの女性の声、散り散りに展開するメンバー達。あっ!レンがいる。レンのチームか?
「あら?お目覚めですか?女王様♪」
知らない女性…先程のリーダーの声だ。
「本体はエラいことに、なっているんじゃないの?」
何で知っているんだ…下腹部が不快である。やりたい放題した挙げ句、パンティーを履かせるなんて…胸は唾液塗れ体液塗れの状態で、ノーブラでTシャツ着せられたようだ。早くログアウトしたい…シャワーを浴びたい…
「あなたと、エムさんは人質よ♪最後の2チームになったら、解放してあげるわ」
あと1時間くらい、このままなのか…屈辱である。って、豪快な爆発音…家のあった場所にクレーターが出現…なんだ、アノ威力は…
湖方向で火の手が見えた。狙撃か…どこから?目の前で大柄の男女が、窓際を陣取り、拳銃を撃っている。撃った直後、火柱やクレーターが出現している。こいつらがやっているのか…拳銃にそんな威力は無いはずだ。
「キディさん!クレーターだと隠れ場所を増やすだけです。ソレは止めて貰えませんか?」
「あぁ、そういう意見もあるな。じゃ、後一発な♪湖に撃ち込むとどうなるんだ?」
引き金を引いたが発射音は聞こえず…時間を置いて、湖に巨大な水柱が発生した。
「マズい…津波が来るのか?じゃ、こっちで鎮圧だな」
違う大型の銃を放つと、こちらに向かってきた大津波が、消えた…
「キディさんですか?!死ぬかと思いましたよ!」
怒り心頭のレンが、ずぶ濡れ状態で家に入ってきた。
「波に飲み込まれたのか?」
「です!蘭さんに助けられなかったら、水死したレベルですよ!」
プンプンしているレン。なんだ、あの威力は…
---シュウ---
派手にやらかしているな。湖組は全滅ではないのか?森組もビト達以外全滅だし。あとは荒野と神殿か…
目指した獲物は荒野でゲットした。だけど、どれも本体が小さすぎた。入れると避けちゃいそうだし、縛りがいの凹凸の少ないボディだし。う~ん…2年待ちだな。って、ことで、ここで消えて貰う。
で、アスナ達の元へ…
「僕の方は終わったよ。シンクロ達はダメだ。2年待ちだな」
「だから、小さいよって言いましたよね?」
レンの情報は確かだった。
「ピトの本体はおいしかったけど♪で、撤収しよう。楽しめる相手はいないし」
「そうですね。反則級が2名いるので、近くに敵はいないと思いますよ」
ピトに彼女の位置情報端末を返し、僕達は撤収をした。
---ピトフーイ---
こんなに充実感の無い優勝ってなんだ?結果、私達のチームしか残っていなかった。兎に角、ログアウトしないと…
ログアウトすると、予想通りだ。直ぐにシャワーを浴びに行く。アイツ…何者だ?許せない…って、うっ…あぁぁぁ…
後から抱き締められ。胸と腰を撫でられている。でも、相手の腕は見えない。見えない何かが体内で蠢いている。口元からヨダレが…ツバが飲み込めない…
固く立った乳首を摘ままれて、捻られて、押し込まれて…遊ばれている。
「あぁぁぁ~…ダメ…いくぅ~!」
イッた瞬間、気配が消えた。シャワールームの床にしゃがみ込む私。
------
翌日、レンの本体である香蓮の家へ向かったのだが…引っ越したそうだ。大学に問い合わせると、辞めたって…ゲームをやる余裕があるのにどうして?レンとコンタクトを取りたい…そうだ!アルフガンに行けば…
自分の部屋にも戻り、アルフガンへログインをした。ログインして直ぐ、レンへ会いたいとメッセージを飛ばした。しばらく待つと、レンがやって来た。蘭という女性とアスナって女性もだ。
「どうしたんですか、ピトさん…」
「昨日のパーティー…あれはなんだ?」
「あれですか?ここに半分がいますけど…」
半分…この3名が、そうなのか…
「あの武器は何だ?あんなスペックの武器は知らないぞ!」
「あぁ、あれは、うちの研究所の特製ですよ」
って、昨日のリーダーの声…そうか、こいつかぁ…アスナって女性だ。
「研究所ってなんだ?」
「あなたは訊くばかりですね。答えを知るには、あなたも何かを、差し出さないといけませんよ。いいのですか?」
何を差し出せと言うのだ?
「お前の命だよ♪」
昨日の男性の声…
「やぁ、神崎エルザさん♪君の命と引き換えでなら、教えてあげるよ」
何を言っているんだ?この男は…逃げないと…あれ?ログアウト画面が出ない…
「ログアウトは出来ないよ♪君の本体は、もう収納したからね」
収納…
「もう、君はその姿が基本だ。ようこそ、デスゲームに…なんてねぇ♪」
いや、デスゲームだろ?ログアウト出来ないって…
「明日のスポーツ新聞の1面は、『神崎エルザ、謎の失踪』かな♪」
何を言っているの…私はここに…あっ!ここは仮想現実世界…
「そういうことだ。でも、ここがリアルの世界だとすると、向こうが仮想世界かもしれないよ。現実と虚構は紙一重だからね」
「ここから出せ!」
「もう、無理だよ。だって、戻るべき身体が無いんだから」
身体が無い…
「だから、収納したって、言っただろ?君の本体は、ここの収納カプセルに保存してあるよ。いつでも出来る様にね♪」
コイツが私をレイプした男か…
「だとしたら?君の望みは、死と隣り合わせの戦いだろ?君の身体を供物に、願いを叶えてあげただけだよ♪」
何を言っているんだ?
「レン…どういうことだ?!」
「うん?団長の今日の説明は、分かり易いですよ」
キョトンとして私を見るレン。レンは嘘を吐けるヤツじゃ無い。じゃ…
「ようこそ!幽玄龍騎士団の下部組織、アルフガンへ♪」
「幽玄龍騎士団?」
「そうだよ。君が望む、死と隣り合わせの騎士団だよ。まぁ、アスナ、頼んだよ」
「了解です、団長♪」
あの男は去っていった。
「じゃ、入団決定ってことで、先程の答えを教えます♪あの武器は騎士団の研究所で開発中の拳銃タイプの波動カートリッジ砲と、拳銃タイプのレールガンです」
なんだって…レールガンだって…
「レールガンの射程は5Kmです」
5キロ…ビル群から森の中を狙撃したのか…
「じゃ、今日はレベル3を制覇だな。メンバーが増えたし♪」
って、メンバーの頭数に入っている私。
「本当に戻れないのか?」
「戻れませんよ。レンちゃんも戻っていないでしょ?」
ここって…夢じゃないのか…ゲーム内じゃないのかぁぁぁぁ~!
-------
翌日、ゲーム世界で、リアル世界の新聞に目を通している。確かに『神崎エルザ、謎の失踪』って見出しが躍っていた。
失踪なんかしていない。私はここにいるのに…アルフガン…導かれる者しか、手に入らないゲームらしい。あれが目に入った時点で、私の生きる道は1つに選抜されたようだ。
「まぁ、たまには本体で、任務もあるけど、こっちが本体だから、あっちがアバターって感じになるみたいですよ」
って、レン…う~ん、夢では無いのか。もうエムを虐められないか…あいつに虐められるのか…
「団長は滅多にここに来ませんよ」
来ない?なんでだ?
「言っていたでしょ?ここは下部組織で、鍛錬の場です。団長はお仕事で戦場を行き交っているので、忙しいそうですよ」
息抜き…いや、溜まっている時にだけ、ここに来るらしい。無茶苦茶にされるのか、なんかゾクゾクする。楽しみだ…